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週刊金相場展望 2021年9月6日号

投資日報社の代表取締役社長であり、サイクル分析の大家でもある、鏑木高明が毎週執筆を行っている金相場展望のレポートとなります。

鏑木高明 プロフィール
関西学院大学経済学部卒。1995年に世界的に著名な米国のマーケットアナリスト、レイモンド・メリマン氏と提携、国内初の相場サイクルとアストロロジーレポートを発行。


現在、投資日報社 代表取締役 

投資日報出版 代表取締役

(株)ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ取締役、日本テクニカルアナリスト協会会員。


サイクル、アストロロジーを活かした相場分析には定評がある。
投資日報α編集長


久々に金相場が比較的反応した8月の雇用統計であった。内容は非農業部門就業者数が23万5,000人増と、市場予想の72万5,000人増を大きく下回った。以下時事通信より。


新型コロナウイルスの変異株拡大が響き、前月(105万3,000人増、改定)から伸びが大幅に縮小。市場予想(72万8,000人増)にも届かなかった。一方、失業率は0.2ポイント低下の5.2%に改善した。FRBパウエル議長は8月の講演で、米国債などを大量に買い入れて市場に資金供給する量的緩和策に関し、物価動向や雇用改善を踏まえ「年内の縮小開始」が適切と表明済み。

9、11、12月に開くいずれかの金融政策会合で緩和縮小を判断する見込みだ。FRB内では雇用の伸びが100万人前後だった6、7月並みの改善が確認できれば、9月の政策会合で開始を決めるべきだとの意見もあった。ただ今回の伸び鈍化を受け、11月以降になる公算が大きい。8月の業種別の雇用者数は、対面業務が多いレストランや小売りなどが減少し、コロナ変異株拡大の影響が顕著に表れた。一方、失業給付の上乗せが近く終了するため、今後失業者の復職が進む可能性がある。

       
市場は目先のテーパリング観測が後退したとの見方が大勢となったが、金利は上昇し、ドルは下落した。この辺りが相場は理屈通りで動かない理由でもある。ただ金はドル下落の影響を受けた。しかし今後、市場のセンチメントが再び金利上昇に傾くと、今回の反動が来る恐れがある。特に目先だけでも金利の流れが変わりそうと見れば、金相場への影響が大きい。それは例えば8月3~11日にかけて金利が急上昇した局面(1.1%台から1.4%近く)では金相場は1,830㌦台からわずか3日間で150㌦以上急落した経緯を見ても判る。今後金利が8月のダブルトップ(1.37%台)を上抜けて続伸したときは、さすがに金相場も負のインパクトを受ける可能性が高いと見られるので強気筋には警戒が必要であろう。


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