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妄想非化学研究書 映画に思い馳せる 妄想的且つ私的な非科学偶像世界 2
■大人同士の高糖度な「じゃれ合い」に浸る
ドラマ続きで今でも繰り返して観るドラマがMOZUでございまして。
TBSとWOWOWが共同で制作しシーズン1がTBSで全10話有。
シーズン2の全5話+スピンオフ2話分がWOWOWで放送する流れ。
最終的に双方で全話放送となりますがWOWOWでは繰り返し放送有。
その後に映画へ至りますが全15話とスピンオフ&映画を繰り返して、
延々とMOZUな世界に浸る事が放送後10年経ても楽しんでまして。
地上波でよくもあんなドラマやれてたなぁと思いつつ楽しんでまして。
街中の爆破に始まってカークラッシュに血みどろな描写に沢山の煙草。
西島さん演じる倉木は画面に出るとその殆どで煙草を吸い続けている。
ハードボイルド演出には大体出てくる煙草ですが流石に吸い過ぎ的な。
雨な場面や煙たい湿気表現以上に煙草の煙がハードボイルドな演出に。
全体通してブレードランナーやダークナイトに通ずる雨や湿気な表現。
光の演出だったりビルの屋上シーンだったり所々でダークナイト描写。
私の中で大好物なハードボイルド映画がブレードランナーなので良き。
同じ感じで観れた所もあって繰り返し観てしまうのだなぁと思ってて。
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勿論、西島秀俊さんもカッコよくて長谷川博己さんの怪演も相まって。
西島さんの「倉木だ」と長谷川さんの「くぅ~らきぃ~」は言いたい。
そう、口に出して言いたくなる衝動に駆られるし事実言ってたような。
特に長谷川さん演じる東という役はドラマから映画へ向けてキャラ変。
ドンドンとキャラが可笑しくなっていくし「チャオ!」は定番になる。
シリアスでハードな物語のはずが段々と大人同士のじゃれ合いに見え。
真実が知りたい大人と知ってるけど全部教えない大人がじゃれ合って。
公安側の出演者は皆が感情を押し殺した棒読みな演出でもあるためか、
西島さんの「真実が~」とか「妻が~」と真顔で真相を迫るんだけど、
長谷川さんの「くぅ~らきぃ~」から始まるスカし方が中々笑えてて。
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問題の本質や真実にたどり着く為に血みどろになりながら走り抜ける。
その横からチャチャを入れてくる大人達の描写が何とも言えず好きで。
大人同士でイチャイチャしている様にしか見えないように観ている私。
ただただ純粋にただただ無垢に妻の事を知りたい倉木警部が愛おしく。
妻の真実を知る為には自身のみならず相手を傷付ける事もいとわない。
そんな倉木警部に傷付けられながら、周りも真実に近づいていく刹那。
ハッピーエンドは皆無であり傷付けつつ傷を癒す為だけの作業的輪廻。
だれも幸せになれない真実を知る為に大人同士のじゃれ合いなのかと。
でも避けては通れないだけに倉木と東のじゃれ合いが観てて助かるわ。
■本当の真実を知ってどうなるのか
何故に妻が巻き込まれたか知りたい夫と知ってどうすると皆一蹴する。
失踪した父親の全容を知りたい娘と知る身分でないと上司が一蹴する。
娘の万引きに激怒し監視カメラで冤罪と確認し贖罪の気持ちで守る父。
そんな刑事の娘という一点だけで悪態付きながらも父を信じている娘。
大きな流れの中で起こる事案に対し中心にいる人物は真実を知りたい。
そういった思いに駆られるのは当たり前ではあるのだが知った所でと。
このドラマでも描かれているが知った所で救いは無いし苦しくなると。
最終的に何の救いも無いけれど傷を負いながら垣間見たいか否か覚悟。
大きな流れの中で信じる為に知りたい感情は理解出来るが流れが大事。
流れ流され知る事で大きな代償無く知れる事もある訳で身を任せたい。
自分だけが傷付くだけなら良いけれど周りも傷付ける可能性もあって。
中心にいる自分だけが知りたい気持ち大事だけど流れに身を任せたい。
そんな大きな流れの外枠にいる人物たちは巻き込まれながらも他人事。
己は己の大きな流れがある訳で他人の流れに巻き込まれつつ己の流れ。
他人の流れに他人が割って入る事は余計な代償を払う事になり兼ねず。
その点においては各々の流れを各々が中心に回ってるドラマかなぁと。
腑に落ちる真実に出会えたのか何となく信じてた通り信じ抜こうとか、
各々で己の信じた通りに真実を飲み込んで消化した様にも思えてくる。
最終的に各シーズン終わりは飲み会でグダグダして終わる感じが良き。
嘘の真実を見続ける必要は全くもって無いけれど、
本当の真実は既に各々の中にあるんだなぁと思う。
■現実世界でもあるある本当の真実に寄ってくる野次馬
実生活でも何となくで過ごしたり見て見ぬふりしたりな場面はあって。
本当の真実は相手だったりを信じる事から始めて考えたり思ったりで。
本当の真実を知る必要に迫られた場合は傷付く覚悟で追い続けたりで。
当の本人だけが追えば良いのに周りが興味本位で知ろうと寄って来て。
知った所でどうするのだったり傷付く覚悟もないのに知ろうとしたり。
ドラマのように血みどろになりませんが心の中は同じ様に傷付く訳で。
ある一定の年齢になれば、ある一定の人生経験や知恵がある訳でして。
その経験から何となく理解が出来ればよい訳で他人を深掘りせんでも。
ただでさえ渦中の人物は傷付いて苦しいのに他人様が塩を塗らんでも。
そういった点で考えると私の周りは経験値の高い方々が多く幸いかな。
多分こうだろうと思う人や何となく流して理解してくれる人が多くて。
そんな方々のお陰で私も色々と助けられたり生きながらえたりしてて。
そういった方々の思考で私も他人様には思いふけっていたいなと思う。
MOZUを観てると何となくフッとそういった思いがよぎるのでして。
知ったかぶりでなく知ったフリして流してあげる事も癒しになるなり。
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