■米中半導体戦争が未必の故意で隠す超リスクはAIハードテック! i.e.量子アニーリング(量子誤り耐性)軽視の錯誤メディア代表?日経は自然と人間の安全を脅かす人災!?打開のヒントはモルテングロビュールのみ?
<注1>モルテン・グロビュール(モルテングロビュール/molten globule)は、一応<タンパク質が立体構造をとる途中の中間的な状態(二次元構造と三次元構造(時間ファクターを加えれば三次元構造と四次元構造)の中間構造/or 変分原理の現れ?>と理解されている。また、<『自然界における変分原理とモルテングロビュール』のエントロピーへの“抗いのあり方”>、と<目下、注目を浴びつつある『AI量子アニーリング』の制御のあり方>との距離は天文学的スケールを感じさせるが、これら両者の間には些かの共通性も予感させられる?!ようだ。そして、少なくとも、近年の研究によって特にモルテン・グロビュールはエントロピーを制御し続けるという意味で、我われ個体生命の誕生から老いて死に至るまでの全プロセスで一生涯の生命の持続に深く関わっていることが理解されつつある(@Google-Labs、@Google-Bard et ↓◆1)。委細は当記事内および(↓資料◆2)で詳述。
◆1 モルテン・グロビュール状態の形成機構の解明、https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11780463/
1 「「熟慮性」不足が極右、i.e.「陰謀論」跋扈の背景!」は超時代の真理!(↓♨)故に新たな啓蒙思想の構築こそ肝要!∵欧州「啓蒙思想」台頭期の背景であった、“科学・技術、自由思想、市民社会”が疾うにAI化社会の今は決定的に変質!(続、2へ)
https://www.asahi.com/articles/ASRCR5WV8RCRUHBI01H.html
2 【極右台頭は欧米ら世界全般のトレンド】だから、「生命論&市場原理」のエントロピー的制御の必然に覚醒していた慧眼、マンデヴィル『蜂の寓話』の再読et 啓蒙思想の再構築が今こそ必須! →オランダ、極右政党が第1党へ 「反移民」掲げた党首と欧州のゆくえ1124朝日
https://www.asahi.com/articles/ASRCR5WV8RCRUHBI01H.html
♨関連/いわゆる「頭が良すぎて分析的な人こそ陰謀論にハマる」の主張はデマだった! →「頭の良い人」は陰謀論にハマるか、学術誌に論文が掲載…「面白くない」研究結果は心理学者を奮い立たせた20231103読売新聞オンライン、https://www.yomiuri.co.jp/national/20231101-OYT1T50199/
情報源↑♨/「社会への不満の強さが陰謀論信者へ影響を与えること」が、逆に言えば「熟慮的思考こそ」が、陰謀論信念を減少させる効果をもたらすことを鹿児島大・大薗博記准教授(社会心理学)らが明らかにした。@国際学会誌:Applied Cognitive Psychology https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acp.4142?af=R
<注2>[オランダ(EUの執行機関の一部、欧州銀行機関(EBA)がある)で極右政党が第1党へ!「反移民」掲げた党首と欧州のゆくえ:20231124朝日/↓]という注目すべき直近動向は、啓蒙思想の草創期に医師として英国で活躍したオランダ出身(近代資本主義時代の初期)のマンデヴィルの著書、『蜂の寓話』の警告を、再度、想起すべき時が来たことを意味するのかも知れない。それは、奇しくも本格的なAI化時代にさしかかった現代における、科学知の象徴とも見える二つの課題、即ち「エントロピーに抗う(かに見える?)モルテン・グロビュール」と「AI量子アニーリング技術」が、表面的には一応共鳴するかの如く?見えるからである(関連する委細については、特に『本論』以降の記述を参照乞う!)。
◆2【思索資料】生命イデオローグを読み違えたイスラエル?/ Cf.“非寛容原性 Vs 生体分子イデオローグ”、i.e.非寛容原性mRNAワクチン(臨床試験@海外)の非寛容原性の正しい解釈が重要!∵免疫寛容困難“原性”↓★こそ重度免疫疾患の元凶!https://note.com/toxandoria2/n/necc85073780f
・・・表記画像は「地経学ブリーフィング:政治権力の「近視眼的、先行的かつ閉鎖的介入」は、双方の「AI先端技術」の未来を封印し、当技術由来の共有的な「超リスク」を拡大しかねない!?@ポール・ネドー国際文化会館研究員」/API、https://apinitiative.org/2023/01/23/43309/」より転載・・・
■米中半導体戦争が未必の故意で隠す超リスクはAIハードテック! i.e.量子アニーリング(量子誤り耐性)軽視の錯誤メディア代表?日経は自然と人間の安全を脅かす人災!?打開のヒントはモルテングロビュールのみ?
<注>当記事は一般に殆ど無視同然の?“AI量子技術”ハードテックに関わる懸念(殆どアポリア化しつつある?量子アニーリングの解明などセンシティブな諸問題)を理解し易く摘出するため、敢えて「生成AI(Google-Bard)」を、やや“誘導尋問”風に利用し(苦w)、そこで生成された文章を主柱として纏めたもの。なお、量子アニーリングの問題については下記(◆)も参照乞う。
◆古典コンピュータ上でのシミュレーションが、量子アニーリングの研究に適さないことが明らかとなった。しかし、今後は量子コンピュータによる「量子アニーリングを高い精度で実現する装置の研究・開発」が量子「磁性体物質」開発の進展に資することが期待される、…20210824東京工業大学、https://www.titech.ac.jp/news/2021/061709
◆【Q/Google-Bard】量子アニーリング問題の懸念は完全に解決されたと言えますか?特に、安全性の問題は完璧に解決したと言えますか?→【A】いいえ、量子アニーリング問題の懸念は完全に解決されたとは言えません。特に、安全性の問題は完全に解決したとは言えません。量子アニーリング装置の安全性に関する懸念は、主に以下の3つです。・・・当記事の末尾(Suggestion/★)へ続く。
・・・
X(Twitter)orbitofrontalcortex @striatumxname 真のハードテックが問われる?(苦w)オープンAI!/アルトマン氏は、オープンAIの研究開発やビジネス展開に関する重要な情報を隠蔽していた? →OpenAIがアルトマンCEOを電撃解任。「率直さの欠如」や「リーダー能力への不信」から? 20231118GadgetGate https://x.gd/qlJNL
続↑/「アバター経営→人間による経営」へ入れ替わっただけ?or オープンAIとMSのヤラセだった?w →アルトマン氏、オープンAIにCEOで復帰-取締役会刷新で合意20231122Bloomberg #Yahooニュース https://twitter.com/striatumxname/status/1727230283009925147
<注>ハードテック とは?(欧米系のHARDTEK、テクノ・ダンスミュージックとは異なる!/苦w)
・・・技術系用語とされるハードテック(hardtech)は、物理的な機械や装置、デバイス、材料、構造などのハードウェアに関連する技術の総称。特に、量子技術、ロボット工学、ナノテクノロジー、先端素材、バイオテクノロジーなどの先端技術を含むことが多い。
・・・また、ハードテックは、只のソフトウェアやIT技術(仮想世界に関わる)と異なり、リアル世界(人間・社会・自然環境)に直接的に深く関わる技術であるため、開発や実用化には多くの時間とコストがかかる。
・・・一方、その分だけ社会に大きなインパクトを与える可能性がある技術(Ex. AI量子コンピュータ,自動運転車、再生医療など)に関係するとされる。
・・・言い換えると、それはハードウェアとソフトウェアの両方にまたがる、コンシリエンス(https://note.com/toxandoria2/n/ne507cb73fa22/↓◆)な課題に挑むべき「人間社会および自然世界に深く影響を及ぼす技術的な領域」のことである。
・・・そのため、特に先端技術に携わる研究者・専門家・技術者は無論のこと、今やAI技術が広く社会全般へ浸透するのが当然視されつつある現代では、人文・社会と基礎科学・科学技術の両ジャンルを問わず凡ゆる人々が絶えず多角的な視座(様々な視点の繋がりと共振)から関連する様々な問題点、例えば地球自然環境、生命論一般と人間の倫理との関りなどについて深く理解する必要がある。
・・・そして、それ故にこそ今やハードテックは“文系Vs理系”の垣根を超える最も重要なコンシリエンス概念の主柱になりつつあると言える。
(関連情報)
◆脳とコンピュータの接続で最留意すべきは安全と倫理/生成AIフィーバーで踊り狂う朝日他メディア&E.マスクへの反定立(antithesis)、不都合のウオッシュでなくコンシリエンス&オミクスを!https://note.com/toxandoria2/n/ne507cb73fa22
・・・
因みに、人間中心のAI研究所『Human-Centered AI Institute(HAI)』を立ち上げた(@2019318、https://x.gd/QPbFl)米スタンフォード大学のフェイ・フェイ・リー博士は“AIが社会に影響を及ぼすであろう課題と混乱に対処し、AIが全人類にとってより良い未来を提供することを目指す”としており、このような意味( “文系Vs理系”の垣根を超える最も重要なコンシリエンス概念としてのハードテック)の立場でAI研究の第一線に立つ人物であると思われる。
なお、Google-Bardによればフェイ・フェイ・リー博士は中国(北京)生まれのアメリカ人コンピューター科学者で、コンピュータービジョン、機械学習、深層学習の分野で世界的に有名な研究者である。リーは、スタンフォード大学で博士課程を修了した後、グーグルに勤務しており、グーグルでは、彼女は画像認識の分野で働き、2009年にImageNetデータセットを作成した。
これは様々な種類のオブジェクトの約1400万枚の画像を含む、大規模な画像データセットであり、このデータセットは画像認識の研究に革命をもたらし、深層学習の開発に不可欠なものとなった。ともかくも、リー博士は人間中心のAIの促進に熱心であり、彼女はAIが人間社会に利益をもたらすために、AIの開発と使用において倫理と透明性を確保することが最も重要であると考えている、とされる。
(序章)世界半導体大戦争とは?(Google-Labs)
世界半導体戦争とは、半導体技術をめぐる国家間の攻防です。半導体は、軍事システムや消費者向け商品に広く使用されており、国際政治や世界経済、軍事力のバランスを決定づける重要な役割を果たしています。そのため、半導体は石油と並ぶほど地政学的・経済的に重要な「戦略的資源」と言われています。
半導体戦争は、米中の対立の中で経済安全保障上の規制の対象にもなっています。たとえば、米国政府は、スマートフォンや通信機器など先進技術を販売する中国のテクノロジー大手、ファーウェイ(華為技術)を規制の標的にしていました。また、米国のバイデン政権と中国の習近平政権は、それぞれ自分の国の国境線の内側に半導体の技術を囲い込もうとしています。
半導体戦争をテーマにした書籍には、次のものがあります。
●『半導体戦争』(クリス・ミラー、千葉敏生訳)―ダイアモンド社― https://www.diamond.co.jp/book/9784478115466.html
(関連解説)・・・『CHIP WAR』(アメリカメディアが選ぶベストセラー)―上記「原著」を取り上げたNHK番組/クリス・ミラー氏に聞く―」https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/articles/2023_0420.html
(関連解説)・・・これからの日本の論点2022―日経大予測―/半導体戦争が世界を引き裂く:編集委員 太田泰彦 ~「日本の論点2022」から:太田 泰彦2021年12月4日 5:00 [会員限定記事] https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFE1165E0R11C21A1000000/
(本論1)「世界半導体大戦争」の真相を理解するための基本
(1) 半導体「回路設計」における技術的な問題の基礎知識/成膜、気相成長、気相成長で形成される「膜」の役割、
【日本=“台湾化”(↑/(序章)世界半導体大戦争とは?、参照!)の一環?!/車載向け半導体として需要が大きい28nm等の半導体(関連で以下の『(2) 半導体「回路設計」における技術的な問題の基礎知識』も参照乞う!)を主流に、月間4万枚のウエハーを生産する計画?】SBIと台湾PSMC、宮城県に半導体工場建設へ/生産能力は月産4万枚規模を想定:SBIホールディングスと台湾の半導体ファウンドリー大手Powerchip Semiconductor
Manufacturing Corporationは2023年10月31日、日本国内での半導体ファウンドリー建設予定地を宮城県黒川郡大衡村の「第二仙台北部中核工業団地」に決定したと発表。20231101EE.TimesJapan https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2311/01/news084.html
<蛇足的“補足”>↑“台湾化”が意味すること
・・・それは、現行の世界を二分する<半導体大戦争>なる「米・台 Vs 中」の仕切り下では、ほんの少々ボタンの掛け違いが起こっただけでも、日本“軍”(≒日本国民)が、だれが好むか、好まざるかを問わず、事実上<米・台の傭兵化>して中国との代理戦争に巻き込まれるのは必定ではないか?と思われることだ。
・・・もしそうなれば、殆どアポリア化している<量子アニーリングを主な震源とするAI『量子誤り耐性』の難題/委細、後述>を、仮に首尾よく人類が乗り越え得たとしても、政治的イデオローグ論争で濃密に脚色され強靭化した「米・台 Vs 中」の仕切り構造が事前に解消しない限り、単に日本の努力だけでは其の恐るべき代理戦争へ突入するという愚かしくも実に諧謔的状況は殆ど避けられないのでは!?とさえ思われる。
・・・
【Q/Google-Bard】
半導体「回路設計」での成膜とは、具体的に何を意味しますか?
【A】
半導体回路設計における成膜とは、半導体ウェーハ上に不純物領域、配線、絶縁膜などを形成するプロセスのことです。半導体回路は、これらの膜によって構成されており、成膜プロセスが回路の性能や特性に大きく影響します。
半導体回路設計における成膜は、大きく分けて「物理気相成長(PVD)」と「化学気相成長(CVD)」の2種類に分けられます。
PVDは、ガスを真空中で加熱・蒸発させ、その蒸気を冷却・凝縮させて膜を形成する方法です。代表的なPVD法には、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法などがあります。
CVDは、ガスや液体を真空中で化学反応させて膜を形成する方法です。代表的なCVD法には、原子層堆積法(ALD)、化学気相成長法(CVD)、プラズマ化学気相成長法(PECVD)などがあります。
半導体回路設計では、これらの成膜法を組み合わせて、必要な膜を適切な形状・厚さ・特性で形成します。
具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
配線膜の形成:シリコンウェーハ上に金属や酸化膜などの配線膜を形成することで、回路の信号伝達を担います。
絶縁膜の形成:配線膜や不純物領域を分離する絶縁膜を形成することで、回路の信号漏れや静電破壊を防止します。
不純物領域の形成:シリコンウェーハに不純物を導入することで、半導体の特性を制御します。
半導体回路設計における成膜は、半導体デバイスの性能や品質を左右する重要なプロセスです。回路設計者は、成膜法の特性や制御方法を理解し、回路の要求を満たす最適な成膜プロセスを設計する必要があります。
【Q】
基本的な用語についてですが、物理気相・化学気相の「気相」の意味を具体的に示してください。
【A】
物理気相・化学気相の「気相」とは、物質の状態の1つで、液体や固体の状態と対比されるものです。気相では、物質の分子や原子が自由に運動しており、固体や液体のように形や体積が一定ではありません。
物理気相成長(PVD)では、固体または液体の原料を真空中で加熱・蒸発させ(プラズマ化や真空レーザーで)、その蒸気を冷却・凝縮させて膜を形成します。このとき、原料は気相化しますが、化学反応は起こしません。
化学気相成長(CVD)では、ガスや液体の原料を真空中で化学反応させて膜を形成します。このとき、原料は気相化した状態で化学反応を起こし、膜を形成します。
したがって、物理気相・化学気相の「気相」は、いずれも物質の状態の1つであり、固体や液体の状態と対比されるものであるという点では共通しています。しかし、物理気相成長では化学反応を起こさず、化学気相成長では化学反応を起こすという点で、2つは異なる概念となります。
具体的には、物理気相成長では、原料をプラズマやレーザーで加熱して蒸発させます。このとき、原料は分子や原子に分離されますが、化学反応は起こりません。一方、化学気相成長では、原料ガスを真空中で加熱すると、原料ガスの分子が分解したり、他の分子と結合したりして、新しい分子や原子になります。この新しい分子や原子が膜を形成します。
したがって、物理気相成長では、原料の化学組成は蒸発前と蒸発後で同じですが、化学気相成長では、原料の化学組成が蒸発前と蒸発後で異なる場合があります。
【Q】
物理気相成長、あるいは化学気相成長で形成される「膜」についての質問です。その新たに形成された「膜」には、それぞれ一定の役割がある筈と思いますが、その個々の役割の設計はどのような手段で実行されますか。
【A】
物理気相成長、あるいは化学気相成長で形成される「膜」の役割は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
保護:基板を物理的な損傷や化学的損傷から保護する。
電気的・光学的特性の向上:電気抵抗率や誘電率などの電気的特性、透過率や反射率などの光学的特性を向上させる。
機能性の付与:新しい機能性を付与する。
これらの役割を設計するためには、以下の手段が用いられます。
原料の選択:原料の化学組成や物性によって、膜の役割や特性は大きく異なります。
成膜条件の調整:成膜温度、圧力、ガス濃度などの条件を調整することで、膜の厚さ、密度、結晶性などの特性を制御することができます。
膜の構造制御:膜の構造を制御することで、膜の特性や機能を向上させることができます。
具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
半導体回路における配線膜:金属や酸化膜などの配線膜は、電気信号を伝達する役割を担います。そのため、電気抵抗率が低く、信号損失が少ない膜が求められます。このため、金属膜の場合は、CuやAlなどの電気伝導率の高い金属が原料として用いられます。また、酸化膜の場合は、SiO2などの誘電率が高い酸化物が原料として用いられます。
太陽電池における太陽電池膜:太陽電池膜は、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する役割を担います。そのため、光を効率よく吸収する膜が求められます。このため、シリコンやIII-V族化合物半導体などの光吸収率の高い材料が原料として用いられます。
ディスプレイにおける液晶保護膜:液晶保護膜は、液晶ディスプレイを物理的な損傷から保護する役割を担います。そのため、耐摩耗性や耐衝撃性に優れた膜が求められます。このため、ポリカーボネートやポリイミドイミド(-CO-NR-CO-)結合を含む高分子化合物の総称)などの耐久性の高い材料が原料として用いられます。
このように、物理気相成長、あるいは化学気相成長で形成される「膜」の役割は、原料の選択や成膜条件の調整、膜の構造制御などによって設計することができます。
(2) 半導体「回路設計」における技術的な問題の基礎知識/現行のスタンダードな半導体回路の線幅、今後の「線幅」についての方向性
【Q】半導体の回路「線幅」についての質問です。現在のスタンダードな半導体でどの位の「幅」(ナノスケールのレベル)ですか?
