30年越しの夢を叶えて、初体験! 「指輪物語ロールプレイング 」:モルドールの門 体験記(1)

初心者には難しい? 指輪物語RPGの正体

先日、『指輪物語RPG』を体験する機会を得たので、その時の模様を数回にわたってお届けしたい。

指輪物語RPGと一つの指輪TRPG

そもそも『指輪物語RPG』とは何か?

『指輪物語RPG』は、中つ国を舞台にしたロールプレイングゲーム(RPG)の一つであり、MERP(Middle-earth Role Playing)とも呼ばれる。米国のIron Crown Enterprises社(ICE)から発行され、日本でも1987年にホビージャパン社から発行されていた。2023年秋に発売された「一つの指輪:指輪物語TRPG」とは直接的な関係はない。
 特に中つ国の世界を探索し、トールキンの作品に忠実なRPG体験を提供することを目的としている。以下は、MERPの特徴についての詳細である:

  1. 中つ国の忠実な再現: MERPはトールキンの「ホビット」や「指輪物語」などの作品に基づいており、中つ国の地理、歴史、種族、文化、言語などを忠実に再現している。プレイヤーは本物の中つ国に没入する感覚を味わえる。

  2. キャラクターカスタマイズ: MERPでは、プレイヤーは中つ国の異なる種族(ホビット、人間、エルフ、ドワーフなど)からキャラクターを選び、職業(戦士、魔法使い、盗賊など)を選択する。さらに、キャラクターの能力値や特性をカスタマイズできる。

  3. 豊富な設定: MERPには中つ国全体が広大なプレイ領域として提供され、プレイヤーは様々な場所を訪れ、さまざまなクエストや冒険に参加できる。中つ国の異なる地域や都市を探索することができる。

  4. ルール体系: MERPは特有のルール体系を使用し、ダイスを使ったゲームプレイに基づいている。キャラクターの行動や戦闘結果はダイスの結果によって決定される。特に敵に大ダメージを与える“痛打”、手痛い攻撃のミスを表現する“しくじり”は、このゲーム特有のシステムである。  

  5. 物語の重要性: MERPは物語重視のRPGであり、プレイヤー・キャラクターは中つ国の歴史的な出来事や冒険に参加することが多い。指輪物語の出来事やキャラクターとの関連も重要な要素となる。

MERPは中つ国のファンやTRPG愛好者にとって、トールキンの作品に深く没入できる楽しいゲーム体験を提供する。中つ国の世界を探索し、物語に参加することで、プレイヤーは自分自身をあたかも中つ国の一部として感じることができるのだ。ICE社が1999年にライセンスを失うまで、アドベンチャーや設定資料集など、実に100冊以上の書籍が出版されている。
 筆者は30年以上前、両親から『指輪物語RPG』をクリスマスのプレゼントとして贈られたが、友人たちは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に夢中になっており、また『指輪物語RPG』のルール自体が、子供だった私には難解に感じられて、ルールブックを眺めるだけで実際に遊ぶまでにはいたらなかったのである。今回、ようやく実現の運びにいたったわけである。その喜びたるや、例えようもない。


30年越しの悲願、『指輪物語RPG』をオンラインで遊ぶ

今回、ゲームマスターによって立卓された冒険、「モルドールの門」に参加させてもらえる機会があったので、その時の模様をレポートしたい。
使用するソフトはユドナリウム。ユドナリウムについての説明はここでは省略させていただく。なお同卓して頂いた諸氏には、この場を借りてお礼を申し上げたい。

旅の仲間

ゲームマスター(以下、GM):ミナス・イシルの酒場「黒鹿亭」で、みんなそこにいます。なぜ、「黒鹿亭」にいるかはお任せします。全員一緒でもいいですが、それぞれの方が物語がありますね。「黒鹿亭」のざっくりした設定は「大胆な味付けの鹿肉のシチューと、料理に合うイシリエンのワインが評判で、冒険者や荒くれものが集まるところで、衛兵が人材募集ならここに行け、というようなお店」です。

バラディア:ドゥーネダイン(ゴンドール)の野伏。
イリシゥム:シンダール・エルフの魔術師。
アンドワイズ・ハイフット:ホビットの忍び。
シルメステル:シルヴァン・エルフの野伏。
カリムート:ハラドリムの戦士。

キャラクター紹介
黒鹿亭のテーブル

初めての任務:モルドールの門

GM:舞台となる北イシリエンはアンドゥインと影の山脈の間にあります。
指輪物語のフロドが大いなる年の3月7日頃、滅びの山向かう途中で黒門を通れず迂回して、ファラミアに捕まる少し前に通過した場所です。
イシリエン
シンダリン(エルフ語の一つ)で‘land of the moon’(月の地)の意。大河アンドゥインの東岸にあるゴンドールの領地。西の対岸はアノーリエンになる。
アンドゥインとエフェル・ドゥーアスに挟まれた、ポロス川の北、ニンダルヴの南の地域を指す。オスギリアス付近の、アンドゥインとエフェル・ドゥーアスの間が狭くなっている地を境にして、北イシリエン(North Ithilien)と南イシリエン(South Ithilien)に分けられる。

中つ国Wikiより

酒場の〈黒鹿亭〉で散々、飲み食いし、財布の中身が心もとない私たちのテーブルに、儲け話があると言って近づいてきた人物がいる。彼の名前はフィリヒャル。この店のオーナーであり、ワイン商人としても知られている。中々派手ないでたちをしている資産家だ。彼の取引先、マール・マルアルニン農園から年2回送られてくるはずのワインが届かず、数週間も滞っているのだ。おそらく、北イシリエンの森に潜む盗賊やその他の悪者たちの仕業に違いない。その原因を私たちに突き止めてもらいたいというのが依頼内容だ。前金で銀貨4枚、後金で銀貨6枚の合計銀貨10枚(金貨1枚相当)を報酬として支払うという約束である。私たちに断る理由などなかった。フィリヒャルからの依頼を喜んで引き受けることにした。彼はマール・マルアルニン農園の正確な場所と詳しい地図を渡してくれた。
この旅路がまさかあのような結末を迎えることになるとは、その時の私たちが知る由もなかった・・・。

旅の光景

実際の冒険道中の顛末については、次回の更新をお待ちいただきたい!

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