『トッピーとペキタフタゴラフ』

 河原で石を拾うのが僕たちの日課だった。正確に言えば、最初のころの僕はただ兄ちゃんの日課に付き合わされていただけだったけれど、しだいに僕のほうが熱中しはじめたので兄ちゃんは僕に任せて河原に来ない日も多くなった。
≪河原で見つけた不思議な石≫というのが兄ちゃんの自由研究のテーマだ。なぜそんな内容になったかといえば、夏休みの初めにテレビで見た「ボクたちの自由研究」という番組の影響なのだった。群馬県のとある小学生が去年の夏休みに毎日近所の石切り場に出かけて、8月の終わりにとうとうペキタフタゴラフの化石を発見した。それが北関東地方でちょっとしたブームになって、今年はさらに多くの小学生が石切り場に挑戦しているらしい。
「とりけらとらとぷすのほねをはっくつしたいとおもいます」
 兄ちゃんは「それゆうんやったらトリケラトプスの間違いやろ、こいつらアホか」と馬鹿にしていたけど、そんなこと以上に、小学生のカツマタミツトシ君が発見した「ペキタフタゴラフ」の化石はカッコよかった。あれめっさほしいなあ、と言って、兄ちゃんは絵日記の1日目のところにペキタフタゴラフの絵を描いた。僕はまだ絵日記がないので新聞の間に挟まっていたチラシのなかで特別分厚かったモデルルームのチラシの裏にペキタフタゴラフの絵を描いた。
 こうして、ペキタフタゴラフ探検隊は結成された。
 次の日の朝、僕と兄ちゃんはラジオ体操が終わったその足で河原に出かけた。僕らの住んでいる近所では石切り場というものを見たことがなかったけど、だから化石が採れないと思うのは素人の考え。テレビの最後に考古学者の先生が「化石は実はいろんなところにあるんです、たとえばほらこのビルの床」と言ってカメラが大理石をアップにしたら、そこには確かにカタツムリみたいなものが埋まっていた。「ビルを掘ってはいけませんけど、たとえばほらこの石」と言って次に先生は、手に持った卵くらいの石をぱかっと割った。「トンボのヤゴの化石です」「これは僕がいつも散歩している川の河原で見つけたものなんです」
 そんなわけで僕と兄ちゃんは、河原で卵くらいの石を探しては手当たり次第に割っていった。先生が持っていた石はウグイス餅みたいな色をしていたから、きっとああいう色の卵型の石があれば一番いいのだと思う。でもそううまいぐあいには見つからなかった。
 最初は力のある兄ちゃんがトンカチで割る係だったけど、石もけっこう硬くてなかなか割れなかったりして、だんだん手が痛くなってきたようだ。それでも「タモツは危ないから割ったらあかん」と言われて僕はトンカチを持たせてもらえなかった。
 途中からは石を地面に投げつけて割ったり、大きな石を上から落として割ったりしてみた。だけど地面にぶつける方法だと割れたカケラが飛び散ってどこに行ったかわからなくなるし、上から石を落としたら今度は粉々になりすぎて、せっかく化石が入ってたとしても壊してしまいそうだった。
 とうとう兄ちゃんの手にマメができてつぶれてしまったので、それからあとはとりあえず化石の入ってそうな石を拾ってきて積み上げて、マメが直ったら1個ずつ割っていくことにした。夕方までがんばって集めたら、石はうちの居間にあるテレビくらいの高さになった。「ピラミッド1号」と兄ちゃんが名づけたので、化石は見つからなかったけど僕は誇らしい気分で家に帰った。


 あんたらどこ行ってたん!
