曲の終わり方の書き方
瞼を閉じると、光の残像が見えるように
瞼を閉じると、音の残響が聞こえたりします。
広いホールで演奏された楽曲の、ドラムの最後の
「ダンッ」という音は、「ダンッ」という短さで終わりますが、
その「ダンッ」が空気を震わせ、振動となり、ぼくらに届くのと
別に、ぼくらを軽々と飛び越え壁に「ダンッ」とあたって
跳ね返った小ぶりの「ダンッ」や、それがまた壁にぶつかりもっと小ぶりの「ダンッ」としてあちこちからみんな遅れてやってきて、
最初の「ダンッ」に追い鰹のよろしく、音の上乗せがされていって
ダン ダンッ ダンッ(ぼわーん)
と耳の中で広がります。残響音というやつです。
それを擬似的に作り出すことによって曲に広がりや余韻、情景に、迫力など
様々な表情をのせることができます。
エコー、リバーブ、ディレイ……などどこかで耳にしたことありますよね。
それとは別に、音楽の終わりかたは、大きくわけて2つあります。
ひとつはフェードアウト。もうひとつはカットアウト。
要するに曲が終わっているか、終わっていないか、です。
曲が終わってないんだけど、「ボリューム」が小さくなっていって最後は聞こえなくなった時点で曲が終わった、とするのが
フェードアウト
曲が曲として完結し、演奏が終了することで曲が終わった、とするのが
カットアウト
ラジオでは音楽をかけますが、キューシートとよばれる進行表には
かける音楽の曲名、演奏者名とともにその曲の長さと「終わり方」を表記します。とくに終わり方が書いてあると
しゃべり手もミキサーさんもADも流れをイメージしやすくて
みんなにとても優しいです。(必須です)
フェードアウトはFade Out → F.O. とかF/OとかFOとFoとかfoとか
ふぉ(よくある打ち間違え)とか書きます
カットアウトはCut Out →C.O. とかC/OとかCOとかCoとかcoとか
cお(よくある打ち間違え)とか書きます。
が、ここで例の残響が登場です。
ジャン!!! と派手にドライにわかりやすく終わってくれたら
カットアウトですが、
ジャーンはどうしましょう。
ジャーーーーーーンはどうしましょう。
ジャンンンン なら?
カットアウトなんだけど、余韻が残ってだんだん「聞こえなくなる」ような曲をフェードカット、カットフェードと呼んでいます。
表記はFC, CF, F/C, C/F F.C. C.F. などなど
このCOとFCの違いに個人差があるから面白い
さらにいうと曲が終わった後にガヤガヤとした効果音が入っていたり
拍手が入っていたり、なんとも言えない終わり方もとても多い
そこで
FC/拍手 FC/SE
あるいは、なんとなく曲終わって余韻の途中で切り上げとかないと
最後ブツっとトラック変わったり次の曲と繋がってたりするから
細かいことは言わんがこのあたりでCD止めといたほうがいいよ、
という意味で
FC/
と私は書いたりします。
ちなみに
Creepy Nut「Bling-Bang-Bang-Born」はCO
あいみょん「会いに行くのに」はFC
Vaundy「タイムパラドックス」はFCとみせかけてCO
と書いてます
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