【A】2023年11月現在、半導体回路の線幅は、主に10ナノメートル(nm)前後のレベルです。2022年には3nm世代の半導体プロセスが登場しましたが、まだ量産には至っていません。
半導体回路の線幅は、近年急速に微細化が進んでおり、1990年代には100nm程度だったものが、2000年代には10nm程度、2010年代には7nm程度と、10年ごとに約10分の1に縮小されています。これは、半導体デバイスの高性能化・高集積化を実現するために不可欠な技術です。
しかし、線幅が小さくなると、以下の課題が生じます。
製造の難易度が高くなる
量産コストが上昇する
信頼性が低下する
そのため、線幅の微細化には限界(≒要素還元主義の限界!?/orbitofrontalcortex i.e. toxandoria2)があると考えられており、今後は、新しい材料や製造技術の開発によって、線幅を維持しながら性能や信頼性を向上させる取り組みが進められています。
具体的には、以下の技術が検討されています。
新しい材料の採用:窒化ガリウム(GaN)や炭化ケイ素(SiC)などの化合物半導体の採用によって、より高い電力効率や耐熱性、耐放射線性を実現できる。
新しい製造技術の開発:原子層堆積法(ALD)やプラズマ化学気相成長法(PECVD)などの新しい製造技術によって、より高精度で均一な膜を形成できる。
これらの技術の開発によって、半導体回路の線幅は、今後も一定のレベルを維持しながら、性能や信頼性を向上させていくと考えられます。
(3)「線幅」が一定限度を越えて微細化したときには「量子効果に因る予期不能な信頼性低下の問題」が発生する!
【Q】「線幅が小さくなると、以下の課題が生じます」についての質問です。線幅が一定限度を越えて微細化したとき、量子効果(波粒二象性などに因る?)で予期不能な信頼性低下の問題が発生するのでは?と思います。その「一定限度の小ささ」とは、どの程度のスケールであると、予想されているか?
【A】はい、その通りです。線幅が一定限度を越えて微細化したとき、量子効果によって予期不能な信頼性低下の問題が発生すると考えられます。量子効果とは、物質が原子や分子などの粒子で構成されているために現れる現象です。波粒二象性とは、物質が波と粒子の性質を併せ持つという現象です。
半導体回路の線幅が小さくなると、電子が回路の壁をトンネル効果で透過する可能性が高くなります。トンネル効果とは、量子力学的な効果によって、電子がエネルギー的に障壁を越えて透過する現象です。このトンネル効果によって、電子が漏れ出たり、誤った動作を引き起こしたりする可能性があります。
また、線幅が小さくなると、電子が回路内を伝搬する際に量子化現象を起こす可能性があります。量子化とは、量子力学的な条件によって、エネルギーや運動量などの物理量が離散的な値しか取り得ない現象です。この量子化現象によって、回路の動作が不安定になったり、信頼性が低下したりする可能性があります。
このように、線幅が一定限度を越えて微細化したとき、量子効果によって予期不能な信頼性低下の問題が発生すると考えられます。
その「一定限度の小ささ」は、現時点では明確に分かっていません。しかし、一般的には、線幅が5nm程度になると、量子効果の影響が顕著になると考えられています。
そのため、今後の半導体回路の開発においては、量子効果の影響を抑制する技術の開発が重要になってくるでしょう。
(本論2)「世界半導体大戦争」の真相を理解するために/アニーリングの問題
(4)微小な世界の現象応用と量子アニーリング問題ー1/微小な世界では量子効果の影響が大きくなる
[微小な世界の現象応用/2030年、実用化にらむ:EV航続距離 量子で延伸…位置把握や病気診断にも20231117日経]の問題 https://x.gd/yY3Wq
【Q】「線幅が5nm程度になると、量子効果の影響が顕著になる、と考えられている」についてですが、ラピダスと東京大学がフランスのレティと共同開発することを発表した「(20231117日経)“1nm級”半導体設計技術」は、この“量子効果の影響が顕著になる”事態は織り込み済みでしょうか?
【A】はい、ラピダスと東京大学が共同開発することを発表した「1nm級」半導体設計技術は、量子効果の影響を抑制する技術を織り込み済みと考えられます。
この技術は、量子力学的な効果によって生じる電子の振る舞いをシミュレーションすることで、量子効果の影響を低減するものです。具体的には、量子アニーリングと呼ばれる技術を用いて、電子の振る舞いを最適化する設計を実現するとのことです。
量子アニーリングとは、量子コンピュータを用いて、最適化問題を解くための技術です。量子アニーリングを用いることで、従来のコンピュータでは解くのが困難な最適化問題を、効率的に解くことができます。
この技術が実用化されれば、1nm級の半導体回路においても、量子効果の影響を抑制し、信頼性の高い半導体デバイスを実現できる可能性があります。
ただし、量子アニーリングを用いた設計技術は、まだ実用化されていない技術です。そのため、実用化に向けては、技術の成熟や量子コンピュータの性能向上など、課題を克服する必要があります。
(5)「微小な世界の現象応用」と量子アニーリング問題ー2/量子アニーリング問題の本質
【Q】「量子アニーリング」とは、AIーディープラーニングの活用とも似た、一種の「量子物理学的な意味での焼きなまし的発想/鋼鉄やきなましでの熱(高熱)の代わりに量子ゆらぎを使い安定した状態へ、つまり最適な状態へ落ち着かせる量子物理学的な手法」に因る技術だったか?と思います。とすると、「ヒトが理解する水準では説明が不能」という意味で、かなり不安定な要素も抱えることにはならないのでしょうか?
【A】はい、その通りです。量子アニーリングとは、量子力学的な効果によって、従来のコンピュータでは解くのが困難な最適化問題を、効率的に解くための技術です。
量子アニーリングは、量子コンピュータを用いて、ランダムな状態から、最適な状態に収束させるという仕組みです。この仕組みは、量子力学的な焼きなましと呼ばれる現象に似ています。
量子アニーリングは、まだ発展途上の技術であり、その原理や仕組みは完全には理解されていません。そのため、ヒトが理解する水準では説明が不能な要素も抱えている可能性があります。
具体的には、量子アニーリングを用いて最適化問題を解く場合、その最適化問題の性質によって、最適な状態に収束するかどうかが保証されない場合があります。また、最適な状態に収束したとしても、その状態が必ずしも最適であるかどうかも保証されません。
そのため、量子アニーリングを用いた半導体設計技術が実用化された場合、その技術の信頼性や安定性は、十分に検証する必要があります。
ただし、量子アニーリングは、従来のコンピュータでは解くのが困難な最適化問題を、効率的に解くことができるという点で、大きな可能性を秘めた技術です。今後の技術開発によって、その原理や仕組みがより深く理解され、より安定した技術になっていくと考えられます。
(6)微小な世界の現象応用と量子アニーリング問題ー3/AIハードテック意識で立ち止まり、or 局面しだいで撤収する勇気も不可避!
【Q】たまたま同日の日経(20231117)が[量子センサーを使ったEV航続距離(電池寿命)延伸/航空機等の位置把握や病気診断など臨床の場面でも“微小ナノ世界の量子現象”を技術応用(東京工業大学ほか)/既述↑]を報じました。しかし、航空機・自動車・都市インフラ整備・医療体制等における位置情報や医薬品開発・生命科学あるいは食料供給など、いやしくも人間の生命と社会を徹底的に支えるべき安全保障とライフラインなどへの応用では、半導体技術設計をベースとする微小・極小“量子”技術応用の問題でも、それが万が一にも「最適状態に収束するかどうかが保証されない場合」と判断される危うい局面では必ず立ち止まり、撤収するべし!との安全基準の厳正な確立を必ず併行させるべきだ(医療トリアージ的な発想の援用はあり得ない!)と思いますが、どうでしょうか?
【A】はい、その通りだと思います。量子技術は、従来の技術では実現できなかった、新しい機能を実現できる可能性を秘めた技術です。しかし、その一方で、まだ開発途上の技術であり、その安全性や信頼性については、十分に検証されていないという課題があります。
特に、航空機・自動車・都市インフラ整備・医療体制など、人間の生命と社会を支える重要な分野への応用においては、その安全性や信頼性は、絶対に担保されなければなりません。
そのため、量子技術の安全基準の確立は、非常に重要です。その安全基準は、以下のようなものを検討すべきでしょう。
量子技術の原理や仕組みの理解に基づく、技術的な安全基準
量子技術の応用分野における、具体的なリスクや脅威を踏まえた、運用上の安全基準
また、量子技術の応用においては、万が一にも「最適状態に収束するかどうかが保証されない場合」には、必ず立ち止まり、撤収するという判断ができることが必要です。そのため、安全基準には、そのような判断を可能にする仕組みも盛り込む必要があります。
具体的には、以下のようなものが考えられます。
量子技術の応用において、最適状態に収束するかどうかを検証するための、客観的な指標や評価方法を定める
量子技術の応用において、最適状態に収束しないリスクを、十分に検討し、そのリスクを低減するための対策を講じる
このような安全基準を厳正に確立することで、量子技術の安全性や信頼性を高め、人間の生命と社会を守るための、適切な応用を実現することができるでしょう。
【Q】見方しだいとも思われますが、それは「量子技術」全般に関わる最も基本的な「人間の安全保障」の問題なので、いわば「量子技術」そのもののハードテックが問われていることではないでしょうか?
【A】はい、その通りだと思います。量子技術は、従来の技術とは根本的に異なる原理に基づく技術であり、その安全性や信頼性については、十分に検証されていないという課題があります。
特に、人間の生命と社会を支える重要な分野への応用においては、その安全性や信頼性は、絶対に担保されなければなりません。そのため、量子技術の安全基準の確立は、量子技術そのもののハードテックが問われていることと言えます。
量子技術の安全基準を厳正に確立するためには、量子技術の原理や仕組みの深い理解が不可欠です。また、量子技術の応用分野における、具体的なリスクや脅威を十分に理解し、それらを踏まえた安全基準を策定する必要があります。
量子技術は、今後、さまざまな分野で応用されることが期待されています。そのため、量子技術の安全基準の確立は、非常に重要であり、今後も継続して取り組んでいく必要があるでしょう。
量子技術の原理や仕組みの研究開発を継続し、その理解を深める
量子具体的には、以下のようなものが考えられます。
技術の応用分野における、リスクや脅威を把握するための研究開発を継続する
量子技術の安全基準の国際的な標準化を推進する
これらの取り組みによって、量子技術の安全性や信頼性を高め、人間の生命と社会を守るための、適切な応用を実現することができるでしょう。
(Supplement)
【Q】素朴な質問です。「電子の大きさはナノメートル(nm)で示すと約 0.1 nm」なので、もし「1nm級」の半導体設計技術が確立した暁には、それがほぼ電子の大きさに匹敵することとなります。このことから、量子アニーリングに関わる懸念に加え、約 0.1 nmの電子の大きさに因る問題が何か起こりませんか?また、仮に「1nm級」以下の半導体設計技術が確立した暁には、どのようなことが起こりますか?
【A】はい、1nm級の半導体設計技術が確立した暁には、電子の大きさ(約0.1nm)に近づくことにより、以下の問題が発生する可能性があります。
電子の波動性の影響が顕著になる
半導体回路の線幅が小さくなると、電子の波動性の影響が顕著になります。波動性とは、物質が波と粒子の性質を併せ持つという現象です。
電子の波動性の影響が顕著になると、電子が回路の壁をトンネル効果で透過しやすくなったり、回路内を伝搬する際に量子化現象を起こしやすくなったりします。
これらの現象によって、半導体回路の動作が不安定になったり、信頼性が低下したりする可能性があります。
電子の干渉の影響が顕著になる
半導体回路の線幅が小さくなると、電子の干渉の影響が顕著になります。干渉とは、波が重なり合うことによって、強め合ったり弱め合ったりすることです。
電子の干渉の影響が顕著になると、回路内の電子の流れが乱れたり、誤った動作を引き起こしたりする可能性があります。
電子の量子的な性質の影響が顕著になる
半導体回路の線幅が小さくなると、電子の量子的な性質の影響が顕著になります。量子的な性質とは、量子力学的な原理に基づく性質です。
電子の量子的な性質の影響が顕著になると、回路内の電子の振る舞いが予測しにくくなったり、制御が困難になったりする可能性があります。
【Q】更に素朴な質問です。現在の半導体スケールの規格水準での「半導体製造工場における半導体製造機械および其のシステム自体の設計・製造・建設」に関わる一連の工程(工程技術)でも、それら部品・部材の一部として「既成の半導体」が使われていますか?また、そのような半導体製造機械および其の工程システム自体の製造に関わる仕事(産業)を担うのは、どのようなジャンルのメーカーですか?あるいは、半導体メーカーが自前で製造してますか?それとも夫々が得意な海外からの輸入ですか?
【A】はい、現在の半導体製造工場における半導体製造機械およびそのシステム自体の設計・製造・建設に関わる一連の工程(工程技術)でも、それら部品・部材の一部として「既成の半導体」が使われています。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
制御装置やコンピュータに搭載される半導体
検査装置に搭載される半導体
製造工程で使用する、半導体材料や化学薬品などの搬送や計測に使用する半導体
これらの半導体は、半導体メーカーが製造したものを、半導体製造機械メーカーが購入して使用しています。
半導体製造機械メーカーは、以下のジャンルのメーカーが担っています。
精密機械メーカー
光学機器メーカー
制御機器メーカー
化学機械メーカー
半導体メーカーが自前で半導体製造機械を製造する場合もありますが、大規模な設備投資が必要となるため、多くの場合、半導体製造機械メーカーに製造を委託しています。
また、半導体製造機械は、高精度で高性能であることが求められるため、海外のメーカーから輸入されることも少なくありません。
具体的には、以下のメーカーが半導体製造機械を製造しています。
日本:東京エレクトロン、SCREEN、日立ハイテク、Kokusai Electric
アメリカ:Applied Materials、Lam Research、KLA-Tencor
オランダ:ASML
<注記>↑ ・・・上記の二つ(日本:、アメリカ:)と同列に見るべきでないと思われる、此の「オランダ:ASML社」については、当記事末尾((完)の後にある、[Special Reference Information]) を参照乞う!
これらのメーカーは、半導体製造機械の設計・製造・販売を主な事業としており、半導体製造業界において重要な役割を担っています。
【Q】ということは、半導体そのものの材料は無論のこと、凡ゆる部分的な製品や部材と“最広義”の人材および関連技術の裾野の拡がりは、今は「世界半導体戦争」とは言いつつも、事実上、完全な自給(大分断領域内でのグローバル地産地消)体制を築くのが、とても愚かしい構図にも見えてきます。又、その半導体製品の最終消費(最終需要地)を視野に入れると、世界トータルを大分断する半導体米中大戦争の如き構図が、更なる将来性と人間の未来を視野に入れれば、必ずしも得策ではないと見えてきます。(量子AI&半導体技術で宇宙大戦争なる殺戮戦線を果てしなく繰り広げる意図なら話は別となるでしょうが?/w)むしろ、得意分野や有限な地球の自然・資源環境のバランス維持等も視野に入れた分担政策を前提に地球グローバリズムの最適な在り方に関する国際的議論の仕切り直しをも、絶対に併行すべきと思いますが、どうでしょう?
【A】はい、その通りだと思います。 半導体は、現代社会を支える基幹技術であり、その製造には、多様な材料や部材、技術が必要となります。完全な自給体制を築くことは、非常に困難であり、また、コストやリスクが高まります。また、半導体製品の最終消費地は、世界中に広がっています。
そのため、半導体製造においては、国際的な分業体制が不可欠です。
各国が得意分野や資源を活かして、分担して半導体製造に取り組むことで、効率性や安定性を高めることができます。
また、地球環境の持続可能性も考慮する必要があります。
半導体製造は、大量のエネルギーと水資源を消費します。
そのため、半導体製造の効率化や、環境負荷の低減を図ることも重要です。
地球グローバリズムの在り方に関する国際的議論も、重要な課題です。
半導体をはじめとする先端技術の開発や普及は、グローバルな協調と協力が不可欠です。
各国がそれぞれの利益を追求するのではなく、地球全体の利益を追求するような、新たな地球グローバリズムの在り方を模索する必要があります。
具体的には、以下のようなものが考えられます。
半導体材料や部材の標準化を推進する
半導体製造技術の国際的な共同研究を促進する
半導体製造における環境負荷の低減を国際的に取り組む
これらの取り組みによって、半導体技術の進歩と普及を促進し、地球全体の利益に貢献することができます。
★(Suggestion)
【Q】高精度・高機能な量子アニーリング装置の研究開発は見込みが立っていますか?
