〈富山アイコニック®︎〉 豊かな時間へ
もうひとつのかたちを追い求めて。〜vol.3〜
2021コレクションに向けた商品開発テーマとなったのは「豊かな時間の過ごし方」だ。時代にあったラグジュアリーなライフスタイルを咀嚼すると、さまざまな時間の中で「豊かに過ごすこと」に行き着いた。例えば、朝食のひとときを大切にするための器があってもいい。週末のブランチを楽しむためのカラーを見つけ出すことも必要だった。見ていて気分が上がるような要素も欲しいと思った。リラックスの中に高揚感のある形状や色、質感を見つけていくことがフォルムとともに求められた。
手探りで ボウル を作り出す。
例えば朝食のときに最も使いやすいかたちはどういうものだろう?サラダやヨーグルト、フルーツにスープなど、いろいろ使えてちょうどいい大きさはどのくらいだろうか?イメージを少しずつ膨らましながら、手探りで作り始めたのがこのボウルだ。使いやすく、しかし決してカジュアルすぎないこと、見た目にも特徴がある〈富山アイコニック〉らしさも求められた。ガラスの色合いも数多く試されグラスとの相性や単体でのエレガントさなど、何度も作り直しながら検討された。宙吹きをしながら細かな泡を入れていく技法は新たに富山の自然を表現することに結びついていった。こうして、120mmのボウルが少しづつ製品として昇華していった。クリア、ゴールドイエロー、そして新色となるモスグレーのカラーバリエーションは、2020コレクションともマッチする色となった。
高いクオリティの平皿を目指して。
時間が経つにつれ作家たち個々に、あるひとつの方向性も見え始めていた。他にも料理の映えるようなアイテムを作ってみようということになり作られたのがこの平皿である。スケッチの上で、なんとなく見えていたかたちを、大きさや深さ、プロポーション、使いやすさなどから検証していった。自然を表現する細かな泡を入れてる位置、底面の仕上げなどは思ったより難しく手間もかかった。泡を入れる仕様を変更した方がいいかもしれないという意見も出るほどだった。「いや、できると思う。もう一度作ってみよう」と諦めずに挑戦を続け技術的な工夫も作家同士で重ねた結果、ついに170mmと200mmの平皿が完成した。平皿はフラットプレートと名付けられボウル同様に、クリア、ゴールドイエロー、新色のモスグレーの3色で展開することになった。〈富山アイコニック〉のギフトとしての楽しみも充分に満たしてくれるアイテムとなったのだ。〜料理編へつづく〜