M-1で好きな漫才(復活以降編2)

前回の続き。今回は2017年~です。



1、2017年大会より、とろサーモン「旅館」

いつもの掴み「僕もそうです。」を決勝で観れた時から既に感動していました。もちろん面白くないわけがないのだが、中盤で出た「日馬富士ですか?」の(おそらく)アドリブ。決勝前のインタビューでアドリブについて話していたのでどこで出すのかなと思っていたらここで出してきたー!と。寄席などで何回か見てきて2人のアドリブにたくさん笑ったのでこれも決勝で見ることが出来るのかとこちらも感慨深くなりました。本当は緊張していたのかもしれないけれどリラックスしていたようにも感じて、賞レースを見ている時は「ウケてくれー」とかこちらも祈りながら緊張してしまっているのですが唯一この時のとろサーモンはなぜか緊張せずに見ていて、それは2人の安心感が凄かったのかも、とろサーモンは絶対跳ねるだろうなと。得点発表の時の2人のハイタッチも来るものがありましたね、もちろん優勝の時も。色々ありましたがずっと好きな漫才師です。


2、2017年大会より、さや香「歌のお兄さん」

予選の動画で初めて見て、何だこのコンビはー!と。ハイテンション過ぎるボケとどんどん盛り上がる展開。調べたら2014年結成、想像以上に若くて驚いていたらあれよあれよという間に決勝へ。3回戦でも見ていたネタだが新しいところが追加されていて予選の時より更にウケが良くてこちらも楽しかったです。最初出てきた時、新山さんが無表情でしかも1ボケ目が「タモリさんのこと?(真顔で)」なので冷静系のボケの漫才なのかなと思ったらどんどんテンションが上がっていき、第一印象からは想像できなかった展開。そのような魅せ方も上手だなーと。ファイナリストの中で断トツで当時知名度が無く、セミファイナリストが発表された時でも決勝に行くと予想していた人は少なかったであろう。結果は7位に終わったがそれでも会場が跳ね、漫才が面白いということを日本中にあの夜伝えたことは間違いない。


3、2018年大会より、ジャルジャル「国名わけっこ」

ラストイヤーにこんなジャルジャルらしさ全快の漫才を引っ提げて戦ったという事実だけでもう泣けますね。前年は「ピンポンパンゲーム」でこちらも彼等らしく戯れながら、でも2人にしかできない漫才なことには変わりないが、そのゲーム要素を残しつつ更に国名を分けるという若干ガバガバなルールで馬鹿馬鹿しくなったネタが面白くないわけがなく、噂には聞いていたもののその期待値を自分の中ではるかに超えてきました。「ドネシア」「ゼンチン」「トラリア」という聞いたことない4文字。そしてピンポンパンゲームでも思ったのだが、後藤さんの踊りたくない芸人特有の少しぎこちない動きがネタの面白さを増幅させていると思います。あと本番本当にアドリブでゲームをやっているのには驚きました。しかもこの年ジャルジャルはKOCにかけていたらしく、国名わけっこは短期間でできた漫才。その短い時間でこれが思いついたの凄すぎるしこの漫才本当に大好きなので、思いついてくれてありがとうと言いたいです。


4、2019年大会より、かまいたち「UFJ」

この漫才は幾度と見てきて、かまいたちのネタの中でもトップクラスに好きなのだが、2組目で出てきて「僕この間めちゃくちゃ恥ずかしい思いしまして」と始まった時には思わず声が出た。2018年の勝負ネタだと思っていたが決勝で披露することなく終了。この年でもうラストにするのかなと思ったら2019年も参加表明(本当にありがとうございます)それでもUFJはやらないのかなと思っていたので鳥肌がたった。かまいたちの漫才は山内さんのバッキバキ感が凄く大好きで、個人的にはUFJがその狂気が一番見えるネタかなと思っているのだが(誰もいないのに話しかけるのとか)「聞こえてるよね?」と客席に歩きながら話しかけたりするところは濱家さんの良さも全面に出ていて、ボケもツッコミも目立つのだがでもその個性が全く潰しあうことなく進んでいくので見ている方も気持ちいいしずっと笑っていられるなと。「もし俺が謝ってこられてきてたとしたら」のところはM-1史に残るセリフ。なんであんなに意味が分かりそうで全く分からない言葉を生み出せるのか。もうこれ見たときは絶対優勝すると思いました。


5、2019年大会より、ミルクボーイ「コーンフレーク」

このネタの良さは色んな人が色んなところで話していたのでもうええわ!と思う人もいるとは思いますがやっぱり私も大好きなので語らせてください。いやもう本当に面白いですよね・・・。散々コーンフレークだコーンフレークじゃない、でも特徴は完全にコーンフレーク、なのに終盤に「おかんが言うにはコーンフレークじゃない」「ほなコーンフレークちゃうやないか。」はもう笑うしかない。まさかの全否定。めちゃくちゃ平行線なのに一生聞いていられるし2人の声も心地いい。「そやねんな」という駒場さんの同意も「ほな○○やないか」の内海さんのトーンも絶妙。この2人の雰囲気と声でないとここまで面白くならないと思う。随所のコーンフレークあるあるというか偏見も全部最高。個人的には「朝から楽して腹を満たしたいという煩悩の塊」が一番好きです。あと「あれ法律すれすれに入ってる」も、いや、全部好き。ネタ後ですがあの得点発表はいつ見ても感動しますよね、リアルタイムで泣きましたもん。



というわけでこんな感じ。書きながら思いましたが「彼らにしかできない漫才」っていうけれど、どの漫才師の数だけ漫才の個性があるし、どの漫才も「彼らにしかできない」のではないかなと思いましたね。

あと個人的には2016年と2019年はどのネタも大好きで、できれば全部書きたかったのですが厳選してこの数にしました。本当はもっと書きたい!

でも本当に決勝に上がってくる漫才師は面白いですよね。好みはあるにしても4000組超の中の10組が面白くないわけがないですもん。てか準決勝、準々決勝の時点で全組面白いし、3回戦一昨年生で観た身からしたらもうこの時点でもみんな面白い。いやこの猛者たちの中で決勝に行くなんて本当に凄すぎる・・・。

あと何回も「泣いた」って書きましたが、自分はあまり泣き上戸ではなくむしろ映画とかドラマでは泣いたことほぼないし(唯一嫌われ松子の一生だけ泣きました)卒業式でも泣かなかったのですが、お笑いの賞レースに関してはなぜか涙腺がガバガバなだけで涙の安売りは全然していないのでお願いします。アナザーストーリーや煽りV、決勝の会見の時点で泣いているのでそういう人なんだなと思っていただけると嬉しいです。

明日は「M-1で好きな漫才(敗者復活戦編)」をupする予定です。それでは。

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