 おかんにすぐ怒られた。兄ちゃんが「エジプトや!」と言い返したら「エジプトがどこにあるかも知らんくせによう言うわ!」とおかんが突っ込んで、「ピラミッドがあるとこやろ!」「ピラミッドって何か知ってんのかいな!」「知らんわ!」「ピラミッド言うたらお墓や!」「知ってるわ!」「さっき知らん言うたやろ!」「せやからお墓参りしとったんや!」「エジプトでかいな!」「そうや!」「へえパスポート持ってんの、ほんなら見せて」「いやや」「見せてぇな」「いやじゃボケ」「お母ちゃんにボケって言うなアホンダラ!」最後はおとんに殴られた。いつも兄ちゃんが殴られるから僕は助かってる。年功序列や、とおとんが言った。
 次の日、兄ちゃんはマメに包帯を巻いて、そのうえにタンスから見つけてきた手袋をつけてまた河原に行った。土手を越えて川のほうに降りていくと、ピラミッド1号が昨日と同じまま残っているのがわかって安心した。
 このあたりは犬の散歩の人とかジョギングしてるデブの人たちがほとんど通らないから、化石を探すにはベストスポットだと兄ちゃんは言っていた。本当に人がいないから夕方になると少し怖いけど、化石を探してるのがバレたら競争が激しくなるから、怖いくらいがちょうどいいらしい。こういうのを「アナバ」っていうらしい。
 ピラミッド1号の出来を確認して、ちょっと気になった所に2個くらい石を積んで直してから、今日はもっと大きいピラミッド2号を作ろうと決めた。
「なんやあれ!」
 兄ちゃんが向こう岸を見て叫んでいる。急に叫ぶから、びっくりして積んだ石を少し崩してしまった。向こう岸はけっこう遠くて、最初はよくわからなかったけど、指で差す方向をじっと見ていたら、河原に僕のと同じようなピラミッドがあるのが見えた。鏡を見てるみたいに、ちょうど川の反対側にできている。ピラミッド2号だ。自分の横にある1号を見ていたら、向こうのほうが大きいような気がしてきた。真似したくせに。
 僕は石を拾って、ピラミッド2号に向かって投げた。もちろん化石の入ってないような薄い石を選んだ。でもやっぱり向こう岸には届かなくて、途中でちゅぽんと河に落ちてしまった。そしたら、今度は兄ちゃんがピラミッド1号の上から石を取って投げた。カチッ、と音がして向こう岸に届いた。やった、と思いながら僕は「ピラミッドは壊さんといて欲しいな」とも思っていた。でも兄ちゃんはどうしても向こう岸の2号に石を当てたくなったみたいで、どんどん投げまくりはじめた。石は向こうに届いたり、届かなかったりして、でもピラミッド2号にだけはどうしても当てることができなかった。
 その時、向こう岸の上流のほうから人が近づいてきたのが見えた。兄ちゃんは石投げに集中していたので、その人が叫び声を上げるまで気付かなかった。
「トッピー!」
 女子の声だった。何を言ってるのか全然わからなかったけど、とにかく甲高い声で叫んで、ピラミッド2号のところまで走ってきた。守ろうとしてるんや、と僕は思った。「隠れろ!」兄ちゃんに引っぱられて、僕らは茂みのところまで後退した。
「あいつ、何て言ってた?」
「トッピー、って」
「なんやトッピーって」
「わからん」
「トリケラトプスのことかもしれんな。あいつも化石ねらってるで」
 僕らはいったん作戦タイムに入ることにした。土手を越えたところのコンビニに入ったら涼しくて、2人でしばらくマンガを立ち読みした。のどが渇いたので、トイレで顔を洗ってから水をガブ飲みしていたら、あとから入ってきた兄ちゃんが「ジュース飲みたいか」と言ってきた。ペットボトルのやつは百五十円くらいするから買えない。でも、同じ量が入っているのに紙のパックのやつなら百円で買えるから買ってやる。そう言われて僕は、トイレの水飲む前に言ってほしいわ、と思ったけど、黙って紙パックのリンゴジュースを買ってもらった。
