【Iターン取材】縁もゆかりもなかった富山は、知れば知るほど魅力的だった。
みなさん、こんにちは!富山オタク"ことちゃん"です。
富山で働く面白い人たちをご紹介していきます!
今回のお相手は、東京の大手銀行を退職し、まちづくり会社を設立するために2019年に富山県に移住した中谷幸葉さんです!
■中谷 幸葉(なかや こうよう)氏
株式会社TOYAMATO(トヤマト)取締役
茨城県出身。大学進学を機に上京。
早稲田大学卒業後、三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)に就職。
法人営業を経て、その後M&Aのアドバイザリー業務に従事。
TOYAMATO設立と共に、2019年に富山へ移住。
▶ 両親への憧れ。
📷:田んぼに囲まれた自然豊かな環境でのびのびと育った中谷さん。
茨城県出身の中谷さん。幼い頃の夢は、学校の先生になることだったそうです。
中谷:両親が学校の先生で、幼い頃から父に連れられて小学校の授業の見学に行っていました。その時見た父の働く姿をかっこいいと思いました。
両親は、卒業した生徒たちから近況報告を受けることもよくありました。
たくさんの人の人生にこんなにも影響を与えられる職業があるんだ!と感動して、僕も将来は両親のようになりたくて学校の先生を目指し始めました。
早稲田大学に進学と同時に上京。教員免許を取得してすぐに教育現場に入るのではなく、「社会に出る前の人たちを教えるためには、まずは自分が社会のことを学びたい。」と考えていた中谷さん。大学卒業後、都内の大手銀行に入社しました。
📷:大学ではサッカーに熱心に取り組んでいたそうです。文武両道!
▶ 後悔のない人生の選択を。
社会人になり、銀行員としての仕事は順調。1年目から取引先の社長や経営者とコミュニケーションを交わすことも多く、刺激的な日々を送っていたそう。
中谷:ある時、尊敬する経営者の方と僕の将来の夢の話をしました。
「両親のように、たくさんの人の人生に影響を与えられるような教員になりたい。」と。
それを聞いた経営者の方からは、「少しでも多くの人に影響を与えたいのであれば、将来の選択肢は教員への道だけではないのでは。」と返ってきました。
この出来事は、将来の夢について改めて考え直すきっかけとなりました。
僕はだれになにを与えたいのか。
ずっと先の未来に残るような事業をつくっていきたい。例えば、僕が人生を終えた後の未来を生きる子どもたちに喜びを与えられるようなことができればいいな。
漠然とそう考えるようになりました。
そして、中谷さんに転機が訪れました。
富山にルーツを持つ丸井創業者 青井 忠治(あおい ちゅうじ)氏の孫である実業家、青井 茂(あおい しげる)氏との出会いです。
東京生まれの青井氏は、大学時代に初めて富山を訪れた時に豊かな文化や自然に心を奪われたそうです。
富山に惚れ、仲間と共に『100年後にも残る文化』を富山で創っていきたいと考えていました。
そして中谷さんと出会った当初、地域に根付き135年の歴史を持つ北日本新聞社と、富山出身のプロ野球選手である 石川 歩(いしかわ あゆむ)選手とタッグを組み、TOYAMATOというまちづくり会社を立ち上げることを計画していました。
「世界一ワクワクするまちにしたい!」そう一点の曇りもない笑顔で熱く語る青井氏の人柄やビジョン、新しい挑戦に、中谷さんは心を動かされたといいます。
中谷:僕が追いかけたいものがそこにある気がしました。
青井さんと一緒に働きたいと強く思いました。
僕には、人生の選択の軸にしているキーワードがあります。ドロップボックス創業者のドリュー・ヒューストンが話した『人生を良くするコツ』の3つのキーワードです。
①テニスボール:犬がテニスボールを一心不乱に追いかけるように、自分も追い求めたくなるものを見つけよう。
②サークル:自分の周りに尊敬する人を招き入れて、刺激的な環境をつくろう。
③30,000:人生は30,000日しかないと自覚すること。後悔のない人生を過ごそう。
青井さんのように尊敬できる方と、一心不乱に『100年後も残る文化』を一緒に追い求めていきたいと思ったのです。
反対する周りの人たちも多かったです。しかし、銀行員という安定の職業を辞めてでも、富山で新しいチャレンジを始めたいという気持ちに迷いはありませんでした。
こうして、中谷さんは富山県への移住を決意しました。
📷:2020年1月株式会社TOYAMATO設立 記者発表の様子。
右から北日本新聞社 駒澤社長、千葉ロッテマリーンズ 石川歩投手(富山県出身)、TOYAMATO青井茂社長、中谷さん。
▶ 富山での新たな挑戦。
2019年秋、株式会社TOYAMATO設立に向けて富山に移住した中谷さん。
住民票の手続きのために訪れた窓口で、心あたたまるエピソードがあったそうです。
中谷:窓口の職員さんが「東京から移住ですか!」と驚きながら、とっても喜んでくれたんですよ。
僕がこれから富山で挑戦したいことを話すと、熱いエールをくれました。
富山の人はあたたかいなと感じました。一瞬で富山が好きになりましたよ!
