僕のばあちゃん

僕のばあちゃんは不思議系女子だ。

小学生の頃よくばあちゃんの家に泊まりに行くことがあって、夜寝る前に、ばあちゃんはいろんな話をしてくれた。

ばあちゃんが子ども頃、戦争で、家にいられなくなって集団疎開するため、子どもたちで集められた話とか、その集団疎開した時に草むらで、小さいフクロウみたいな生き物を見たとか教えてくれた。
実際にその小さいフクロウのような生き物を絵を描いて見せてくれた。本当にフクロウみたいな生き物だった。小型のフクロウの雛とか落ちてたのかもしれない。

他にも、もっと不思議な話をしてくれた。

ばあちゃんが子どもの時、水路脇を歩いていると、何か気配を感じて、ふと水路の方を見ると、龍がいた。という話を聞いた。いたというか、いるように感じた、みたいな言い方だった。

僕は子どもながらこの話を聞いた時は興奮した。ばあちゃんが子どもの頃には龍がいたんだ。と。

他にも、ばあちゃんが子どもの頃に「地球の動く音を聞いた」と言っていた。

僕は子どもながらにも、地球が動く音ってどんな音なんだろうと、その話を聞いた以降、空を見上げて、地球の音がしないかな、と感じてみようと思うことがあった。

幽霊がいた、という話を聞いたこともある。実際に見たのはじいちゃんだった。
じいちゃんが夕方犬の散歩をしていると、田んぼの真ん中あたりに、2メートルくらいの白いぼぉっとした人影みたいのが立っていたらしい。
それを見た頃というのが、じいちゃんの親戚が亡くなったあとすぐだったらしい。

この幽霊の話を聞いたあとに、小学生だった僕は、たまたま小学校の図書室でマンガの「いる・いないの秘密」というものを読んでいた。

いるいないの秘密には、UMAとかUFOとか、いるかいないかわかんない物を紹介しているものだった。

いるいないの秘密の中の幽霊を紹介したコーナーに、2メートルくらいの白くぼぉっとした人影のような幽霊が紹介されていた。ばあちゃんが話してくれたものそのものだと思った。

これを見た僕は、ばあちゃんが言っていたことは本当なんだと思った。

聞いた話とマンガに載っているものが全く同じなのだから否定できない。

だから、僕はばあちゃんから聞いた話は信じている。

水路を見つけたら龍を感じないかとか、ふとした時に地球の音が聞こえないかとか、田んぼ真ん中あたりに白いぼぉっとした人影がいないかとか、何の気なしに思い出して探してしまう時がある。

他人から言わせたら嘘だとか、言われるかもしれないが、僕は信じている。

こんな、嘘みたいな不思議な話をしてくれるばあちゃんは他にはいない。


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