【ネット怪談風短編】ある匿名掲示板の書き込み【R15】
オリジナル小説『病ませる水蜜さん 怪異対策課の事件簿』の断片をネット上の怪談に仕立てたネタ短編です。
原作はBL小説ですが、短編では明確なBL描写は見えないように隠されています。軽度の性描写があります。
原作本編はマガジン機能ですべて無料で読めます。R18Gなので読者は限られると思いますが、BL官能小説に興味があれば本編も是非。
番外編五『ある匿名掲示板の書き込み』
おまえらネタとか釣りで書いてるならいいけど、もしこのスレを見て実際事件があったとこに肝試し行くつもりのヤツがいたら言いたい。全力でやめろ。これは俺が去年体験した話で、このスレとか読んで調子乗った結果いろんな人に迷惑をかけちゃった話。反省のため、俺みたいなバカなやつがこれ以上出ないために投下させてもらう。少しずつ書いてくのと、フェイクとかも入れるから変なとこあっても許してほしい。
俺は大学のオカルト研究サークルに入ってて、っていってもほぼみんなで旅行するためのサークルって感じで研究なんてしてない友達同士の集まりだった。でも夏休み入ったし活動実績みたいなのが欲しくなったからちゃんとオカルトっぽい理由つけて調べて、動画も撮ってサークルで運営してるアカウントにアップするってことになった。説明長くなるかもなんで一旦切ります
行き先は実際殺人事件があったところにするってことになったんでネット記事集めて相談した。それが一番ダメだったんだけど。本当に人が死んだところに面白半分に行くなんて今思うと道徳的にアウトだし、動画撮ったとしてアップしたら炎上ものじゃん。でもそのときは俺たち揃ってアホだったから盛り上がって、車で1時間くらいのところにある山に行くことになった。
その山では何があったかというと、SNSとかでよくある自己啓発セミナー的な怪しいサークルみたいな人たちが集団で住んでて、そこで何かトラブルがあって死んだ人もいたらしいんだよね。で、その家が残ってるらしいからそこまで行って撮影しようってことになって。そういう話だと幽霊より生きてる人が怖いかもって話もあったけど、そのサークルはもう活動してないってとこまで調べたから大丈夫だろうってことで目的地が決定した。
俺とサークルメンバーあと3人、AとBとCってことにしとく。こういうとき女の子もいたら盛り上がったんだろうけど、残念ながら全員男。しかももれなく童貞で女子をサークルに誘う度胸も友人関係も無い冴えないヤツばっか。BとCは同い年だけどAだけ先輩。でも上下関係とか無くて四人でつるんでる仲。Aは霊感があって幽霊を見たり気配わかったりするらしくてそういう意味で頼れる先輩ではあったけどね。
車で山のふもとの駐車場まで行ったらその後は歩き。登山の準備してAを先頭にして山に入った。霊感あるからヤバい気配あったらすぐ逃げられるだろうってことでね。とりあえず山の入り口でオープニングに使う動画を撮ったけど、そのときはAは何も言わなかったし動画を確認しても異常なしだった。
山はそんな高くはなかったけどあんま整備されてなくて足場が悪くてかなり疲れた。それでも頑張って歩いてたら車が捨ててあるのを見つけた。捨てられてかなり経ってるみたいで土とか草まみれで、あと上から何か落ちてグシャッと潰れたみたいになっててなかなか不気味だった。雰囲気あるじゃんって盛り上がってそこでも動画撮った。車の他に、何故かそのへんには大量に手袋が落ちてたのが気味悪かった。手術とかで使うような、白いピタッとしたゴム手袋みたいなやつ。どれも黄ばんでボロボロだったけど。そこまでは気持ち悪いなってくらいで危険は無かった、と思う。
