【Iターン取材】富山が大好きすぎる弁護士。
みなさん、こんにちは!富山オタク”ことちゃん”です。
富山で働く面白い人たちをご紹介していきます!
今回のお相手は、東京から富山へIターン移住し、弁護士として働きながら企業の新規事業立ち上げ支援などを行う伊藤建さんです!
■伊藤 建(いとう たける)氏
弁護士/日本海ガス絆ホールディングス株式会社4D推進室室長
東京都出身。
3つの法科大学院で非常勤講師を務める他、法律関係の本を出版。
司法試験プラットフォームBEXA(ベクサ)を創業。企業の経営改革にも携わっている。
富山市内のインキュベーション施設HATCHにて起業アドバイザーを担当。
▶ 地方暮らしを思い描いたきっかけ。
東京都心部での生活を送っていた伊藤さんが、地方での暮らしを意識し始めたのは司法試験を控えた大学院生のとき。
2011年3月11日に起こった東日本大震災がきっかけでした。
自転車で大学院に向かっていた時、突然大きな揺れに遭遇。
伊藤:震災が起きたとき、都内は大混乱でした。この先、暮らしはどうなるのだろう?と漠然とした不安を感じました。
それが、このまま都会暮らしでいいものなのか。と最初に思い始めたきっかけでした。
数年後、社会人になり就職先の研修で、宮城県石巻市へ被災地支援に向かった伊藤さん。
📷:宮城県石巻市での写真。
伊藤:地方との出会いはこの時が初めてでした。
石巻市を訪れた時、僕の故郷でもなんでもないのに懐かしさを感じました。
当時、東京での暮らしは、ビルが建ち並ぶ街で、狭いマンションの部屋と職場の往復だけの生活でした。
激務の中、お給料の半分ほどは家賃に消えていく。心にもゆとりがなく、なんだか人間らしい暮らしができていないのではないかと感じていました。
そんな日々を過ごす中での石巻市訪問だったので、地方の広々とした景観や、自然とのふれ合いの中で、パワーをもらえたのです。
地方での生活っていいなと強く思いました。
📷:石巻市での田植えの様子。
その後、地方暮らしへの想いが募る中、伊藤さんはさまざまなご縁から富山に足を踏み入れるのでした。
▶ 富山が大好きすぎる!
伊藤さんは、声を大にして「富山が大好きすぎる!」と宣言。
最初に富山を訪れたときに、地方ならではの自然の豊かさに魅力を感じたのはもちろんのこと、『都市の理想』も富山にはあると感じたのだとか。
伊藤:富山駅で降りて、まず目に入ったのは“ライトレール”のかっこよさです。
正直、富山はものすごく田舎だと思っていたので近代的なライトレールが街中を走っている“都市”らしさに驚きました。
気になってライトレールのことを調べてみると、富山市の『コンパクトシティ政策』のことを知り、これからどんどん進化していく地方都市なのではないかとワクワクしました。
富山は、雄大な立山連峰の景色も美しく、自然がすぐ近くにある環境です。
まさに豊かな自然と調和する『都市の理想』を感じました。
[※コンパクトシティ政策:公共交通整備を軸に、郊外に居住地域が広がるのを抑え、できるだけ生活圏を小さくした街の実現を目指す富山市の政策。]
📷:富山市内のライトレール(路面電車)が、かっこいい!
すっかり富山にほれ込み、移住先を富山に決めたのでした。
▶ 弁護士であり起業家。
伊藤さんは2015年に、司法試験に挑戦する受講生と講師のマッチングを行うプラットフォームサービス『BEXA』を立ち上げ、起業家としての一面も持っています。
伊藤:法科大学院で講演会を開催していたとき、告知は自分のTwitterを使って行っていました。
資格試験予備校の看板ではなく、僕個人の発信を見て講演会に来場している学生さんが多かったのです。
学生たちが「誰から教わるか」という”人”に注目しているからこそ、予備校ではなくてプラットフォームでいいのでは?