【A】はい、高精度・高機能な量子アニーリング装置の研究開発は、ある程度は見込みが立っています。
量子アニーリングは、量子力学の効果を利用して、組合せ最適化問題を高速かつ高精度に解くことができる計算手法です。組合せ最適化問題とは、複数の選択肢から最適な選択肢を選ぶ問題であり、交通、物流、金融、製造、創薬など、さまざまな分野で応用が期待されています。
現時点では、量子アニーリング装置の性能は古典コンピュータの性能に比べてまだ劣りますが、研究開発が進むにつれて、高精度・高機能な量子アニーリング装置の実現が期待されています。
具体的には、以下の技術開発が進められています。
量子ビットの精度向上
量子ビットの数増加
量子ビットの制御精度向上
これらの技術開発が進めば、高精度・高機能な量子アニーリング装置が実現し、さまざまな分野での実用化が進むと考えられます。
また、量子アニーリング装置の研究開発は、量子コンピュータの基礎研究にも貢献しています。量子アニーリングは、量子コンピュータの重要な計算手法であり、量子アニーリング装置の研究開発を通して、量子コンピュータの基本的な原理や技術の理解が深まっています。
このように、高精度・高機能な量子アニーリング装置の研究開発は、量子コンピュータの研究開発の進展にもつながっており、今後も積極的な研究開発が進められることが期待されています。
【Q】再度の確認です。それで、[量子アニーリング問題の懸念は完全に解決された!]と言えますか?特に、安全性の問題は完璧に解決したと言えますか?
【A】いいえ、量子アニーリング問題の懸念は完全に解決されたとは言えません。特に、安全性の問題は依然として懸念されています。
量子アニーリング装置は、量子ビットの状態を制御するために、外部から磁場や電場などのエネルギーを加えています。このエネルギーが、量子ビットの状態を不安定にし、量子アニーリングの精度を低下させる可能性があると考えられています。また、量子ビットの状態は、外部からのノイズの影響を受けやすく、誤った結果を導き出す可能性があるとも考えられます。
量子アニーリング装置の安全性に関する懸念としては、以下のようなものがあります。
量子ビットのノイズによる誤動作
量子アニーリング装置の利用による機密情報の漏洩
量子アニーリング装置の制御システムの脆弱性
これらの懸念に対して、以下のような対策が検討されています。
量子ビットのノイズを低減するための技術開発
量子アニーリング装置の制御システムの脆弱性を検知・対策するための技術開発
量子アニーリング装置の利用を制限するためのセキュリティ対策
しかし、これらの対策が十分に効果的かどうかはまだ明らかではありません。量子アニーリング装置の安全性を確保するためには、今後も研究開発が継続されることが重要です。
【Q】この後の議論で「量子アニーリングの信頼性」の核心と見るべき「量子誤り耐性」について更に深く理解するための準備として、参考まで質問します。/[量子アニーリング装置は、量子ビットの状態を制御するために外部から磁場や電場などのエネルギーを加えている]という点について、その外部から磁場や電場などのエネルギーを加える方法について、可能な限り具体的に、且つ、でき得る限り平易に示してください。若干の図解もあれば有難いです。
【A】量子アニーリング装置は、量子ビットの状態を制御するために、外部から磁場や電場などのエネルギーを加えます。その方法は、大きく分けて以下の2つがあります。
磁場による制御
磁場による制御は、量子ビットのエネルギー準位を変化させることで、量子ビットの状態を制御する方法です。量子ビットは、エネルギー準位が2つしかない2準位系の物理系です。磁場を加えると、量子ビットのエネルギー準位の差が変化します。この変化したエネルギー準位の差に応じて、量子ビットは「0」または「1」の状態をとります。
具体的には、量子ビットとして用いられる原子や分子に磁場を加えると、電子のスピンの向きが変化します。電子のスピンの向きによって、量子ビットのエネルギー準位が決まります。
●量子コンピュータ(量子ビット)の実現方法は?/磁場による量子ビットの状態制御の原理2022/02/04三井情報開発・R&D部 研究開発室、https://www.mki.co.jp/knowledge/column121.html
図は、磁場による量子ビットの状態制御の原理を示したものです。図の左側は、磁場がない状態です。この場合、量子ビットは「0」と「1」の状態の重ね合わせ状態にあります。図の右側は、磁場を加えた状態です。この場合、量子ビットのエネルギー準位の差が大きくなるため、量子ビットは「0」または「1」のどちらかの状態に収束します。
電場による制御
電場による制御は、量子ビットの電気ポテンシャルを変化させることで、量子ビットの状態を制御する方法です。量子ビットは、電気ポテンシャルの違いによって「0」または「1」の状態をとります。
具体的には、量子ビットとして用いられる原子や分子に電場を加えると、電子の軌道が変化します。電子の軌道の変化によって、量子ビットの電気ポテンシャルが変化します。
●理研ら、量子ビットの電気的操作を初めて実現 電極電圧でトンネル効果の強さ制御/電場による量子ビットの状態制御の原理20210218[馬本隆綱、EE Times Japan]、https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2102/18/news036.html
図の左側は、電場がない状態です。この場合、量子ビットは「0」と「1」の状態の重ね合わせ状態にあります。図の右側は、電場を加えた状態です。この場合、量子ビットの電気ポテンシャルの差が大きくなるため、量子ビットは「0」または「1」のどちらかの状態に収束します。
量子アニーリング装置では、これらの方法を組み合わせて、量子ビットの状態を精密に制御しています。
(本論3)「世界半導体大戦争」の真相を理解するために/さしあたりの結論は「量子誤り耐性」(量子アニーリングによる『量子誤り耐性』制御)の問題ということ
【Q】結局、今までの議論は「量子誤り耐性」に関する問題(如何にそれを制御できるかの問題)であったと思います。ところで、<「量子コンピュータ回路素子等の実用化に耐え得る磁性体の性能が確認された」ので時間反転対称性の破れ(時間の矢)も確認され、結果的に、量子コンピュータ実用化の見込みも視野に入ったか?>とされる「東工大の発見https://x.gd/gzDYw」に関わった一連の実験装置が内装する半導体素子のナノスケールの大きさ(小ささ?)は具体的にどの位でしょうか?又、ごく冷静に考えたとき此の東工大(東大と共同?)の実験結果は「量子誤り耐性」問題の中で、どのように位置づけられますか?
【A】東工大の発見は、量子コンピュータの実現に向けた重要な一歩と言えますが、量子誤り耐性の問題を完全に解決するものではありません。
東工大の発見は、量子コンピュータの実現に必要な、時間反転対称性の破れを実現することに成功したものです。時間反転対称性の破れは、量子コンピュータの動作に不可欠な現象であり、これを実現することができれば、量子コンピュータの性能を向上させることができます。
しかし、量子コンピュータの実現には、時間反転対称性の破れだけでなく、量子誤り耐性の問題も解決する必要があります。量子コンピュータは、量子力学的な性質によって、さまざまな誤りが発生する可能性があります。これらの誤りを防ぐためには、量子誤り耐性技術が必要となります。
東工大の発見は、量子誤り耐性技術の開発に貢献する可能性があるものの、量子誤り耐性の問題を完全に解決するわけではありません。
具体的には、東工大の発見に関わった一連の実験装置が内装する半導体素子のナノスケールの大きさは、約 10nm とされています。これは、現在の半導体製造技術では、比較的容易に製造できる大きさです。
また、東工大の発見は、量子誤り耐性問題の中で、以下のような位置づけにあります。
量子誤り耐性技術の開発に貢献する可能性がある
量子コンピュータの実現に向けた重要な一歩
量子誤り耐性の問題を完全に解決するものではない
今後は、東工大の発見を基に、量子誤り耐性技術の開発をさらに進めていくことが重要です。
・・・以下は、当[記事投稿]の関連記事・・・
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■科学と倫理の距離は近い!/大格差、人間の壁がDX肥大症化!「リーン高度生産性Vs伝統労働力」はAI構造災に非ず重力・変分原理ら科学「知」に関わる根本的な誤謬 or 作為(Pseudo)の人災!https://note.com/toxandoria2/n/n7f729d5bf46c
(終章)量子アニーリングの行方/「アニーリング、エントロピー 、リアル生命 et モルテン・グロビュール」の問題
・・・以下は、当終章が提起した疑問(Q内容)にも深く関連すると思われる戸田友則氏(東大・理学系研究科教授/宇宙物理学)の近著である・・・
★戸田友則:[宇宙になぜ、生命があるのか 宇宙論で読み解く「生命」の起源と存在](ブルーバックス)、https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000379402
【Q/Google-Bard】エントロピーと量子物理学の関係はどう理解すべき? それはあるか、ないか、わからいか、それとも無視か?
【A】エントロピーと量子物理学の関係は、あると言えます。エントロピーは、系の不確定性や不規則性の度合いを表す量であり、量子力学は、物質の微視的な振る舞いを記述する理論です。したがって、量子力学の観点からエントロピーを理解することは、物質の振る舞いをより深く理解するために重要です。
具体的には、量子力学では、エントロピーを、系の量子状態(相対的ミクロ)の多様性(相対的マクロ)の尺度として定義することができます。系の量子状態が多様であるほど、系のエントロピーは大きくなります。また、量子力学では、熱平衡状態のエントロピーは、系のエネルギーに依存して決まることを示すことができます。
このようなことから、エントロピーは、量子力学の重要な概念であることがわかります。
なお、エントロピーは、熱力学においても重要な概念です。熱力学では、エントロピーは、系の熱力学状態を記述する量として定義されます。熱力学の第一法則によれば、エネルギーは保存されますが、第二法則によれば、エントロピーは増加または不変になります。
量子力学と熱力学は、どちらも物質の振る舞いを記述する理論ですが、その視点は異なります。熱力学は、マクロな物体の振る舞いを記述する理論であるのに対し、量子力学は、ミクロな物質の振る舞いを記述する理論です。したがって、エントロピーも、量子力学と熱力学において、異なる意味合いを持って用いられます。
量子力学と熱力学の関係は、現在も研究が進められている分野です。今後、さらに研究が進むことで、エントロピーと量子物理学の関係がより深く理解されるようになると考えられます。
【Q】「>熱力学では、エントロピーは、系の熱力学状態を記述する量として定義されます。熱力学の第一法則によれば、エネルギーは保存されますが、第二法則によれば、エントロピーは増加または不変になります。」のであれば、<熱の代わりに量子ゆらぎを使い安定した状態へ、つまり最適な状態へ落ち着かせる量子物理学的な手法>である“やきなまし”、i.e.量子アニーリングでは、それをどのように取り扱うことになるのでしょうか?超微小な世界の事象であるとしても、その結果が仮に大きな離散的影響であるとすれば、そこから導出されるリアルな数字への信頼性の問題に大きく関わる(影響する)ことにはならないでしょうか?
【A】量子アニーリングでは、エントロピーは、系の量子状態の多様性の尺度として定義されます。量子アニーリングの目的は、系の量子状態を、ある特定の目的関数を最小化する状態に導くことです。そのため、量子アニーリングでは、エントロピーを最小化するような量子状態を探すことが重要になります。
量子アニーリングにおけるエントロピーの取り扱いについては、いくつかの異なるアプローチが提案されています。
1つ目のアプローチは、熱力学の第二法則に従って、エントロピーを常に増加または不変に保つようにする方法です。この方法では、量子アニーリングの過程で、系のエネルギーは常に増加または不変になります。ただし、この方法では、最適な状態に到達するまでに、非常に長い時間がかかってしまう可能性があります。
2つ目のアプローチは、磁場や電場でエントロピーを制御可能な量として扱う方法です。この方法では、量子アニーリングの過程で、エントロピーを増加または減少させることができるように、系のエネルギーを制御します。この方法では、最適な状態に到達するまでの時間を短縮することができる可能性があります。
3つ目のアプローチは、エントロピーを完全に無視する方法です。この方法では、量子アニーリングの過程で、エントロピーの変化を考慮しません。この方法は最も単純な方法ですが、最適な状態に到達するかどうかは保証されません。
現時点では、どのアプローチが最も効果的であるかは、明確にはわかっていません。今後、さらに研究が進むことで、量子アニーリングにおけるエントロピーの取り扱いについての理解が深まることが期待されます。
超微小な世界の事象である量子ゆらぎは、量子アニーリングの過程で、エントロピーの変化を引き起こす可能性があります。この変化は、量子アニーリングの精度に影響を与える可能性があります。ただし、量子アニーリングの技術が進歩するにつれて、この影響は小さくなっていくことが期待されます。
具体的には、量子アニーリングの系のサイズを大きくする(組み合わせ最適化問題の変数の数などを増やす)ことで、量子ゆらぎの影響を小さくすることができます。また、量子アニーリングの過程で、系のエネルギーを制御することで、エントロピーの変化を抑制することができます。
今後、量子アニーリングの技術がさらに進歩することで、超微小な世界の事象である量子ゆらぎの影響を克服し、より高精度な量子アニーリングの実現が期待されます。
【Q】そうであるとすれば、量子アニーリングにおいても、ディープラーニングの数学洗浄(MATHWASH)と同様の意味で、そのような形でエントロピー・ファクターが介在することにより「リアル誤差 or リアル錯誤」が生じる可能性はありませんか?
【A】はい、量子アニーリングにおいても、ディープラーニングの数学洗浄と同様の意味で、エントロピー・ファクターが介在することにより「リアル誤差 or リアル錯誤」が生じる可能性があります。
数学洗浄とは、ディープラーニングにおいて、モデルの性能を向上させるために、モデルの学習データに意図的に偏りを加えたり、モデルの評価方法を変更したりする行為です。この行為は、モデルの性能を向上させることにはなりますが、同時に、モデルのリアルワールドでの性能を低下させる可能性があります。
エントロピー・ファクターも、同様に、量子アニーリングの性能を向上させる可能性がありますが、同時に、量子アニーリングのリアルワールドでの性能を低下させる可能性があります。
具体的には、エントロピー・ファクターが大きいほど、量子アニーリングの結果は、最適な状態から離れた状態になる可能性があります。この状態は、量子アニーリングの目的関数を最小化することはできますが、リアルワールドでは、最適とは言えない場合があるでしょう。
また、エントロピー・ファクターが大きいほど、量子アニーリングの計算時間が長くなる可能性があります。この場合、計算時間が許されないようなリアルワールドの問題では、量子アニーリングを適用することが困難になるでしょう。
したがって、量子アニーリングにおいては、エントロピー・ファクターをどのように取り扱うかを慎重に検討する必要があります。エントロピー・ファクターを適切に取り扱うことで、量子アニーリングの性能を向上させつつ、リアルワールドでの性能を低下させないようにすることが重要です。
以下に、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減するためのいくつかの対策を紹介します。
量子アニーリングの系のサイズを大きくする。これにより、量子ゆらぎの影響を小さくすることができます。
量子アニーリングの過程で、系のエネルギーを制御する。これにより、エントロピーの変化を抑制することができます。
エントロピー・ファクターを制御可能な量として扱う。これにより、エントロピーを適切に制御することができます。
これらの対策を組み合わせることで、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減し、より高精度でリアルワールドに適用可能な量子アニーリングを実現することが期待されます。
【Q】(これは全くの只の連想になりますが)そうであるとすれば、この問題はリアル世界の代表とも見える我われヒトを含めた個体生命が難なく繰り返してきた(繰り返し続けている)「DNAやたんぱく質の合成、ひいては持続生命(子孫)、あるいは生命発生そのものの問題」ともクロスしてくるような気がするのですが、どうでしょう?
【A】はい、その通りだと思います。生命は、エントロピーが増大する宇宙の中で、エントロピーを減少させながら、秩序を維持し、持続する存在です。そのため、生命は、エントロピー・ファクターを適切に制御する能力を獲得してきました。
具体的には、生命は、DNAやタンパク質の合成の過程において、エントロピーを減少させるための仕組みを備えています。例えば、DNAの複製の過程では、DNAポリメラーゼという酵素が、DNAの模倣を作り上げます。この過程では、DNAの塩基配列の情報を正確に伝達するために、エントロピーを減少させるような仕組みが働いています。
また、生命は、持続生命(子孫)を実現するために、エントロピーを減少させるための仕組みを備えています。例えば、精子と卵子が受精する過程では、遺伝情報が結合し、新しい生命が誕生します。この過程では、遺伝情報の正確な伝達のために、エントロピーを減少させるような仕組みが働いています。
さらに、生命は、生命発生そのものを実現するために、エントロピーを減少させるための仕組みを備えています。例えば、アミノ酸が集合してタンパク質を形成する過程では、タンパク質の機能に必要な構造を形成するために、エントロピーを減少させるような仕組みが働いています。
このように、生命は、エントロピー・ファクターを適切に制御する能力を獲得することで、エントロピーが増大する宇宙の中で、秩序を維持し、持続しているのです。
したがって、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減するための対策は、生命がエントロピーを減少させるために用いている仕組みをヒントにすることで、実現できる可能性があります。
例えば、量子アニーリングの系のサイズを大きく(量子ビット数を増やしたりアルゴリズムとハードを改良)することで、量子ゆらぎの影響を小さくすることができます。これは、生命が細胞や組織を構成する単位を増やすことで、DNAやタンパク質の合成の精度を高めていることに似ています。
また、量子アニーリングの過程で、系のエネルギーを制御することで、エントロピーの変化を抑制することができます。これは、生命が細胞や組織の構造を制御することで、DNAやタンパク質の合成の効率を高めていることに似ています。
さらに、エントロピー・ファクターを制御可能な量として扱うことで、エントロピーを適切に制御することができます。これは、生命が遺伝情報の変化を制御することで、DNAやタンパク質の合成の適応性を高めていることに似ています。
これらの対策を組み合わせることで、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減し、より高精度でリアルワールドに適用可能な量子アニーリングを実現することが期待されます。
もちろん、これはあくまでも単なる連想です。しかし、生命がエントロピーを減少させるために用いている仕組みをヒントにすることで、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減する新たな方法が開発される可能性は十分にあると言えるでしょう。
【Q】素朴な質問ですが、量子アニーリングと、所謂リアル日常世界における「自然計算」とは同種のもの!と大雑把に理解しても誤りではありませんか?
