【じっちゃま】いま中国、そして中国恒大集団で何が起きている?ミンスキーモーメントとは?【広瀬隆雄】 toushikun_ch 2021年10月7日 00:48 いま中国で起きている現象はミンスキーモーメントというものではないか?ミンスキーモーメントの解説。中国がなぜそういった状況に陥ってしまったのか、その影響を受けやすいセクターとはどこなのか。広瀬隆雄(じっちゃま)が解説!Takao Hiroseチャンネル↓https://www.youtube.com/channel/UCUBsNuW9TFDO5TNIc6OnLwwじっちゃまのnote(定期購読がオススメ)↓https://note.com/hirosetakao/じっちゃまのTwitter↓https://twitter.com/hirosetakao以下、動画内容の書き起こしです。典型的なミンスキーモーメントと呼ばれる現象だと思うんですよねミンスキーモーメントってなんだ?ということなんですけれどもそれは資産価格が突然大きく値下がりしてそれが引き金となって信用のサイクルとか経済のサイクルが暗転する瞬間それがミンスキーモーメントです。もう1回、きっちり定義します。ミンスキーモーメントとは資産価格が突然大きく値下がりしてそれが引き金となって信用のサイクルや経済のサイクルが暗転することそれがミンスキーモーメントです。この名前はどっから来てるかと言うと経済学者ハイマン・ミンスキーという方から名づけられているわけですけどもハイマン・ミンスキーはセントルイスワシントン大学の経済学部教授ですよね。もともとシカゴ大学の経済学部で勉強してその後ハーバード行った方だと思いますけれど、非常に有名な経済学者ですけれども彼の理論はねすごく噛み砕いて説明すると経済活動のその拡大、それと信用の創造それはまぁ理想的には二人三脚で増えていかなきゃいけないんだけれども必ずしも常に二人三脚ではなくて信用の方が急に成長してねまた戻ってきたりとかそういう風にその蛇行することがあるという風に彼は主張している訳ですね。それで信用の創造がある時点から経済活動よりも速いペースで膨張し始めた時投機の要素がどこに入り込んでさらに終盤近くになるとね今借りてるお金の返済やり国のために新たな借り入れをするというようないわゆるポンジスキーム的なねそういうことが横行し始めてそれがある時点で計測不可能になって信用の崩壊が起きるんだというのが彼のセオリーですね。それをもってミンスキー・モーメントっていう風に言うんですけれども現在、中国恒大集団evergrandeが経験してる利払い不能これは、ミンスキーモーメントの典型的な例だと思うんですねその他にミンスキーモーメント、どんな例があるかというと例えば、2008年のリーマンショックあれなんかもミンスキーモーメントだったと言えると思います。中国では国内の事業会社の負債会社の借金ですよねそれがGDPに占める割合が2008年には135%くらいだったんですけれども2018年には250%に増えました。つまり企業の借金はどんどんどんどん大きくなってるということですね。2008年以降中国の経済のアウトプットつまり生産ですよね。それは年率、目の子で6%くらいで成長してきました。その一方で信用成長は2008年以前はね経済はアウトプット同じ6%で成長してたんだけれどもそれ以降は一気に15%20%25%という形で経済のアウトプット成長よりも遙かに高いスピードで信用が拡大、急膨張したんですよねその結果としてここが大事なとこなんですけども今、GDPを1%押し上げるために必要な信用の増加それが5%くらい、つまり、1:5くらいの比率になっちゃってるということですよねそれは何を意味するかというとそれだけ経済が非効率になってるお金をどんどんどんどんぶつけても携帯がなかなか成長できなくなってるという状況だと思うんですねちょっと一歩下がって今ものすごく低開発国のケースを考えてみたいんですけれども中国も1980年代はそういう立場にあったわけですけども共産主義で市場経済と隔離されたところで経済運営がなされてたので非常に貧しい国だったしそこにちょっと資本を投下すると安い労働力で加工輸出で安くもの作って生産して海外に輸出できるんでそれがほんの少しの資本投下がGDP成長に与える影響ってってのは物凄く大きいわけですよ効率よいわけですよ。