改めまして、戸山 文です。
おはようございます。
いきなりですが、「不思議の国のアリス」に「ドードー」という鳥が出てくるのをご存じですか?
うろ覚えですが、ぐるぐるレースというのです。
ドードーの周りをアリスと動物たちがぐるぐる回って体を乾かす。そんな場面だったと思います。
アリスは本当はウサギを追いかけなくてはいけないはずなのに、周りの動物やドードーの歌に流されて、ぐるぐる回りつづける。まさに堂々巡り。確かドードーって実在する鳥だったっけ。外国の話なのに上手いこと言うなあ。そんなことを考えていました。
私の毎日も、いや、人生もそんな感じでした。
先を見る余裕もなかったので、まさに今しか見えない堂々巡りだったのです。
よくわからないけれど転校ばかり繰り返し、新しい小学校に馴染まなければいけなかった。中学校は盛大にいじめられた。高校から先は神経過敏。大学は不景気と恋愛のことばかり。社会に出たらクビにならないよう死に物狂い。
夢のない人生です。ヒップホップ育ちでも、ヒッチハイク世界一周でもない。
そのぐるぐるレースが、ピタリと止んだのが出産でした。
あ、止まって道が開けたわけではないです。
乳飲み子を抱え、私は病んだ。
今、8歳になる娘は赤ん坊の頃、それはよく泣く子でとにかく抱っこしていなければ狂ったみたいに泣いていました。
新米の母親なら、惨敗するのが目に見えている赤子でした。
寝不足と腱鞘炎、眠った赤子を置くこともできず、窓の外で進む社会に置いて行かれたような気がして「私、何やってるんだろう」とつぶやく。
今なら「睡眠不足だから、赤子を預けて眠りなさい」とアドバイスしますが、当時は大真面目。
人生の堂々巡りから、思考の堂々巡りに突入です。
思うようにいかない育児と、自分の欲求の板挟み。あれ、何かに似ているこの感じ、と思ったのが「思春期」でした。
「私、何なのかしら」ばかり考え、気持ちの浮き沈みが激しかったあの頃。絵が下手くそなので、授業中はノートのすみっこに文を書いていました。思いつきのかっこいい言葉、詩、とりとめもないこと。一見、メモに見えるので先生には怒られない、便利な暇つぶしです。恥ずかしいので読み返したくはないけれど。
思春期セカンドシーズン。
手近にあった育児日記を引っつかみました。
いつ、授乳して、排便して、眠って、を時系列で書かれているあのノートにも、すみっこがちゃんとありました。
そういえば、書くと気持ちが楽になれた。そもそも文を書くのが好きだった。
ぐるぐるレースで忘れていたけれど、私にも好きなことがちゃんとあった。それを、思い出したのが2011年。何周目かの堂々巡りで、私は好きなことと再び巡り合うことができました。
育児日記のすみっこが、Twitterになり、少し長めの物を書きたくて今はnoteのすみっこにも居場所をお借りしています。
一度忘れた好きなことを、続けていきたいです。
改めまして、戸山文です。
どうぞよろしくお願いします。
戸山 文
Twitterアカウント
https://twitter.com/toyamahumi