カロリー制限と糖質制限 続けられるのはどっち?
こんにちは。株式会社アスクレイ代表取締役/医学博士の松田 俊哉です。
糖尿病は生活習慣病と呼ばれ、食べ過ぎと運動不足から生じる肥満に原因があります。
糖尿病を防ぎ、悪化させないためには食べ過ぎを抑えなければなりません。
また、ダイエット中の食事制限といえば、カロリー制限が一般的かもしれません。
食べ過ぎを抑えるための食事制限、効果があっても続けられなければ意味がありません。
カロリー制限、糖質制限どちらの方が継続できるかお話ししたいと思います。
カロリー制限は続かない?
現在、日本の医療機関で糖尿病治療として一般的に指導されているのはカロリー制限です。
カロリー制限では食べ物や飲み物から摂取するカロリー全般を制限します。
人は、食べ物や飲み物に含まれるエネルギー(カロリー)を使って生きています。
毎日の生活で消費しているカロリーより、食べて摂取したカロリーが多ければ、脂肪として体に蓄えられ肥満の原因となります。
逆に、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば、体重は減って痩せていきます。
ですから、食事で摂るカロリーを毎日使っている量よりも少なくすればダイエットになり、肥満は解消できるのです。
肥満が無くなれば、血糖値を低くする仕組みが働きやすくなって、糖尿病コントロールに効果がでます。
ところが、このカロリー制限を続けるのは難しいと考える方が多いのです。
では、なぜ続かないのでしょうか?
カロリー制限が続かない理由
カロリー制限が続かない理由は3つあります。
カロリーの計算や栄養バランスを考えるのが面倒
カロリー制限では、毎日の食事で摂るカロリーを基準以内にするために、食事毎に食べるもののカロリーを計算しなければなりません。
また、三大栄養素と呼ばれている糖質、脂質、タンパク質の割合も決められているためそれも細かく計算して食事内容を決めなければなりません。食べられる量が少ない
カロリーを制限するためには、食事の量が少なくなります。
少ない食事で我慢する事になります。
これまで食べすぎだった人にはかなりつらいものだと思います。おいしいものを我慢しなければならない
カロリー制限では、脂質を控えるようになっています。
なぜなら、脂質はカロリーが高いからです。
しかし、食事に含まれる脂質を減らそうとすると、食べられるものが少なくなります。
例えば、脂ののった肉や魚は食べられなくなります。
おいしい料理の多くが脂肪をたくさん含んでいるので、これらも我慢しなければなりません。
このような無理があると、カロリー制限は続けるのが難しいと感じます。
そして、カロリー制限における基準カロリーの設定方法には課題があり、基準カロリーがかなり低めに設定されている可能性もあるのです。
また、近年の研究で食事中の脂肪を制限することは動脈硬化の抑制に効果がない事が確かめられています。
糖質制限は続けられる?
糖質制限は、食事に伴う血糖値やインスリン値の増加を避けるのが狙いの食事です。
食事で血糖値が上がってしまうのは、糖質を食べた時だけです。脂質やたんぱく質を食事で摂っても血糖値は上がりません。
ですので、食事で摂る糖質が少なければ、血糖値が上がりにくくなり、血糖値を上げるためのインスリンも少なくて済み、肥満しにくくなります。
糖質制限が続けられる理由
計算の面倒があまりない
カロリー制限では、ほとんどの食品について計算が必要ですが、糖質制限では糖質の多い一部の食品についてだけ注意すれば良いので、計算の手間が少ないです。食べる量の制限があまりない
カロリー制限をしていないため、食事の全体量を気にしなくて良くなります。
食事の量ではなく、糖質の量を減らすということですから、脂質やたんぱく質から摂るカロリーの量は気にしなくてよくなります。
ですので、糖質の量を気にしていれば、お腹いっぱい食べても効果があります。食べられる食品の種類が多い
先ほども書きましたが、糖質の量を気にしていればよいので、脂質やたんぱく質に関して種類の制限はありません。
カロリー制限では脂質を制限しなくてはなりませんでしたが、糖質制限では、脂質に糖質が含まれていないため制限する必要がありません。
脂ののった肉や魚、炒め物や油をつかった料理でも大丈夫です。
以上のことから、糖質制限はカロリー制限の弱点をカバーして比較的続けやすい制限だと言えるのではないでしょうか。
ただし、糖質制限では糖質をもっと減らそうと糖質制限を厳しく実行してしまうと、米や麦などの主食が全く口にできなくなるので、続けることが難しく、つらいものになります。
ご自身の状況に合わせて、医師と相談しながら行ってください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
糖質制限アプリは、皆様の糖質制限生活を応援しています。