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ヨーゼフ・ボイスのフィッシングベスト

お爺さん達がこぞってフィッシングベストを着ているのは、若い頃にヨーゼフ・ボイスに憧れていたから。
なーんて思えば皆オシャレ上級者に見えてくる。

ファッションエトセトラ第29回
今回はフィッシングベストについて。

毎年色々なファッションアイテムがトレンド候補として挙がりますが、明らかに「今年の流行はフィッシングベストです」ってなったのって2018年(前後)以外に知りません。

何が(誰が)キッカケで流行ったのかは定かではありませんが、(知っている方がいたら教えてください)
当時は男女共に着ていた印象があります。

ファッショントレンドって周回するので、またスタジャンが来たな。とか、久しぶりにブーツカットが流行るらしいぞ。とか、あれ?テーラードジャケットって去年も言ってなかった?とかとか。

だいたいは「何年か前に買ったヤツだけど、今年の流行だっていうから引っ張り出すか」って感じで着回し出来てたんですけどね。

へ?
フィッシングベスト?
持ってないぞ! そんなモン! ってなった人も少なからずいたと思うんです。

「いや、ちょっと待て俺。 来年着るか? ○○円も出すか?」ってなりました。私も。ハイ。

でもやっぱり街中でたくさん目にする様になると気になってしょうがないので、色々と良さげなのを探して第一候補に挙がったのは、コロンビアとマウンテンリサーチのコラボモデル。
コロンビアのフィッシングベストを徹底リサーチ。 | feature | HOUYHNHNM(フイナム)

小林節正さんが着るとサマになるなー

ラゲッジウェアとしての便利さとかコロンビアの魅力なんかを語っていて、
私もだんだん気分が上がってきて、アレに合うかな?どれだけ着回しがきくかな?色はやっぱりブラックかな?いや、ネイビーもいいな。なんてあーでもない、こーでもないと熟考した挙句、珍しく今回は「買わない」という結論に至りました。

買わんのかい!! (ドリルせんのかい! のテンションで)

理由は主に3つ。
①フィッシングベストは一応持っている。(持ってんのかい!)
②色々探しているうちに、ホワイトマウンテニアリングのジャケットの方が着回しが効く様な気がしてきた。
③探している"今"が最高潮で結局あまり着ない気がする。

説明させて下さい。
①フィッシングベスト持ってるんです。
でもね、だいぶ昔の物だしコロンビアみたいなハイテクな感じじゃないんで、フィッシングベストというより、ジレっぽい感じなんですよ。
それがこのエレクトリックコテージ(以下EC)から出ていたもの。

グッドイナフとのダブルネーム

フィッシングというより、絵描きさんが着るベストって感じです。

無地の黒いTシャツなんかに合わせる事が多く、良いアクセントになります。
パスケースやタバコなんかを入れるのに丁度良く、手ぶら派のお爺さんが好んで着るのも分かる程使い勝手が良いんですよね。

で、このECのベスト、最初に紹介されたのは藤原ヒロシさんの連載ア・リトル・ノーレッジの第31回。

ヒロシさんが着ているのはベージュ

今回は、フィッシングヴェストです。だいたい、僕の中では、この釣りヴェストというのは定期的にブームがくるんですが、この形は本命中の本命。最近のハイテクポケットとかのいっぱいついたものではなく、かなりオールドスクールな感じです。通な人は気づいているかもしれませんが、そう、あのヴォイスのヴェストにそっくり。というよりそのまま。革のディテールとか、けっこうよくできてると思います。釣り用としては、いまいち機能不足かもしれませんが、アート用と考えればいい感じ。同素材でパンツもあります。こちらもポケットにはしっかり革を使ってます。この他にも、ポケットのないタイプや、ショートパンツなんかも出る予定。

メンズノンノより引用

この回で初めて知ったヨーゼフ・ボイスという名前。
彼はアンディーウォーホルに並ぶ社会派アーティスト。
そのボイスがフェルトハットと共に制服の様にいつも着ていたのがフィッシングベストです。

ボイスが着るベストの種類はいっぱいある

たしかに雰囲気があってカッコイイですね。
上記に挙げたマウンテンリサーチの小林さんもヨーゼフ・ボイスのフィッシングベストに憧れて、80年代当時は街着として着ていたそうです。

ボイスの様に白シャツにベストを合わせてみた事もあるんですが、どうも私にはオジさん臭く感じたので、Tシャツに合わせる以外はあまりしません。

で、2着目はコロンビアのハイテクタイプをと思ったんですが、よくよく考えたらECのベストも黒Tにたまに合わせるのみ。
出番は多くはありません。
ここは一旦冷静に、一応ネイビーの商品をキープしておきーの、他のものをザッピングする様に見ていました。

②ベストを購入するときに私が重要視したのは「着用頻度と着回し」でした。
「もしかしたら、フィッシングベストというよりポケットがいっぱい付いているものに惹かれているのかも」と思い、ディテールが似ているカメラマンジャケット、ハンティングジャケット等も色々見ていました。
そうしているうちに見つけたホワイトマウンテニアリングのジャケット。
保留していたコロンビアのフィッシングベストよりも安かったし、着回し力抜群そうだし、ベストよりは着用頻度も多そう。
ポケットも多いので、フィッシング欲?を満たせる。

ポケットはハンドウォーマーを入れて7つ

③の結局あまり着ない気がするですが、私の持っているベストは三種類。
先程から挙げているECのフィッシングベスト、ナンバーナインのダウンベスト、アンダーカバーのニットベストです。どれもそれなりに着ますが、着用頻度はそんなに多くない。
ここにコロンビアのベストが入ったとして、どうか?
う~ん、今持っているものより更に着なさそう。。。

よし、今回は見送り決定!
という事で②のホワイトマウンテニアリングのジャケット購入の流れ。

と、この脳内会議をしたのが2018年。あれから6年が経ちましたが、ここにきてやっぱりコロンビアのフィッシングベスト欲しい熱がちょっと出てきました。
私の悪いクセの流行が終わったあとに急に欲しくなる発作。
今はまだ抑えられていますが、次にフィッシングベストのトレンドが再来したら一気に爆発しそう。

次はいつかな?
もう来なかったりして?
いやいや、80年代にヨーゼフ・ボイスがファッションとして着てから次のトレンドになるまで40年という長いスパンだったけど、必ずまた来るハズ。

その時は私も立派なお爺ちゃんになっているかもしれないが、むしろ今より似合う年齢になっているかもしれない。
その時には白シャツにフェルトハットを被って言ってやるんだ。
「ヨーゼフ・ボイスに憧れてるんだ」と。

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