富山での暮らし ~セレクトショップでファッションを楽しむ方法~
みなさま、こんにちは。フリーライターのmakiと申します。
暮らしに欠かせないものといえば、「衣食住」です。
今回は、その中のひとつである「衣」、ファッションに注目してみました。
ここ数年はネットで洋服を買う人が多いようですが、実店舗もいいですよ。
お店に入った瞬間、洋服に一目惚れした時の高揚感はなんとも言えません。
実際の色や生地を見て触って確かめられますし、試着をしてサイズやシルエットもチェックできますし、「買わなきゃ良かった」という失敗が減る気がしています。
相性の合うお店の方と知り合うことができれば、おしゃべりも楽しいですしね。
1.セレクトショップの店長・則島由貴さんにインタビュー!
ファッションのことを知るには、実際にお店を運営している方にお話を聞くのが一番!
砺波市でセレクトショップ「HEARTS」を運営している則島由貴さんに、ファッションのトレンドや富山の傾向、セレクトショップの楽しみ方などをお聞きしました。
砺波市出身の則島由貴さんは、高校卒業後、東京の服飾専門学校に進学してファッションビジネス学科で学ぶとともに、販売のアルバイト、ファッションショーなどを経験した後に地元に戻るというUターン経験者です。2007年にセレクトショップ「HEARTS」をオープンして以来、経営、販売、バイイング(買い付け)を行っています。
2.トレンドにタイムラグはあるのか
―最近のファッションの傾向を教えてください。
則島さん 2010年を過ぎたあたりにファストファッションが流行り出してから、日本の洋服の価格がグッと下がりました。今ではその価格帯が当たり前になってきましたね。私が取り扱っているブランドや洋服の流れを見ても、1番高い時はアウターで3〜5万円ぐらいしましたが、今は1万円台でも揃うようになりました。安くなって、質も上がっています。海外のものでも技術が向上して縫製もきれいになっていますね。その裏にはいろいろな問題があるといわれていますが、今は安くてもトレンドのものを楽しめる時代だと思います。
―トレンドについて、かつて東京と富山には5年ほどの時差があると言われていましたが、今はどうですか?
則島さん 富山に限らず、地方と都市の時差として考えると、今は1年ほどかなと思っています。以前より縮まったというよりは、1年サイクルでトレンドが変わらなくなったのが大きいと思います。最近は1つの流行が3年ぐらい続いているんですよ。なので、1年目に取り入れる人がいれば、4年後に取り入れる人もいるので、誰もが遅れているという感覚もなく、流行に追いつかなきゃと思っている人も少ないように思います。
(服屋としてはちょっと寂しいなと感じる部分もありますが)
―お客さんからは、どのような相談が多いですか?
則島さん 「何を着たいのか分からない」というご相談が一番多いですね。年代、未婚・既婚、経済面など関係なく、多くの人にそう聞かれることが増えました。今は情報があふれすぎていて、ほしい情報をうまく拾えていないかなと。もしくは、自分に必要な情報だけを拾える時代なので、無駄なことを取得しにくいというのもあるかもしれません。無駄な情報から学べることも実はとても大切で、多いので。
3.もっとおしゃれ上手、買い物上手に
―ファッションを楽しむ方法を教えてください。
則島さん あまり自分の枠や型にとらわれず、人の目や言葉を気にしすぎず、自分が「かわいい」と思う心を大切にした方がいいと思います。仕事や買い物、お子さんのお迎えなど、シーンを問わずいつでもおしゃれを軽やかに楽しんでもらえたら嬉しいですね。
―もっと上手に買い物したいのですが。
則島さん 一番良くないのは、「買ったのに着ていない」というパターン。そうならないよう買い物に出かける前に、買いそうな分着なくなった洋服を手放すか、人に譲るといいですよ。すると、買った服を有効活用できるので、買い物に失敗しません。私、服にも旬があると思っているんです。だから、ご購入いただいた服は、そのシーズンで着倒すことをおすすめしています。もちろん何十年も大事に着るという方法もいいですね。(クタクタになるまで着たよ!というお客様の声は本当に嬉しいです)
4.セレクトショップでアウトプット
―セレクトショップの魅力とは、何でしょうか?
則島さん 先ほどトレンドの時差についてお話ししましたが、本当はどこに住んでいてもインスタグラムやユーチューブなどでタイムラグなく最新ファッションの情報を得られます。ただ、うまく活用できていないだけだと思うんです。セレクトショップの役割としては、インプットした情報をうまくアウトプットできること。実物を見て試着をすると、気持ちが上がることも強みだと思いますね。お店の人と会話を楽しめば、自分自身の知識や会話の引き出しも増えますよ。
―貴店の特徴を教えてください。
則島さん 人に寄り添うお店だと思っています。だから、無理強いはせず、その人が来ている服に合わせた提案や、生活に合わせた提案を大切にしています。最初に自分の今持っている服を把握すること、断捨離することをおすすめすることもありますけどね(笑)。(着ない服を持たない、持っている服は全てお気に入り)
お客様とは、これからもずっと長いお付き合いをしていきたいので。
則島さん、ありがとうございました!
ぜひお気軽に「HEARTS」へ。
番外編「則島由貴さんの思う富山のいいところ」
「人です。優しい人が多いんですよ」
[ライタープロフィール]
maki
富山県砺波市を拠点にライター、コピーライターとして活動しています。
写真は、取材中に気になったもの。則島さんのオリジナルブランド[e.n]の商品で、縁のある人たちとさまざまな商品を開発・販売しています。気になる方は、ぜひ!