同じようなことは例えばバングラデシュとかねそういう低開発国でもあの最初はそうなんですけども最初はそういう形で急成長するわけだけれどもだんだん経済規模が大きくなってくると追加的に投入する信用あるいは資本という言い方しても良いけれどそれがもたらすリターンはだんだんだんだん減っていくわけですよね今はGDPを1を押し上げるのに信用は5投入しなければいけないという非効率になってる。それは永遠には続かないよねなぜかと言うと経済を成長させるためには、もっと借金しなきゃいけないもっと借金すると、その借金の返済利払い、あるいは元本の返済そういったものに余計お金がかかるという形で雪だるま式にその負債が大きくなるわけですよね。今の中国はそういう状況になってます。それが今回の中国恒大集団が直面している問題の根本的な理由経済学的な理由ってのはそういうことになると思うんですよね。中国の場合ね、新しい信用の多くは政府系企業に、それも公共セクターの重厚長大の会社に割り振られます。で、ところが、そういう政府系企業ってのは従業員が30万人もいるような企業が結構あったりなんかして非常に非効率なんですねそうすると中国の中には非常に効率経営されて生産性の高い企業もあります例えばアリババとかねテンセントとかそういうネット企業とかはいい企業ですねだけどもその一方で悪い企業もある今中国で起こってる事って何かと言うとそういう良い企業からお金をむしり取ってそれを非効率な企業に渡してるということが起こってるわけですよ。だから、どんどんどんどん非効率になってるということですよね。それは不健康なことなんだけれどもある程度今まで問題が表面化せずにやりくりできてきた一つも理由は中国では国内の資本の蓄積が非常に進んでますその関係で外貨建ての借入が少ないということですよね。それがリスクを小さくしている。さらに政府の債務がGDPに占める割合これが非常にちっちゃいということですねそれらの理由から今回結構ギクシャクするかもしれないけれども問題が大問題に発展しないかもしれないその一方で中央政府の債務だけを見てて見てては中国全体としての債務の大きさってのは分かんないんですねなぜかと言うと中国という国は地方政府がたくさん借金してるからえ、地方政府の債務は中央政府の債務とは別腹であって計算に入ってないことが多いですねしかもその地方政府の債務は理財商品のような形で飛ばしの対象になっててオンブックつまり帳簿にきっちり現れてない実態が分からないそういった債務もあるわけですよねだから額面通り受け取ることはできないと思います。幸い中国の今の信用市場というのは大部分の参加者が中国国内の金融機関ですだから海外の機関投資家が受けるダメージこれは限定的だと思いますしかし信用の緊縮は例えば不動産、あるいは建設セクターそれを直撃すると思うんですね実際に中国恒大集団は今開発中の不動産案件建設途中のビルとかねそういうのが、いくつもあるんだけれども資金繰りがつかなくなってもうその建設を断念しなければいけなくなってるんですよそんな風な感じで建設に着手することができないということで建設需要とかねそういうのが落ち込むリスクがあると思います具体的には例えば銅、鉄鉱石、石炭、ばら積み船そういったその景気敏感な、そう素材とかそういうセクターですよね。それらは、これからスローダウンすると思います。今中国ではデルタ変異株が蔓延しててで、もう一回コロナ対策のロックダウンみたいなのが一部で行われています。その関係もあって消費は100%力を発揮できていないというか消費のほうもスローダウンしている。だから悪い時に悪い事が重なってて今ちょっと中国のoutlookってのは非常に不透明になってますよねそれが今起こっていることじゃないかなという風に思います #株式投資 #米国株 #じっちゃま #広瀬隆雄 #中国恒大集団 #ミンスキーモーメント この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート