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食後高血糖は危険

こんにちは。株式会社アスクレイ代表取締役/医学博士の松田 俊哉です。

現在、糖尿病治療において、食後高血糖は心筋梗塞や脳梗塞などのリスクがあるという認識が確立しています。
糖質制限のメリットとして、食後高血糖を招かないことがあります。

食後高血糖とはどういう状態で、なぜ危険なのかをお話したいと思います。


「食後高血糖」とは

「食後高血糖」は、糖尿病だけでなく糖尿病予備群においても重要な指標のひとつとして注目されています。
食事で摂取されたブドウ糖は、腸で吸収されて血液中に移行し、インスリンの働きによって肝臓や筋肉などの組織に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。したがって、食事をすると一時的に血糖値が上昇します。

健康な人の場合、食後2時間もすれば血糖値は140㎎/dL未満に低下しますが、血糖値が低下せず140㎎/dL以上の高い値が続く状態を「食後高血糖」といいます。
糖尿病を診断する空腹時血糖値が正常であったり境界域にある場合でも、食後の血糖値だけ大幅に上昇する場合があります。
こうした症状は「隠れ糖尿病」である疑いがあります。

なぜ「食後高血糖」は起こるのか?

健康な人でも糖尿病予備群でも、食後の血糖値は上昇します。
健康な人では血糖値が上昇すると、すい臓から適切な時間に適切な量のインスリンが分泌され、その働きによって血糖値は低下し、食後約2時間後には空腹時の値に戻ります。

一方、糖尿病や糖尿病予備群の人では、インスリンの分泌量が少なかったり、分泌する速度が遅かったりと、血糖値を下げる働きが十分でないため、食後2時間たっても健康な人のように血糖値は低下せず、高血糖の状態が続いてしまいます。

「食後高血糖」の危険

「食後高血糖」は、以下の病気を引き起こしたり、進行させる可能性が高いことがわかっています。

  • がんの発症リスクを高める

  • 動脈硬化などの原因となる活性酸素の働きを助長、血管の炎症、血管壁の働きを低下させる

  • 糖尿病性網膜炎の発症リスクを高める

  • 高齢者の認知機能に影響を与える

  • 頸動脈の血管壁が厚くなり、動脈硬化の進展につながる

  • 脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクを高める

食事の成分のうち血糖値を上昇させるのは糖質だけです。たんぱく質も脂質も血糖値を上げません。
「食後高血糖」は食事の糖質量が多いほど高くなりますから、糖質を制限すると「食後高血糖」は改善できるのです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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