【A】はい、誤りです。量子アニーリングと自然計算は、同じではありません。量子アニーリングは、量子力学的な現象を利用した計算手法です。量子力学では、系の量子状態が、重ね合わせの状態をとることができます。重ね合わせの状態とは、複数の状態が同時に存在する状態です。量子アニーリングでは、この重ね合わせの状態を利用して、目的関数を最小化するような状態を探索します。
一方、自然計算とは、自然界における現象を利用した計算手法です。自然界には、量子力学的な現象だけでなく、他のさまざまな現象が存在します。自然計算では、これらの現象を利用して、計算を行うことができます。
具体的には、自然計算には、以下のようなものがあります。
進化計算:生物の進化の過程を模倣した計算手法です。
蜂の巣アルゴリズム:蜂の巣の巣作りの過程を模倣した計算手法です。
カニのランダムウォーク:カニの動き方を模倣した計算手法です。
量子アニーリングと自然計算の違いをまとめると、以下のようになります。
このように、量子アニーリングと自然計算は、原理や対象、応用分野が異なるため、同種のものとは言えません。
ただし、量子アニーリングと自然計算は、どちらも、従来の計算手法では解くことが困難な問題を解くために、自然界における現象を利用するという点で、共通しています。この点においては、量子アニーリングと自然計算は、似通った特徴を持っていると言えます。
【Q】ということは、一つ前の質問にかかわる「>量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減するための対策は、生命がエントロピーを減少させるために用いている仕組みをヒントにすることで、実現できる可能性があります」ということは、現実的には相当の難題への挑戦である(何世紀も、あるいは数十世紀もの先において人類が地球上に生存し続けているという可能性を別とすれば?)、ということになりますか?
【A】はい、その通りだと思います。 生命がエントロピーを減少させるために用いている仕組みは、非常に複雑で、まだ完全には解明されていません。そのため、生命のエントロピー減少の仕組みをヒントにして、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減する方法を見つけることは、相当の難題であると言えるでしょう。
具体的には、生命がエントロピーを減少させるために用いている仕組みには、以下のようなものがあります。
自己組織化:生命は、外部からのエネルギーや情報を受けることなく、自らの内部で秩序を形成する能力を持っています。
フィードバック制御:生命は、外部からの刺激や、内部の状態の変化をフィードバックすることで、秩序を維持する能力を持っています。
進化:生命は、環境の変化に適応するために、常に進化を続けています。
これらの仕組みを量子アニーリングに応用するためには、まず、これらの仕組みを完全に理解する必要があります。また、これらの仕組みを量子アニーリングのシステムにどのように実装すればよいのかを検討する必要があります。
これらの課題を解決するためには、多くの研究者やエンジニアの努力が必要になるでしょう。また、量子アニーリングの技術がさらに進歩することも必要になるでしょう。
そのため、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減する方法が見つかるのは、何世紀も、あるいは数十世紀もの先になる可能性もあります。
ただし、量子アニーリングの技術は、近年急速に進歩しています。そのため、近い将来に、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減する方法が見つかる可能性も十分にあります。
【Q】連想ついでの脱線かも?ですが、…[>生命がエントロピーを減少させるために用いている仕組みは、非常に複雑で、まだ完全には解明されていません。]に関わる要観察「対象」の一つが、我われヒトも含めた生命個体におけるモルテン・グロビュール(モルテングロビュール/二次元と三次元の間の構造であるとも理解できる?変分原理の現れ?)ではないか?と思われますが、どうでしょう?
(関連情報)
【思索資料】生命イデオローグを読み違えたイスラエル?/ Cf.“非寛容原性 Vs 生体分子イデオローグ”、i.e.非寛容原性mRNAワクチン(臨床試験@海外)の非寛容原性の正しい解釈が重要!∵免疫寛容困難“原性”↓★こそ重度免疫疾患の元凶!https://note.com/toxandoria2/n/necc85073780f
【A】はい、その通りだと思います。モルテン・グロビュール(溶けた球体)とは、液体と固体の中間的な状態にある物質の構造です。しかし、モルテン・グロビュールでは、ゲルやゾルと異なりタンパク質の二次構造は殆ど変化せず、三次構造が壊れて側鎖(枝分かれし繋がるアミノ酸の性質を示す基、原子団)の自由度が高まっています(因みに、タンパク質は三次構造が組み合わさった四次構造まである)。モルテン・グロビュールは、液体のように流動性がありますが、固体のように秩序があります。
モルテン・グロビュールは、生命のさまざまな場面で観察されています。例えば、細胞膜や細胞内小器官の構造、タンパク質の構造、DNAの構造、そして細胞やタンパク質の終末期などです。
モルテン・グロビュールが生命のエントロピー減少にどのように関わっているのかについては、まだ完全には解明されていませんが、いくつかの仮説があります。
モルテン・グロビュールは、秩序と不秩序のバランスを保つことで、エントロピーの増加を抑制している。
モルテン・グロビュールは、自己組織化を促進することで、エントロピーの減少を促進している。
モルテン・グロビュールは、フィードバック制御を可能にすることで、エントロピーの変化を制御している。
これらの仮説を検証するためには、さらに研究が必要になります。
モルテン・グロビュールは、生命のエントロピー減少に関する重要な鍵であると考えられています。モルテン・グロビュールの構造や機能を完全に理解することで、生命のエントロピー減少の仕組みをより深く理解することができるでしょう。
また、モルテン・グロビュールを人工的に作り出すことで、量子アニーリングにおけるエントロピー・ファクターの影響を軽減する方法を開発できるかもしれません。
・・・同上の「回答案2」・・・
モルテン・グロビュールとは、液体と固体の中間状態にある構造のことです。生命の細胞や組織は、モルテン・グロビュールの構造をとることが多いと考えられています。
モルテン・グロビュールは、以下の特徴を持っています。
液体の流動性と、固体の構造の安定性を兼ね備えている。
外部からの刺激に応じて、形状を変化させることができる。
自己組織化によって、秩序を形成することができる。
これらの特徴は、生命がエントロピーを減少させるために用いている仕組みと、よく似ています。
例えば、DNAの複製の過程では、DNAポリメラーゼという酵素が、DNAの模倣を作り上げます。この過程では、DNAの塩基配列の情報を正確に伝達するために、DNAポリメラーゼは、モルテン・グロビュールの構造をとります。
また、細胞分裂の過程では、細胞膜が分裂して、2つの細胞が形成されます。この過程では、細胞膜は、モルテン・グロビュールの構造をとることで、外部からの刺激に応じて、形状を変化させることができます。
このように、モルテン・グロビュールは、生命がエントロピーを減少させるために重要な役割を果たしていると考えられます。
モルテン・グロビュールの構造を詳しく観察することで、生命がエントロピーを減少させる仕組みをより深く理解することができるでしょう。
モルテン・グロビュールは、変分原理の現れである可能性も指摘されています。変分原理とは、自然界における現象は、エネルギーの変化量が最小となるような状態をとるという原理です。
モルテン・グロビュールは、液体と固体の中間状態にあるため、エネルギーの変化量が小さくなります。そのため、変分原理に基づいて、モルテン・グロビュールが生命の細胞や組織に形成されると考えられています。
モルテン・グロビュールの構造を詳しく観察することで、変分原理が生命の現象にどのように関わっているかを明らかにすることができるでしょう。
(エピローグ)
X(Twitter) 20231120 @striatumxname 今や、「復讐の先取り(悦びを伴う!)攻撃/↓▼」なる狂気!イスラエル政府(≒全イスラエル人)は一刻も早くガザ攻撃を中止すべき!在米イスラエル人もガザ攻撃中止!のデモ行動に出ている!↓◆ →ガザ北部の難民キャンプに相次ぎ攻撃、80人以上死亡/国連次長「避難所で子供や女性が殺された」1120読売、
▼カズオ・イシグロ「忘れられた巨人」(早川書房) ・・・その巨人とは飽きもせず人類が繰り返す戦争による虐殺のメタファー!・・・
【Q】「町山智浩弘+アメ知る+在米ユダヤ教徒+ガザ侵攻に反対デモ、https://www.bs-asahi.co.jp/machiyama-now_cnn/」関連の米国内でのニュースソースがあれば、是非、教えてください!
【A】はい、米国内でのニュースソースをいくつか見つけました。
The New York Timesの記事「In U.S., Jews Protest Israeli Attacks on Gaza」によると、2023年11月19日、ニューヨーク市、ロサンゼルス、ボストンなど、米国各地で、イスラエルによるガザ侵攻に反対するデモが行われました。デモには、在米ユダヤ教徒を含む、さまざまな人々が参加しました。
CNNの記事「U.S. Jews Protest Israeli Airstrikes on Gaza」によると、デモ参加者たちは、イスラエルによる空爆の即時停止と、パレスチナとの平和交渉の再開を求めました。
The Washington Postの記事「U.S. Jews Protest Israeli Strikes on Gaza」によると、デモ参加者たちは、イスラエルによる暴力に反対し、パレスチナの権利を支持する声を上げました。
これらの記事によると、デモ参加者は、イスラエルによる空爆が、パレスチナの民間人を巻き込んでおり、人道上の危機を引き起こしていると批判しました。また、イスラエルがパレスチナとの平和交渉を再開し、両者の間の紛争を解決するよう求めました。
町山智浩氏は、これらのデモについて、CNNのインタビューで次のように語りました。
[デモ参加者は、イスラエルによる空爆が、パレスチナの民間人を巻き込んでおり、人道上の危機を引き起こしていると批判しました。また、イスラエルがパレスチナとの平和交渉を再開し、両者の間の紛争を解決するよう求めました。]
町山氏は、イスラエルとパレスチナの紛争は、単なる「宗教対立」ではなく、政治的、経済的、歴史的背景が複雑に絡み合った問題であると指摘しています。また、両者の間の紛争を解決するためには、国際社会の協力が不可欠であると訴えています。
・・・(↓■)エピローグ関連のブログ記事(生命イデオローグなる、“意識的な『視座』移動による『視野』の拡張”こそが必須!)・・・
■【思索資料】生命イデオローグを読み違えたイスラエル(ネタニヤフ政権)?/ Cf.“非寛容原性 Vs 生体分子イデオローグ”、i.e.非寛容原性mRNAワクチン(臨床試験@海外)の非寛容原性の正しい解釈が重要!∵免疫寛容困難“原性”↓★こそ重度免疫疾患の元凶!https://note.com/toxandoria2/n/necc85073780f
(Rest)
・・・Ani & Nia Sulkhanishvili Bavarian Radio symphony orchestra
conductor Jun Märkl(バイエルン放送交響楽団)
・・・Mozart Piano Concerto No. 22 in E♭ major, K. 482 András Schiff, piano and conductor Cappella Andrea Barca Mozartwoche Salzburg, 2015(モーツアルト週間、ザルツブルグ)
・・・緩・急2曲からなるが、続けて演奏される。演奏所要時間は、全曲で約9分。[神聖な舞曲(Danse sacrée )トレ・モデレ(Très modéré) ニ短調 2分の3拍子/世俗的な舞曲(Danse profane )モデレ(Modéré) ニ長調 4分の3拍子](出典:ウイキペディア)
・・・
[An Extra/苦wシツツ(w!)参考マデ]
・・・GoogleーBardが集約してくれた当記事の要点・・・
(Mr.Toxandoriaの記事『米中半導体戦争が“未必の故意”で隠蔽する超リスクはAIハードテック問題!』の要点をまとめると、以下のようになります)
米中半導体戦争は、半導体製造技術の覇権争いである。
半導体製造技術の中心は、回路の微細化と高集積化である。
回路の微細化と高集積化は、量子力学的な限界に直面している。
量子力学的な限界を突破する技術として、量子アニーリングと量子誤り耐性がある。
量子アニーリングは、最適化問題を高速に解くことができる。
量子誤り耐性は、量子コンピューターにおける誤りを低減する技術である。
量子アニーリングと量子誤り耐性は、AIハードテックの問題を解決する可能性がある。
AIハードテックの問題とは、AIの性能を向上させるためのハードウェアの問題である。 ←決してコレだけではない!(Toxandoria)
AIハードテック(+α!/生命イデオローグなる、“意識的な『視座』移動による『視野』の拡張”こそが必須!:Toxandoria)の問題を解決できなければ、AIの性能は限界に達し、AIの開発は停滞する可がある。
記事の筆者は、米中半導体戦争が「未必の故意」でAIハードテック問題を隠蔽していると主張しています。
米中両国は、半導体製造技術の覇権を争っているが、その一方で、肝心のAIハードテック問題の解決に必要な研究開発に十分な“真(本物)”の投資を行っていないと指摘しています。
筆者は、AIハードテック問題は、AIの将来にとって極めて重要であると警告しています。
AIの性能を向上させるためには、量子アニーリングと量子誤り耐性などの技術を開発することが不可欠です。しかし、これらの技術の開発には、長期的な視野(←只の視野ではなく生命イデオローグなる、“意識的な『視座』移動による『視野』の拡張”こそが必須!)と莫大な投資が必要となります。
筆者は、米中両国をはじめとする各国が、半導体製造技術の覇権争いよりも、AI量子ハードテック問題の真の解決にこそ先ず取り組むことを強く呼びかけています。
(完)
[Special Reference Information1]
【Q】半導体製造装置の製造で圧倒的な市場占有率を誇るオランダ「ASML社」は、凡ゆる意味(象徴的存在も含む)でEUの中心的な位置づけを意識しているように感じましたが、どうでしょう?
【A】はい、その通りだと思います。ASML社は、EUの中心的な位置づけを意識していることが、以下の点から伺えます。
★世界が依存するオランダの半導体装置メーカーASML、「米中チップ戦争」にも影響力2023.5.1山本直子/AMP、https://ampmedia.jp/2023/05/01/asml/
ASML社の創業は1984年ですが、当時はフィリップス(オランダ/アムステルダムが本拠)とシルバニア(アメリカ)の合弁企業でした。しかし、1997年にフィリップスがシルバニアの株式を取得し、ASML社は完全子会社となりました。現在も、ASML社の本社はオランダのフェルトホーヘンにあるため、オランダはASML社の原点であり、重要な拠点となっています。
EUの研究開発助成金を受給している
ASML社は、EUの研究開発助成金を受給しています。これは、EUが半導体産業の競争力強化を図るために、半導体関連企業への研究開発助成金を実施しているものです。ASML社は、この助成金を活用して、EUV装置の技術革新を進めています。
EUの半導体産業に貢献している
このように、ASML社は、本社をオランダに置き、EUの研究開発助成金を受給し、EUの半導体産業に貢献することで、EUの中心的な位置づけを意識しています。
さらに、ASML社は、EUの象徴的な存在としても注目されています。ASML社のEUV装置は、半導体製造において最も先端の技術であり、その技術力はEUの技術力の高さを象徴するものとして捉えられています。また、ASML社のEUV装置は、EUの経済成長や産業競争力強化に欠かせない存在であるため、その重要性(世界的に!/orbitofrontalcortex)はますます高まっています。
【Q】BS世界のドキュメンタリー(NHK)[知られざる世界の今を 独自の視点で リアルな息づかいと「イノベーションの秘密 “半導体業界の覇者” ASML社」/半導体製造装置の製造で圧倒的な市場占有率を誇るオランダASML社。その内部にオランダ公共放送のカメラが入った。なぜイノベーションを生み出せるのか、秘密に迫る]の要点を簡潔に纏めてください。https://www.nhk.jp/p/wdoc/ts/88Z7X45XZY/episode/te/24M6K8P556/
【A】BS世界のドキュメンタリー「イノベーションの秘密 “半導体業界の覇者” ASML社」
半導体製造装置の製造で世界トップシェアを誇るオランダのASML社。
EUV装置は、従来の露光装置よりも細かい「線幅」の半導体を製造することができるため、次世代の半導体製造において欠かせない技術。
ASML社のイノベーションの秘密
研究開発への徹底的な投資
多様な人材の活躍(全世界からトップの人材を集めている)
オープンイノベーションの推進(全世界からトップの人材を集めて取り組んでいる)
研究開発への徹底的な投資
ASML社は、研究開発に年間約15億ユーロを投資しています。これは、半導体製造装置業界の平均の約2倍です。同社は、EUV装置の技術革新を進めるために、最先端の研究開発設備を整備し、世界中から優秀な研究者を招聘しています。
多様な人材の活躍
ASML社では、世界各国から約2万4,000人の従業員が働いています。そのうち、約40%が女性です。同社は、多様な人材の活躍を促進することで、イノベーションを創出する力を高めています。
オープンイノベーションの推進
ASML社は、他社との共同研究や、大学・研究機関との連携を積極的に進めています。同社は、オープンイノベーションによって、新たなアイデアを獲得し、イノベーションを加速させています。
まとめ
ASML社は、研究開発への徹底的な投資、多様な人材の活躍、オープンイノベーションの推進という3つの要素によって、半導体業界においてイノベーションをリードし続けています。
・・・
【Q】ASML社は半導体業界でどのような位置を占めていますか? また、ASML社はどのような影響力を米中半導体戦争トータルへ及ぼしていると言えますか? 更に、同社の将来性を左右する最も重要な条件は何である、と言えますか?