あたりを探してるうちにBがついに家っぽいのを見つけた。家っていうか小屋みたいな、思ったより小さいのだったけど。警察の立ち入り禁止テープみたいなのが貼ってあったみたいだけど破れて地面に落ちてた。それ見たときCはやめとこうって言ったんだけど、俺とBはノリノリで小屋を調べようとしたんだよね。
マジで後悔してる。
小屋は窓が全部真っ黒な布か板で塞がれてて中が見えなかった。こりゃだめかなって思ったけど、ダメ元で入り口確かめたら鍵もかかってなくて簡単に開いた。Bが開くぞってテンション上がって、俺はその後ろからスマホ構えて撮りながら入った。
中はめちゃくちゃ臭かった。生ゴミか獣臭い感じ。床に真っ黒なものがこびりついてて、血なんじゃないかとかここが殺人事件の現場かとか騒いでた。そしたら、入ってきたとこから一番奥のところにドアがくっついてた。くっついてたっていうのは、壁にドアがつけてあるってこと。どう見ても小屋は二部屋ある感じなかったし、外から見てドアなかったから。そのドアだけ妙に綺麗だったけど、床の黒い跡がそのドアに吸い込まれるみたいに繋がってて途切れてるのが変な感じだった。そこですぐ帰ってたら良かった。Aもなんか変な顔してたし。でもそのときは気づかなかったんだよな。
変なドアに近づいたら、急に向こうからガンガン!って叩かれたんだよ。おかしいだろ、ドアは壁にくっつけてあるはずなのに。それからガチャガチャガチャって回す感じがした。もう俺たちパニック。背中向けて一目散に逃げたよ。小屋出て来た道走って降りて転びまくって痛いのも忘れて転がるみたいに逃げた。例の廃車のとこまで来たあたりで小屋の方振り返って……なんかいた。人間じゃないやつ
大人の女性、お腹大きくて妊婦さんみたいだった。でも明らかに人間じゃない。まず全裸だったし、肌も真っ白で生気なくて。歩いてないんだよ。ブリッジして歩いてるって言えばいい?大きいお腹(これも普通の妊婦さんのイメージより不自然にデカかった)上にして仰向けで手と足で器用に歩いてこっち来てんの。頭っぽいのあったけどよく見えなかったけど変な向きだったと思う。それがブリッジとは思えない普通に走ってるくらいの速度で追いかけて来てんの。俺たちもう叫びながら走ったよ。山からようやく出られたってところで人に会った。
猟銃持ってるおじさんだった。おじさんは俺たち見るなり血相変えて「山に入ったのか」って怒鳴った。Aが必死で妊婦みたいな何かのことを言ったらおじさん何か知ってるみたいな慌て方して「車で来たのか」と言い、そうだと答えたら「車入って待ってろ」って一人で山入ってった。言われた通り車まで走って、でも待ってる必要なくない?車出せってBとCは言ったけどAが待ったほうがいいって言って(運転はAだった)俺は情けないけどどっちがいいかわからず三人がもめてるのを見てたんだが山の方から猟銃撃つ音がして全員黙った。
そのまま固まってたらおじさんが車に近づいて来て出てこいと言って素直に出た。おじさんは「死にたくないならついてこい」と言って自分の軽トラについて運転するよう指示して来た。色々聞きたかったけどおじさんすごい怖かったから黙って言うこときいた。猟銃持ってたしね。
おじさんは焦ってる感じでどこかに電話しながら車に乗って出発したので俺たちもついていった。
目的地までは結構長い間かかった。その間、俺は何度か眠くなって気絶するみたいに寝落ちしかけた。BやCもそうだったみたい。Aは必死で運転してたから眠気きても気合いで耐えたって言ってた。