 紙パックの口を牛乳パックみたいに開けて、そこにストローを差していたら「店の中で飲まんといて」と店員のおばはんに言われたので、嫌だったけどもう一度外に出た。
 土手の上でジュースを飲みながら、今度こそ作戦タイム。「橋を渡ってあいつを攻撃したろか」と兄ちゃんは言ったけど、低学年は橋の向こうに行ったらいけないことになってるのは僕でも知ってる。橋のところには交番があって、低学年が渡ろうとすると学校に通報される。もう少し背が高かったらいけるかもしれないけど、兄ちゃんには無理だ。特に作戦が思いつかなかったし、ジュースもなくなったので、もう一度河原に戻ってみることにした。
 茂みに隠れて偵察すると、女子はいなくなっていた。その代わり、ピラミッド2号の横に作りかけの3号ができはじめていた。「トッピーッ」と兄ちゃんが叫ぶ。「トッピーッ」僕も叫ぶ。いつの間にかあの女子の名前がトッピーということになっていた。
「トッピーのボケ!」
「トッピーのアホナス!」
 叫びやすい名前だから何度も叫ぶうちに、楽しくなって二人で大笑いした。それから、トッピーに対抗してこっちもピラミッド4号を作って、半分くらいできたところでやめた。今日は昼ごはんに帰らないと本当に怒られるからだ。帰ったら、テレビで「今日はこの夏一番の暑さ」と言っていたので、もう河原に行く気がなくなって夜まで寝た。
 夜中に起きてトイレに行ったら、この前描いて貼っておいたペキタフタゴラフの絵が落ちてしまっていた。貼りなおそうと思ったけど、刺していた画びょうが見当たらないので持ったままウンコをした。なかなか出ないので裏側のチラシを読んでいたら、写真のマンションをどこかで見たことがあるような気がした。そうや! 向こう岸のピラミッド2号のさらに向こうに、これと同じマンションがあった気がする。明日はこのペキタフタゴラフの絵を持って行こうと思って、忘れないように玄関に置いてから寝た。


 だけど結局、絵は忘れてしまった。なんでかというと、兄ちゃんが次の日の朝から熱を出して河原に行けなくなったからだ。ひとりでラジオ体操に行くのは初めてだったので、家を出る前から緊張して、それで忘れてしまった。「あれ、お兄ちゃん、どうしたん?」と10回くらい聞かれて、そのたびに「カゼです」「熱です」と答えているうちに、緊張がなくなってきた。でも、最後にウチダ君が「え、それってインフルエンザ?」と聞き返してきて、僕はよくわからないまま「熱が出てて」と言ったら、ウチダ君は「え、インフルエンザかいな、アホやなー夏休みやのに、ほんまもんのアホや」と言いながら向こうに行ってしまった。
 いったん家に戻るつもりだったけど、「お前も気いつけや、インフルエンザは移るで」とウチダ君に言われたのが気になって、そのまま河原に行くことにした。今日行っておかないと、ぜったいに向こうのピラミッドに抜かれてしまうと思ったし。
 だけど、今日はトッピーは来ていないようだった。作りかけのピラミッド3号も、そのまんまだ。そして向こう岸の向こうにあるマンションは、やっぱりペキタフタゴラフの絵の裏のチラシとすごく似ていた。ああいう高そうなマンションの玄関には、きっとカタツムリみたいな化石がたくさん埋まってるんだろう。化石の入ってる石だから、きっと高いはずだ。
 僕はピラミッド4号の建設を再開した。なかなかピラミッドらしい形にならない。1号を作った時は兄ちゃんと二人だったから早く上手にできたんだろう。だけど、それだけじゃない気もする。卵くらいの大きさの化石が入ってるっぽい石が、だんだん見つかりにくくなってきたのだ。途中で疲れたのでピラミッド1号を見なおしてみたら、4号よりもいい感じの石がたくさん使ってある。4号は、いつの間にかちょっと角ばってる石や薄い石が混じってきていて、それできれいな形にならないんだと思った。