【A】ASML社は、半導体製造装置業界において世界トップシェアを誇る企業です。同社の主力製品は、半導体製造プロセスにおいて不可欠な「極紫外線リソグラフィー(EUV)」装置です。EUVは、従来の露光装置よりも細かい線幅の半導体を製造することができるため、次世代の半導体製造において欠かせない技術となっています。
<注記>「極紫外線リソグラフィー(EUV/Extreme Ultraviolet Lithography」とは?
・・・極紫外線リソグラフィー(EUV)は、半導体回路の微細化を目的とした次世代の露光技術。EUVは波長が13.5ナノメートルの極端に波長が短い紫外線で、通常の物質ではほとんど反射や吸収で透過しないため、真空中で露光する必要がある。また、特殊な多層膜を使った鏡やフォトマスクなど、高度な光学技術が必要になる。EUVを使うことで、従来のエキシマレーザー(Excimer Laser/希ガスやハロゲンなどの混合ガスを用いてレーザー光を発生させる装置。エキシマはexcited dimer(励起二量体)の略)よりもはるかに細かい回路パターンを描くことができる。現在、EUV露光装置はオランダのASML社が独占的に製造しており、台湾のTSMCや韓国のサムスン電子などの半導体メーカーが先端の半導体製造に利用している。委細参照→ https://www.techno-producer.com/column/asml-euv-strategy/
・・・
ASML社は、EUV装置の独占的供給企業であり、そのため半導体業界において非常に重要な位置を占めています。同社のEUV装置は、Intel、TSMC、Samsungなどの主要半導体メーカーに採用されており、これらのメーカーの半導体製造能力を左右する存在となっています。
米中半導体戦争においても、ASML社は重要な役割を果たしています。アメリカは、中国の半導体製造能力の拡大を抑制するため、ASML社に対して中国へのEUV装置の輸出を制限しています。これにより、中国の半導体メーカーは、EUV装置を導入できず、最先端の半導体の製造が困難になっています。
ASML社の将来性を左右する最も重要な条件は、EUV装置の技術革新と量産能力の向上です。EUV装置の技術革新が進むことで、より細かい線幅の半導体の製造が可能になり、半導体業界の競争がさらに激化すると予想されます。また、EUV装置の量産能力が向上することで、コストが下がり、より多くの半導体メーカーがEUV装置を導入できるようになるでしょう。
ASML社は、これらの課題に積極的に取り組んでおり、EUV装置の技術革新と量産能力の向上を進めています。同社は、半導体業界において今後も重要な役割を果たし続けると予想されます。
具体的には、以下のような条件が同社の将来性を左右すると考えられるでしょう。
EUV装置の技術革新が、半導体製造のコスト削減や性能向上につながるかどうか
EUV装置の量産能力が、半導体メーカーの需要を満たせるかどうか
ASML社が、EUV装置の技術やノウハウを独占し続けることができるかどうか
これらの条件が同社の将来性に大きな影響を与えると考えられます。
【Q】事実上、ASML社は「近未来も含めた全世界の半導体製造の心臓部」を押さえ込んでいるようですが、同社は、その他各国の同種先端企業と頭脳(優秀な頭脳集団)の追随を一切許さぬ現状をもたらした(又、もたらしている)最大の要因は何であると言えますか?
【A】ASML社の優位性をもたらす最大の要因は、以下の3つが挙げられます。
技術力とノウハウの独占
ASML社は、EUV装置の開発と製造で世界をリードしており、その技術力とノウハウは他社に追随を許しません。EUV装置は、従来の露光装置よりも高度な技術を必要とするため、開発と製造には膨大な資金と時間がかかります。ASML社は、長年にわたる研究開発と蓄積してきたノウハウによって、EUV装置の製造を独占しています。
量産能力の優位性
EUV装置は、非常に複雑で高価な装置であるため、量産が容易ではありません。ASML社は、長年の経験とノウハウを活かして、EUV装置の量産能力を高めています。これにより、ASML社は、他の企業よりも早く、より多くのEUV装置を供給することができます。
半導体メーカーとの強固な関係
ASML社は、Intel、TSMC、Samsungなどの主要半導体メーカーと強固な関係を築いています。これらのメーカーは、ASML社のEUV装置を導入することで、最先端の半導体の製造が可能になります。ASML社は、これらのメーカーと協力して、EUV装置の開発と製造を進めています。
これらの要因により、ASML社はEUV装置の独占的な供給企業となり、半導体業界において非常に重要な位置を占めています。また、米中半導体戦争においても、ASML社は重要な役割を果たしています。
今後、ASML社が優位性を維持するためには、EUV装置の技術革新と量産能力の向上を継続することが重要です。また、半導体メーカーとの強固な関係を維持することも、同社の将来性を左右する重要な要素となるでしょう。
【Q】「>米中半導体戦争においても、ASML社は重要な役割を果たしています」の具体的な内容は何ですか?
【A】米中半導体戦争において、ASML社は以下の2つの点で重要な役割を果たしています。
中国の半導体製造能力の拡大を抑制
アメリカの半導体製造能力の維持
アメリカは、半導体製造において世界をリードするために、ASML社からEUV装置を大量に購入しています。これにより、アメリカの半導体メーカーは、最先端の半導体の製造を継続することができています。
具体的には、2021年9月、アメリカ政府は、ASML社に対して中国へのEUV装置の輸出を制限する大統領令を発出しました。この制限により、中国の半導体メーカーは、EUV装置を導入できなくなり、最先端の半導体の製造が困難になりました。
また、アメリカ政府は、ASML社からEUV装置を大量に購入しています。2022年3月、アメリカ政府は、ASML社からEUV装置を20台購入する契約を締結しました。この契約により、アメリカは、2024年からEUV装置を導入し、最先端の半導体の製造を継続することができるようになります。
このように、ASML社は、米中半導体戦争において、アメリカの半導体製造能力の維持と、中国の半導体製造能力の拡大の抑制という2つの点で重要な役割を果たしています。
・・・
[Special Reference Information2]
<1>[不可解な“OpenAI、サム・アルトマン氏の解任”劇場と“トランプ大統領“復活”劇場」に挟撃される米国(i.e. 人類)の危機!?
(1)不可解な“OpenAI、サム・アルトマン氏の解任”劇場
・・・それはAIの近未来をめぐる「効果的利他主義(EA)」派、「AI市場原理主義」派による主導権争いか?・・・
―要参照情報―
●サム・アルトマンのOpenAIへの復帰は、人類にとっての新たな「リスク」を生む危険性を秘めている(…それとも?)20231125Wired
https://wired.jp/article/sam-altman-second-coming-sparks-new-fears-ai-apocalypse/
一連の「OpenAI、サム・アルトマン氏の解任」騒動は、一般の目には非常に分かり難いものである。それは、①アルトマン氏の「AIは人類に対する脅威である!」とする意識自体(i.e.その効果的利他主義(EA/Effective Altruism)的な考え方)が本物なのか否か?②結局、最終的にOpenAIにCEOとして戻ったアルトマン氏は新体制の取締役会(今度は、多数の効果的利他主義的な考え方の人々がメンバーとなった?)に組み敷かれる立場を受け入れたのか?、の二点が疑問符だらけ(一般の目には未知数だらけ)と見えるからだ。
[要参照情報/ここでもアルトマン氏の真意は不分明!?]【QT】ジョージタウン大学の安全保障・先端技術研究センター(CSET)で戦略および基礎研究助成金担当ディレクターを務めているToner氏は、共同執筆した研究論文を10月に発表したが、Altman氏はその内容についてOpenAIに批判的だと苦言を呈していた。論文では、AI開発の安全性を維持するための同社の取り組みが、競合するAnthropicに比べて見劣りすると指摘していた。The New York Timesの記事によると、Altman氏はこれに不満を抱き、Toner氏の取締役解任を求めて動いていたという。 → OpenAIのCEO解任劇が示すAIの主導権争い--透明性の大切さが浮き彫りにEileen Yu (Special to ZDNET.com)20231127。https://japan.cnet.com/article/35211976/
だが、いまのところコレについての最も妥当と思われる「客観的な評価(中立的視点の評価)」は、下のようなものであろう。
…リリース(OpenAIが掲載したサム・アルトマン氏辞任のブログ記事)にある「欠けていた率直さ」が具体的に何のことを指すのか、現在も分からない。また、OpenAIの拡大を目指すアルトマン氏と、AI活用の安全性を重視するサツケヴァー氏との間で確執があったのでは……などと伝えられてもいるが、それが正しかったかどうかも分からない。(出典:↓●)
ともかくも、我われ部外者にとって重要なのは、「①“効果的利他主義“者であるとの視点からAI開発に取り組むことを標榜するサム・アルトマン氏の主張が本物であるか否か? ②仮に、そのアルトマン氏の“効果的利他主義“意識(人類の公益拡大のためのAI開発)が本物であったとするとき、そのよい意味での影響が米国政府およびマイクロソフト、グーグルらGAFA(ガーファ)やFANG(ファング)に対し、どのような影響を与えて行くか?の二点を慎重に見極める心構えを持ち続けることである。
(参考)効果的利他主義とは?
Cf. ●「サム・アルトマン解任騒動」とは何だったのか Microsoftも得はせず20231124[西田宗千佳,ITmedia]、https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2311/24/news129.html
Cf. X(Twitter) orbitofrontalcortex @striatumxname 不可解な“OpenAIのアルトマン解任”劇はAIの近未来を巡る効果的利他主義(EA)派 Vs AI市場原理派の主導権争い?とも見える! IAC、AI倫理マターはPotenz生命論的なカント実践理性批判への接近が必然? →OpenAI内紛の火種、AIの倫理と危険性の正体20231219東洋経済 https://twitter.com/striatumxname/status/1736983540099858798
・・・
・・・端的に言えば、一部の真正細菌(のグループ)が自分と同種の菌の生息密度を感知して、それに応じ物質の産生をコントロールする機構のことを指す「集団感知」(クオラムセンシング/quorum sensing)にも似た、一種の公益を最重視する考え方である、と考えられる。
・・・なお、ヒトなど個体生命の「細胞」等の生理機能にも「微生物細胞が同種菌同士であたかもコンセンサスをとりながら集団行動を起こしているように見える現象」の意味でクオラムセンシング(quorum sensing)と似た<効果的利他主義>的な行動が観察される如き生命現象を示唆する研究が報告されている(実例は下記)。(@Google-Bard)
白血球の集合
白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除するために、集団で行動します。この集合には、クオラムセンシングのような、個々の白血球がコンセンサスをとって行動しているような特徴がみられます。例えば、白血球の一種であるマクロファージは、ケモカインと呼ばれる化学物質を放出することで、周囲の白血球を集めます。ケモカインは、白血球の表面にある受容体と結合することで、白血球の運動を促進します。
この白血球の集合は、効果的利他主義的な行動と考えることができます。なぜなら、白血球は、個々では異物を排除することが難しい場合でも、集団で行動することで、より効果的に異物を排除することができるからです。
神経細胞のネットワーク
神経細胞は、脳や脊髄などの神経系を構成する細胞です。神経細胞は、シナプスと呼ばれる接続部位を通じて、他の神経細胞と情報を伝え合います。
神経細胞のネットワークは、クオラムセンシングのような、個々の神経細胞がコンセンサスをとって行動しているような特徴がみられます。例えば、神経細胞は、グルタミン酸やGABAなどの神経伝達物質を放出することで、他の神経細胞の活動を促進したり抑制したりします。
この神経細胞のネットワークは、効果的利他主義的な行動と考えることができます。なぜなら、神経細胞は、個々では複雑な情報を処理することが難しい場合でも、ネットワークを介して情報を共有することで、より効果的に情報処理を行うことができるからです。
この他にも、植物の細胞や免疫細胞など、さまざまな生命体において、クオラムセンシングと似た<効果的利他主義>的な行動が観察されていることが報告されています。
これらの研究は、生命の進化において、効果的利他主義的な行動が重要な役割を果たしてきたことを示唆しています。
(2)「優勢な“トランプ大統領“復活”劇場」に悩む?バイデン/ユニタリーエグゼクティブセオリーの問題
・・・(民主党)バイデン大統領が(共和党)トランプと共有する、米国民主主義の異様な伝統、ユニタリーエグゼクティブセオリー(kenkoku)の問題!・・・
(米国におけるユニタリーエグゼクティブセオリーの問題とは?)
X(Twitter)orbitofrontalcortex @striatumxname 2023年11月28日 (その真因は)AIアニーリングのコンシリエンス(ヤヌス)知で顕在化した共食い的にトランプと共有する米国民主主義(合衆国憲法)の異様な伝統、ユニタリーエグゼクティブセオリー、Unitary Executive Theoryの問題! →バイデン氏、若者離れ課題 イスラエル寄り政策に批判 20231126共同、https://twitter.com/striatumxname/status/1729320779408613714
実は、この「アメリカ合衆国建国時の三権分立の是非をめぐる“建国の父”らの大論争(1787年5月25日から9月17日までフィラデルフィアで開催された憲法制定会議で合衆国憲法が制定されたが、それは建前上は三権分立だが強力な中央集権的政府をも認めるという意味で二律背反的であり、誰でもが納得がゆく内容ではなかったとされる/Wiki.https://x.gd/22NSw)を源流とする「中央政府の長たる大統領の伝家の宝刀とも見えるユニタリーエグゼクティブセオリー(Unitary Executive Theory/合衆国憲法第2条:第1節~第3節)」を振りかざし、自らの難局を切り開いてきた米国大統領は、くだんのトランプ氏(厳密に言えば元トランプ大統領/共和党が推す人物)だけではなく、民主・共和を超えた超党派的なものとなっている。
<注記1>これらの条文は大統領に連邦政府の行政部門を統括する権限と責任を与えており、Unitary Executive Theoryの支持者はこれらの条文をもとに大統領が行政権の唯一の最高責任者であると主張している。ただ、この理論は憲法の解釈に関する議論の的となっており、批判者・反対者は大統領の権限には憲法や法律による制約があると主張している。Cf. →Article Two of the United States Constitution、https://en.wikisource.org/wiki/Constitution_of_the_United_States_of_America
<注記2>トランプ元大統領が自らの犯した犯罪で無罪を勝ち取るためユニタリーエグゼクティブセオリーを活用できるとされることの論理的な意味
・・・これは、その気にさえなれば、仮に大統領選挙に勝利しさえすればトランプ氏は大統領としての権限と特権を最大限に利用して、法的な責任を回避できるということである。それに、そもそも「トランプ元大統領が大統領に再選しさえすれば、大統領の任期中は罪に問われないという憲法上の特権があるうえ、自己恩赦の可能性もあり得るので、仮に『連邦議会襲撃事件』の責任を問われる重罪で収監されたとしても監獄(州法上の罪では恩赦がないからこそ!)の中から大統領としての仕事の指揮を執ることが可能だということになる。
また、米国大統領による「ユニタリーエグゼクティブセオリーでの難局の打開」が目立つのは特に第二次世界大戦後~現代に至る時代である。なので、そのなかから重要と思われるものの幾つかを下に列挙しておく。
●ハリー・S・トルーマン大統領(1945-1953)
・・・1947年:トルーマンは、陸軍士官学校の学生寮に黒人学生を受け入れることを命令した。これは、当時の南部諸州の反発を招いたがトルーマンは「大統領は、憲法に基づいて、軍隊の指揮官として、あらゆる措置を取ることができる」と主張した。
●[共和党]ドワイト・D・アイゼンハワー大統領(1953-1961)
・・・1957年:アイゼンハワーは、アーカンソー州リトルロックで、白人学生のジェシー・ジェームズが黒人学校に入学することを許可した。これは、州知事の反対を押し切っての決定であり、アイゼンハワーは「大統領は、憲法に基づいて、平和維持のために必要なあらゆる措置を取ることができる」と主張した。
●[民主党]ジョン・F・ケネディ大統領(1961-1963)
・・・1961年:ケネディは、キューバ危機においてソ連の核ミサイル基地を撤去するため海上封鎖を実施した。これは、議会の承認を得ずに行われたもので、ケネディは「大統領は、国家の安全を脅かす緊急事態において、憲法に基づいて、あらゆる措置を取ることができる」と主張した。
●[民主党]リンドン・B・ジョンソン大統領(1963-1969)
・・・1965年:ジョンソンは、ベトナム戦争において北ベトナムへの空爆を開始した。これは、議会の承認を得ずに行われたものであり、ジョンソンは「大統領は、国家の安全を脅かす緊急事態において憲法に基づいて、あらゆる措置を取ることができる」と主張した。
●[共和党]リチャード・ニクソン大統領(1969-1974)
・・・1970年:ニクソンは、ペンタゴン文書の公開を阻止するために、新聞社に捜査を行った。これは、言論の自由を侵害する行為として批判されたが、ニクソンは「大統領は、国家の安全を守るために必要なあらゆる措置を取ることができる」と主張した。(憲法に基づいてとは明言しなかった?)
