季節のバトン。の第百八十一首
第百八十一首
熱りを雫に溶かし秋時雨
夏の想いを引き継いでゆく
──── 音無桜花
2024.09.16.
黄昏の通り雨に
日が沈み、夜が訪れる頃合いから、雨が降ってきました。
通り雨のようです。
西の晴れた空には夕暮れの明るさが残っていますが、身の回りでは、頭上を覆う雨雲に夜がいつもより早く訪れようとしています。
急速に訪れる夜に、街灯があわてて灯りを点していきます。
中秋の名月の前日、小望月の姿もいまは見えません。
猛々しいほどに暑さを誇った今年の夏。
その名残をはらうかのように、温かな熱を孕んだ雨です。
秋が夏をなだめて季節のバトンを引き継ごうとしています。
久しぶりの秋らしい静かな夜。
温かな飲み物と読書で過ごすのが相応しそうな夜です。