【簡易版】文章の書き方講座①
皆さん、こんばんは。
唐突ですが、文章書くの得意ですか?
この質問に「はい、得意です!」って諸手をあげて言える人って、たぶん少ないですよね。いざ言われると「ギクッ」としてしまう人もいるのではないでしょうか。かくいう私も、こんな職業につきつつも、ゼロから書き始めることは、得意ではありません。自分の言いたいことをまとめるにはどうしたらいいか?日々悩んでおります。
今回は、そんな自分の日々の気づきについて、皆さんと共有できたらと思います。
文章を一気に書こうとしていませんか
さて、皆さん。何かの際に文章を書かなくてはいけない、というときにどうしますか。なんとなく言いたいことを頭に浮かべながら、出だしを考え始めますか。で、出だしがしっくりこなくて、うなったりしていませんか。
それ、間違いです。いきなり冒頭から書き始めるのは、書くのが苦手で経験がそこまでない人にとっては、至難の業です。
私もそのやり方でやっていた時、非常に苦労していた記憶があります。
というのも、実は文章とは作る順序と組み立て方が肝だからです。そして、それは、文章が読まれる流れとは逆行しています。
どういうことなのか、人体を例にとって説明します。
作る順序
①内臓(言いたいこと)
②骨(言いたいことを説明するための論理構造)
③関節(論理を成り立たせるための最低限の説明)
④筋肉(文章本体)
⑤脂肪(書き手らしさ)
私の場合、こんな順序を頭の中に思い浮かべて、人体を作るイメージで構成していきます。書くことに慣れていない人は、⑤の書き手らしさを出している、比喩や表現などに心を奪われやすいですが、本当に大切なのは、あなたが言いたいこと(①)、のはずです。
文章を書くことが苦手な人は、最初の冒頭で苦しんでいるかもしれません。それは上記の順序でいうところの④、であってこれも実は最初に組み立てるべき部分ではありません。
具体例を出して説明します。
今回は、見た映画の良さについてブログに書きたい、という設定にしましょう。まず、文章を書き始めよう、という前に一番重要なことをしなくてはいけません。
step1.どんな文章でも、書く目的を意識する
はい、これとっても重要なポイントです。書き始めると忘れてしまいまって、つい自分の伝えたいという気持ちが先行してしまいますが、どんな文章も目的があるはずです。そして、読んだ人に「こう思ってほしい」という目標が必ずある。それをちゃんと明確にしましょう。
【今回の目的】
・この映画の良さを伝えたい
・できれば、読んだ人もこの映画に興味を持って、見てほしい
なぜこれをするのかというと、往々にして書き始めると「あれも書きたい」「これはいらないかな」と、当初の予定よりも変更されることがあります。予定よりも、大幅な変更をしたくなるときもあります。そういった迷いの時に、目的がはっきりしていると、足すべき言葉と、削るべき文章が明確になります。後々に自分を導いてくれるメルクマールになるので、ここは意識しましょう。書籍の場合は、この目的を「はじめに」「序文」として明文化していることがほとんどです。これは、読者に冒頭で目的を共有してもらうために書きますが、書き手にとっても重要なものです。
step.2内臓(もっとも言いたいこと)をそろえる
いつものあなたは「なんとなく」頭に言いたいことを思い浮かべているかもしれませんが、この「なんとなく」を箇条書きで書いてみましょう。そう、箇条書きで、気軽に、がポイントです。
・○○(俳優)かっこよかった
・親子の絆の部分が良かった
・海のシーンかっこよかった
・なんか感動した
え?こんなもんで良いの?と思う方もいるでしょうが、最初の部分はこれぐらいで大丈夫です。これが今回の内臓(①)にあたります。人体の肝です。
人がなんとなく思っていることは、たぶんこの程度です。でも、これぐらいではまだずいぶん浅い感想ですね。では、ここから、もっと内容を深めましょう。ひとつひとつの事柄について、「どんなところにそう感じたのか?」
「なぜそう思ったのか?」と詳しくつっこんでみましょう。
そうすると、ありきたりな感想に見えて、自分独自の観点が見えてきたりします。
○○って俳優かっこよかった
→具体的に言うと黙っているときの顔がすごくいい。
→往年の○○って俳優しか出せなかった哀愁を感じた
親子の絆の部分が良かった
→最後にお父さんが、息子を助けるために身を挺したのに感動した
→あんなにすき放題していた人だったから、余計に心に来た
→○○って映画に似ているけど、ラストのテイストは違った。○○監督らしさだと思う。
・・・・という風につっこんで見ると、自分の記憶とリンクし始めたり、
意見がうまく出てきたりします。
step3.骨と関節を組み立てる
さて、内臓がそろったところで、ざっと俯瞰的に見てみましょう。どの意見を使うのか、決めます。言及しているポイントがあまり散乱しすぎていると、散漫な印象になるので、その場合は思い切って削りましょう。
さて、詳しく書いてみると、途中で「これを説明するためには、これをいわなきゃな」という点が見えてきます。
○○って俳優かっこよかった
→具体的に言うと黙っているときの顔がすごくいい。
→往年の○○って俳優しか出せなかった哀愁を感じた
→往年の○○について、説明しなくてはならない。
親子の絆の部分が良かった
→最後にお父さんが、息子を助けるために身を挺したのに感動した
→あんなにすき放題していた人だったから、余計に心に来た
→○○って映画に似ているけど、ラストのテイストは違った。○○監督らしさだと思う。
→映画について、ストーリーをざっと振り返らないといけない
→似ている○○について説明しないといけない
→○○監督らしさって何?
言葉というものは、自分の中にあるときはある程度自明的なものですが、人に説明するときは、ある程度説明を補わなくてはいけません。このときも、目標に立ち戻りましょう。そうすれば、人が理解するためにできうる限りのフォローが必要だとわかります。文章を書くときは、自分の思いで書くと同時に、他人の目線も適度に意識しておく必要があります。
上記の記載してみたとおり、内臓を支えるために必要な骨が見えてきましたね。
・ストーリーをざっと追った形で説明したい
→全体の構成を、映画の時系列順に説明していき、適度に自分の感想を入れる
・メインの俳優について言及し、往年の有名俳優と比較したい。
→結構、重要なポイントなので、文章の早めに入れておきたい
・似ている映画について説明したい
→時系列で説明していく中で、そのシーンのところで説明する
・○○監督らしさを言いたい
→こういったものは、ストーリー全体を追ったあとに見えてくるものなので、最後に言ったほうが良い
こうしてみると、全体の構成と何について書いておかなくてはならないのか、見えてきました。ここまでできたら、ひとまず全体の図が抑えられた状態です。
今日はここまで。次回で、この講座は完結します。