 どうしよう。4号の形がみっともないので、だんだん嫌になってきた。壊したい。壊して最初から作り直したい。このままだと向こう岸の2号にも作りかけの3号にも負けてしまう。でも今から壊したら、今日中にもう一度最後まで作れるかどうかわからない。迷ったけど、やっぱり壊すことにして、助走をつけて4号を思いっきり蹴った。
「トッピー!」
 すぐ後ろで声がしたので僕は心臓が止まりそうなくらい驚いた。
 振り向くと、自転車に乗ったままこっちに近づいてくる女子がいて、ヤンキーだと思った。髪の毛が金色だったからだ。でもそれは、ガイジンの女子だった。石がゴロゴロしてるのに、平気で自転車に乗っている。見たことないようなタイヤの太い自転車だ。
「アッターユーブインヒア?」
 トッピーだ。僕は逃げそうになったけど、なんとかがまんした。トッピーはピラミッドを壊しに来たのだ。守らないと壊される。
「ヘイ。ハロー」
 トッピーが自転車を降りて、また言った。今のはわかった。ハロー、というのは日本語でこんにちは、という意味だ。
「ばいばい」
 僕がそう言うと、トッピーは「バァイ?」と聞き返して、大笑いした。あっちにいけ、帰れ、と言ったのに通じてないみたいだ。トッピーは自転車を河原に寝かせるように置いた。スタンドがついてないなんて変な自転車だ。
 それからピラミッド1号のほうに近づいてきた。僕はダッシュで1号の前に立って、「やめろ!」と手を広げた。トッピーが僕の顔を見る。すごく青い色の目で見下ろしてきた。僕は怒ってたのに急に恥ずかしくなった。女子に身長で負けるのは男の恥だ。
「ピラミッ?」
 トッピーが1号を指差した。僕が「ぴらみっど」と言うと、「ヤー、ブーピホーピラミッ」と言って、今度は親指を立てた。ちょっとずつ、トッピーの言ってることの意味がわかってきたぞ。僕は首を横に振り、人差し指を立てて「1号」と言う。
「イチ?」
 トッピーが僕の真似をした。
「に」
 次に僕は向こう岸のピラミッド2号を指差して、人差し指と中指の2本を立ててみせる。
 「二、オーエー、アイシー、マイピラミーッザセカンワン」
 トッピーが大きくうなずく。
「さん」
 今度も向こう岸だ。ピラミッド3号。僕が指を3本立てるのと同時に、トッピーは
「エン、ディシーザフォースピラミッ」
 と言って4本の指を立てた。
「ライ?」
 そう聞かれた僕は、考える前に答えていた。
「らい!」


 トッピーが来たことは、兄ちゃんには話さなかった。帰ってもまだ熱があったから寝ていたし、それに、話したら「俺も行く」と言って明日にでもついてきそうだと思ったからだ。そんなことになってインフルエンザがトッピーに移ると良くないから、しばらくは黙っていることにした。ピラミッド5号の建設に着手しはじめていることも、もちろん内緒だ。
 トッピーは、僕が壊した4号の修理を手伝ってくれた。あの自転車があるのが大きかったと思う。遠くからでもたくさんの石をカゴに入れて一気に運ぶことができたからだ。この方法をやるためには、2人がかりでないといけない。スタンドがないから、ひとりが自転車のハンドルを持って支えて、もうひとりが石を拾ってカゴに入れる。そして、重くなった自転車を倒れないように2人で支えて建設現場まで戻る。
 最初はトッピーが自転車の係で僕が拾う係だったけれど、途中で交代してくれたので、ちょっと漕いでみた。石の上なのにすごく楽で、むしろでこぼこしている場所のほうが乗っていて楽しいくらいだった。あんまり長いこと乗っているので、トッピーが怒ったほどだ。