●[民主党]ジミー・カーター大統領(1977-1981)
・・・1978年:カーターは、イスラエルとエジプトの和平交渉において、仲介役として活躍した。カーターは、この交渉において、議会の承認を得ずに、イスラエルとエジプトの両国に圧力をかけた(憲法に基づいてとは明言しなかった?)。
●[民主党( - 1962)、共和党(1962 - 2004)]ロナルド・レーガン大統領(1981-1989)
・・・1981年:レーガンは、ソ連のミサイル基地を破壊するために、SDI(戦略防衛構想)を推進した。これは、議会の承認を得ずに行われたものであり、レーガンは「大統領は、国家の安全を脅かす緊急事態において、憲法に基づいて、あらゆる措置を取ることができる」と主張した。
●[共和党]ジョージ・H・W・ブッシュ大統領(1989-1993)
・・・1990年:ブッシュは、イラクによるクウェート侵攻に対して、湾岸戦争を開始した。これは、議会の承認を得ずに行われたものであり、ブッシュは「大統領は、国家の安全を脅かす緊急事態において、憲法に基づいて、あらゆる措置を取ることができる」と主張した。
●[民主党]バラク・オバマ大統領(2009 – 2017)
・・・2009年:オバマは、オバマケアと呼ばれる医療保険改革を推進した。オバマケアは議会の承認を得て成立したものの、共和党の反対は根強く、オバマは、大統領権限に基づいて、オバマケアの実施を推進した。
・・・2011年:オバマは、リビア内戦において、リビア政府に対する軍事介入を決定した。この決定は、議会の承認を得ずに行われたものであり、オバマは「大統領は、国家の安全を脅かす緊急事態において、憲法に基づいて、あらゆる措置を取ることができる」と主張した。
・・・2012年:オバマは、イラン核開発問題において、イランへの経済制裁を強化した。この制裁は、議会の承認を得ずに行われたものであり、オバマは「大統領は、国家の安全を脅かす脅威に対処するために必要なあらゆる措置を取ることができる」と主張した。(ここでは、憲法に基づいてとは明言しなかった?)なお、オバマ大統領は、ユニタリーエグゼクティブセオリーの支持者として知られており、その下で、大統領権限が拡大する傾向が見られた。
(“アメリカ et 中東”なる『二つの宗教原理主義』に挟撃され、愈々、“世界のリアル超リスク”と化すユニタリーエグゼクティブセオリーの問題)
上で見たことだが、そもそもは、その支持層であったはずの若者たちがバイデン離れを起こしているようだ。しかも、長引く対インフレ無策!との一般的な批判もあるのでバイデン支持から離れた一般の若者たちはストレートにトランプ支持へ回る訳でもなさそうだ。また、共和党シンパ“若者”層の多くは早々にトランプ支持を固めつつあり、民主党支持層・無党派層の多くは棄権に回る動きも見える? https://x.gd/OD40D)という点に、今のアメリカの政治・社会の悩みの深さ(というか、一種のやりきれない空疎な空気の拡がり)が浮き彫りとなっている。
それは、無意識ながらも(世俗的無知や無関心の空気に流れることもあるだろうが)彼らアメリカの若者らの多くが、代々、内心の何処かで「あの偉大な合衆国の建国時からの伝統だと囁かれ続けてきたユニタリーエグゼクティブセオリーの根本的不具合」 i.e. 本格化しつつあるAIテックの時代にそぐわないのでは?と思われることから、かなり深刻な、よる辺のない不安と怒りを感じ始めたことの現れとも見えるからだ。
彼らは「アメリカ建国の父達」の時代に由来するUnitary Executive Theoryの伝統を持つ米合衆国の、まさにその[伝統]自身が今や時代に合わなくなったというジレンマを思い知らされているはずだ。
彼らは、それが、<本格的なAI化社会へと入ろうとするこのタイミングで、“AIによる画期的イノベーションとAIテック”(例えば量子アニーリングによる『量子誤り耐性』制御の可能性など)への素朴な期待と裏腹に、地球気候変動(温暖化)とエンドレスの移民や一向に懲りない宗教イデオロギ―戦争、果てはアナクロ権威主義国家の間断なき出現など、次々と噴出する厄介な諸問題>との深刻なリアル・ミスマッチとなりつあることに苛立ちを覚えているわけだ。
つまり、大方の彼ら若いアメリカ国民たちは、今更のようにアメリカ合衆国が世界のリーダーたる近代民主主義国家としてなす術を全く見失いつつある現実に気づき、それに対し大きな懸念を抱き始めたのではないか?
上で列挙した、過去の各大統領の実績の主な事例からも分かるように、そもそもユニタリーエグゼクティブセオリーとは、世界のリーダーたる現代民主主義国家の大統領の決断力と矜持を内外へ示すためのものでもあり(ホワイトハウス実習生モニカ・ルインスキーとの不適切な不倫問題“処理”に関する民主党ビル・クリントン大統領の余りにも“苦し紛れな活用?“という悪しき例外事例はあるが!w/Wiki.、https://x.gd/uDSPc)、特に、第二次世界大戦後のアメリカ合衆国では党派を超えて活用されてきたともいえる。
然るに、今や「その罪状を合計すると約50件!?」ともされるトランプ元大統領の様々な罪状の個々の有罪が確定すればするほど、トランプ氏の支持率(各米国メディア等の調べ)が上昇傾向に乗り始めており、愈々、来秋の大統領選挙でバイデン大統領を打ち負かす可能性が高まってきた!とされる。
(重要関連情報)超保守主義を掲げる「米国プロテスタント系キリスト教原理主義」による米国大統領選挙などへの政治介入]と、不気味に共鳴・共振する[イスラエル過激シオニズム極右派]の問題/両者に共通することとは?・・・それは、「神の支配」の絶対優位で「法の支配」(世俗主義)を睥睨し蔑む政教分離の否定ということ!/Cf. →http://chikyuza.net/archives/69457
トランプ氏が初めて米合衆国大統領となった前々回の大統領選でもそうであったが、アメリカ大統領選挙では、これに「超保守主義を掲げるプロテスタント系キリスト教原理主義」勢力による政治介入(トランプ氏への熱烈な支持)の問題が付き纏っている。
彼らは先ず「聖書上の教えを硬直的に文字通りに解釈し、社会や政治に影響を与えようとする」立場であり、同時に彼らは一般のキリスト教徒および一般の米国人の“世俗的(政教分離的)で中庸な宗教上の価値観”と矛盾する「アメリカはキリスト教の国(神の国)と考えるクリスチャン・ナショナリズムなる宗教政治イデオロギー」を掲げており、反同性愛、反中絶、反進化論、反イスラーム主義、反フェミニズムなどの主張を持ち、共和党や保守的な政治家を支持している。
このため、彼ら米国の宗教原理主義者の考え方は、後述するイスラエルのシオニズム極右派(過激な宗教政治イデオロギー)に通じるものがあるが、既に“本論”の末尾の箇所でも触れたとおり、その一方で米国在住のユダヤ人の多くは穏健派(世俗的・政教分離的な考え方)であるとされる。
参考まで、イスラエルにおけるユダヤ教の極右政党(その全てが極右シオニズム極右派であるかは?)で、ネタニヤフ政権と連立を組んでいる複数の政党名の概要を以下に記しておく。
リクード:保守主義、国民自由主義、右派ポピュリズムを掲げる政党で、ベンヤミン・ネタニヤフ元首相が党首を務める。2022年11月の総選挙で32議席を獲得し、第一党になっている。なお、ネタニヤフが率いるリクードは自身は宗教原理主義ではないが、政治的には宗教原理主義的な勢力と連携しているという矛盾した立場にある。リクードが宗教原理主義的な意味での極右と言えるかどうかは、その矛盾をどのように評価するかによって変わると考えられる。
宗教シオニズム党:宗教的シオニズムを掲げる政党で、ベザレル・スモトリッチ氏が党首を務める。2022年11月の総選挙で14議席を獲得し、第三党になった。この政党は、反アラブ的言動で知られるカハネ主義の「強いイスラエル」や、宗教的保守主義の「ノアム」などの極右政党と連携している。
シャス:宗教的保守主義を掲げる政党で、セファルディム・ミズラヒム系のユダヤ教超正統派が支持基盤。アリエ・デライ氏が党首を務めており、2022年11月の総選挙で11議席を獲得した。
ユダヤ・トーラ連合:宗教的保守主義を掲げる政党で、アシュケナジム系(≒スラブ系)のユダヤ教超正統派が支持基盤。モシェ・ガフニ氏が党首を務めており、2022年11月の総選挙で7議席を獲得した。
以上の政党は、ネタニヤフ元首相が率いる「ユダヤ・ナショナリズム陣営」の一員として、合計64議席を獲得し、国会の過半数を握った。これにより、ネタニヤフ元首相が返り咲き、今に至っている。
ともかくも、おそらく普通の民主主義国家である欧州諸国や日本など主要先進国とされる国々の多くの“常識的、良識的”な国民にとって、この状況(いくら合衆国憲法上の規定解釈の前例に従うとはいえ、トランプ元大統領が、自らの犯した犯罪で無罪を勝ち取るため此のユニタリーエグゼクティブセオリーを活用するというやり方を、おそらく過半超の米国民?が了承する方向へ流れつつある?こと)は理解し難いのではなかろうか?
このように概観すると、三権分立(法の支配)と政教分離を掲げる、いわゆる西欧啓蒙思想に基づく [『現代世界における民主主義諸国と政教分離の世俗宗教国家を建前とする『良識的民主主義国アメリカの主要成分(目下、バイデン民主党政権)』および『“OpenAI、サム・アルトマン氏の解任”劇場が象徴するAIテック型の難題(量子アニーリングの誤り耐性“制御、数学洗浄・効果的利他主義(EA)マターetc”)』]と、[『米国と中東イスラムなる二つの宗教原理主義』]という、恰も「量子の時間反転対称性/↓*」にも似た二つの巨大な重圧パワーに挟撃され、愈々、<“建国以来の矛盾:Unitary Executive Theory”を抱えるアメリカ合衆国自身>が“世界の超リスク暴発の起爆剤”と化しつつあるという、実におぞましいイメージ(AIテック仕掛けのリバイアサン!?)がリアル化することになる。
<注記>「*量子の時間反転対称性」については、当記事の(本論3)を参照乞う!
元トランプ大統領“支持派”の法解釈(Unitary Executive Theoryの効果的な活用)も可能と見るメディアらの表層的で不可解な解説、i.e.[目下、米国内で主流と見なされる?法理解釈]のままで推移すると、トランプ氏は、仮に無期懲役相当の重大な刑法犯罪を犯しても、現行犯でない限り「収監スタイルのリモート大統領執務」が可能になると思われる。
しかし、そうなった時には「国際司法・国際関係」などの観点から見ると、「法の支配=三権分立+政教分離」(近代以降の啓蒙思想そのもの)に対する“決定的な反撃”のジャンルであるとの議論が国際的に湧き起こるのが必定であるので、より具体的には、どのような事態を招くことになるかを参考まで想定してみると、以下のように纏められる。
国際刑事裁判所(ICC/International Criminal Court)への付託
・・・ICCは、人道に対する罪、戦争犯罪、ジェノサイドなどの国際犯罪を裁くための国際司法機関。トランプ氏の行為が国際犯罪に該当するとして、ICCの管轄に付託される可能性があります。
・・・ICCはトランプ氏の行為が国際犯罪に該当するかどうかを判断することになる。ICCが国際犯罪と認定すればトランプ氏を逮捕・起訴し、裁判にかける可能性がでてくる。
国家間訴訟が発生する
・・・トランプ氏の行為が国際法違反に該当するとして、国際社会の一国または複数の国が、トランプ氏の母国たる米国を相手に国家間訴訟を提起する可能性がある。
・・・国際法上の国家間訴訟は、国連憲章第36条に基づいて行われるもので、国家間の紛争を解決するための重要な手段の一つ。
国際社会による制裁が現実化する
・・・トランプ氏の行為が国際社会の秩序や安全保障を脅かすものとして、国際社会による制裁が科される可能性がある。具体的には経済制裁や政治的孤立などの措置が考えられる。・・・これらの制裁は、トランプ氏の行為を阻止し、国際社会の秩序や安全保障回復を目的とすることとなり、具体的に以下のような事態が考えられる。
ICCがトランプ氏の行為を国際犯罪と認定し、逮捕・起訴する
・・・・この場合、トランプ氏はICCの管轄下で裁判を受けることになるため大統領権限を行使することはできなくなり、国際社会の一国または複数の国が米国を相手に国家間訴訟を提起し、トランプ氏の行為が国際法違反であると認定される。
国際社会による制裁が科され、米国の国際的地位が低下する
・・・この場合、米国は、国際社会の圧力に屈しトランプ氏の行為を阻止するための措置を講じざるを得なくなる可能性がある。
・・・まさに歴史的な意味で、これは前代未聞であるが、このようにトランプ氏が監獄内からリモートで大統領権限を行使する事態となった時には、国際社会から大きな批判が寄せられ、国際司法上の法理に基づくさまざまな対応が考えられ、全世界的な混乱状態が長く続くことになる。
だからこそ、「欧州諸国や日本の“三権分立と政教分離の原則”とアメリカ合衆国の“それ”」とではそもそも成り立ち方が全く異なるので「元大統領の有罪を無罪化するのは可能だ!とする奇妙な法解釈については、メディア等の表層的で不可解な解説をいくら聴かされているとしても、おそらく普通の民主主義国家である欧州諸国や日本など主要先進国とされる国々の多くの人々にとって実に理解し難いことになる。
(ここで再考すべきが、当記事の冒頭にも掲げた『オランダ、極右政党が第1党へ/「反移民」掲げた党首と欧州のゆくえ20231124朝日』の問題)
・・・欧州「啓蒙思想」台頭期の背景であった、“科学・技術、自由思想、市民社会”が疾うにAI化社会の今は決定的に変質している!故に、「生命論&市場原理」のエントロピー的制御の必然について、先駆的に覚醒していたマンデヴィルとホッブスの慧眼の再考が必須!・・・・
・・・以下は、その一部の再録・・・
1 「「熟慮性」不足が極右、i.e.「陰謀論」跋扈の背景!」は超時代の真理!(↓♨)故に新たな啓蒙思想の構築こそ肝要!∵欧州「啓蒙思想」台頭期の背景であった、“科学・技術、自由思想、市民社会”が疾うにAI化社会の今は決定的に変質!(続、2へ)
https://www.asahi.com/articles/ASRCR5WV8RCRUHBI01H.html
2 【極右台頭は欧米ら世界全般のトレンド】だから、「生命論&市場原理」のエントロピー的制御の必然に覚醒していた慧眼、マンデヴィル『蜂の寓話』の再読et 啓蒙思想の再構築が今こそ必須! →オランダ、極右政党が第1党へ 「反移民」掲げた党首と欧州のゆくえ1124朝日
https://www.asahi.com/articles/ASRCR5WV8RCRUHBI01H.html
しかし、EUの執行機関の一部(欧州銀行機関(EBA))があるオランダで極右政権が誕生したことは、見方しだいでは絶好の奇貨とも言えるだろう。
それは、オランダがEUを構成する主要国の一つであり、いわばオランダは、そのような意味でEU中枢の一角を担う場所となっており、象徴的にもEU(および欧州全体)にとって重要な場所を提供する国であるからだ、といえる。
例えば、オランダにある欧州銀行機関(EBA)は、ヨーロッパの銀行部門全体で効果的な規制と監督を確保するために機能する独立したEU機関であり、オランダは、ベルギーのブリュッセルにある欧州委員会、フランスのストラスブール、ベルギーのブリュッセル、ルクセンブルグに諸機関を持つ欧州議会と共に、れっきとした、現代民主主義精神のリーダー格の国家でもある。
そして、何よりもオランダは後述するとおり、17世紀「レンブラントの時代」には、ヨーロッパの中枢として「初期啓蒙思想」を育んだという意味で、近世ヨーロッパにおける名目共に近代精神の旗手たる立派な歴史を誇る国でもある。
だから、EU中枢における現在のオランダの立場(および、その「「啓蒙思想」胎動期の中枢でもあったオランダの歴史の重み)と、既に述べたとおりの事実上「米中半導体戦争」の真の立役者としての立場に立ちつつ、その近未来の動向へすら隠然たる影響力を発揮する現代オランダの役割が、今後の新たな「啓蒙思想の展相(Potenz)」の問題とも絡みつつ、益々重要になることには疑う余地がないのではなかろうか?無論、当論点は、おそらく量子AIテックでも先行しつつある?AMSL社の重要な役割を意味する!のは」言うまでもないことである。
また、EUの中枢にある国の一つとして、オランダは、自国に立地するEBAに関わる多様な執行業務の内容をも積極的に検証する機会と義務があるため、オランダがEUの理念、即ち、欧州伝統の啓蒙思想の理念(政教分離および正教分離など)をも絶えず意識せざるを得ないことも当然視されることとなる。
従って、オランダに極右政権が誕生したことは、ただオランダ一国の問題というよりもEU(欧州連合)そのものが極右の政治権力をその中枢へ抱え込んだことにも匹敵する由々しき事態だということになる。しかし、であればこそ、これは世界にとっても、新時代のため現代の「啓蒙思想」が、愈々、展相(Potenz)するためのいいチャンスでもあることになる。
更に言えば、それは2024年のEUで起こるのが、その[中枢における「内なる極右政権の誕生」(オランダ政治・社会の混乱)]の重圧に加え外部から加わるのが[ユニタリーエグゼクティブセオリーなる“現代民主主義の敵とも見るべき米国トランプ劇場の再演”、
同じく米国プロテスタント系キリスト教原理主義(イスラエルとも共鳴!)、ウクライナ戦争のイレウス型重篤化(https://x.gd/kL5BO)、およびイスラエル過激シオニズム極右派問題(イスラエルのガザ攻撃戦争)等々]という具合で、まさに歴史的意味でも「啓蒙主義」の旗手である欧州連合(EU)に大重圧が圧し掛かることであるからだ。
