投資日報α 2021.09.16 購読者限定レポート【日本株急騰3つの理由　完全版】

日本株急騰３つの理由
【９月 16日付投資日報α巻頭記事完全版】

 
日本株が急騰している。菅政権の退陣が大きな要因―との分析が多いが、筆者は様々な要因が重なった当然の現象であると考えている。筆者なりに日本株急騰の理由を考えてみよう。

 
【理由その１】コロナ要因
最大要因はこれだと筆者は考えている。日本のワクチン接種状況の遅れと、政府の対応を多くの投資家が批判してきた。しかし、賛否の激しかったオリンピックにおける感染拡大との因果関係は明確ではなく、オリンピックでパンデミックが拡大したという証拠がない。

 
更にワクチン接種は世界で見ても急速にキャッチアップしつつあり、９月９日の段階で１回目が 61.6％で、２回目が 49.1％。まだ半分か―という声もあるだろうが、米国のワクチン接種率は１回目で 63.2％、２回目で 53.8％に過ぎない。ワクチン接種のモメンタムが急速に落ちている米国と、着実に進んでいる日本との差を考えれば、ワクチン接種率は９月末にも逆転する可能性がある。

 
更に人口 10 万人当たりの新規感染者は米国が 88 人、本邦は 10 人なので、米国は約９倍もの感染者を出している。米国もピークアウトの兆しはあるが、それでもピーク比数パーセントの現象に対して日本は急速に感染者が減少しつつあり、既にピークの 75％を割りつつある。一方、超楽観的だった米国は新規の雇用者数が急激に減少し、７～９月の成長率はリバイスダウンを繰り返している。

 
米国景気の想定外の躓きと日本のワクチン接種率の急速なキャッチアップは少なくともコロナ関連をもって日本株の売り―というストラテジーを根底から覆すものとなっているのだ。

続きはPDFファイルをご覧下さい。