長男のこと。
長男シロとの出会いは、
私にとっては
人生観を変えるものでした。
シロは、とても体が弱く、
知的障害を持って生まれました。
特に気管支が弱く、乳幼児の頃は
死にそうになって入院もしました。
私は、シロをどうしても失いたくなくて
とにかく死ななければよい、と
そう思いました。
シロが知的障害であろうが、
体が弱くて何度も死にかけようが、
とにかく死なせない、それだけを
目標にしました。
シロは、心根の優しい子でした。
純粋で、とても寛容でした。
誰の失敗も、意地悪な気持ちも
ずるさも、後悔が見られる人すべてを
許しました。
私はこれまでの人生から、
神も信じなかったし、人も信じませんでした。
けれど、長男シロと出会ってから
心の刺々したものが
少しずつ丸くなっていくのを感じました。
神は今もいないと思っています。
誰も救わないから。
けれど、シロがいます。
シロは、私の心を変えました。
人間を少しだけ信じることが
できるようになりました。
私は、私の生んだ子どもによって
親として、人として
育てられたような気がします。
シロは子どもの頃と違い
今は大きく、立派な大人になっています。
障害者枠ではありますが
一般企業で働いて、立派な社会人です。
子育ての途中の様々な出来事は
これからまた描く機会もあると思いますが、
シロが生まれてきてくれてことは、
私にとって本当に大きな出来事でした。