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アメリカは背伸びを続けるのか、店じまいを始めるのか

 ハリスさんとトランプさんの対比は分かりやすいな、と思う派。民主党支持の良識派が、数%でもハリスさんを「裏切れば」アメリカはまともに進んでいくので、たぶん大丈夫だとは思ってる。

ハリスさんの政策

 一言で言えば「背伸びを続ける」政策。貧困層の消費を続けさせるための施策。
 消費を持続させるためには、資本の流入の継続が必要なので「同盟国」に対して負担を強いることになる。たとえば、日本の場合は、アメリカへの資本流入を持続させるために、円キャリートレードを続けるための金利安が必要であり、それが円安を促し、物価高となる。
 要は、アメリカの事情に応じた経済政策を行う必要がある。

トランプさんの政策

 一言で言えば「店じまい」をするための政策。
 関税の引き上げと国内生産への回帰で、生活は貧しくはなるものの雇用は回復する。ただし、外国の輸出産業の市場が失われるので、たとえば中国は痛手を受ける。
 このため、たとえば日本が中国からの輸入を引き受けるのが望ましい。これはこれで、つまるところ日本には「デフレの不景気」が再びやってくるということにはなる。
 また、ハリスさんの場合とは異なり、金利安を強いられることはないので、日本独自の経済施策を打つことができる。リソースが余っているはずなので、私としては手の打ちようがあるとは考えている。(ベーシックインカムの導入はその一例。)
 「安全保障にカネを払え」も、要は軍事費の削減ということで店じまいの施策の一環。自前の防衛力を整備するか、おカネを払うかする必要はある。この点においても、日米安保条約の内容の見直しなどの選択肢があると考えられる。

まとめ

 要は、トランプさんの施策は、米国とその他の国に自律性を与えるが、ハリスさんの政策は従属を求めることになる。
 たとえば、日本を例にとると、日銀が金利を上げればハリスさんの政策は破綻し、日本国民の生活は向上する(のが分かっている)ので、金利上げを求める日本の世論が(暗にしろ)高まることにはなる。これゆえに、ハードランディングになるのは間違いないと思われる。
 トランプさんの政策の方が、穏当な未来になると私は考えるが、その選択はアメリカの有権者(特に民主党支持の良識派)に委ねられることになる。
 これゆえ、日本の政策担当者には、両にらみの体制が望まれる、か。

追記(そもそもの前提)

 アメリカが実質的には「債権取り崩し国」であることがこの話の前提。現実としては、その軍事力を背景にドルを刷れば受け取らせることができることで成り立っている。その「受け取らせる」範囲が世界中だったのが、今はいわゆる「西側」に限定されている。


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とんきち
団塊Jr。エンジニアを生業としつつ、経済学→経営学→心理学へと関心が移ってきた変な人。ついに退職し、「知識志本主義社会」へ旅立つ。夢(妄想?)は、アダムスミスやドラッガーのように結果として新たな学問領域を打ち立てること。SF:戦略性/学習欲/内省/慎重さ/着想