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憧れのスローライフ!家族でできる《畑のある暮らし》とそのリアル

こんにちは。県外から見ると富山県ってどのような地域に見えているんでしょうか?

田舎なイメージでしょうか?
自然豊かでのどかなイメージでしょうか?
それとももしかして結構都会?だったり…??

普段ママスキーで知り合う県外出身ママのうち、特に首都圏出身の方とお話をすると、やはり「富山は自然豊かで田舎」というイメージを挙げられることが多いと感じています。

そして、富山への移住を検討している方からは「富山でのスローライフ・田舎暮らし」を夢見ているという話もよく耳にしてきました。

今回は、スローライフでよく挙げられる《畑のある暮らし》をしている県外出身ファミリーにその暮らしについて話を伺ってきたので、ご紹介してみたいと思います。


高橋さんファミリーの場合

―富山への移住で思い描く「田舎暮らし」はどんなものでしたか?

富山への移住は「田舎暮らし」への憧れからではなく、子育てしやすい環境を求めたからでした。子どもって、バタバタ走り回ったり、大きな声を出したり、それが当たり前のはずなのに、都会のマンション暮らしでは、近所に迷惑をかけないという、大人の事情で子どもを叱るような子育ての仕方が嫌だったんです。

子どもにはもっとのびのびと育って欲しい、そう考えたときに田舎での暮らしが理想だと思い、富山へ移住してきました。私たちは元々スローライフへの憧れがあったこともあり、移住するなり、すぐに畑を探し出して、引っ越してきたその月には畑を借りていましたね(笑)。


―畑は貸農園を利用されていますが、それはどうやって見つけたんですか?

今どきのやりかたならスマホで検索したりするんだろうと思うのですが、そのときは車で移動しているときにふと目に入った畑が気になって、そこで畑作業していた人に「この畑を借りたいんです、どうしたらいいですか?」ってその場で声をかけたんです。

そしたら、すぐそこの団地の何軒目のおうちの方が地主さんだよ、という感じで教えてくれて。そこからはその曖昧な説明を頼りにインターホンを鳴らして、直談判したんです。


―すんなり畑を借りれたと?

すんなり…だったんですかね。畑をしたいと申し出たときに相手の方からは「それならまずは草刈りだけでも自分たちでやってみるといい」って言われたんですね。今から思えば、あれは「どうせ草刈りだけで嫌になるだろう」と試されていたんだと思うんです。けど、私たちはすぐに草刈りをしちゃって。草刈りをしたら、耕運機で耕してもらえるという話だったので、一度耕してもらいました。それからは自分たちで鍬(くわ)を使って耕して、畝(うね)を作り、夏野菜を植え始めました。

4月に移住し、その月に畑を借り、5月には耕運機をかけ、畑を始めていたわけなので、相手の方も驚いていたと思います。


―畑を借りるなんて費用もすごくかかりそうですが、その辺りはいかがでしたか?

それが私たちが借りている畑はすごく安くて。100平米の畑が年間で2,000円。ただ河川沿いなので河川が増水したらダメになってしまうリスクも伴っています。それでも格安だと思いますが、私たちは今では300平米借りて畑をしています。

貸し農園を使う場合は、土地の費用よりも畑をすること自体の費用を慎重に考えることをお薦めしたいですね。

鍬やマルチ(黒いビニール)、苗や有機肥料などに費用がかかります。それに私たちは園芸書などを読んで勉強したので、書籍代なんかもかかりました。草刈り機だけは両親がプレゼントしてくれたのですが、それ以外は自費でのスタート。そうは言っても総額で10万円もかからなかったと思いますが、やったらやっただけ天井無しに費用はかかるので、少しずつ試しては改良して、と一気にまとめ買いしすぎなかったのは私たちとしては良かったかなと思っています。


―実際に畑を始めてみて大変だったことはありますか?

最初に感じたのは「草刈り」ですね。

最初のうちは見様見真似で始めたので、雑草がひとつもないくらいキレイにしていました。けど、いろいろと勉強していくうちに雑草がないことが必ずしも良いとは限らないことが分かってきたんです。不耕起栽培っていうんですけど、徐々にその栽培法を選択するようにしていったんです。

だんだんと雑草がぼうぼうの状態になっていく自分たちの農地を見て、貸し農園である以上、隣り合う農地の“お隣さん”との関係性の大切さにも気が付くようになりました。

農法にもいろんな考え方があって、そこには主義主張があると思います。共同農園である以上は、お互いの農法を認め合うのも大切で…。だからこそ自分たちの農法をどうするのかを決め切るまでは大変だなと感じました。


―畑を継続するために大切にしているルールなどはあったりしますか?

