解けないなりに...:お話物理:場の量子論

前回は,ラグランジアンに場の高次項を導入した.これによって微分方程式に線型性がなくなった.これによって相互作用が導入され,粒子同士がぶつかるようになった.

(僕はやったことはないが)今扱っているφ^4理論の古典的な微分方程式の解はあるらしいのだが,量子力学的に完全な解はまだ誰も知らない.つまり解けていないのだ.


この世の粒子は実際にぶつかり合っている事実を再現しようと,場の量子論に相互作用を導入したはいいが,それが人間には完全には解けない.

んじゃこれで物理はおしまいかと言うと,そこで諦められるほど物理屋は素直ではない.解けないなりになんとか現実と比べられる情報を引き出したいものだ.

解けないものから,なんとか情報(の一部)を取り出すために,物理屋は摂動論というものを(一つの手段として)使う.

摂動論とは,わかっていないものを完全に解けている部分とそうでない部分に分けて,わかっていない部分の影響が小さいと思って逐次的にその影響を取り込む手法だ.

場の量子論でも摂動論という手法が使われる.

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問題を量子力学的に完全にわかっている自由場の理論と,影響の小さい相互作用にわけるのだ.


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