医療法施行規則の改正から知る、医療放射線被ばくの現状
2020年4月時点の内容です
胸部X線検査は、健康診断などで一度は受けたことがあると思いますが、この検査で受ける放射線被ばく量が、飛行機で東京とニューヨークを往復したときに受ける被ばく量より小さいことをご存知でしょうか。放射線被ばくに対する世間の意識は年々高まっており、診断のために必要な検査で被ばくすることを心配する方も増えています。不安なく放射線検査を受けることができるよう、医療放射線被ばくの現状をご紹介します。
はじめに
放射線利用は、現代の医療になくてはならないものとなっています。しかし、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)の報告によると、医療被ばく線量の世界平均は、2000 年は年間0.4mSv(ミリシーベルト)であるのに対し、2008 年は年間0.6mSvと増加傾向にあります。また、2008 年の日本の平均は、年間3.87mSvであり、世界平均に比べ非常に高くなっています。