畑ってやりだすと畑のことばっかり気になっちゃうんです。

でも時間がなかったり、人手が足りなかったりすることも当然あるわけで。でも畑作業が仕事なわけじゃないので、完璧を求めすぎないことが大事かなって思ってます。

ちゃんとできるときもあるし、できない時もある、くらいの気持ちでいいのかなと。

天気がいいのに畑に行けなくて葛藤する日もありますし、逆に今しかないと思って、無茶してでも行動しちゃう日もあります。でもそれもそれでいいか、というスタンスで畑をしています。


―最後に、畑をしていての喜びを教えてください。

私たちは無農薬で、なるべく肥料も使わず、使っても有機肥料だけ…とこだわって野菜作りをしています。そうやって自分たちで育てているからこそ安心して味わうことが出来るのは嬉しいことですね。しかも本当に美味しいんです。例えば、トマトは完熟してから収穫するんですけど、スーパーでは完熟する前に収穫することが多いので、完熟トマトって手に入らなかったりするんです。

たくさん採れたら人に送ったりして、幸せがひろがっていく感じも嬉しいです。

料理も楽しくなりました。自分たちで作った野菜で、人をもてなす料理を作る。そんな食卓も大きな喜びですね。

 

佐藤さんファミリーの場合

―富山へは何故移住してこられたんですか?

元々自然に近い環境で子育てや仕事である陶芸活動をしたいという想いがありました。

それで移住先を探していて、その候補に富山県があったんです。富山県に惹かれたのは実は映画「おおかみこどもの雨と雪」の影響でした。あのアニメで描かれる富山県の景色に惹かれて…。阪神大震災を経験していたので災害の少ない地域に暮らしたいという想いもありました。それで過去に富山県の移住ツアーに参加したところ、後日、富山県の立山町から「地域おこし協力隊」にならないかというオファーがあったんです。

それがきっかけで富山県で移住してきました。


―畑はそのころから始められていたんですか?

いえ、地域おこし協力隊にはその任期が終わるまで住居を購入できないというルールがあって。任期中に空き家探しを継続していました。

工房スペースが確保できることと、畑が出来ることを条件に探していました。空き家バンクも見ていましたが、最終的には不動産屋さんが薦めてくれた物件を購入。永代借地の畑(約100坪!)が付いた庭付きの300坪くらいの住居を手に入れました。すごい広いですけど、坪単価が2万円なので!!家から出たら、広い空と立山のパノラマな景色が見えるなんて最高の暮らしです。


―畑を始めてみて大変なことはありますか?

う~ん、どうでしょう。テキトーにやってきた部分もあるのであんまり思いつかないですが、最初のころはほんとにちょっとずつ始めていきました。出産や育児もあったので、全く手を付けないこともありましたし。

最初は、あまり手のかからないと言われる「いちじく」や「うめ」を作ることから始めたんです。野菜を育てるって大変なイメージを持たれるかもしれないですが、畑の方がプランター栽培よりもずっと簡単な気がします。思いのほか勝手に育ってくれるんですよ(笑)。


―では畑はイイコトづくしだということでしょうか?

そうですね。今は家の隣が畑の生活なので、気分転換に畑に出たり、天気が良いとついつい畑に足が向いちゃったりしますよね(笑)。

夏になると頂き物の野菜と、自分で育てた野菜と、自分で焼いた器で夕食が完成していたりするんです。ご近所との繋がりも畑や収穫した野菜で広がってきたところもあるので、いい事ばかりが思い浮かびます。

 

スローライフ・田舎暮らしに憧れる方へ

最後に、今回お話をお伺いした2家族に富山への移住やスローライフ・田舎暮らしへ憧れる方へメッセージを頂きました。

 

(高橋さんファミリー)

考えすぎずにまずはやってみる、ということをオススメしたいですね。

新しいことを始めれば、きっと壁にもぶつかると思いますが、スローライフなんだから、それもゆっくり解決していけばいいんじゃないかなと。やっていけば、おのずと結果もついてきます。

都会の暮らしが嫌だから「スローライフ」というのは違うかなと思っていて、極端な話、東京でもスローライフってできると思うんです。逆に田舎に住んでいるのにスローライフしていない人だっています。自分たちが何を大切にして、どんな暮らしをしていきたいのか―。それを考えることをおすすめしたいです。

ちなみに、私たち家族は富山への移住を100%おすすめしたいと思ってます。人との繋がりや時間の流れ方など、人生観や生活が富山で大きく変わったと感じています。


(佐藤さんファミリー)

田舎って実はそんなに「スローライフ」じゃないなって思ってます。

家に帰ってきたら、タケノコが届いていたり、栗が届いてたりすることがあるんです。それを食べるには手作業で処理しなきゃいけないこともあって、結構忙しいんですよ。

我が家は薪ストーブも置いていますが、富山のどんよりした冬でこれが大きな癒しになっています。スローライフを感じるんです。けど、薪を割るのは忙しいんですよね(笑)。

田舎暮らしやスローライフには「面倒さ」や「下準備」も含まれていて、それらもひっくるめて楽しめる範囲で無理なくするのがいいのかなって思います。

 

いかがでしたでしょうか?

富山でのスローライフ、田舎暮らし、そして畑のある暮らしのリアルを少しは想像できたでしょうか?

皆さんがこれからどんな風に暮らしたいのか。

どんな環境で子育てをしていきたいのか。

未来を想像するヒントになっていると嬉しいです。

 




【ライタープロフィール】

株式会社ママスキー 土肥恵里奈

「ママになったら、ママスキー」を合言葉に未就学児ママのための情報サイトを運営。主催イベントでは1日に約10,000人の来場実績を持ち、そのノウハウで自治体・企業のイベントを企画する。2019年に法人化し、「ママを楽しく、面白く、ジブンらしく。」を理念に子育て世代と社会を繋ぐ幅広い事業を展開している。


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