妄想非化学研究書　たまには振り返る　非科学的現実妄想大活劇　４　生活編

■切っても切れない思い出の地　阿佐ヶ谷

お話の中で何度か出て来る阿佐ヶ谷は切っても切れない土地でして。
自分の成長記録を振り返ると良きも悪しきをも蘇る土地な訳でして。
幼少の頃にたどり着き四半世紀に渡って過ごした杉並区な訳でして。
そんな阿佐ヶ谷から真っすぐ新宿までの良き思い出チェケラッチョ。

それとなく遠く歩けなく無い阿佐ヶ谷と高円寺の中間で奥まった所。
近隣に生活できるだけの簡単な商店街がある田舎風情な杉並区な所。
幼少の頃はそれが当たり前と思い込んでいるしかなかった不便な所。
週末は決まって家族でコロコロ引きながら歩いて阿佐ヶ谷へ買い物。

数十分テクテク歩いてくと青梅街道挟んで見えてくるすずらん通り。
青梅街道沿いに二か所ある入口のうち私達はすずらん通りから入る。
ちょいと暗めな通りを抜けるとアーケード無しのパールセンターへ。

お昼時間めがけてこの辺りに着く様に出かけるので先ずは昼食時間。
この辺りだとラーメン屋さんかお蕎麦屋さんに入ってたらふく食べ、
そのままパールセンターを抜けて西友で一週間分の食材を纏め買い。
足りなくなったら近隣の商店街で追加購入をしていた様な思い出が。

これが最初の阿佐ヶ谷でして思い出してみると結構な距離を歩いた。
でも当時はそれが当たり前だったとしか思ってなくて車なんて無い。
でも幼少時は阿佐ヶ谷へ一緒に行けば玩具を買って貰えた事もあり、
どれだけ歩いても全く苦にならず黙って両親に付いて行った思い出。

その少し後に気が付いたパールセンター内にあるロッテリアのお店。
パンにハンバーグが挟まってて脇には食卓では絶対に出ないポテト。
何だアノ美味しそうな食べ物は！あのお店に行ってみたいのだがと、
ご飯では無くおやつにしか見えないであろう両親が呆気にとられて。

そう、ハンバーガーは夢の食べ物でありまして。。。

食事と言えば米おかず汁な昭和親方時代であったであろう父親母親。
パン食なんて休日ゆっくり起きた朝に母親が一から十まで支度せず、
子供や父親がパンをトースターに入れて黒ひげ危機一髪で用意する。
なので昼食に米やおかずが無いおやつみたいなハイカラな物を食す、
そんな考えが全くなかった親世代とすれば困った要求だったろうと。

そんな両親の思いも露知らず初のハンバーガーとポテトに顔が綻ぶ。
大きめなお店で店内は昼時もあり大盛況な状態で同じ境遇な家族も。
当時はまだまだ当たり前じゃなかった様に思われる家族でバーガー。
その後は月一回程度の頻度で食べさせてもらっていた様な思い出が。

自分で働く様になると駅前にあったマクドナルドが主戦場になって。
保守派な私どの町に行っても同じ味を食せるマックが主戦場でして。
いやしかし幼少時から胃袋をバーガーに掴まされるマーケティング。
阿佐ヶ谷での最初の衝撃はこのハンバーガーを食べてしまった事で。

その後洋食屋さんを見つけると両親がお昼ご飯として入る事が多く、
私が洋食に目覚めたと思ってくれたんだろうなぁと申し訳なくって。
食卓にもミートソースという名のナポリタンやグラタンが出てきて、
和食の良さや健康的な食生活が脅かされる程に洋食派な私になって。

そんな食生活と同時並行的に玩具でも衝撃だったファミコンが登場。
以前もお伝えしましたがまだ学校でも話題になっていない頃でして、
西友の玩具フロアにファミコンが山住み！されていて欲しくなって。
横にアタリのゲーム機があったけど私はファミコンを選んでまして。

ガンプラに次いで玩具屋さんが大盛況時代に突入するファミコン期。
どの玩具屋さんでもショーウィンドウにカセットが煌びやかに並ぶ。
阿佐ヶ谷で玩具屋さんといえばパールセンター内に二件だけの様な。
ただこの頃からディスカウントストアも出来始め少し安価に買えて。
玩具屋では無く私はディスカウントストアで買って貰っていた様な。

中学生になると音楽番組を観る様になっててこれまたカセット買い。
最初のラジカセは母親が持ってたスピーカーが一つだけの四角い物。
ラジオとカセットが聴けてテレビ番組の音を生録出来る優れもので。
カッコは良くないけれど当時はそれで良かったし大人になった気分。

因みにウチは歌番組の時間帯にお風呂が多く「風呂入れ！」が生録される。

阿佐ヶ谷パールセンター内にレコード屋さんは確か二軒だけだった。
後は阿佐ヶ谷駅ガード下のゴールデン街に新星堂があって行ってた。
パールセンター内のレコード屋さんの方がよく予約して買ってたな。
店主のおばちゃんが良くしてくれて限定物でも必ず手に入ってたし。