寝ちゃうと変な夢見るんだよ。金縛りみたいに自分は動けない状態でうつ伏せに寝てて、あたりに真っ白な蜘蛛がうじゃうじゃいて気持ち悪いんだけど指一本も動かせない。2〜3回その夢見たあたりから、遠くに何かいるのに気づいた。近づいて来てるんだよ。象くらいデカい白い蜘蛛が。一番似てるから蜘蛛って言ったけど虫っぽさはあんまなくて、白い肉の塊みたいな不気味なやつ。黒だか赤だかの水玉模様になってるのがまたキモくて、それが全部目玉って気づいたあたりでヤバいと思った。途切れ途切れに夢見るほどこっち来てるんだよ。だから俺も眠気と戦った。頭が割れるように痛くなってきてた。後で聞いたらみんな同じだったみたい。
Aが必死で運転して、たどり着いたのは田舎にある結構大きいお寺だった。猟師のおじさんが先に降りて奥に入って行って、俺たちはとりあえず門をくぐった。そのときには頭痛すぎて意識もうろうとしてた。
お寺入ってすぐ、中学生くらいの女の子がホウキ持って掃除してるのに会った。元々体調あんま良くなさそうな顔してたんだけど、挨拶しただけでその子が俺たちを見るなり倒れちゃったからびっくりした。ゲーゲー吐いてうずくまって、俺たちがオロオロしてるうちに奥から若いお坊さんが飛び出してきた。そのお兄さんは女の子介抱しながら睨んできて、まあ当然だよな状況的にこっちは男4人だし。俺たちが何かしたわけじゃないって言おうとしたんだけど、その前にお寺の住職が来てお兄さんと女の子を奥の家に入らせてた。俺たちは戻って来た猟師のおじさんと住職とに言われてお寺の本堂に通された。
俺たちがあの山に行った経緯を話したら住職にすごい剣幕で叱られた。お坊さんだからスキンヘッドなんだけど、和服じゃなくて洋服着てたらヤ◯ザの組長って言われてもおかしくない恐い顔の人だったからガチで怖くて四人とも縮こまって正座して長時間の説教に耐えてた。
そのとき気づいたんだけど、嫌な眠気とか頭痛とかがだいぶ軽くなってたんだよ。俺たちがそう思ったのもお見通しみたいで、住職は呆れた感じで教えてくれた。
「さっき外で会った子があらかた吸ってくれたから、そこの三人はもう大丈夫だよ。話が終わったら帰っていい」
俺たちを見るなり倒れた子なんだけど、特殊な体質の子で誰かに取り憑いてる悪霊の近くに行くと自分の方に吸い寄せちゃうらしい。悪霊から見るとその子に憑くほうが魅力的に感じるそうだ。悪霊にモテても嬉しくないだろうけどね。
さらに住職は
「霊媒体質っていうのかな、古くは神を降ろす巫女として大事にされたような才能の子ではあるんだが。力を使うたび悪霊に蝕まれて体を壊して苦しむんだ。だから寺に住まわせて余計なものに関わらないように隔離してるんだ」
あの子が最初から具合悪そうな顔してた理由がわかった。寺に住んでたらいつでもお祓いしてもらえるし、加えて近くの神社で巫女みたいな仕事?御奉仕?もしてガッツリ守りの態勢してるけどそれでもしょっちゅう憑かれるんだとか。
「今回の件の山はうちの息子が全部祓ったはずなんだが、なにぶん大勢人の命が失われた場所だ。苦しい、悲しい、悔しいって気持ちを抱えて亡くなった方々の無念は時間に解決してもらうしかない。じっと耐えながら気持ちを清算してる最中のひとたちが眠る場所に、あんたたちは土足で踏み入って無駄に騒ぎ立てたんだ」
殺人事件以来あの山はこのお寺で供養してて、念のため山の持ち主には立ち入り禁止にするよう言ってて、猟師のおじさんは定期的に見回りしてたらしい。俺たちは近くにある公園に行くふりして公園の駐車場停めてこっそり山に入ってたんだよね。それも白状した。
「そっとしとけば無害に成仏した霊をわざわざ悪霊にしてあの子に憑かせ無駄に苦しめた。二度とこういうことはするな」
こんな感じのことを言われて、俺たちが完全に悪いので何度も謝ってから帰った。あの子にも謝りたかったけど「これ以上関わるな」と言われた。
大丈夫なのは三人だけ?
