【茗荷谷山城:富山県上市町】尾根に堀切が散在する天然の要害・土肥氏の詰城
富山県上市町の茗荷谷山城へ登る動画を作成したので、その内容を振り返ってみたいと思います。
城跡の詳細や写真などは、以下のサイトをご覧ください。
茗荷谷山城は、標高446mの城ヶ平山という険しい奥山に築かれています。伝承では、弓庄城の土肥氏の詰めの城。山頂からの眺めが大変よいので、休日ともなると大変多くの登山者が訪れる人気の山です。
登山道は、西の大岩集落から、南の浅集落からと、東の西種から登る三つのルートがあります。大半の登山者は大岩の日石寺側から登るので、駐車場は混在します。まずは城の東側、西種から登ってみましょう。
まず最初に訪れたピークですが、いくつかの平地が確認できます。畑の跡でしょうか? 実はこの西側に堀切が存在します。ここはどうも砦の跡ではないかと思われるそうです。
ともかく、城ヶ平山を目指しましょう。途中、ハゲ山との分岐を越えると、しきりと登山者に出会うようになります。人気の登山コースなんですね。
ここは浅生集落へ降りる分岐点。これを降りれば、あの有名なアニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」のモデルになった古民家があります。
さて、前置きが長くなりましたが、茗荷谷山城の東端の堀切へやって来ました。
さらに大きな堀切があります。岩が剥き出しです。立派な堀切ですね。
山頂が近づいてきたきました。北の尾根を断ち切りる巨大堀切にやってきました。
この大堀切から北、通路を狭める竪堀と、櫓台が存在ます。ところが藪がひどいです。さらに北側にある堀切を目指したいところですが、これはかなり苦労しそうです。別の機会としましょう。
さあ、山頂は目の前です。山頂の郭は三つに分かれています。この浅い堀切でまず分けられています。
更に、主郭手前の堀切です。
そして、やっと主郭に到達しました。
なんと素晴らしい眺めでしょうか。西は富山平野、能登半島方向が見渡せます。また東は立山連峰の眺めが素敵で、この日も多くの登山者が訪れていました。
主郭は、ほぼ自然地形で、そこまで削平はされていません。あくまで臨時の城だったのでしょうか。
何か敷石っぽい石がありますが、気になりますね。
さて、今度は西側、大岩から尾根を登ってみます。
まず、一番西の端にある堀切です。
ピークを過ぎて、さらに堀切があります。
次に緩やかな平地と、切岸、堀切があります。平地をすぎると、二段の切岸が認められます。そして堀切です。
山頂が近づくと、主郭の南尾根にはいくつかの削平地が認められます。
登っていきましょう。険しい岩場です。
天然の防御設備ですね。かつて土肥氏の兵士たちもここを踏み越えて行ったのでしょう。
主郭手前の削平地です。かなりきちんと削平されています。主郭もこれぐらい削ればいいのに。
山頂前の切岸です。これを越えれば山頂です。
ご覧のように、茗荷谷山城の防御はほとんどが堀切によるもので、明確な虎口や通路がありません。同じく土肥氏の詰城、千石山城には虎口が認められますので、それよりも古い時代の城郭なのでしょう。