中谷さんは、TOYAMATOを通して富山をどんな街にしていくのでしょうか。
中谷:僕たちは、富山を世界一ワクワクする街にしたいです。
100年後のこどもたちのために、人が集い続けたいと思える街をつくる。
そのために、富山ならではの魅力的な事業をつくっていきたいです。
よそ者だからこそ分かる、人のあたたかさや自然の豊かさといった富山の魅力があると思います。
特に立山に訪れたときの山々の迫力溢れる絶景には感動しました!
文化や歴史、大自然など、富山が持つ“財産”を最大限に活用して、たくさんの人に富山の魅力を伝えていきたいと思います。
📷:立山室堂の登山道から見える景色。
▶ まだ知られていないからこその富山の“ポテンシャル”。
富山に拠点を移そうとお考えのみなさんへ、中谷さんからメッセージを伺いました。
中谷:縁もゆかりもなかった富山ですが、訪れてみて強く感じたことがあります。富山には“ポテンシャル”がある!
ポテンシャルとは、潜在力や可能性のことです。
僕は東京で「金沢は行ったことあるけど、富山は行ったことがないな。」と話す人とたくさん出会いました。みんな富山のことをまだ知らないだけなのです。
僕自身も訪れて初めて感じた 人のあたたかさや雄大な自然といった“既にある富山の魅力”を知ってもらうだけでも、富山が好きになる人たちはたくさんいると思います。
一人でも多くの人に、まずは富山に来てもらいたい。
訪れてみて初めて分かる魅力をたくさん発見してもらいたい。
僕は“既にある富山の魅力”を知ってもらうために、TOYAMATOでの事業を通して新しい方法でアピールしていきたいです。
現在、中谷さんが取締役を務める株式会社TOYAMATOでは『富山×〇〇』の掛け合わせをテーマにチャレンジを続けています。
①ホテル事業 ②カルチャー事業 ③事業承継事業 ④観光・UIJターン事業 ⑤レストラン事業の5つを軸に事業を展開中です。
例えばレストラン事業では、2021年4月に富山県美術館に 富山のアートとイートを掛け合わせたレストラン『BiBiBi&JURULi (ビビビとジュルリ)』をオープン。
中谷:富山県内15市町村の生産者さんとのコミュニケーションを交わしながら旬の食材にこだわったメニューをつくっています。
美術館で『アート』を楽しんで感性を刺激し、富山の美味しさがぎゅっと詰まったお料理『イート』で食欲を刺激する。
ここでしか体験できないワクワクを、みなさんに楽しんでもらいたいです。
ビビビとジュルリでは、富山県美術館の企画展と連動したメニューづくりを行っているそうです。
季節や展示が変わるごとに足を運びたくなるスポットですね!
📷:『BiBiBi&JURULi(ビビビとジュルリ)』
『富山と○○』の掛け合わせで、富山を世界一ワクワクする街へ。
中谷さんたちの富山での挑戦は始まったばかりです!
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
【ライタープロフィール】
▷ 德田 琴絵(富山オタクことちゃん)
1992年生まれ。富山県南砺市出身、砺波市在住。
生粋の富山っ子。自称『富山オタク』!
趣味で、富山でアクションを起こす人に注目したメディア『#トヤマビト』をつくる。
富山市内のインキュベーション施設HATCHのスタッフとしてイベント企画や広報、コミュニケーションサポートを担当。
2021年5月10日(ことの日)にフリーランスデビュー。
ライターとして、富山の魅力発信の活動の幅を広げるべく奮闘中!