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【適当取材】ハーゲンダッツのハーゲンダッツ感は本体ではなく、付属のスプーンが出しているのではないか?
みなさん、こんばんは。
突然ですが、ハーゲンダッツは好きですか?
すくなくとも、これを見て頂けている方は、きっと好きに違いありません。コンビニやスーパーでハーゲンダッツを買うと、付いてくるアレがありますね。
そう、専用スプーン。
これが付いてくると、「ハーゲンダッツ、買ったぞ!」感がしますね。買ったアイスをスプーンと一緒にビニール袋に入れ、ニヤニヤしながら家に帰宅するわけです。
そこで、ふと気付きました。ハーゲンダッツのハーゲンダッツ感を支えているのは、アイス本体ではなく付属のスプーンの方なのではないか?
これは、非常に重要な発想の転換です。本来、本質と思われていたものは、実はサブ的な存在によって支えられていたものかもしれません。もしそれを実証することができたら、世界に新しいものの見方を提供できるかもしれない。
そう、ハーゲンダッツのスプーンこそが「ハーゲンダッツ感」の、正体かもしれない。この重要な問いについて、ぜひとも解明してみようと思う。
というわけで、実験。
ハーゲンダッツ専用のスプーンで、別のメーカーのアイスを食べたら、ハーゲンダッツ感は出るのか?
実験の対象になったのは、以下のアイスクリームである。
①明治エッセルスーパーカップ キャラメルクッキー 200ml
②MOW(モウ)バニラ
これらのアイスをハーゲンダッツの付属専用スプーンで実食し、ハーゲンダッツ感が出たのかを検討する。
まずは、1つ目。明治エッセルスーパーカップ キャラメルクッキー 200ml
大人気のスーパーカップシリーズの中でも、濃厚なキャラメルベースのアイスに香ばしいクッキーが入った人気の味。
デスクに、スーパーカップとハーゲンダッツのスプーンをセットしたら、実験開始である。
まず、スーパーカップを手に取ったときに、改めて「デカいな」と思ってしまった。そりゃそうだ。あのハーゲンダッツの小ぶりの容量が前提にあるからかもしれない。アイスクリームの中でも、もっとも大ぶりのものであるからか、手にがっしりとした手ごたえを感じる。
いや、ヴィジュアルで判断をしてはいけない。味でも勝負しなくては。
そして、くだんのスプーンを手にする。
まず、気がついたことは、アイスの容量のわりにスプーンが小ぶりなので「おおー、アイスがいっぱいある!」感が増したことだ。そもそもスーパーカップは容量が多いので、「まだいっぱいある」と思って、一回のスプーンですくう量が増えがちである。
ハーゲンダッツ用のスプーンになることで、すくう容量が限られるため、余計に増えた感覚がある。お得だ。また、親指にフィットするハーゲンダッツのロゴの凹凸も、なぜかアイスを食べる気分を盛り上げてくれる。
お得感に手ごたえを感じつつも、スプーンでアイスをすくって口に入れる。
するとどうだろう、あのスプーンにはハーゲンダッツ感を呼び起こさせるキーがやはりあるらしく、ハーゲンダッツのあの特有の濃さを舌が想起していた。そのせいか、スーパーカップの鼻に抜ける軽やかなキャラメル味が頭脳に届くと、予期していたものと異なるものが来たことによる、軽い不一致感が頭をよぎった。
スプーンによる「迎え舌」ならぬ「迎え感覚」が生じ、それによる認知的不協和感覚が、まず一口目に生じた。
ハーゲンダッツのわりに、キャラメル感があっさりしている・・・。あちらが舌に残る濃厚さが特徴なのに対して、こちらは鼻腔に抜ける軽やかな余韻をその特徴としている。
次に、中に混じるクッキーの食感についても、ハーゲンダッツのそれよりも小さいという差異に気づく。クッキー&バニラにあるような大ぶりの砕き方ではない。
一口目以降は、これはハーゲンダッツではない、ということを確実に脳が把握してしまった。しかし、これは別物であると脳が認識しだすと、これはこれの味として楽しむように思考がシフトした。あっさりしたキャラメル感が食欲を呼び、次々と口に入れてしまう。容量と濃さが絶妙にマッチしている。
検証の結果、ハーゲンダッツのスプーンには、「ハーゲンダッツのアイスがくるぞ」という期待感を舌にもたらすことが分かった。さらに、途中から別物であることを理解したものの、スプーンが小さいことによる大ぶりに感じる効果は続いているので、「たくさん食べられる感」は最後まで続いた。
つぎに、2つ目。MOW(モウ)バニラ味である。実験としての公平さを期すため、前回とは別日に実験した。
MOW(モウ)バニラ味は、MOWシリーズの定番であり傑作である。しっとりとしたミルク感あるバニラ味に定評がある。
先ほどのスーパーカップよりも、小ぶりである。何よりもおしゃれなカバーがついているので、アイスを脱がせるという謎の楽しみがある。
カバーを外すと、白い雪肌のような全体が見えた。
白い断面に、そっとスプーンを差し挟む。
ここで気がついたことだが、スーパーカップに比べて、アイスの表面がなめらかでしっとりしている。アイスをすくった跡もうつくしい。これはかなりハーゲンダッツに近いのではないか。
形状の時点では、ハーゲンダッツに近い手ごたえを感じている。味はどうだろう。アイスを舌で転がしながら味わう。
なるほど、舌触りも近いものがある。しかし、やはりバニラの味にハーゲンダッツが持つ濃さを感じない。最初にまろやかなミルク感を感じるものの、後味はすっきりとしている。味のまろやかさはハーゲンダッツも持っているが、その次に舌を襲う濃さをMOWには感じられなかった。
前回同様、やはりハーゲンダッツのスプーンには「ハーゲンダッツ感」を舌に予期させる力があるものの、その喚起力により、両者の違いを際立たせてしまうようだ。
しかし、今回あたらめて気がついたのは、ハーゲンダッツのスプーンは曲線的に作られているため、口に運んだときにアイスがよりなめらかに口腔内になじむ、ということだ。
MOWのようになめらかに作られているアイスは、特にその特性が生かされ、より口にしっとりとした食感になったと思う。
2つの実験結果を踏まえてみると、スプーンの重要性など考えたことがなかったが、なかなかに味に見捨てて置けない影響力を有していると言えるだろう。今回の仮説「ハーゲンダッツのハーゲンダッツ感を支えているのは、アイス本体ではなく付属のスプーンの方である」という説は実証できなかったが、その影響も確実にあることが証明された。
人間の認識を支えているのは、単純にその刺激を与える物質のみにあらず、外部要因の影響も大きいのであろう。
本研究から導き出された結果は、下記の通りである。
・ハーゲンダッツのハーゲンダッツ感はアイス本体にもあり、多くの場合はその特有の濃さにある
・ただし、スプーンにも「ハーゲンダッツがくる」という予期をもたらす効果がある
・ハーゲンダッツのスプーンはアイスのまろやかさを増すために計算されて作られている
・ハーゲンダッツはおいしい
・スーパーカップはおいしい
・mowはおいしい
当研究結果を発表する学術雑誌がまだ見当たらないため、ひとまずnoteに発表することにする。
さて、実験者がこの記事を通じて学んだこと、それはスプーンひとつで人は相当遊べる、ということである。本研究は実験者1名による検証結果のため、仮説を裏付けるには十分な数ではない。本研究に賛同する、世界の研究者はぜひ名乗りをあげて実験に参加して欲しい。
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