メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第404号「氣爲衛衛於外」(内景篇・氣)9

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 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆


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  第404号

    ○ 「氣爲衛衛於外」(内景篇・氣)

        ◆ 原文
      ◆ 断句
      ◆ 読み下し
      ◆ 現代語訳
      ◆ 解説

      ◆ 編集後記
           

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 こんにちは。気の章「氣爲衛衛於外」の続きです。
 
 ◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
      ・ページ数は底本の影印本のページ数)

 (「氣爲衛衛於外」p86 下段・内景篇・氣)

           午時自頂門循右手脇腹足而下至右脚心
   而止是坎〓爲陰陽消息也(〓離の左)


 ▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)

       午時自頂門、循右手脇腹足、而下至右脚心而止。

  是坎〓(離の左)爲陰陽消息也。

 ●語法・語釈●(主要な、または難解な語句の用法・意味)
 
 ▲訓読▲(読み下し)

  午時(ごじ)頂門(ちょうもん)より、右手(みぎて)

  脇(わき)腹(はら)足(あし)に循(めぐり)て、

  下(しも)至右脚心(みぎきゃくしん)に至(いたり)て

  止(や)む。是(こ)れ坎〓(離の左)(かんり)は

  陰陽(いんよう)の消息(しょうちょう)なり、と。


 ■現代語訳■
  
  午の時に頭頂から右手、脇、腹、足を循って、

  下に右足の土踏まずに至って止まる。

  これが、坎卦と離卦とは、陰陽の消息である、

  という言葉の所以である。
  
 ★ 解説 ★

 「氣爲衛衛於外」の続き、これで段落の最後にして項目の最後の文です。
 わかりやすいように前号の段落の前の部分と共に記載してみます。訳は前号と少し変えているところがあります。

       入門に言う、人身の気の流行は、子の時ごとに
  左の足の土踏まずの涌泉穴より陽が起こり、
  左足、腹、脇、手を循って、午の時に、上に
  頭頂の〓(〓左、上からノ口メ心・右、頁)門に至る。

  午の時に頭頂から右手、脇、腹、足を循って、
  下に右足の土踏まずに至って止まる。
  これが、坎卦と離卦とは、陰陽の消息である、
  という言葉の所以である。

 これで流れがわかりやすいですね。前号部分では陽が起って左から頭頂に至るまでが、そして今号部分では頭頂から右足に至るまでが説かれていることになります。

 前号では原文の「而上至頭頂」の「上」を訳をスルーしてしまったのですが、今号部分には「而下至右脚心」とあり、「上」と「下」とが対比になっているので、どちらかを省略すると対比の関係がわからなくなりますので、補足訂正いたしました。

 ようやくひとつの項目を読み終わりました。上では前号部分と繋げましたが、配信では文を細かく読んでいる分、前後の脈絡がわかりにくい面があり、その辺りは過去分と照らし合わせながらお読みいただけたらと思います。

 ◆ 編集後記

 「氣爲衛衛於外」続きにして最後の部分です。ようやく項目を読み終わりました。次号からは順当に、次の項目「衛氣行度」をお届けする予定です。

                      (2021.2.14.第404号)
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