妄想非化学研究書 音楽と映画を読む 誇張された非科学的現実妄想生活14
■天井ぐるぐる癒しの歌声 デヴィッド・シルヴィアン
困った時や悩んでる時は、何も考えず音楽に浸りきって。
ただただ音の波と無機質だけど力強い歌声に身を馳せて。
まだまだ十代の頃、職場の大人達は凄く良くしてくれて。
うだつ上がらん私に色んな思いがありつつ助けてくれて。
今思えば非常に良い職場環境だったんですけど何か違う。
一般的に社会人ってこれでいいの?間違ってない私?と。
社会常識というかマナーな部分もしっかり教えてくれて、
恥と認識し己を正す点において礼を尽くして繰り返さず。
だがしかし、先輩達の仕事ぶりや話の内容だったりって、
ガキンチョなままであった自分は理解出来ない事もあり。
売り上げが何ちゃらとか、この在庫はこうしてどうとか、
目に見える部分だけで仕事を回しているような気がして。
仕事が出来てるふりだけで実際は会社の事とか理解なく。
メーカーの営業担当さんもメチャメチャ良くしてくれて。
私の上司に無茶言われると、倉庫に来て私に泣き洩らし。
発注や在庫管理をしてる私としては、自分の上司と同様
メーカーに強く言う立場だけど一緒に愚痴ったりしてて。
十代だった点が功を奏してて皆さんに可愛がってもらい。
それが一端の社会人になれてないんじゃないかと不安に。
この時期は、色んな事を迷ったり悩んだり風呂で反省会。
自室に籠っては、グルグル回る天井を見上げてぼーっと。
会社では普通に笑って喋るけど自宅では家族と喋らずで。
どっちが本当の自分なのか?とか色々考えてグルグルと。
そんな時にふと流してたシルヴィアンの歌声が響いてて。
暗い音に低い声、時に力強くて何にも負けない太さあり。
本当この頃はシルヴィアンの声で現実に居れた気がする。
会社と自宅で一人の時のギャップが激しく今思えば怖い。
デヴィシルのおかげで力尽きる事無くここまで来れたと。
■Virginia Astley/Some Small Hope
初めてのシルヴィアンってヴァージニア・アストレイだと。
氷室さんのNEO FASCIO Tourで開演前にかかってたのですわ。
女性の綺麗な歌声に低い男性のこれまた澄んだ力強い声で。
プロデュースは坂本龍一さんで、アルバム全体的に大好き。
ここからシルヴィアンのソロのみならずバンドも聴く様に。
先輩方から色々聞きCD揃えてJAPANなんてバンド名も良く。
パンクから出てきてニューウェーブな感じから暗い角度へ。
五枚しかアルバム出してないのに音楽性がここまで変わる。
ソロから聴きいった人なのでバンドは後期の頃をよく聴く。
ベースのミック・カーンも来日時にライブ行ったりしてて。
カニ歩きな変態ベーシストとか言われてますが凄い人なの。
キング・クリムゾンのロバート・フリップと一緒に創作も。
デヴィシルのボーカルでクリムゾンも見たかったなぁとか。
低音を綺麗に歌うボーカリストは比較的大好きな私でして。
■DAVID SYLVIANと部屋と布団と私
三つ折りの布団を枕代わりに帰宅したら横になり天井見る。
十代後半の数年はこんな感じで、モヤモヤしておりまして。
職場ではイライラを隠しつつ笑顔を添えて氷室さんを聴き、
自宅では反省と後悔を繰り返しながらシルヴィアンを聴き。
でも十代の社会勉強中にこんな精神状態になれたのは良き。
精神的な病がまだ名の付く物で無かった分、音楽が助けに。
スマホやネットやらのツールも無かったし良かったのかも。
シルヴィアンしかりボウイであったり氷室さんであっても、
迷走を繰り返し悩みつつ素敵な作品を作り上げたんだなと。
十代のちっぽけな悩みだったけど天井グルグルは忘れずに。
デヴィシルとあの部屋の天井と三つ折りお布団は忘れずに。