地合いと日経平均先物とNYダウ先物
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投資初心者の方でも、景気が良いときは、
株価は上昇することが多いことは、なんとなく理解できると思います。
この相場の状態が良い時のことを
「地合いが良い」といいます。
逆に、相場の状態が悪く、
株価の下落が続いているようだと
「地合いが悪い」といった言い方をします。
日本株株式投資の場合、
地合いは主に日経平均先物の価格と連動する傾向にあります。
そして、日経平均先物はNYダウ先物に影響されるので、
本当の意味では、NYダウ先物が
地合いの王様指標といったところでしょうか。
ニューヨーク証券取引全体の時価総額は、
日本の東証1部全体の約4倍。
その中の30銘柄で構成されているNYダウ先物も
当然時価総額が大きいものとなるため、
日本のみならず、世界に与える影響が多いのです。
上が日経平均先物、下がNYダウ先物のチャート。
値幅はともかく、チャートの推移がよく似ていることがわかる。
地合いと個別銘柄への影響
では、地合いの良し悪しは
個別銘柄にどのような影響を与えるのでしょうか?
投資初心者は日本株取引が主となりますから、
日経平均先物を例に考えてみましょう。
まず、一番影響を受けるのは、
日経平均採用銘柄です。
日経平均は、日本経済新聞社が
東証一部に上場している企業より、
225銘柄を選定し構成されています。
この225銘柄については、
一番地合いの影響を受けるといって良いでしょう。
次に影響を受けるのは、
時価総額の大きい東証1部銘柄で、
ついで東証2部、マザーズ、
JASDAQ銘柄のような、
時価総額の小さな企業の株価へと
波及していくことが多いです。
ちなみに日経平均株価のような指数は
他にも様々なものがあり、
マザーズ指数、JASDAQ指数、TOPIXなどがあります。
特にマザーズを取引しているなら、
マザーズ指数をチェックしたりと、
自分の投資スタイルに合わせて、利用していきます。
投資ツールを使えば、指標リストも表示できる。
地合いの影響を受けづらい個別銘柄
中には地合いの影響を受けづらい銘柄もあります。
それは、ボロ株や低位株です。
地合いが悪い時は、時価総額の大きいもの銘柄が
影響を受けやすいということはすでにお話しました。
時価総額の大きい銘柄が軟調となると、
影響を受けやすい大型株に投資しづらくなりますが、
特に資金量の多い、機関投資家は、
低位株にはなかなか手が出せません。
このような相場の時は、資金量の少ない
個人投資家の動きが活発になります。
そして、デイトレーダーなどの個人投資家は、
短期的によく動く銘柄を好みます。
ボロ株や低位株は、時価総額が小さいため、
それなりの資金量があれば、
大きな値動きを演出することができます。
ある程度の資金を持っている、
大型個人投資家が大きな買いを入れると、
つられて個人投資家が群がり、
次々と買いを入れてくるため、
短期的に売買代金も膨らみ、
仕手相場へと発展することも多いのです。
例として、日経平均先物が大幅に下落した日の
株価ランキングを見てみました。
SBI証券HYPER SBIの値上がり率ランキング。
JASDAQ値上がり率トップに低位株が。
この日、日経平均先物は
午前11時過ぎまで大幅な下落を続けており、
このような日は、往々にして低位株が物色されます。
この日の日経平均先物は出来高も多く、
上下によく動いていることがわかる。
この日は8256プロルートに注目が集まりました。
後場の寄り付きから、
大きな取引量とともにギャップアップ。
その後は売買代金の上昇とともに、
ストップ高まで達しています。
8256プロルートの5分足チャート。
出来高の急激な上昇は、デイトレーダーには見逃せない。
日足チャートを見ると、直近の出来高は
特に目立った動きもなかったので、
この日のは仕手銘柄として
注目が集まったのだと推測できます。
8256プロルートの日足チャート。
出来高の急激な変化がよく分かる。
単に、夏枯れ相場のように、
相場全体の取引量が少ないときにも
このような現象は起こります。
このように、低位株は
仕手株としての対象になることも多く、
地合いの影響は受けづらいといえるしょう。
デイトレーダーのような、
短期投資に特化している投資スタイルであれば、
地合いの悪い時に、仕手化されそうな
低位株を狙うのもひとつの方法です。
地合いと投資タイミング
ここまで、地合いの悪い時は、
低位株が物色されやすいといったことをお話しましたが、
投資のタイミングを考えた時、
地合いをどのように付き合っていけばよいのでしょうか?
まず、投資初心者の方は、先のような
仕手化されそうな低位株を狙うといった方法は
あまりおすすめできません。
そもそも仕手株は、株価の上下が激しく、
最終的には大口が大量の売りをぶつけてくるため、
今までの上昇をすべて打ち消すぐらいの
売りをぶつけてくることもあります。
2321ソフトフロントの日足チャート。
大きな上ヒゲが出ていて、激しい上下動があったことがわかる。
天井で買ってしまったら大変なことに…。
基本的に、相場全体の地合いが悪いときには、
リスク管理として、ポートフォリオの調整を行うことはあっても、
無理して新規に投資を行う必要はありません。
日経平均先物は大幅に下落している時などは、
リバウンドを狙いたくなりますが、
「落ちるナイフはつかむな」
という格言のあるように、
大きな流れに逆らった取引をすると、
資金量の少ない個人投資家は、簡単に下落の波に飲み込まれてしまいます。
底を打ったと確認できる、信頼性の高い
売買シグナルがでてから売買しても、遅くはありませんから、
頭としっぽはくれてやるという余裕を持って投資していきましょう。
地合いの悪い時にテンバガーを狙える
では、地合いが回復してきた時、
どのような銘柄に投資していけばいいのでしょうか?
それは、他の銘柄に比べた時、
ひとつに特に業績に変化がないのにも関わらず、
株価の下落率が高かった銘柄。
追証回避のための売りなど、
ポジション調整の売りがが多くなるため、
泣く泣く売ってしまうといった事情が出てきたりします。
もうひとつは、好業績や良いニュースがあったにも関わらず、
株価の上昇しなかった銘柄です。
地合いが悪い時は、
全体の銘柄がつられて下落してしまい、
また、投資家マインドも悪くなっているため、
会社の業績が良いとは思っても、
なかなか新たは資金も入ってこないパターンです。
ファンダメンタルズ分析を主眼にしている投資家ならば、
会社の業績と現在株価の比較を行うことで、
投資タイミングを模索していきます。
テクニカル分析の投資スタイルであれば、
ゴールデンクロスなど、
ポイントを上抜いたタイミングで投資していくでしょう。
このような地合い回復局面は、
テンバガーなど何倍もの利益が得られるタイミングとなるので、
日々の出来高をチェックしながら、
投資をタイミングを見計らってください。
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