[windy]見習い日記#3
2017/09/22
京都は東山区にあります。ネルドリップコーヒーの名店。
最寄り駅は京阪線の清水五条駅。
今朝は焙煎からスタートした。
コロンビアとブラジルの豆を、マスターが30年以上使用している焙煎機で煎る。
少し青みがかった白色の生豆が、時間とともに黄色みを帯びる。
次第に、香ばしいかおりが焙煎室に漂い始めた。
それにつれて、マスターの表情に真剣さが増してくる。
豆の色の移り具合は頻繁に確認。
焙煎は、同じ豆を煎るにしても気温や湿度にかなり左右される。
だから、毎回煎る度に"今回の”タイミングを図らなければならない。
豆色が黄色から茶色になる。
私は、邪魔にならないように少し離れた場所へ移る。
1回目のハゼが終わると、少し間が開いてすぐに2回目のハゼ。
ハゼとは、珈琲が焙煎機の窯の中で跳ねることをいう。
2回目のハゼが終わると、いよいよだ。
ここだ、というタイミングは一瞬であって、それはコンマ数秒で仕上がりの変わる世界。
よって、そんなときに目障りになってはいけないから、遠くから観察するわたし。
1日の営業の中でこんなにも神経を使い、身体を使う作業は他にない。
焙煎機から豆を排出すると扇風機で風を送りながら、手やヘラを用いてかき混ぜる。
珈琲が熱を持っている限りは、焙煎機から出した後でも焙煎は進んでしまうからだ。
シャカシャカシャカシャカ、かき混ぜかき混ぜる。
そうして熱がとれた豆は、奥さんのもとへ連れていかれる。
ハンドピックの時間だ。
欠けているもの、形の悪いものなど不都合なものをここで選別する。
こうして、豆は珈琲として飲用できる豆となるのだ。
コロンビアとブラジルでは、というより豆によって焙煎の感じが全く異なる。
それぞれの違いもまた勉強になった。
それを終えた後はネルをはめるための輪っか作り。
アルミ線で作るのだが、これが難しく綺麗な円を作るのに2時間ほどかかってしまった。
午後になって、お客さんがぼちぼち見え始めた。
ご夫婦での常連さん。 ウィンディで一番古くからのお客さんであった。
今までマスター一人しかいなかったのに、何か変な若いのがいるぞ。
という目で見られる。笑
関西の人はお話好きな人が多いが、このご夫婦もそうであった。
「ここで何してんの」
この質問から会話が始まり、気付けば30分ほど経っていただろうか。
「ほな、また来るわ」 と、笑顔で帰って行かれた。
早稲田大を出て警察入って、喫茶店なんてまあ だなんて、自分にとってはお決まりの感想を投げてくれたが、まあみんなそう言いたいのでしょう。
このご夫婦も結局は応援してくださったことだし、こんな変な人間は自分しかいないだろうということを強みにしてやっていきます。
ドリップに関しては、マスター曰くもう合格だそうで。(本当かな)
後は自分で焙煎するか、どうか。
本当に美味しい珈琲を広めたい、という信念の先には必ず待ち受けるのでしょう、 焙煎が。きっとします。
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