【簡易版】文章の書き方講座②
みなさん、こんばんは。
今日は前回の続き、文章の書き方について書いてみたいと思います。
前回のおさらい
1.まず文章は書く目的を定める
2. 書く項目をざっと出す(内臓)
3. 項目を説明するにあたり、必要な説明を把握する(骨と関節)
前回までで完成した文章は下記のところまででした。
・ストーリーをざっと追った形で説明したい
→全体の構成を、映画の時系列順に説明していき、適度に自分の感想を入れる
・メインの俳優について言及し、往年の有名俳優と比較したい。
→結構、重要なポイントなので、文章の早めに入れておきたい
・似ている映画について説明したい
→時系列で説明していく中で、そのシーンのところで説明する
・○○監督らしさを言いたい
→こういったものは、ストーリー全体を追ったあとに見えてくるものなので、最後に言ったほうが良い
では、これにともなって内臓と文章の構造を、軽く組み立てて見ましょう。
まずは、ストーリーをざっと追う必要がある、ということが分かったので、ストーリーを時系列で書いて見ましょう。今回はペドロ・アルモドバルの映画「ボルベール」を使用します。(あらすじはwikipediaより借用)
【あらすじ】風の吹きすさぶラ・マンチャの小さな村の墓場で、3年半前の火事でともに命を失った両親の墓所の手入れをする姉妹ライムンダ(ペネロペ・クルス)とソレ(ロラ・ドゥエニャス)、そしてライムンダの娘のパウラ(ヨアナ・コボ)。普段はマドリードに暮らす3人だが、墓所の手入れはラ・マンチャに古くから伝わる伝統なので、定期的に日帰りでやってくるのだ。そしてライムンダには、村で独り暮らしをしている伯母を説得してマドリードに引っ越させるという第二の目的があった。
→この部分までの自分の感想
→メインの俳優について言及
→似ている往年の俳優の話
老齢で身よりも無い伯母を心配するライムンダの善意から出た行動だったが、伯母は頑として聞き入れず、一行は仕方なくマドリードへ引き返す。しかし、ライムンダとパウラが帰宅してみると夫のパコの様子がおかしい。問いつめるライムンダに、パコは仕事を首になったと告げる。そして事件は翌日に起こった。勤務先から電話をかけても全くつながらないので不審に思ったライムンダが通勤バスから降りると、バス停で雨に打たれながら待っている娘の姿があった。
→似ている映画について言及
一方そのころ、ソレの元には伯母の急死の報が届く。電話をかけてきた伯母の友人アグスティーナ(ブランカ・ポルティーヨ)によると、墓所の契約や支払いなどの手続きはすべて済んでおり、何も心配する事はないという。あまりにも手際がいいので少し不審に思うソレだったが、とりあえずライムンダの家に電話し、皆でラ・マンチャ行きの段取りを決めようとする。しかし信じられない事に、ライムンダの口からは「どうしても行けない」という返事が。何かがおかしい。そう思いつつもひとりで出発し、亡き伯母の家に到着したソレは、信じられない光景を目の当たりにするのだった。
→監督らしさの話
こんなところでしょうか。これで書きたいこと(内臓)とその説明のための骨と関節をざっと組み立てた感じになります。こんな風に、書きたいこととそれを説明する構造を先に作っておくと、先が続けられなくて困るということがなくなります。
step.4 筋肉を作る
普段、みなさんが文章と呼んでいるものを、ここでようやく作ります。さきほどの構造に当てはめて、作っていきましょう。構造の中で、最初に入れるものや説明の構造を作ったので、それをもとに書いていきます。
おっと、その前に!