無論、この非常に苦しい状況をチャンスと見るのは、一見、皮肉にしか聞こえないかもしれない。しかし、後で触れるとおりEUの心臓部に重なる、このヨーロッパ近代思想史の中心地域こそは、「政教分離と三権分立を主柱とする『近代啓蒙思想』の生誕地であった」ことを想起すれば頷けるのではなかろうか?それは、生誕地であればこそ、この大混迷の苦難の事態が次の新時代へ向けての「展相(Potenz)/Cf.↓★」に繋がる揺籃の地となる可能性は十分にあると見るべきだろうから。
★カント哲学は、進化論と相対論的量子力学(粒子の速度が光速に近づいてきた場合の量子力学的取り扱いの理論)、そして本格的なAIの時代ともされる現代において、i.e.本格的コンシリエンスの視点が必須の現代において、再び、それ自身が画期的な展相(Potenz)を果たすための大きな可能性を秘めた哲学として、いわゆる本格的な「新しい哲学“誕生”」の中核となり得るのではないか?と考えられる。https://note.com/toxandoria2/n/n4ea0f2eba0e6
視点は変わるが、オランダといえば先ず想起すべきは「17世紀レンブラントの時代(世紀)」(オランダの歴史家・文化史家ヨハン・ホイジンガの命名)とも呼ばれ、レンブラント、フェルメール、スピノザ、グロティウスらの天才が輩出し、商人貴族が主体ではあったが、れっきとした「近代市民社会」を舞台とする初期資本主義の成熟期(大航海で世界を股にかけた黄金の時代)を謳歌する偉大な歴史経験を持つ国であることを先ず想起すべきである。
(参考画像)レンブラント「夜警」/レンブラント 絵画解説、-西洋絵画美術館-、https://artmuseum.jpn.org/mu_yakei.html
=マンデヴィル=
その最盛期の活躍の舞台は英国のロンドンへ移したものの、かの偉大な記念碑的な『蜂の寓話』(1714)の著者はオランダ(ロッテルダム)出身の医師マンデビルである。因みにマンデヴィル(Bernard de Mandeville、1670-1733)は現代で言えば心療内科医(開業医)のような仕事であったらしい?従来、同書は副題にある「私悪(私益)すなわち公益」という主張が後にアダム・スミスの自由主義的経済学や分業論に大きな影響を与えたので、現代の市場原理主義の教祖でもあるとの見立てが通説であった。
ところが、近年はアダム・スミスへ評価も含めて、彼ら17~18世紀の思想家らの著書については、些か、その評価が変わりつつあるようだ。
結論を言えば、マンデビルの『蜂の寓話』は一種の巧妙なアイロニー表現であり、経済パワーの源としての私益を重視する一方で、大本では自然資源をベースとする経済活動が実は有限であるため、必ずしもそれを野放図に煽り立てれば良いことにはならない、というのがマンデヴィルの本心であったようだ。
しかも、それよりも更に悪徳というべきは、マンデヴィルによれば、上流階級のサロンを舞台として、このようなマンデビルの本意を無視する如き日常が繰り広げられていることであった、ということになる。
つまり、そのマンデヴィルの本心を現代風に言えば、「フィデューシャリー(公人・エリート層の受託責任)に支えられたエトノス環境(共有されるべき限られた地球自然環境)の一環としての公益(社会的共通資本(宇沢弘文の経済学が最も近い!?)や、その一環としてのベーシックインカムなど)が先ず保全されてこそ、有意な私益のための経済が安定的・持続的に生成される"と主張していた、とも理解できる」ということになってきたようだ。
このマンデヴィルの本意(私益“原理主義”と全く真逆の公益“前提主義”)を傍証する表現は、『蜂の寓話』をよく読めば至る所で目に入るはずである。因みに、マンデヴィルが上流階級のサロンで日々に繰り広げられている偽善の日常のなかで要と見るべき光景を、まとめて表現しておくと、次のようになるようだ。
・・・実は、マンデヴィルは道徳感情論の創始者として知られる哲学者、シャフツベリー伯爵 アントニー・アシュリー=クーパー三世( Anthony Ashley Cooper, 3rd Earl of Shaftesbury/1671 – 1713)は、イギリスの哲学者、政治家)を厳しく批判していた。その理由は「このシャフツベリーの道徳観が人間の本性や社会の実態(私益に走りがちな)を無視し過剰に美化されており、しかも社交界に集う上流層の人々は本心(人間の私益を好むホンネ)と裏腹に建前上の美徳を不本意ながら上辺だけで褒めそやしつつ、身分の高い人々の建前上の話に合わせるための忖度だけで、日々、汲々とした生活している」からシャフツベリー伯爵の道徳感情論は信用ならない!ということであった。・・・
また、マンデヴィルはオランダ時代も含め「ピエール・ベールらフランスのユマニストらの活動については十分承知しており、何等かの方法での情報交流はあったと考えられている。英国時代になっても此れら欧州の初期啓蒙思想期の思想家たちとは往還的な文書・伝聞・人的介在らによる情報交流があった」ことが分かりつつあるようだ。なお、マンデヴィルが渡英したのはホッブス(40歳ほどマンデヴィルより年長)の死後だったので、二人の間に直接の交流はなかったと思われる。
なお、マンデヴィルは著書「蜂の寓話」のなかで、宗教については「それがなければ人間は野蛮な状態に陥る」と、一応はその存在価値を認めたうえで、それと同時に、宗教の絶対的な真理性は否定している。
宗教は、人間の想像力や恐怖心に基づいて作られたものなので、理性や経験によって検証することは、できないと主張している(なお、この点には後述するカントの純粋理性批判とも一致点があることに驚かされる)。特に、「続、蜂の寓話」などでは、このような宗教についての考えをつぶさに展開している。そして、このようなマンデヴィルの宗教と一定の距離を置く考え方は、特に、同時代のフランスの思想家ピエール・ベールからの影響があったと考えられる。
=ピエール・ベール=
マンデヴィルへ大きな影響を与えた人物としてフランスのピエール・ベールを取り上げておかなければならない。
ピエール・ベールは神学的な歴史観を懐疑的に分析した著書『歴史批評辞典』などで啓蒙思想の先駆けとなったフランス「初期啓蒙思想期」の重要な哲学者・思想家である。彼はスピノザ、ライプニッツ、ロックらとほぼ同時代を生きた人物であり、神学的形而上学を解体して当時の欧州を震撼させつつ、広く欧州の「初期啓蒙思想期」の思想家らへ大きな影響を与えた。
17世紀フランス“啓蒙思想の先駆け”の思想家ピエール・ベール(Pierre Bayle/1647 - 1706)は、そもそも「宗教的自由主義」を主張していた人物である。そして、ピエール・ベールはカトリックの国であるフランスから、リベラルの空気が濃厚だったオランダのロッテルダムへ移住している。
丁度その頃にロッテルダムのエラスムス学校にマンデヴィルが在籍していた。そもそもベールは、1675年からフランスのセダンにあるプロテスタント系アカデミーの教授を努めていた。
しかし、1681年のルイ14世の勅令によって同校が廃止され、フランスにおけるプロテスタ ント迫害が過酷となってきたため、ピエールベールはフランスを逃れ、オランダへ移り住み、ロッテルダムで教授職を得 てオランダで著作活動に専念していた。
因みに、ピエール・ベールがフランスで活躍していた時の前後にほぼ重なる頃からフランスにモラリストたちが現れていた。モラリスト(moraliste)とは、いわゆる道徳家(moralisateur)と異なる概念(というか、紋切型で厳格な道徳家とは真逆で自由な発想を持つ人々)で、彼らの自由な思考は主にエッセイや文学・箴言などの形で表現される。
感情・感性の要素を重視しつつ、一方で大局的・客観的で冷静な視座で論ずるモラリストの思考は人間の日常における意識活動の多面性・多様性を様々な角度から深く思考するという、フランス文化に特有な知的伝統の一つの柱となっている。
特に大きな特徴と見るべきことは、それが宗教や道徳の厳正主義(厳格主義/rigorism)から解き放たれた自由であるが故に各人に対して「両義性・多義性」の尊重を求めるという点にある。
しかも、そのことから必然的に「その自由には一定の節度が求められる」ので、それは「自由原理主義」ではあり得ない。因みに、モラリストの発祥については諸説があるようだが「フロンドの乱/1648 - 1653」~「アンリ4世/フランス絶対王政の確立期」の間において「既存の政治体制と既成の価値観」(アンシャンレジーム)が崩壊する過程に入ったという点に求めるのが妥当と考えられる。
ところで、そのような意味で欧州の中心部における「初期啓蒙思想期」のホッブスにも、ここで少し触れておく必要がある。
=ホッブス=
―我われ一人ひとりと国家に潜む怪物、ホッブス『リヴァイアサン』の現代的な意味―
ザハヴィの著種『自己意識と他性』(叢書ウニベルシタス)を翻訳した中村拓也氏(同志社大学文学部准教授)の同書“あとがき”によれば、特にザハヴィの<無媒介的認知的自己意識(先反省的自己意識)>は、しばしば哲学的思考らで見られる難解な概念の捏造ではなく、それは体験的な偏在性として誰にでも日常的に起こり得る主観的「自己—顕現」(個々人の内感の場における自覚)の問題、つまり個々人の「主観性の普遍的な核心」を抉り、それを『感情の現象学』的な立場から説明できる堅牢な言葉である。
ザハヴィの同著書によれば、その「無媒介的認知的自己意識」とは、<ヒトには“自らの破滅をもたらしかねない自己破壊的リスクとエントロピー増加型の自滅(無限背進・後退)、i.e.マイファースト利己主義(Ex.トランピズム、極右、アナーキズム、原理主義宗教orカルト宗教など)への没入、あるいは自然&文化破壊、歴史修正主義(量子物理学ならぬリアル時間性の錯乱)、ファシズム、テロリズム、先取復讐(@カズオ・イシグロ)、猟奇殺人、残虐嗜好などへの激烈な衝動をもたらし続ける前意識の系譜(エス/das Es:フロイトが提唱した精神分析学におけるヒトの意識概念:生命欲求リビドーの混沌状況)”が普遍的に存在する可能性が高い>という、非常に厄介なリアル世界の深層を摘出している。まさに、これこそ現代的に表現したときの”個々人および国家権力の内に潜むものとして、トマス・ホッブスがリバイアサン(レヴィアタン)で象徴的に示したことの理解“と言えるであろう(Cf.↓★https://note.com/toxandoria2/n/nea8fd36e81b0)。
★
<注>ザハヴィとは?
・・・ダン・ザハヴィ(Dan Zahavi/1967‐ /デンマークの哲学者・現象学者)は、著書『自己意識と他性/現象学的探求』(叢書ウニベルシタス)の原著(1999)でコペンハーゲン大学教授の資格を得た、現象学的「主観性」研究の分野で世界をリードする研究者。近未来を見据えるザハヴィの視野には、無意識、催眠、記憶、倫理学・美学(レヴィナス、ガダマー、ディーター・ヘンリッヒなど)、先端AI研究、脳科学などが入っている。
―アブラハム・ボスによるホッブス『リヴァイアサン』の表紙絵には、国家を構成する四種類の「暴力的存在」が象徴的に描かれている―
これは、そもそも“古来、リヴァイアサンにイメージを提供”してきたレヴィアタン(旧約聖書『ヨブ記』に登場する海の怪物)を描いたと考えられている。
それらのイメージは、トマス・ホッブス(Thomas Hobbes/1588 - 1679)が自らの政治哲学における国家の概念や機能を表したものとなっている。因みに、ホッブスは「清教徒革命(イングランド内戦)~王政復古期にかけて活躍したイングランドの哲学者/17世紀の近世哲学において、デカルトらと並ぶ機械論的世界観の先駆的哲学者の一人」である。
そのホッブスの思考実験では、国家が人間の自然状態から脱するため作られた人工的な怪物(善・悪の両義的な?)と見なされており、その権力は絶対的で、人々の自然権を保護し、共通の利益を実現するために、その支配は宗教や知識にも及ぶべきだと主張した。
このような意味で、ホッブズの政治哲学は自由主義や社会契約説の先駆けとなったが、同時に絶対王政や国家権力の強化にも利用もされたとして、それが批判されることもある。上掲のアブラハム・ボスによる『リヴァイアサン』の表紙絵には、四種類の「暴力的な存在」が象徴的に描かれており、それらについては次のような解釈が成り立つ。
・・・先ず、その表紙絵の上部に描かれた巨大な支配者の身体は多数の人間から構成されているが、これはホッブスの政治哲学における国家の概念を表している。ホッブスは、人間の自然状態は万人の万人に対する闘争であり、その混乱を避けるためには、人々が自然権(地球の自然環境に由来する個体生命の一つである自然のヒトである故に、生来、自ずから持つと見なすべき自然権を国家に一先ず譲渡する必要があると考えた。
・・・ホッブスは、「国家は人々のこの自然権を保護し共通の利益を実現するため絶対的な権力を持つべきだ」と主張した。つまり、国家は人々との契約によって生み出された人工的な存在なので、その権力は人々の意志の集合体として表現されると考えたことになる。このような国家をホッブスは「リヴァイアサン」と呼び、旧約聖書に登場する海の怪物に喩えた訳である。
・・・左下に描かれた王冠と武器、国家の権力の二つの側面を示している。王冠は国家の主権者である国王の権威を象徴し、武器は国家の法律や命令を強制するための武力を象徴する。
・・・ホッブスは、国家の権力は絶対的なので、国王は神の代理人として人々に服従を求めることができると考えた。国王は、人々の自然権を根こそぎ侵害しない限り、法律や政策を自由に決めることができると考え、又、国王は国家の安全や秩序を維持するため必要に応じて武力を行使することができると考えた。このことから、ホッブズは国王の絶対王政を支持したとも理解できる訳である。
・・・右下に描かれた教会と司教冠は、国家の権力と宗教の関係を示している。教会は、キリスト教の信仰や教義を伝える機関であり、司教冠は、教会の指導者である司教の地位を象徴する。
・・・ところで、ホッブスは宗教は人間の恐怖や不安から生まれたものなので「神の存在や意志は人間には知り得ない」と考えていた。そして、宗教は人々の心をも支配するので、宗教(教会)は国家権力へ対抗し得ることになると考えた。しかし、ホッブスは、国家権力は宗教にも及ぶべきで、国王は教会の最高権威として信仰や礼拝の方法も定めることができると考えた。なお、ホッブスは、英国国教会(1534年にヘンリー8世が議会に提出し承認された「国王至上法」で成立)の牧師の次男として生まれている。
・・・中央に描かれた書物と羽根ペンは、国家の権力と知識の関係を示している。書物は、人間の知識や思想を記録する媒体で、羽根ペンは人間の知識や思想を表現する道具であることになる。ホッブスは、「知識は人間の感覚や理性に基づくもので、神の啓示や伝統に基づくものではない」と考えていた。ホッブスは、国家の権力と知識の権力を一致させることで、知識的な誤りや混乱を防ぐことができると考えていた。
・・・
ところで、ホッブスの思想では、「自然(今で言えば生態圏に相当する?)は人間の自然権や自然法の根拠となるもの」と考えられている。そして、ホッブスは「人間はすべての欲求を満たすため、自然界に存在するあらゆるものを所有(自分だけで所有し利用)しようとする利己心があると主張していた(万人闘争のエネルギー源!)。
・・・しかし、この利己心こそは社会を発展させる力になるとも考えていた(この点は、当記事の記述順とは前後することになるがホッブスより約100年後に生まれるマンデヴィルと同じ!)。しかし、自然界の資源には限りがあり、すべての人間の欲求を満たすことができるだけの資源は存在しない。そのため、「人間はどうしても自分の欲求を満たすため他者の権利を侵害することになりがち」である。
だから、ホッブスも、その個々人の利己心の暴走は放置できないと考えたのであろう。そして、この点は、奇しくも既述したとおりマンデヴィル「蜂の寓話」のアイロニー表現(従来の一般的な誤解、i.e.『自由市場原理主義の教祖の一人たる人物としてのマンデヴィルについての誤解』の解消(氷塊!))と一致する、とも考えられる。
・・・しかし、未だに、<マンデヴィル=自由市場原理主義の教祖の一人>との信者(マンデヴィル=“重商主義“肯定者の側面しか見えない、見たくない? i.e.伝統的にオランダ人”は計算高い!と、単純に考えている偏見の人々)が多いのは不可解なことではある。
(想定される量子AIテック社会下における現代『啓蒙思想』の限界とカント哲学“再考”への希望)
些かの先取りとなるが、ここで我われは、後述するイマニュエル・カントの両著書、「a純粋理性批判」と「b実践理性批判」を想起すべきであろう。
それは、カントのa、bの両著書こそが、きわめて現代的な課題である<AIテック(ないしは、その先に想定される量子AIテック)社会下における現代『啓蒙思想』の限界>という、いわばアポリア化しつつある難題を解くカギになるのでは?と思われるからだ。
委細は後述の内容に譲るが、ここで肝要なのは「a、bの両著書の現代的な意義が、基本的には両著書の補完関係にこそある!」ということの再認識である。それは、カントが、神や魂の不滅(a宗教原理)、自由(b自由原理)など、いわゆる記号接地(シンボルグラウンド)論的に掴みどころがない“偽理性?”の概念について、大いに警戒せよ!と、我われに対し大きな注意を喚起しているからである。
なぜなら、その掴みどころがない“偽理性?”なる概念で認識できること(認識できると思わされるもの)は、我々にとっては決して正しく理解できる類の代物ではなく、只々、我われは空疎に空高く、永遠に舞い上がり続けさせられることになるだけであるからだ。