布袋さんのギタリズム２がレコードボックスで限定発売されたけど、
会社では入荷するか判らないと言われておばちゃんの店で入荷して。
限定品を予約して必ず入荷してたおばちゃんに今でも感謝な思い出。
予約する物はおばちゃんのトコで衝動買いは新星堂だった学生時代。

同時期にビデオだけじゃなくCDレンタルも始まり出して音楽期到来。
カセットからCDへ移行してラジカセもCDラジカセで全て阿佐ヶ谷で。
阿佐ヶ谷で成長期に必要な物は全て揃えていった気がしております。
あの頃は店に行って確かめてお小遣い貰って貯めて買いに行ってた。

大人になってから最後の数年は本当に阿佐ヶ谷駅近くの借家に住み、
朝まで阿佐ヶ谷で飲んでも徒歩で帰宅出来ちゃうイケない時期有り。
だけど何故か私が飲みに行くお店はすぐ潰れちゃってた変な感じで。
特に女性と飲みに行ってた小洒落たお店は数回目には無くなってて。

ガード下にひっそりとあったカクテル屋さんもすぐになくなってた。
ジュークボックスがあって外国人が多いけど明るいポップなお店で。
外国人が多いからと友人がジュークボックスでクラプトンを流して、
飲んでた他の外国人がレイラ流れた瞬間ワォー！と喜んでたりして。

お酒の飲み方をも教えてくれた阿佐ヶ谷だった訳でして。
エンタメ好きスタートラインも阿佐ヶ谷だった訳でして。

■阿佐ヶ谷から主戦場は新宿に移りレコード漁りの日々

仕事を始めると先輩方から洋楽を教えられ私の主戦場は新宿へ移る。
職場からも自宅からも簡単に通える新宿がエンタメの主戦場になり。
まずレコード屋とマックの位置を確認して入る順番を決めていって。

休みの日に新宿三丁目の丸井地下にあるヴァージンメガストアから、
丸井裏手にあったディスクユニオンそのままタワーレコード行って。
最後に新宿西口界隈の怪しいお店（失礼）で海賊盤を物色していく。

このルートは意味があって先に西口界隈に行ってしまうと散財する。
散財してしまうとヴァージンメガストア行っても買えなくなるから。
海賊盤なんてお金があればある程なんでも買いたくなってしまう物。
なのでヴァージンやタワーに行き必要な物を購入し余ったら海賊盤。

特にヴァージンは90年代にビックリする程リリースされたEP盤が有。
EP盤いわゆる12センチCDに数曲だけシングル曲やリミックスを収録、
こんな代物を隅々販売してたのはヴァージンメガストアだけな様な。

いま振り返ってみても少なからずボウイについては抜けが無く販売。
私の好きなアーティストのEP盤ほぼヴァージンで購入出来てたのよ。
なので先に海賊版で散在するとヴァージンでEPが購入出来なくなる。

もうヴァージンメガストアは行く度に数時間そこで時間が潰れてて。
細かくジャンル分けされてた洋楽だったり先に伝えたEP盤コーナー、
ついでに廉価販売が始まりつつあった映画のビデオだったり邦楽と。
数時間も店舗内をグルグルグルグル、バターになるまで練り歩いて。

会社で社販して補えない洋楽はヴァージンや新宿西口で購入してて。
たまに腹減ればマック行って食べながら財布と睨めっこしてたりで。
懐かしき散財人生、あんな事はもう出来ないけど良き思い出でして。

■世はネット時代に突入し店舗へ出向く事がなくなって

その後に別の用途でパソコンを購入して主な利用以外は壁紙張替え。
広末さん画像をあれやこれやととっかえひっかえしてました、はい。
そんな中、友人はいち早くインターネットなるものを始めてまして。
数十メートルの電話線を携えオマエの家でやってみようぜネットと。

電話線とパソコンを繋ぐポートをマザーボードへパイルダーオンし、
二階の自室にあるパソコンから一階の電話機横へケーブル伸ばして、
後は友人がピーピーガーガーとセッティングを繰り返し繋がる世界。

インクジェットプリンタで印刷されるかの様に左から右へ上から下、
ホームページなるモノの全容が少しづつパソコンの画面にあらわれ。
私の初めてページはBOWIE.COMだった気がしますし重たかったです。

数分のライブ動画がダウンロード出来る様子だったのでDLクリック。
ほんの数メガ程度だった気がしますがダウンロードされる気配なし。
友人曰く朝までかかるなと言われて泣く泣くダウンロード中止して。

だがしかしモヤモヤストレスなネット時代もアッという間に高速へ。
会社でも安易にネットが繋げる様になり自宅でもお早いアクセスが。
色々なエンタメを先輩から聞かずに調べられたりして挙句買い物も。
調べた上で買い物が出来る世の中になると高速ではなく光速になり。

そうなると店舗へ出向く事も無くなって必要な物をネットで購入し。
この頃にはライブへ出向く事も少なくなってたし外出がなくなって。
そうなると特に東京に固執する事も無くなっていった様に思います。

それもあって東京を離れる事について特に不安も無かった様に思う。
幼少の頃に阿佐ヶ谷で育ててもらい新宿で大人になって今に至って。
まぁまぁ嫌な思い出も沢山ありますが私には切っても切れない土地。
取り合えずマクドナルドがあれば大抵の事は乗り切れる幼稚な私で。