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爪先で文具沼をちゃぷちゃぷ

思い返すこと10年前。10年?!ってなるけど10年前。
駅隣接のビルの文具店で私たちは出会いました。
グランセNC 2014限定モデル 
一目惚れとはこう、としか言いようのない出会いだった。
それまで疑問もなくシャーペンもボールペンも100円で、ペンケースなど持たずカバンに突っ込み、無くしたり忘れたら買いなおし。
だって100円だし。コンビニにあるし。使い心地とかに不満とかもないし。
100円のものにそんな過度な期待はしないでしょ。
そんな私がであった可愛こさん。
好きな色は?と聞かれたら青とか緑という人間の目を惹きつけたピンク。
買おうかなあ。でも万年筆は使ったことないしなあ、とか思っていたらシャーペンとボールペンもありますよ、と。
しかも万年筆よりずっと安い。
シャーペンやボールペンなら使えるし使う。
せっかくの筆記具なんだからしまい込んだりかざったりではなくちゃんと使いたいから。
買う?買っちゃう?と迷う。それくらい可愛い一目惚れ。
だがしかし、100円シャーペンとか使っている人間にいきなり5000円超えはハードルが高い。
もうちょっとお安めならこちらもあらりますよと言われたのはカヴァリエ、3000円。
なるほどグランセよりはお手頃価格。 
でも当たり前だけど私が一目惚れした色はない。かわいいとは思うけど私を強烈に引き寄せたのはグランセ。
でも5000円、5000円は悩む。
買えないわけではないけど文具にいきなりぽんと出す価格ではなかった。だって文具は100円で使い捨てとするものだから。
うーんうーんと本当にケースの前で30分は悩んでた。
だって5000円だよ?安いゲーム1本買えるし、外食2回はできるし。
それをシャーペンだかボールペン1本に?っていう。
出すのはおかしいとは言わないけど、私には文具に5000円って考えはいまのいままでなかったのに?と。
悩んで悩んで悩んで。
最終的に、買いました。
この価格なら使い捨てにはしないでちゃんと管理するよね私、と。
あれから10年、今でもグランセちゃんは私のペンケースにいる。
仲間を増やしながらいまでも私の1番はグランセNC2014。
リング部分はどうしてもはげると諦めたけど君の可愛さは微塵も変わらない。
万年筆は使えないでしょ!とグランセのシャーペンやボールペンは増えに増えて今6本。
ほかにも京都セルロイドさんとか職人展の黒柿とかペンケースの中身の総額わりと笑えないけどちゃんとみんな使ってる。
飾って眺めるのではなく使ってこその文具と思っているから。
黒柿ボールペン買った職人さんもどれだけ少しでも毎日使ってねと言われたし。

そんな文具沼に爪先だけつけたのが10年前。
そこから先は地獄だぞ、とインク沼には墜ちない!とあがいてたぶん5年くらい。
気づけばグランセのシャーペンは全て廃盤、ボールペンは2度の値上げで諭吉超え。
10年前に私が買った時は正直差額2000円ちょっとだったから気軽にカヴァリエではなくグランセ買えたけど今じゃカヴァリエの3倍の価格でどちらにしようかなとか悩む価格帯じゃないよなあとかちょっとしょんぼり。

復刻だかリニューアルのマーブル軸のグランセのピンクに愛しの2014と似たものを感じ。
でもグリーンも捨てがたいと悩みながらさすがに2本はと悩みながらふと考える。

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