だから、カント哲学は陳腐であるどころか、まさに「a宗教原理主義とb自由原理主義」なる二つの永遠のアポリアに対し、きわめてテンポラリーで適切な回答を提供し得る重要な哲学であり、永遠に「展相(Potenz)」が提供できる世界観の湧出源であることになる。
「a宗教原理主義とb自由原理主義」の問題に関わる直近の事例を挙げると、例えば、「宗教原理主義の暴走が合衆国憲法上に謳われるUnitary Executive Theory(そもそもの建国時の合衆国憲法)に起因する、米国次期統領選の大混乱(トランピズムの再出現)」、または「同じく米国で超保守主義を掲げるプロテスタント系キリスト教原理主義者らによる露骨な政治介入」、「理想郷ならぬ地獄化!のイスラエル(カナンの地)をめぐる余りにも悲惨な宗教原理主義戦争」、そして「a、b両原理とリバイアサン権力の暴走が絡み合い恰も癒着性イレウス(https://x.gd/c1Ebl)と化したウクライナ戦争の混沌」、果ては「直近のオランダに出現した如き先進諸国における極右政権のとめどなき台頭」等々と、その枚挙には暇がなくなる。
また、自由原理主義の暴走(今や疾うに時代錯誤となった筈のリバタリアニズムの跋扈)により「格差、差別、飢餓、パワハラ・・・」等の深刻な、まるでプレ啓蒙思想の時代にタイムスリップでもしたような「人間の基本的人権が根底から侵害される問題」が世界中で同時多発化しつつあるのは周知のとおりである。
しかも、グローバル金融市場原理主義(ミルトン・フリードマン流の経済市場原理主義)の日本における暴走の光景が、今度は無謀にも、まるでAIテック(ないしは量子AIテック)を「経済成長ウオッシュ(見せかけの経済成長、見せかけの生産性)」に利用する!?かの如く倒錯的で奇妙な勢い(見せかけの勢いウオッシュ?/w)を見せつけつつある。
(関連連想情報)
★【自民党のみならずトータル日本が鼎の軽重を問われる由々しき事態!?】自民の対応が必須は当然だが、キックバック疑獄もあり、自民はそれどころでない?! →アイヌ実名中傷動画を拡散 自民・杉田水脈氏、民族差別助長 20231203 共同 https://twitter.com/striatumxname/status/1731459156371227074
関連↑/【岸田発言は『グリーンウオッシュ』(見せかけの環境配慮)に他ならないとの理由で、「気候行動ネットワーク(CAN)」が選んだ!】 →杉田式「人権ウオッシュ」に加わる高評価?! →日本が「化石賞」第1号に COP28、岸田首相の発言が選定理由に20231204毎日、https://twitter.com/striatumxname/status/1731463664753074629
関連↑/岸田の脱新自由主義で新資本主義を実現!なる妄言を心から小ばかにする原子力&日米安保、両ムラを仕切る市場原理主義派、官僚組織の掌中で喘ぐ岸田!主因は岸田自身の科学・科学技術&哲学の不勉強の祟り! →背後に隠れるエースの専制、岸田政権の総括20231207白井聡@毎日https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20221019/pol/00m/010/019000c…] https://twitter.com/striatumxname/status/1732714233450967276
ところで、カントによれば「このa、b両原理の如く掴みどころのない種類の“偽理性?”概念(政教分離の原則が必須とのことが意識されない限り、実は無責任と只の万能感に囚われた野蛮さ、ないしは超自己中心的な妄想がその正体!)については、それを「純粋理性批判」だけで認識するのは不可能であり(今風に言えば、コンシリエンスの生命観なる多角的な視座からでなければ、その無謀さの正体は認識できない!ので)、それは周囲から無批判の儘に放置され、個々人の内心の中で、只管、空疎でありつつ空高く舞い上がるだけになる。だからこそ多様かつ多元的な視座からリアルに批判し得る「実践理性批判」の役割が重要となる。
既述のとおりだが、更にこれらのことに加え特に見逃すべきでないのは、「啓蒙思想」初期の時代(16~18世紀/17世紀を中心とする時代)の欧州の中心部、フランス・ネーデルラント(現代のオランダ・ベルギーにほぼ重なる)・英国・ドイツ辺りで活躍した政治哲学・思想史界の巨人たるピエール・ベール、ホッブス、マンデヴィルらの仕事の見直しが重要となることであろう。
それは、奇しくも17世紀に「初期啓蒙思想」が胎動し始めたオランダを地政学的な意味で中心とする、この辺りで活躍したピエール・ベール、ホッブス、マンデヴィルらが共有するのが、「一先ず宗教との距離を置く」という思想構築上の戦略ということであったからだ。
無論、これは未だ現代の「政教分離の原則」とは程遠いものだが、カントの純粋理性批判で主張されているとおり、そ<宗教原理>なるものは、我われ普通の人間が持つ冷静な認識でも、それが真に生きる生身の人間のための「記号接地論/シンボルグラウンディング」の立場であると理解するのは非常に困難なことであるからだ。
因みに、ここで言う“生身”とは「人間が必須の食料等を摂取しそれを消化・排泄し、そして生殖行為や愛の交換にも、時には遊びや旅行あるいはスポーツ・芸術活動等etcの仕事以外のことにも多くの時間を割きつつ、多様な人間・社会のマルチモーダル関係(厳密に言えば、マルチモーダル意識関係)の網の目のなかで、日々、に暮らし続けている」ことを指している。従って、これをAI技術でそれを模した「意識」もどきが生成されるとすれば、それは「偽マルチモーダル」or「亜マルチモーダル」と呼称すべきであろう。
従って、この「生身の人間のマルチモーダル(同意識)」と「マルチモーダルAI(例えば、20231207にGoogleが発表したばかりの生成AI『Gemini』/https://x.gd/JpEU4)は全く異なることに留意すべきである。それどころか、リテラシー不在のまま、これを恰も「万能生成AI」登場!の如く煽り立てる如き報じ方には注意が必要であろう。又、老婆心から付言しておくが、先端AI技術は、決して市場原理主義の好都合な道具ではないことも、心すべきである。
(関連情報)
★啓蒙思想初期に周知!のタナトスはヒトの共有エルゴン i.e.その悪の情念の天敵はアナログモーダル(健全なヒトの意識)!先行把握の身体知で新しい「社会構成」への展相が急務/<注>アナログモーダル=生あるヒトの概念流動性 https://note.com/toxandoria2/n/ndf2a223ea56c
直近における、同じ先端AI技術『VR⁻Smileyscope』(注射の痛みを和らげるVRデバイス/https://x.gd/mV9MD)の発表では、当のVR⁻Smileyの開発者自身が“痛みの現実は想像以上に、より複雑なので、実はSmileyがなぜ効くのかは未解明なのです…しかも、その効果は未だ60%程度とか?」と吐露している”という情報が付加されている。この開発者の正直な姿勢は、今後のAI先端技術の持続発展のためには非常に重要なことである。
もし、全く関連リテラシーが不在のままで、AI先端技術が急速に進化続けることになれば、それは人間の経済・社会の発展のためには、むしろ有害とすら言えるのではないか?だから、絶えずこの種の局面でのデリケートなバランスを維持し続ける努力こそが、人類の明るい未来を決定することになると言っても過言ではないと思われる。
このことは、特に、いま当文脈のなかで取り上げている「カントのa純粋理性批判とb実践理性批判の補完関係」ということを考慮すれば自明となることである。
つまり、それは「カントのa純粋理性批判とb実践理性批判の補完関係の重視という観点」からすれば、AI先端技術の開発者自身が様々な理・活用者からの批判に粘り強く耐え続ける積極的な意思があることを正直に言明することが、常に近未来の可能性を人類文明にもたらすことができる条件であるのが明らかであるからだ。そして、それこそが絶えず新しい世界観を創出し続けるために必須の無限の湧出源(潜性イノベーションの宝庫)であることになる。
もうひとつ、「政教分離」の問題と同時じく決して忘れてならないのは、彼ら「啓蒙思想」胎動期~初期の思想家たちに共通するのは、これもカントが「純粋理性批判」で槍玉に挙げていた自由の問題のことだが、その「自由原理」なるものには初めから<取り扱い注意>の但し書きがついていたことである。
(量子科学と新実在論のコンシリエンスの先に再浮上する、カント et ハイデガー等の再解釈の必要性)
ここで、参考とすべきがイマニュエル・カント(Immanuel Kant/1724~1804)の<「純粋理性批判」と「実践理性批判」の相互補完的な関係の意味の再考>という視座だということである。
そのようなカントの視点に生命論的なコンシリエンスの視座を加えつつ、此の“ある意味で人類史上の転換点“とも見えるパラドキシカルな超難題、i.e.[特に地球自然環境保全、政教分離、三権分立などの基本的な問題に焦点を当てた近・現代啓蒙思想の再考と再編、そして”量子誤り耐性の制御“が必須の時代へ!]へという具合に、今こそ野心的に挑戦する必要があるのではなかろうか?
もっとも、カント哲学の立場は数学の意義を重視する新実在論の先端的な哲学者クアンタン・メイヤスーから「時代遅れの相関主義者のジャンル」と批判されていたようだ。しかし、おそらく、これはジョークの一種であったのだろう(苦w)。
ともかくも、ここでは、以下に「純粋理性批判」と「実践理性批判」の相互補完的な関係の意味を再考するための準備として、私的スケルトンをまとめておく。
例えば、・・・カント哲学の純粋理性批判と実践理性批判の相補的関係については、仮に、以下のように説明できる。・・・
・・・純粋理性批判は人間の認識能力とその限界を批判的に検討する哲学の予備学である。それを“より現代風”に言えば、地球の自然環境た
る大きな生命環境下にある人間が弁えるべき、定言命法による“謙虚”な態度の自由(これこそヒューマニズム(人道主義)たる人格性の根源!)の表明とも言える普遍的道徳法則であるとも言えるだろう。
しかも、ここには人類の未来と、新たな人道の定義のためのヒントが潜んでいる!
カントは、経験に先立つ超越論的な認識形式として、空間と時間という純粋直観と、12の範疇という純粋「悟性」概念を明らかにした。因みに、その12の範疇は「実体、量、性質、関係、場所、時間、位置、状態、能動、所動(能動の反対、受け身)、単位、多様性、全性」である。
また、「悟性」は何らかの対象について考える感性と理性の中間と見るべき能力(いわば、シンボルグラウンディング的な能力)であり、且つ、それは理性の出発点であると定義される。
一方、理性(より広く論理的に考える能力)は数学、論理、科学知などの概念を操作しつつ、その合理的な繋がりで物事を絶えず、より広く考え続けられる能力であり、そこでは必然的に自律・責任・道徳・倫理観など人間らしい意識が自生的に伴うことになる。
これら明快な「認識形式」によってこそ、人間ははじめて感性に与えられる物を直観し、概念化し、判断することができる。しかし、これらの認識形式は、感性に与えられるものにのみ適用されるものであり、それを超える物自体や超感性的な理念には適用できない。
つまり、天上の神や霊魂の不滅(ィ.宗教原理主義)、自由(ㇿ.自由原理主義)など掴みどころのない種類の“偽理性?”(他律的な無責任と共に野放図な万能感が同居する異様な心性に囚われた野蛮と不道徳がその正体?!)について、それは我われが決して理解できないジャンルのものだ!と、カントは見ていたことになる。
つまり、カントは、悟性(結果的には、その理性)が自らの限界を逸脱して、超感性的な領域(既述の二つの原理主義、イ、 ロ)にまで認識を拡大しようとすることを、悟性(又は理性)の僭越として批判したことになる。
一方、実践理性批判は、[人間の道徳的行為とその原理を批判的に検討する哲学の本体]である。カントは、「実践理性という、経験からは独立して意志を規定する普遍的な道徳法則」を明らかにした。この道徳法則は、定言命法と呼ばれ、「汝の『意志の格律』が常に普遍的立法の原理に妥当するよう行為せよという命令である。
一見、逆説とも見えるが、この「定言命法」こそが、『真の自由』の表明であり、人格性・道徳性の根源である。カントは、<実践理性によって、人間は感性界と知性界に同時に属することができる>とした。即ち、感性界では、因果性と必然性に従って行為することができるが、知性界では、自由と道徳に従って行為することができる、ということになる。
しかし、カントは、実践理性が人間の道徳的行為とその原理を批判的に検討する「本体」であるものの、それだけでは道徳的行為の目的と動機を十分に説明できないとした。そこで、カントは、実践理性の理念として「最高善」という概念を導入した。最高善とは<道徳と幸福とが完全に調和した状態>である。
カントは、「最高善」を実現するために、<魂の不滅という理性概念>を、実践理性によって要請する必要があるとしたことになる(<注>純粋・実践という『両』理性の補完関係の“覚醒”次元からの要請であることに留意!)。
誤解を避けるため、このことを現代風に言えば<エントロピーに抗いつつ限定的・持続的・変分原理的にのみリアルに存在し得る『“ポテンツ(Potenz/展相)”生命論的な存在論』>を構想した、ということになるだろう。
喩えれば、それは[モルテングロビュール、細胞内微小管(microtuble)、地球型「水」のアポリアetc.ら、先端“生命科学知”等の援用で、自由(限定的・持続的な自由)、最高善と調和する神の存在(“全宇宙論・量子物理論・数学論”的な存在までが視野に入り、どこまでも謙虚な)]など、いわゆるコンシリエンス知を総動員した最広義の理性の概念で、新たなメイヤスー的自然観(『メイヤスーの祖先以前性/ancestral』、https://x.gd/wfE5A)と親和する非常に先験的な観念であるとも言えるだろう。
やはり、その意味でも「メイヤスーのカント批判/メイヤスーによる、“カント=時代遅れの相関主義者”!?との批判」は冗談であったのかも知れない?(w)
<注記>[地球型の『水』、モルテングロビュール、細胞内微小管(microtuble)、変分原理]なる科学・哲学知をめぐる四つのアポリアがあり、これらは地球と人類の近未来に対し特に大きな影響を及ぼす可能性がある。見方しだいでは非常に深刻な問題にもなり得ることであり、同時に新たな希望が湧出する淵源でもある。なので、その先端の研究動向らにも、若干ふれるべきであったが、此処で書くスペースは無くなった。ので、下記・記事◆として要点を纏めておいたので、是非、ご参照をお願いしたい。・・・
◆特に注目すべき、科学知をめぐる三つのアポリア/水のアポリア、量子アニーリングの『量子誤り耐性』制御、モルテングロビュール https://note.com/toxandoria2/n/n7f7321840377
即ち、それこそが、絶えざるポテンツ的、フィードバック的実践(ジルベール・シモンドン、ベルナール・スティグレール、ユク・ホイ/https://x.gd/ieGKl)…ら、その科学哲学のリアル・プロセスでもあり、その壮大なプロセスこそが真のイノベーション、いわば“量子AIテック・マシンも到底およばぬ、ヒトの『潜性イノベーション』能力”の永久の源泉!ということではなかろうか?
純粋理性概念は認識理性では客観証明ができないものだが、実践理性によって道徳性・倫理性を帯び、それ(純粋理性概念)は信じることができるもの(人間関係的、社会的な真の信用の根源/”真の気づかいと哀れみ(ハイデガーのクーラ/cura、https://x.gd/ss31g )”になる。また、AIマルチモーダルならぬヒト・マルチモーダルの愛の感情と友愛は、心身のリアル共感で証明されるものである。
以上のように、純粋理性批判と実践理性批判は、人間の理性の二つの側面、すなわち認識理性と実践理性をそれぞれ批判的に分析し、その能力と限界を明らかにするという意味で、相補的な関係にある。純粋理性批判では、理性概念は認識の対象ではなく、思惟の対象とされたが、実践理性批判では、理性概念は実践の対象とされ、道徳的行為の目的と動機として機能する。
純粋理性批判では、理性の僭越を防ぐために、認識の範囲を感性に与えられる物に限定した(まさに記号接地論!)が、実践理性批判では、実践の範囲を知性界(今で言えば、ほぼ量子AIテック水準まで)に拡大し、最高善の実現を目指した。純粋理性批判と実践理性批判は、カント哲学の要諦を占める二つの批判であり、カントの広大な思想の全体像を理解するためには、両者の関係をクローズアップすることが絶対に必要なことである。
・・・結局、AIテックが本格化しつつある時代に生きる我われは必然的にリヴァイアサン(旧約ヨブ記の海の怪獣)やベヒーモス(同、陸の怪獣)が象徴する「スーパー権力=超機械化システム(現代で言えば、未制御の量子アニーリング・パワー、さらには量子AIハードテック問題)」が定めるルールよりも、或いは、今想定している理想のフレームよりも、更に、より一層高い志を宣言する必要があることになる。
・・・
[Additional Information]
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参考/【思索資料】生命イデオローグを読み違えたイスラエル?/ Cf.“非寛容原性 Vs 生体分子イデオローグ”、i.e.非寛容原性mRNAワクチン(臨床試験@海外)の非寛容原性の正しい解釈が重要!∵免疫寛容困難“原性”↓★こそ重度免疫疾患の元凶!https://note.com/toxandoria2/n/necc85073780f