(※一連の書き込みへのレス)
そう。俺とBとCで帰った。だから俺が見たことはここまでで、あとは後でAから聞いた話です。
Aだけは簡単に祓えない状態とのことでお寺に残ることになった。霊感あるから悪霊と共感したとかで
俺らが帰るとき、奥の家の縁側からさっきのお兄さん(住職の息子さんだと思う)が警戒した様子でこっち見てて、よっぽど巫女さんが心配なんだろうなって思った。
Aは寺でお経唱えてもらったりしたけど、それでもまだダメだったみたいで夜になったそうだ。待たされてるときに奥の部屋で話し声が聞こえて「◯◯は消滅したはず」「◯◯さんにも報告したほうが」とか結構深刻そうな話になってて(名前っぽいのはよく聞こえなかったらしいし、特定されるかもなんで伏せます)住職のお父さんつまり先代の住職のおじいちゃんとも相談してたらしい。
結局Aは一泊することになり、母屋の近くにある一部屋しかないお堂みたいな小さい家に閉じこもるよう言われた。まさにAみたいな、お祓いが終わってない人を隔離するための部屋らしい。そんな家が用意してあるってことはこういう依頼が多いお寺なんだろう。よくある話みたいに一歩も外出るなとか扉開けるなとかは言われなくて拍子抜けしたとか。トイレ行きたかったら母屋に、あとは部屋にできるだけいて外を出歩くなくらいの感じ。Aも素直に従って部屋で寝る準備してたそうだ。
そしたら、急に例の巫女さんが一人で来たんだよ。もう深夜の時間帯だったらしい。とりあえず部屋に入ってもらって話を聞いたらとんでもないことになった。
Aに取り憑いてる悪霊を完全に巫女さんに移すために、彼女と寝ろって話だった。添い寝じゃないよ。ガチのやつ。俺ら普段さえない男四人でつるんでる童貞集団、Aもめちゃくちゃ焦ったみたいで事態が飲み込めないみたいだったけどどうやら本気みたいだとわかってきて。
昼間見たときの俺たちの印象だと巫女さんはすごく地味な中学生って感じだったけど、ちゃんと聞いたら成人してたらしい。しかも社会人で俺たちより年上。化粧もしてなくて上下スウェットかジャージっぽい服装してたから子供っぽく見えたみたいで、近くで見たらかわいかったらしい。
しかも、あっちは『私のようなブスを見ても萎えると思いますが』って申し訳ないほど恐縮してたみたいで、しっかり化粧してて女の子に人気のブランドのかわいいパジャマ着てたのでAは萎えるどころかギンギンに勃起してたそうな。そのままAは悪霊退散のために童貞卒業してしまった。彼女はやること済んだらすぐ出ていってしまい、それきり一度も話せていないらしい。
翌朝になって、住職の息子という若いお兄さんがおにぎりを持ってきてくれて、除霊は済んだからさっさと帰れと言われた。相変わらず険しい表情で警戒してる感じで、ここであったことは誰にも言うなって言ったきりいなくなってしまったそうだ。Aは急いで荷物をまとめて、迎えに来てくれた猟師さんに案内されて帰ってきたんだとか。帰ろうとした時、寺の奥の家の窓からチラッと巫女さんの姿が見えてすごく寂しそうにこっちを見てたのが忘れられないって。以上、俺たちが体験した心霊体験でした。
(しばらく様々な反応が書き込まれる)
てかさ、言うなって言われたのに早速後輩に話しちゃってるAヤバくない? 書き込む投稿主もヤバいけど。巫女さんは悪霊を肩代わりしてくれた命の恩人なのに、最後の方無理矢理恋愛要素みたいにして性的に消費してるの無理だわキモすぎ。釣りであってほしい
投稿主、ほんとにフェイク入れてる? ちょっと調べたら特定できそうなの出て来たんだけど。██県で去年あった『白き雛たちの夢』って宗教団体の信者の大量失踪事件の山じゃない。そこマジで危険らしいけど大丈夫? 母体の宗教は現役だし白き雛もネットでバンバン広告出してたから今でもたくさん出てくるよ山のこと
↑の事件読んで作った創作であってほしい。テレビでちょっと見たけど、被害者の信者の人たち報道できないレベルの状態で発見されたとかで遺族のインタビューとか見てられなくて。創作でもそれ元ネタにするの最低だと思う
(しばらくして、投稿主が戻ってくる)
うわ、すごい荒れてる。俺たちがやったことはもちろん犯罪で許されることではないです。はしょったけど警察の人も来てて厳重に注意されました。ここに書いたのは俺たちみたいに馬鹿な動画のためにヤバいことする奴が出ないようにしたかったんだ
巫女さんのことに私情入りまくってるのはすまん。でもかなりフェイク入れてるから彼女が特定されることは絶対無いと思う。ここでは巫女さんと呼んでるけどガチ巫女さんに凸するのはやめてくれな。絶対本人じゃないんで
実は今まで書き込んでた俺は話の中のAです。唯一先輩で、車運転してたのは俺です。寺に残されて巫女さんと会話したのも俺です。さらっと書いたけど実際は結構長話してて巫女さんの本当の職業とかまで聞いてる。取り憑かれた俺のために体まで捧げて助けてくれたあの子のことをどうしても書き残しておきたかったんだ。そうそうあの子の職場わかったから今度直接お礼言いにいくんだ。きっかけは心霊現象ではあったけど短時間でかなり仲良くなれたと思うし抱いたからにはちゃんと告白しようと思ってる。どう切り出したらいいかアドバイスくれ!
(以降、会いにいくなと止める反応が続く)
どいつもこいつも童貞ひきこもりの嫉妬乙。頭が痛い事件の事はガチ反省してるけどぶっちゃけあんなかわいい子とヤレたのは頭が痛いラッキーだったと思ってるしw頭がいたい年上だけど小柄で年下にしか見えなくて小動物みたいだった。俺の方が昇天させられるかってくらい気持ちよかったしあたまいたい あの子も声出そうなの必死でおさえて顔隠してるのに腰は慣れてる感じで動いててマジエロすぎたあたまおおきくなっ 俺霊感強いから責任とってあの子のこと守るよひとりぼっちなんだ俺みたいなのがいてやらないと
(この書き込みの直後、同一の送信元から動画サイトのアドレスが書き込まれるがすぐに削除される。同時にこれまでの書き込みもすべて消えており、まとめサイトに転載されつつあったものも根こそぎ見られなくなった。たまたま動画を確認できた人たちの反応は以下の通り)
アカウントに大学のサークルって書いてあるじゃん特定されるぞ
この大学██県だよ、誰かが言ってた白き雛事件の話正解じゃね?
だとしたらそりゃ消されるわ投稿主生きてる?
最後の書き込み怖すぎ。本人じゃないのでは
巫女さん逃げて超逃げて
寺も特定されそう
動画もう見られなくなってるけど、見るからに童貞っぽい大学生くらいの男がこっち見てボソボソ話してた。全部は聞き取れなかったし意味不明なこと言ってると思ったけど他の人が書いてることもとに検索したらあった。これと同じだ(別の動画へのリンク)白き雛って団体はなくなってるけどインターネットに痕跡がたくさん残ってて、これはこの宗教の神へ捧げる挨拶とからしい
投稿者しんだのかな
(これら一連の書き込みもほとんどが削除済)
(数ヶ月後、同じ匿名掲示板の別の場所に関係者によるものと思われる書き込みがあった。こちらは現在もログが残っている)
以前別のスレに『山に動画撮りに行ったら妊婦とか白い蜘蛛を見た』という書き込みがあったことを知ってる人はいますか?