 ピラミッド4号が完成したあと、僕たちは拍手した。すると、トッピーが手を差し出した。握手しようと言っているのはわかったけど、女子の手を握るなんて男の恥だ。とか思ってるうちに、トッピーがもう一方の手で僕の腕を掴んで、無理やり握手させた。色が僕より10倍白いのは最初からわかってたけど、柔らかさは百倍以上だ。その夜、僕は右手を湯船につけないように気をつけた。
 次の日、今度こそペキタフタゴラフの絵を持って出かけた。だけどトッピーは、しばらくして向こう岸に現われた。
「ハロー」
「はろー」
 と言ってから、向こうで3号の続きを始めた。たしかに、4号が完成したのに3号ができてないのは変だ。トッピーは黙って石を運んでいる。自転車を使えばいいのに、と思ってから、そうか、ひとりじゃだめなんだと気付いた。
 トッピーは僕に手伝ってほしいはずだ。だけど、僕は向こう岸に行けない。
「トッピー!」
 僕が声を掛けると、トッピーは手を止める。それ以上何も言えないので黙っていると、また石を運ぶ。
「トッピー!」
 今度は、ペキタフタゴラフの絵を見せた。
「ペキタフタゴラフ!」
 トッピーは両肩をすくめて、何も返事をしない。僕がもう一度「トッピー」と呼ぶと、なぜか急にこっちに向かって石を投げてきた。石は河のなかにちゅぽんと飲み込まれた。トッピーは怒ってる。僕は何もしてないのに。ひょっとしたら、僕がペキタフタゴラフを探してるのを知って、敵だと思ったのかもしれない。
「トッピー! 違うねん!」
 だけど、もうトッピーは返事をしてくれなかった。家に帰って、ご飯を食べている時、僕は兄ちゃんだけじゃなくておとんとおかんもチビだということに気付いた。トッピーくらい背が高かったら、向こうに行けるのに。こんな家に生まれてしまったのが悲しくて、布団の中で涙が出た。
 次の日はラジオ体操に行ってそのまま家に帰った。でも、ピラミッドとトッピーのことが気になってしかたなかった。昼ごはんを食べてから、僕はやっぱり出かけることにした。たぶん、その時に兄ちゃんが気付いてたんだと思う。
 驚いた。向こう岸には、ピラミッド3号のほかに新しい6号が完成していた。しかも、その次の7号も半分以上できかけている。こっちの5号が完成してないのに、ひどい。
 しばらくして、向こう岸にトッピーが来た。トッピーだけじゃなかった。誰かと一緒に自転車を押している。その誰かは、僕に気付いて
「ハロー!」
 と大きな太い声で言った。男だ。トッピーと同じヤンキーみたいな髪の色で、トッピーよりすごく背が高い。
「ヘーイ! ハロー?」
 トッピーと男が、何かを話して笑ったのが見えた。
 僕は石を掴んで投げた。作りかけの5号の石をどんどん投げて、なくなるまで投げた。けど、向こう岸にはぜんぜん届かない。4号を蹴って崩したらゴチンと変な音がして、やっとトッピーがこっちを見た。けどトッピーが反応したのはそのときだけで、あとは男と協力しながら着々と7号の仕上げに集中しているようだった。僕は1号に飛びついて壊しながら投げていた。もう、どっちの方向に投げているのか自分でもわからなくなっていたけど、めちゃくちゃに投げまくった。
 トッピーが、倒れた。
 男が何かを叫んで、トッピーに駆け寄ったのが見えた。
 当たった!?
 僕は投げるのをやめた。男はトッピーを抱きかかえようとしたけれど、また石が飛んできたのに気付いて、後ろに下がった。僕の横で兄ちゃんが石を投げ続けていた。
 向こう岸の男は、わめきながら自転車に乗って走り去った。残されたトッピーは動かない。
「トッピー」
 僕は呼んでみた。動かない。
「エジプトみたいやな」
 と兄ちゃんが言った。

(終)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?