マイクラ紀行小説 あの小さいやつ
彼はとうとう全てを掘り終えると、半日ほどかけて山の高台に戻り、自分がなしとげたものを見渡した。壁に囲まれた四角い穴であり、階段であり、井戸であるものだった。夜になっていたが、昼のように輝いていた。
光が多すぎるな。彼は口に出して言った。暗いほうが綺麗だ。やっぱり壁の中は暗いままのほうがよかった。
だがいたるところに光がなければならないことはわかっていた。それがルールだった。彼自身が決めたルール。本当にそうなのか、ときどきわからなくなるが、守ることに意味があると信じること