インタビュー特別版_宙ベジ誕生
みなさん、こんにちは!
本日は、TOWINGの広報女子 澁谷さんに代わり、沖がインタビュー企画の特別版をお送りさせて頂きます。
今回のインタビューは、2022年9月5日にTOWINGから発表されたばかりの新ブランド「宙ベジ(そらべじ)」について、TOWING代表の西田さんに聞きました。
宙ベジとはどんなブランドですか?
TOWINGは「宙農」「宙苗」に続いて、「宙ベジ」を立ち上げました。最終的には、「宇宙農業の実現を。」という想いをこめた宙シリーズの3本目のラインナップです。「農業のサステナビリティを向上することで、人が宇宙で暮らし始めると言われる20年後、30年後、さらには1000年後の未来においても、おいしい野菜をどこでも食べられるような世界を作りたい。」この想いを実現するために、サステナブルな野菜を販売するブランドである「宙ベジ」を立ち上げました。「地球にも、うれしいベジ」というタグラインには、地球に嬉しいのは当然ながら、宇宙にも、食べた人にも、嬉しさを届けられるようなベジタブル、という意味を込めています。
どんな価値があるのでしょうか?
環境面への貢献ができるという点です。食べるだけで温室効果ガス削減に貢献できます。皆さんは「現在の人類は化石燃料を食べている。」と言われていることをご存じでしょうか。最近、食料を生産するときに排出される温室効果ガスの量が話題になります。「牛はたくさんCO2を出すけど、虫はあまり出さない。」など、聞いたことはないでしょうか。実は、作物の生産時にも温室効果ガスが出ます。TOWINGは土壌研究の知見を活用し、温室効果ガスの排出量を削減、むしろ農地に固定してしまう技術を開発しました。例えば、宙苗で計算すると、苗1株あたり200gのCO2を削減可能です(自動車が1km走行するときに排出するCO2が200gと言われています)(*1)
(*1)参考:ガソリン車のCO2排出量は?
どんな野菜が宙ベジとなりますか?
サステナビリティが高い作物を宙ベジ認定します。弊社が開発した高機能ソイルは植物の炭でできており、農地で使うと炭素削減効果があります。また、食品工場や漁港で捨てられていた有機廃棄物をアップサイクルし、化学肥料代替資材とすることは温室効果ガスの排出削減にも繋がります。これらのように、持続可能な食料生産手法で栽培された作物が宙ベジとなります。さらに野菜だけでなく、魚や食用の虫などを持続可能な生産手法で採用されている企業さんも、宙ベジパートナーとしていきたいと考えています。
千年先も続く農業を実現するために、宙ベジのブランドを広めていきたいです。
取扱う野菜の種類を教えてください
ピーマン、トマト、生姜、ウコン、イチゴです。愛知県刈谷市の研究農園で栽培しています。22年9月5日に宙ベジを販売できるECサイトを立ち上げました。興味があるお客様はこちらから購入頂けます。
また、既にカフェやスーパーに小ロットで卸した実績があるため、まとまった数量をお求めの方は、直接コンタクトしてください。ピーマンは10kgくらい、生姜は5kgくらいの取り扱いとなります。現時点では研究農園で栽培しているため、大量なロットは出せませんが、スモールスタートでご提供します。
2023年の春を目処に、一般の農家さんにも高機能ソイルを使って頂くような座組みを用意しているため、それ以降はもっと生産量が伸び、大ロットでの提供も可能となる見込みです。今後は、静岡や三重の農家さんとの実証が始まるので、愛知県外にも生産拠点が広がっていきます。
どんな背景から生まれたのですか?
これまで、工業は環境規制がかなり入ってきましたが、農業はあまり入っていませんでした。2021年には、「みどりの食料システム戦略」(*2)が打ち出され、農業に環境規制が入ろうとしています。一般消費者の方々は、農業がCO2をたくさん出しているという事実を、ほとんど知りません。これをしっかり周知していくことが重要です。その上で、日々の生活においても、未来につながる野菜を選んで食べることで地球環境に貢献できる、と周知することが、宙ベジのミッションです。
(*2)参考:みどりの食料システム戦略
農家さんがコラボする嬉しさを教えてください
大きく2つあります。1つは、宙ベジブランドで野菜を販売できるため、単価を高く販売できることです。その利益の一部を農家さんに還元するため、収益が安定的に増えて農業を業にすることができると思っています。
もう1つは、環境貢献度が高いという点です。昨今の気候変動によって、各地で不作のニュースが出ています。自然を利用してお金を稼ぐからには、自然に対して誠実になるべきだと、私は思っています。CO2の排出量を制御できるような仕組みとして、TOWINGの栽培システムを取り入れるのも良い方法です。ぜひ、自然への恩返しに取り組みましょう。
企業さんがコラボする嬉しさを教えてください
最近では、新規事業で農業を始める企業さんがお見えですが、そのように農業経験のない企業さんは、TOWINGと一緒に宙ベジを栽培する農業に参画することが可能です。持続可能な食糧生産に取り組むことに挑戦できます。
有機廃棄物を出している会社さんに対しては、有機廃棄物の利活用に取り組むことが可能です。工場でボイラーを使っている会社さんであれば、そのボイラーで植物の炭を作り出しながら、工場内暖房の熱源とすることができます。この植物の炭を農地に撒くことでバイオ炭として活用できるのが嬉しさです。
今後の展望を教えてください
日本の有機作物のマーケットはとても小さいです。それは、価格が高すぎることや、そもそも理解されていないことが背景にあると思います。環境貢献度の高い野菜がマーケットに増えていくと良いと思います。実際に、企業向けのニーズはかなり育っている印象です。仲卸の会社さん、飲食店さん、スーパーマーケットさんから、問い合わせを頂くことが増えています。この流れが一般消費者にも拡大していくと予想していますので、そこにもアプローチしていきます。その一歩目が今回立ち上げてECサイトです。それと同時に、一般消費者の方々の理解を促進するような活動も進めていきたいと思っています。
最初はここ(栽培だけでなく、野菜の販売)までやるのか、という気持ちもありました。しかし、農家さんの声を聞いていくと、「収量が上がっても、売れなければ農業として成り立たない」という声をたくさん聞きました。だからこそ、マーケットを作っていくことが、ディープテックのTOWINGにとっても重要だと考えています。宙ベジというブランドを育てて、マーケット全体に波及させていくことで、農業自体をサスティナブルにしていきます。
西田さん、ありがとうございました
【編集後記・沖】
今後の意気込みも含めて、代表の想いが溢れる、とても楽しいインタビューでした。ありがとうございました。
TOWINGは、サステナブルな野菜を販売するブランドである「宙ベジ」の販売を始めました。取り扱う商品はまだまだ少ないのですが、これからラインナップを揃えていきます。既に加工品の準備が進んでおりますので、ご期待ください。
プレスリリースはこちら。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000081010.html
Facebookはこちら。
https://www.facebook.com/towing.sorano
Twitterはこちら。
https://twitter.com/TOWING_0227