立山の自然に溶け込みながら。富山で叶えるアウトドアな働き方
こんにちは!富山県出身、5年前に関西からUターン移住をしたライターのchiharuです。
コロナ禍における在宅勤務やテレワーク拡大にともない、場所にとらわれない"新しい働き方"が推進される中、改めて"地方移住"を検討し始めた方も多いのではないでしょうか?
最近では、"ワーク"と"バケーション"を組み合わせた造語で、休暇を楽しみながら仕事をする「ワーケーション」という言葉も話題に。富山県においても、ワーケーションを観光に取り入れる自治体が増えるなど、ますます多様な働き方への注目が集まっています。
今回は、そんなワーケーションにも対応し、アウトドアな新しい働き方を提案している富山県立山町のシェアオフィス「KOTELO(コテロ)」をご紹介します。
自然に囲まれた山のオフィス「KOTELO」とは
雄大な山々に囲まれた立山町芦峅寺(あしくらじ)、廃校になった小学校の校舎を活用したシェアオフィス「KOTELO(コテロ)」。富山市のITサービス企業「株式会社フクール」運営のもと、2021年9月に新たな可能性を生み出す場として誕生しました。
2階建てのオフィス内では、図工室や音楽室、理科室、コンピューター室など、小学校ならではの良さをそのままに、コワーキングスペースや交流スペースとして新たに生まれ変わった教室を自由に利用できます。小学校でワーキング(働く)って、なんだかワクワクしちゃいますね!
実は「KOTELO」がある立山町芦峅寺は、平安時代から伝わる"立山信仰"の拠点として栄えた、歴史と信仰の深い地域。「立山に登ることで、天国と地獄の世界を体感でき、新たな自分に生まれ変われる」という"立山信仰"を布教し、江戸時代には全国各地から毎年多くの登山者を迎え入れていたのだとか。
「誰もが新しい自分に生まれ変われる」というパワーを秘めた"芦峅寺"と、ワクワクと可能性あふれる"小学校"の掛け合わせって、ちょっと凄くないですか?
ちなみに、「KOTELO」はフィンランドの言葉で"サナギ"という意味。サナギが蝶になるように、美しくたくましく、遠くまで羽ばたいていく……そんな「新しい自分になって羽ばたいていく場所」というコンセプトが込められているんですって。
自然の中で思いのままに。五感で楽しむワークスペース
「KOTELO」の教室は、どれも個性豊かで遊び心があります。
まず、ワークスペース・会議スペースとして利用できる教室。
どこか見覚えのある机と椅子。チョークと黒板。そして、懐かしいこの雰囲気。母校ではないものの、小学校という独特な空間は、一気に子供の頃の記憶を呼び起こしてくれます。
教室名札には、雄山や室堂、みだが原など、立山の地名が付けられているのが面白い特徴。立山に詳しくなれるかも!?
《教室 みだが原》
《教室 千じゅがはら》
次に、コワーキングスペースとして利用できるコンピューター室。
仕事も捗りそうな作業スペースと、窓際にはおしゃれなコミュニティスペースがあります。さまざまなチェアが用意されているので、その日の気分で、好きなチェアを選んで仕事できるのが魅力!
《コンピューター室(コワーキングスペース)》
こちらは、アイディア出しの部屋。
一つひとつ手作業で作られたラグと、大きな積み木があちらこちらに。仕事をする部屋とは思えない、遊び心とユーモアたっぷりの空間です。
ゆったりラグに座り、リラックスしながら会議することで、良いアイディアやひらめきが生まれるかも。積み木を触りながら考え事をするのもオススメなのだそう!
《教室 雄山(アイディア出しの部屋)》
続いて、図工室。
絵を描いたり、粘土をこねたり……図工室にある道具は、全て自由に利用できます。仲間とアート作品を生み出す、なんて素敵なことも出来ちゃうかも!仕事に行き詰まったときの気分転換にもピッタリですね。
《図工室》
本好きにはたまらない、図書室もあります。
本棚には、「KOTELO」を訪れた企業家さんたちがオススメする書籍をはじめ、小説から歴史本、自己啓発本、絵本まで、バラエティ豊かな本がずらり。ゆらゆら揺れるローチェアで、のんびり読書を楽しめます。仕事の合間にちょっとだけ……のつもりが、ついつい夢中になっちゃうかも!?(笑)
《図書室》
《図書室》
「一人でじっくり集中して作業したい!」そんなときは、教具室をリノベーションした個室ブースがオススメ。
周りの目を気にせず仕事に没頭できる2.5畳の個室。女優ライトも完備されているので、オンラインミーティングにも最適です。
《教具室(フォンブース)》
他にも、理科好きな少年スティーブンの部屋をイメージしたワークスペースや、「kaki cabinet maker」プロデュースの、職人のシゴトを感じられるワークスペースなど、大人も好奇心や冒険心をくすぐられる部屋がたくさん!
きっと、いつもの仕事がワクワクする。そんな非日常を五感で楽しみながら、"働く"を体感できるのが大きな魅力です。
《理科準備室(スティーブンの部屋)》
《図工準備室(kaki cabinet makerの個室)》
働き方は無限大!新たな自分に出会える場として
「KOTELO」最大の魅力は、やっぱり立山の自然。
豊かな自然に囲まれた山のオフィス「KOTELO」では、木々の葉が風に揺れる音や小鳥のさえずり、川が流れる音……都会にはない静けさと穏やかさを感じることができます。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色。
校舎の窓から見える四季の移ろいも、ここならではの楽しみの一つ。
広い校庭には、猿やカモシカが遊びに来てくれることもあるのだとか。
《校庭の景色》
天気の良い日には、校庭がワークスペースになることも。
机と椅子をセッティングすれば、大自然テラス席の完成。淹れたてのコーヒー片手にパソコンをカタカタ……気分もリフレッシュできて、仕事が捗りそうですね。
自然の中に溶け込むように、働くを楽しむ。
「KOTELO」では、穏やかに流れる時間の中で、きっと自分らしい働き方を見つけることができますよ。
KOTELO
《住所》富山県中新川郡立山町芦峅寺8
《営業時間》10:00~18:00
《定休日》土日祝
《駐車場》約30台
《公式サイト》https://www.sanagi.net/
《給食室》
まとめ
今後さらに多様化していく働き方。いつものオフィスを抜け出し、新しい感性に触れられるワーケーションは、「仕事を楽しむとは?」「自分らしく働くとは?」を考えるきっかけになるのではないでしょうか。
今回ご紹介した「KOTELO」では、近くの立山博物館で歴史を学んだり、地元の食堂やカフェでランチを食べたり、そんな地域や人とのふれあいもまた、新たな気づきや出会いに繋がっているのだろうと感じました。ぜひみなさんも、アウトドアな働き方ができる富山で、新しい自分に出会ってみてはいかが?
【ライタープロフィール】
Chiharu
1985年生まれ。富山県出身。18歳で関西に上京し、大阪・京都・奈良にて12年間を過ごす。30歳のときにUターンで富山に移住。現在、小学生の男の子1人を育てるシングルマザー。