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【創作漫画】人は理解しあえるって、ほんと?

こんにちは。
今日は、「人は理解し合えるかどうか」について、個人的に考えたところを漫画にしました。

多様性、ということが言われて久しい時代です。
異なる属性や状態の人間がいる、ということを知ろう、理解してみましょう、ということがようやく言われるようになりました。

「普通」や「普遍」といったみなしが疑われ、解体され、様々な状況や属性、個性の人間がいることが認知されてきています。

しかし、そこにはひとつの了解が含まれている気がしています。
すなわち、人は必ず理解しあえるという考え方です。

人間はいかなる違いがあっても理解し合えるのだから、互いに理解し合おうという考えがあるように感じています。

しかし、本当に理解しあうことはできるのか?
そして、理解し合うことがすべてなのか?

今回はかなりチャレンジングな領域に足を踏み入れつつあるとは知りつつも、漫画にしてみます。危険性はありつつも、人に問うてみたいからです。

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「みんなと同じでいなくてはいけない」という社会的外圧に対して、ようやく「みんな違うものである」という認識が広がってきた気がします。

「みんな」は存在しない。

まだ、カテゴリーは限られていますが、「みんな」という総体に縛られる時代が終わってきているのだと思います。

ですが、「多様性」といった言葉があふれるようになった時に、その根幹に「人は理解し合えるはずなので、理解しよう」という前提がある気がしています。

しかし、ほんとうにそうでしょうか。

違いが大きければ大きいほど、理解しがたい側面があるはずです。分かりたければ分かりたいほど、その願望をかなえられない所が出てくる。

また、SNSの台頭の影響で「いいね」や「共感」でつながる社会に、よりなってきているため、理解可能かどうか、もう少しすると共感しうる存在かどうかに判断が偏重してきている気がします。

でももし、多様な社会が実現すれば、あなたにとって絶対に理解できない人たちが表面化して出てくるでしょう。もし理解しよう、できるはず、という前提でいればいずれ上手くいかなくなる。

したがって、個人として「理解可能かどうか」は、世界のすべてではない、と思うようにしています。もちろん、理解しあう努力はすべきですし、もしできたら本当に素晴らしいことだと思います。

しかし、実際問題、理解可能ではないことはあります。それは認識力の問題や受容力の問題もありますが、人間の土台や環境が異なれば、理解できない側面もあるはずです。

自分に理解できなくても、他人は存在すること。
自分に理解できなくても、共存しあえること。

これは忘れないようにしています。

ただ、理解できない相手との共存はもっとも難しいことでもあります。また、共存するにはそのためのルールや倫理は必要です。同一のルールや社会的契約を守れるかどうか?といった共存の線引きは求められます。

しかし、そうはいっても自分の問題として考えたときに、「理解可能かどうか」を気にし、「自分と違うことでなにか不快に思う」「それについて相手を責めたい、何か言いたい」と思うときもあります。

そういった時は、自分のアイデンティティが相手との間で揺らいでいるときだと自分で感じています。

なにか、自己が危機にさらされたり、揺さぶられているときにそのような判断をしやすい。そんな時は一歩引いて、自分の足場をよく確認しています。自分の身を守る、でもそれは他人への攻撃には転嫁しない。他人へ抱く感情を引き起こしているものはなんだろう?と自己反省してみる。

おそらく、多様な社会が実現するならば、そういった姿勢が求められると思います。外的な変化に、人の内面もついていかなくてはいけない。

びっくりするほど難しくて、一様ではない世界を生き抜かなくてはいけない。

あなたも誰かに理解されないかもしれないし、誰かを理解できないかもしれない。

でも、理解されないことと、理解できないことを恐れてはいけない。

そのために、きっと私たちは倫理の見直しと、共存のルールを見直して行かなくては
いけない。それはもっともめんどうで、難しいことであるだろう。

でも諦めてはいけない。

もちろんそれは他でもない、もっとも理解しがたく、もっとも探求されるべき「あなた」と「私」、のためである

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lay toyama_遠山怜/ 作家のエージェント(漫画)
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