【体験談】商社マン@銀座の日本酒バー
マッチングアプリ大好きOLの戸谷みなこです♡今日はエリート商社マンのRさんとのお話を書きたいと思います。RさんとはPairsで出会いました。186cm/ 4ヶ国語スピーカー / 30歳 / 都内の有名な高層マンション最上階在住という、なかなかお目にかかれないスーパー好物件を引き当てました。あまりにハイスペックすぎて、ひるみました。「こりゃ遊ばれるな」と。彼を本気にさせるには女子アナくらいの顔と、グラビアアイドル並みのボンと出た素敵なお胸とお尻が必要だろうと会う前から逃げ腰。
でも奇跡が起きるかもしれない。RさんのPairsのプロフィールに、「子供はいつかほしい」「育児は分担して手伝いたい」って書いてあったし。ほんの少しの期待、大豆3粒くらいの期待を込めよう。
大豆3粒の期待の割には、会ってもないRさんとの結婚生活の妄想とかしちゃって。私の脳内設定はRさんの駐在妻。「うちの子供は海外育ちなんです、うふふ♡」って日本にいるママ友に話している自分が見えてくる。前のめりもいい加減にしろよって誰かに後ろから飛び蹴りされそうになりながら、当日を迎えました。
待ち合わせは銀座の日本酒バー。こんなところにバーがあったのかぁという場所でひっそりと営業していました。横並びの席で、日本酒3種飲み比べを何セットか繰り返しました。お互い海外系の仕事なので初対面の人と打ち解けるのにかかる時間は多めに見積もって、3秒くらい。誰からも初対面だと思われない会話のペースでしゃべりつづけ1時間経った頃、彼の携帯がなります。
彼が、インドネシア語で、喋ってる。
「これからインドネシアのお客さんとの食事のアテンドすることになった!ごめん、また今度!」ちゅっ!
あらそれは大変ね、インドネシアのお客さんなら行かないとね。
テルマカシー!
私の知っている唯一のインドネシア語を使ってみた。ありがとう、って意味。いつでも貴方の妻として世界中の駐在に連れて行って大丈夫よ、というドヤ顔で。
そしたら発音矯正された。Tの音が強すぎるって優しく教えてくれた。さっきのドヤ顔を取り消したい。
私も今日は飲みすぎちゃったし、大人しく帰ろうかなと思って、二人でお店を出る。168cmの私が9cmのヒールをはいてもまだ、私の方が小さい。
ほろ酔い、ここは銀座、目の前には186cmの長身イケメン男性がスーツで手を差し出してくれている。
最高だ。
そして、銀座の道のど真ん中で、でかい女とでかい男が抱き合ってサヨナラを言ってるなんて、映画のワンシーンみたいだわ、あらいやだ、とか思いながらお別れ。「またすぐ連絡するから、またすぐね!すぐ!いってくるね!」と彼が大きい手を振りながら子犬みたいな笑顔でこっちを見ている。
最高だ。
この翌日、「次は中目黒で飲みましょう」と連絡が。行きます、すぐに行きます。電車だと1時間かかるけど、どこでもドアで行けば、割と近くなんで。
中目黒ではスペイン料理を予約してくれていて、ワインをボトルで開けて大笑いしながら二人で飲んだくれ。いい雰囲気だと、誰もが思います。ええ、わたしもそう思いました。
彼がトイレから帰ってくると、深妙な面持ちで携帯を握り締め、わたしを見つめている。
またインドネシア?
なんて問いかけた私の発言を取り消したい。ラインなら送信取り消しできるのに、現実世界ではまだできない。
君が別のアプリにもいる。
画面をみるとTinderのアプリ内で、にっこり笑う私のプロフィール画面が。
あぁ、遊びまくってるのバレた。
そうよ私はティンデレラ。
※Tinderのヘビーユーザー女子を海外ではティンデレラと呼ぶ。
彼だってPairsで出会った私をデートに誘って、そのデート中にトイレでTinderをやってるんだから同類なんだけれども。
冷静に考えるとTinderって物理的に距離の近い人を優先して出してくるので、こういう事態が起こる。こうなったら振り切ろう。隠すのはやめよう。
私の決意よりも少し早く、彼の私への対応が変わった。彼は真剣に私の目を見つめながらこう囁きます。
セックスはスポーツだと思うんだ。下心とかじゃない、哲学的なことだよ。
そうかもしれない、哲学的に言えばセックスはスポーツかもしれない。
私もスポーツでない理由が思いつかなくなってきた。コミュニケーション、ストレス発散。効果効能を考えても、スポーツだ。二次会でお寿司を食べさせてもらっている時にはすでにワインを2本開けてるし、日本酒も何合開けたか分からない。だから、目の前の哲学者の意見を素晴らしいと思った。寿司屋の大将も、セックスはスポーツだって知ってみたいな顔でこっちを見ている。
そうか、スポーツだ。
全国のチャラい男性、ワンチャンを狙いたい男性に伝えたい。
アプリは複数活用しよう。
そして、酒豪の哲学者になろう。
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