そう考えて、資格試験プラットフォーム『BEXA』を創業しました。
予備校に通って学ぶことが一般的という従来までの司法試験の勉強の仕組みに大きな変革をもたらしたBEXAは、創業当時業界でも大きな話題になったそう。
伊藤さんは、『BEXA』でのITを使った業務変革の経験を活かし、企業のデジタル改革(DX)にも取り組んでいるそうです。
📷:数々の講演会への登壇している伊藤さん。
▶ 夢を叶えたい人を応援できる場づくりを。
伊藤さんは、富山は夢を叶える場所にはもってこいの場所だと話します。
伊藤:富山は、自分の夢を叶えている人たちが多いなと思いました。
例えば美容室ひとつを見ても、土地・建物からすべて店主自身のお店で、広々とした空間でお客さんを招き入れています。
まさに自分のお城を持っているようなものですよね。
広い敷地があって、土地が安いという大きなメリットがあるからこそだと思います。
東京で暮らしていた僕の価値観としては、お店を持つ=ビルや空きテナントに1室を借りて開業するというイメージだったのでびっくりしました。
地域を一枚のキャンバスに例えるなら、都会は描き加える余白がなく、既に隅々まで絵で埋め尽くされてしまっています。
でも富山は、なにか描いてあるけどまだ白地がたくさん余っているというイメージです。
自由に絵を描ける余白があるということは、自由に挑戦できる可能性があることだと思っています。
伊藤さんは、富山から新しいことに挑戦したい人たちのコミュニティの場をつくりたいと考え、2020年12月に富山市内にHATCH(ハッチ)というインキュベーション施設(起業支援施設)をオープン。
HATCHでは、伊藤さんが所属する日本海ガス絆ホールディングスグループが、起業や新規事業にチャレンジする人たちのサポートを行っており、伊藤さん自身も起業アドバイザーとして参画しています。
📷:HATCHでのイベント時の様子。
伊藤:僕は富山というキャンバスを、都会と同じような絵に仕上げたくはないと思っています。
みんなでまったく新しい絵を描いていきたいです。
HATCHが富山発のトレンドを巻き起こすきっかけの場所になれば嬉しいですね。
HATCHはビジネスプランを発表して磨き上げたり、志を同じくする仲間たちと出会えたりと、富山の新しいパワーが集まる場所となっています。
▶ 富山は日常生活のクオリティが上がる!
富山での暮らしに大満足しているという伊藤さん。
伊藤:僕の富山のお気に入りスポットは、雨晴(あまはらし)海岸です。
富山湾と立山連峰の絶景を同時に見ることが出来ます。
天気によって立山連峰の見え方が変わるのも、富山暮らしの楽しみのひとつですよね。
東京での暮らしは、景色が変わらないんですよ。変わるのは、天気だけです。ビルに囲まれた狭い空に、緑は公園の木々くらいでした。富山の自然は本当に贅沢だと思います。
立山連峰が綺麗に見られる日は、気分が上がります。創造性も刺激されますね。
その上に富山は土地も安く、広い家を持てるのでゆったりとした生活ができます。暮らしのクオリティが上がります!
心にゆとりも生まれ、優しい気持ちになれますよ。
📷:伊藤さんお気に入りの高岡市 雨晴海岸。
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自身の持つスキルを活かし、新しいトレンドを巻き起こしていく伊藤さんの挑戦は続く…!
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
【ライタープロフィール】
▷ 德田 琴絵(富山オタクことちゃん)
1992年生まれ。富山県南砺市出身、砺波市在住。
生粋の富山っ子。自称『富山オタク』!
趣味で、富山でアクションを起こす人に注目したメディア『#トヤマビト』をつくる。
富山市内のインキュベーション施設HATCHのスタッフとしてイベント企画や広報、コミュニケーションサポートを担当。
2021年5月10日(ことの日)にフリーランスデビュー。
ライターとして、富山の魅力発信の活動の幅を広げるべく奮闘中!