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週刊金相場展望 2021年10月4日号

投資日報社の代表取締役社長であり、サイクル分析の大家でもある、鏑木高明が毎週執筆を行っている金相場展望のレポートとなります。

鏑木高明 プロフィール
関西学院大学経済学部卒。1995年に世界的に著名な米国のマーケットアナリスト、レイモンド・メリマン氏と提携、国内初の相場サイクルとアストロロジーレポートを発行。


現在、投資日報社 代表取締役 

投資日報出版 代表取締役

(株)ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ取締役、日本テクニカルアナリスト協会会員。


サイクル、アストロロジーを活かした相場分析には定評がある。
投資日報α編集長


先週の金相場期近は米金利とドルの上昇を受け、29日には1,721.4㌦まで下落し、8月安値に接近した。ただ翌30日は米国債務問題が浮上し、デフォルト懸念を囃してリスク回避の動きが発生、株式は大幅に下げ、金は前日比33㌦高となった。また米債も買われ、金利は低下。これが一時的な動きになるか、より深刻な問題へと展開されるかがテーマになろう。


ただ、そもそもデフォルトを懸念しながらも債券が買われるのはどういうことか。これが途上国の話なら、デフォルト懸念=債券売り/金利上昇が本筋になるはずであり、リーマンショック後のEU諸国でさえ債券が売られた。ということは市場にとっては米国のデフォルト問題はそれほど深刻なものに陥り懸念はなく、ただ単に政争に利用された茶番劇の繰り返しに過ぎないとの見方もある。その意味ではまだ本格的な懸念にはつながっていない。


さて、米金利はチャートからは8月以降、38%ラインが抵抗となって底練りトライアングルを形成していたが、9月FOMC明けからは1.4%を超え、1.5%台へと突入し、62%戻しをも超えた。ここで一服はテクニカル的にも十分ありえる。そしてこのデフォルト騒ぎは必然的なものであったかもしれない。

しかしトレンドは金利上昇との見方を取るなら、プルバック終了後は、株がさらなる大幅な下落をしない限り、金利は再び高値を取ってこよう。7~8月のダブルボトムで底打ちと想定すれば、前の高値1.7%台後半はテストされるだろう。


金利上昇とドル上昇は金相場の上昇を妨げる。しかし経済が活気づき、株式も再び高値を取ってくるとなれば、今度は金利上昇はインフレを警戒することになろう。そうなって初めて金は再び上昇トレンドに戻ることになろう。それはまさに2006~07年相場の様相を呈するものと考える。


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