結構いますね。私は書き込み自体見ていませんがある人から「本物の『俺』かBかCに当たる人です」と名乗れば通じると聞きました。以前書き込みしたのは私と同じサークルの先輩だった人で私は同行者の一人だった者です
動画サイトのアカウントは私たちが自主的に消しました。スレやまとめサイトが消されたのは警察だと思います実際の事件のこともあるので。お世話になった寺の方は大丈夫だと思います。特定や凸は不可能です。詳しく書くと迷惑かかるし私の書き込みも消されるから勘弁してください。
動画に映っていた男性は先輩だと思います。動画そのものはすぐ消されたので私たちも見てませんが。私たち後輩三人はお寺に行ったあとは何もなく元気でしたが、一日遅れて帰ってきた先輩はちょっと様子が変でした。元気だけど無駄にテンション高いというか……。
私たちから聞いたわけでもないのに、お寺の関係者の方と何があったのか喋っちゃって(消される前に先輩の書き込みを見た人はご存知かもしれませんが、言いふらさないように言われてるのでお願いします)それは私たちもやめた方がいいと言ってそのときは収まりました。それで終わったと思ったのですが、あんなことがあったのでサークル活動はしなくなりました。先輩も少し体調を崩して、頭痛薬を毎日のように飲んでいるのを見かけたので飲み会とかにも誘いづらくなり、先輩抜きの三人で過ごすことが多くなりました。それで気づくのが遅くなってしまったんです。
先日知らない間に先輩がここに書き込みしてしまったそうですが、それを私たちはある人に声をかけられるまで知りませんでした。なぜかというとネットではなくリアルの方で先輩がいよいよヤバい感じになってて、元々仲良かった私たちだけでなく大学中でなんとなく避けられるようになっていたからです。
先輩が誰かにストーカー行為をしているという噂は知っていました。でもその相手がお世話になったお寺の関係者の方だったなんて知りませんでした。まだ去年の事件に関わっていたなんて……。先輩は私たちのうちの誰かになりすまして書き込みしていたとのことで、そのことで警察(先輩のストーカーのことで相談されていたそうです)から人伝に私たちにも連絡が来たというのが大まかな流れです。
先輩はおかしいって思って、このままだと動画で個人情報とか流してしまうのではと思った私たちは4人で共有していたサークルアカウントをすべて削除しました。
私たちは警察から改めて指導を受けており、詳細は書けませんがお寺の方々も無事とのことなのでそのご報告のため書き込み失礼しました。どうかこれ以上特定をしたり消された書き込みの内容を広めるとかはやめてください。
先輩ですが、現在行方不明です。それ以上は書けません。捜索中の情報とか調べても何も出ないと思うので先輩のことはマジでこれ以上言及しません。私たちのことで答えられることならできるだけ答えます。(書き込んでるのは代表で一人ですが後ろで二人見てます)
お寺の方たちは無事だそうです。そっちはこれ以上言えません。特定されるかもなので。
白い蜘蛛の夢を見たというのは私たちも覚えています。今はもう見ませんが。記憶が新しいうちに三人で話し合いましたが同じような内容でした。あと、とにかく激しい頭痛が苦しくて怖かったのが印象に残ってます。熱出して寝込んだときとか頭痛が起こると思いますが、そういうのと比じゃない感じでした。なんか頭の中で心臓があるみたいにドクドク感じてそのたびズキズキくるみたいな。あのまま放っておいたら頭が破裂してたかもしれないって感じでした。
本当に死ぬかと思ったので、それを嘘のようにすっかり治してくださった件のお寺の皆様には感謝してもしきれません。二度と関わらないことが何よりのお礼と思っています。
(これ以降、当事者からの書き込みは無かった)
※登場人物は実際には全員男性です