本の大綱rev.2
本の狙い
本の大綱をアップデート。今までは「自分が引退する2050年の世界をより良くする」ということがイシューで、近いところの目標があまりなかった。
けども、現下の日本の独歩的な低金利と円安という状況下で、この戦争が続くならば、特需ののちの戦後不況の中で、ベーシックインカムを導入すべしという私の考え方が必要になってくるのかも?という思いを抱くようになってきた。
であるならば、ここ数年の取り組みになってくるとは思うので、程よい目標なのかも、と思いつつはある。モチーフとした、ドラッカーさんの「産業人の未来」に似たような感じになりつつあるな、とも思う。
章立てについて
今までは、問いそれぞれに答えとなる章を設ける形だったけど、今回からはそれも改めた。
問いの一覧
問い①:現在はどんな社会なのか?
問い②:その社会の課題はなんなのか?
問い③:その課題を解決するのが「知識共創社会」ということか?
問い④:「知識共創社会」とは何か?
問い⑤:「知識共創社会」は、現代社会の課題(問い②)をどのように解決するのか?
問い⑥:「知識共創社会」実現のために必要なのが「ティール組織」ということか?
問い⑦:「ティール組織」とは何か?
問い⑧:りんくう花火実行委員会のどのような点が「ティール組織」なのか?
概要
第一章 資本主義社会から知識経済へ
資本主義社会を振り返り、今はドラッカーさんも指摘していたように知識経済に移行していることを確認したのち、(イチゴや和牛の問題に見られるように)資本主義と知識経済(創造)の相性が悪いことについて述べる。
第二章 知識経済のメカニズム
では、知識創造を中心とした知識経済のメカニズムとはどのようなものか?ということについて、この章では見ていく。
これまで「富」がどのように生まれてきたのかを振り返りつつ、野中先生の知識創造理論や「知識経済の形成」のモキイアさんの考察をベースとして、まずは知識経済のマクロな要素について考えていく。
第三章 知識経済における人と組織のありよう
第二章におけるマクロな概観をベースとしつつ、この章では知識経済における人と組織のありようについて考えていく。
「ティール組織」のラルーさんの考察をベースに、これまでの社会と組織の変遷を狩猟社会から遡って概観しつつ、知識創造における、個人とチーム、組織のあり方を考察し、ティール組織を介在として、個人のwell-beingと知識創造が自律的に拡大していくことを確認する。
第四章 知識経済が求める社会
以上のような知識経済と人と組織を支える社会制度について、この章では考察を進めていく。
改めて、資本主義と知識経済の本質の違い(競合財と共有財の違い等)を確認しつつ、ベーシックインカムの創設と漸増が、知識経済をスムーズに回していくことを確認する。
ベーシックインカムは、知識経済を支える社会制度として、唯一の答えであるとは言えないが、資本主義社会からの移行という面も含めて、かなり優れた選択肢ではないかと考えている。
第五章 「知識共創社会」から見た日本
以上の考察から得た「知識共創社会」の視座から、今の日本について考える。
と言っても、ベーシックインカムの創設と漸増を除いて、本書の内容については、私が経験した「りんくう花火」の取り組みもそうであるように、日本のあちこちで実践が進められており「知識共創社会」という観点からは、日本は世界のトップランナーであると言える。
ベーシックインカムの創設と漸増は、未知の副作用もあると思われるが、勇気をもって前進する必要があると考えている。来るべき戦後の不況がそのきっかけになるとは思う。