最初に説明したとおり、文書には何かを伝えたいという目的があるのでした。それをちゃんと明文化して、読者に共有しましょう。こなれた文章や、文学性の高い文章は、あまりそれと分からない形で明示していることありますが、たいていの文章はこれがあります。それによって、読者を惹きつけ、最後に行き着く先を提示しています。
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皆様、こんにちは。
先週とっても面白い映画を見たので、ぜひ紹介させてください。(目的)
作品は、有名なスペインの映画監督 ペドロ・アルモドバルが2006年に脚本・監督を務めた「ボルベール」です。
【あらすじ】風の吹きすさぶラ・マンチャの小さな村の墓場で、3年半前の火事でともに命を失った両親の墓所の手入れをする姉妹ライムンダ(ペネロペ・クルス)とソレ(ロラ・ドゥエニャス)、そしてライムンダの娘のパウラ(ヨアナ・コボ)。普段はマドリードに暮らす3人だが、墓所の手入れはラ・マンチャに古くから伝わる伝統なので、定期的に日帰りでやってくるのだ。そしてライムンダには、村で独り暮らしをしている伯母を説得してマドリードに引っ越させるという第二の目的があった。
→いや~、この映画すごいんです。何がすごいって、まず最初のシーン。最初に始まったとき、「これぞ、アルモドバルの映画だ」って思いました。
なにより、本当にかっこいいんです。墓を掃除するシーンから始まるのですが、そんな陰気なシーンなのに、とってもかっこよくて・・・etc
つぎに、
メインの俳優である、ペネロペ・クルスについて。
も~すごいのなんのって。ポイントはあの目力!ちらっと見られただけでぞくぞくするような目なのです。日本でいうと若尾文子のような感じでしょうか。あちらは日本美人×流し目ですが、こちらはスペイン美人×ガン見ってとこ。若尾文子を初めてみたのは、○○って映画だったのですが・・etc
話をあらすじに戻します。
老齢で身よりも無い伯母を心配するライムンダの善意から出た行動だったが、伯母は頑として聞き入れず、一行は仕方なくマドリードへ引き返す。しかし、ライムンダとパウラが帰宅してみると夫のパコの様子がおかしい。問いつめるライムンダに、パコは仕事を首になったと告げる。そして事件は翌日に起こった。勤務先から電話をかけても全くつながらないので不審に思ったライムンダが通勤バスから降りると、バス停で雨に打たれながら待っている娘の姿があった。
そう、この映画何気ない日常で始まりつつ、話は徐々にサスペンスと化していきます。この展開、私は○○って映画を思い出しました・・・etc
一方そのころ、ソレの元には伯母の急死の報が届く。電話をかけてきた伯母の友人アグスティーナ(ブランカ・ポルティーヨ)によると、墓所の契約や支払いなどの手続きはすべて済んでおり、何も心配する事はないという。あまりにも手際がいいので少し不審に思うソレだったが、とりあえずライムンダの家に電話し、皆でラ・マンチャ行きの段取りを決めようとする。しかし信じられない事に、ライムンダの口からは「どうしても行けない」という返事が。何かがおかしい。そう思いつつもひとりで出発し、亡き伯母の家に到着したソレは、信じられない光景を目の当たりにするのだった。
ちょっとした日常から、サスペンスへ。展開自体はそこまで真新しいわけではありませんが、それはこの監督ならでは。日常を切り取っているのに、大胆な色彩センスと構図で、ぜんぜん飽きません。むしろ、時間がたってから思い出すような・・etc
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はい、ここまででだいぶ文章になってきましたね。書くことが決まっていると、それを埋めることはそこまで苦痛ではないのではないでしょうか?
説明を少し省いてしまいましたが、内容と内容の転換点では、適度に接続詞や転換を表す語を入れておきましょう(上記太字部分つぎに、話をあらすじに戻します)。
さらに、いつでも目的を忘れずに、全体のバランスや分かりやすさに欠けないかどうか、チェックし続けましょう。
ヒント:全体をあらかた書き出してみると、目的自体をどうしても変えたくなることもありえます。その場合は、本当に変えるべきか検討してみましょう。本当にそれに足る場合は、方向転換もありです。ただし、書き手の気づかぬうちに目的が変わっていることだけは、避けましょう。
step.5脂肪をつける
おそらく、文章をうまく書きたいと思う方はこのstep5で悩んでいるかもしれません。しかし、上記で見てきたとおり、内臓と骨と関節がとても重要なのでした。これらがしっかり埋まったうえで、自分らしさを演出するためにどう変えるべきか検討してみましょう。
しっかりした骨格と内臓があるからこそ、脂肪のつけ方で個性を出せます。これらがしっかりしていないのに、脂肪や皮膚に着目しすぎるのは、骨格と内臓がめちゃめちゃの、なにものか良く分からない生き物(=文章)が出来上がってしまうことにつながりやすいので、注意が必要です。
比較的、簡単に使える表現方法を紹介します
●断定的な表現にしてみる
→つい、「~と私は思います」とか、「○○等」など断定的ではない表現を使いがちです。それは、書き手としての配慮と、若干の逃げなのですが、文章は断定したほうが強くなります。
たとえば、
「映画は女優で決まると私は思います。なぜなら、内容よりも映画はその女優の顔で思い出したりすることってありますよね」
より、
「映画は女優で決まる。映画に肝要なのは、内容だろうか。そんなことはない。多くの人は、女優の顔で覚えていないだろうか?」
と、したほうが表現として強くなりますね。
強い言葉はそれだけ印象に残ります。ですので、「~と考えます。」「~と思います」などを削ると、それだけでちょっと文章としてすっきりして、強い印象を残したりするものです。
ただし、言い切り型にするということは、発言者にそれだけの覚悟がいる、ということにもなります。この辺の、自分らしさの演出、はいろいろな方法があるので、それは今後の記事で随時書いていこうかと思います。