週刊金相場展望 2021年9月28日号
投資日報社の代表取締役社長であり、サイクル分析の大家でもある、鏑木高明が毎週執筆を行っている金相場展望のレポートとなります。
鏑木高明 プロフィール
関西学院大学経済学部卒。1995年に世界的に著名な米国のマーケットアナリスト、レイモンド・メリマン氏と提携、国内初の相場サイクルとアストロロジーレポートを発行。
現在、投資日報社 代表取締役
投資日報出版 代表取締役
(株)ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ取締役、日本テクニカルアナリスト協会会員。
サイクル、アストロロジーを活かした相場分析には定評がある。
投資日報α編集長
NY金相場は金利上昇を懸念して、9月20日に付けた月間安値を更新、23日には1,736.3の安値まで下落した。22日のFOMCでは利上げを開始する時期の見通しが2023年から22年に前倒しされ、国債購入などを通じた量的緩和策の縮小開始を早ければ11月にも決定することが示唆された。また利上げは23年には2回から3回に増え、参加者の経済見通しでは、21年のインフレ予想中央値が4.2%(前回6月は3.4%)へ大幅上方修正され、かなりタカ派的な内容となった。これを受け、10年債金利は1.45%台に上放れた。
先週述べたコメントは次の通り「チャートフォーメーション上、1.400%以上の動きは上放れを意味し、さらなる金利上昇懸念を強める。金相場は金利上昇には弱気へ影響をもたらす。特に金利上昇へのインパクトの強い材料やチャート上のテクニカルポイント超えなどに過敏に反応する」。
3週間前のコメントを繰り返す。「しかし今後、市場のセンチメントが再び金利上昇に傾くと、今回の反動が来る恐れがある。特に目先だけでも金利の流れが変わりそうと見れば、金相場への影響が大きい。それは例えば8月3~11日にかけて金利が急上昇した局面(1.1%台から1.4%近く)では金相場は1,830㌦台からわずか3日間で150㌦以上急落した経緯を見ても判る。今後、金利が8月のダブルトップ(1.37%台)を上抜けて続伸したときは、さすがに金相場も負のインパクトを受ける可能性が高いと見られるので強気筋には警戒が必要であろう」。
また先週は「10年債金利のチャートパターンは上値揃い、下値切り上げのトライアングルを形成しており、1.4%超えは明らかにテクニカル筋の債券売り(金利上昇)が加速するところとなる。金相場はどうもこの動きを懸念して、先週も一段安となった。今週のFOMCがタカ派的となれば、金利上昇から金のもう一段の下げを暗示し、8月の安値を狙う動きが警戒される」と述べた。
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