【じっちゃま】ウクライナ情勢の今後を語る【広瀬隆雄】 toushikun_ch 2022年2月16日 00:21 なぜ今ロシアはウクライナに侵攻しようとするのか?NATOやECSC、旧ソ連のからの流れを広瀬隆雄が語る。Takao Hiroseチャンネル↓https://www.youtube.com/channel/UCUBsNuW9TFDO5TNIc6OnLwwじっちゃまのnote(定期購読がオススメ)↓https://note.com/hirosetakao/じっちゃまのTwitter↓https://twitter.com/hirosetakao以下、動画内容の書き起こしです。――――――――――――――――――――――――――――――――――――今日ちょっとウクライナ情勢のことについて 話をしたいと思います。 で、えーと、先週の金曜日にね ホワイトハウスが記者会見をして ウクライナにいるアメリカ人は すぐに国外に出なさいという その退去勧告をしました。 んでー、それと同時に記者会見も|したんですけれども そして、その記者会見で 報道官が言ってたのは 今そのロシアとウクライナの|情勢っていうのは あるウィンドウ期間に入っている という表現をしてました。 でそのウインドウというのは この期間中だったら攻撃が|あるかもしれない というウインドウですよね。 で、具体的には何を|何について言及してるかと言うと そのウクライナ寒いんで 冬は地面が凍るわけですよね。 で地面が凍ってた方が 戦車がぬかるみにならないんで|走りやすいとか ま、そういうその色々な戦略上の 条件とかがあるらしいですよね。 それとオリンピックとの兼ね合いで|中国に気兼ねして オリンピック期間中は その開戦することができないとか そういういろんなファクターが|あると思うんですけれども その金曜日のアメリカ政府が言ってたことは オリンピックがあるということを|考慮した上でも それよか戦略的なアドバンテージの方が|上回っている だからあの攻撃がいつあってもおかしくない だからアメリカ人は退去してください というメッセージを出したんですよね。 でそれにはもう一つ 別のメッセージがあの隠れてて それはその、もし貴方がぐずぐずしてたら 逃げ遅れたらアメリカは助けに 行きませんということを言ってるんですよ。 でこれはあの とりわけあのアフガニスタンから その米兵がその撤退した時に アメリカ人あるいは その戦争期間中にアメリカに手助けした その現地の人たち その人たちが逃げ遅れて それでアメリカ政府がその飛行機を寄越して そしてその退去するのを|ヘルプしたという経緯を 皆さんあの最近ご覧になったと|思いますけれども ああいうことはしない というメッセージだったのね、 金曜日のそのメッセージは。 だからそれはもっと言えば 何を意味するかと言うと そのロシアがウクライナに|攻め込んだ場合でも そしてアメリカ人がそこに取り残された場合でも|アメリカは動きません という風に言ってるんですよね。 だからあの正面対決を避けると そういう誤解を受けそうな行為は一切しません いうことをまあ 金曜日に言っていたということですよね。 でその後で週末に プーチン&バイデン電話会談というのがあって で全然進展なかったみたいですよね。 なので、攻撃があるかもしれない|ということですよね。 でそもそもなぜロシアが今 ウクライナに攻め込もうとしてるの? というところを説明したいんだけれども 直接の引き金になってるのは ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)|との合同軍事演習 それを許可したからなんですよね。 んで、じゃあNATOって何っていうこと|なんですけども NATOとは、北大西洋条約機構というものです。 じゃあ北大西洋条約機構って 何っていう風になるんだけども これ一言で言えば その共同軍事同盟だから メンバーの誰かが攻め込まれたら 全員で反撃するというものですよね。 その意味において日米安全保障条約に 非常によく似てるよね。 だからあ日米安保条約の場合 その日本がもし攻め込まれたら それはアメリカが攻撃されたのと|同じだという風にみなすと だからアメリカが助けに行くと そういう条約だと思うんだけれども それのヨーロッパ版だという風に思ってください それがまあちょっと違うんだけども でも一番単純で分かり易い理解の仕方は そういうことですよね。 もっと言えば そのうんヨーロッパというシアターを そのアメリカとそれからソ連、昔のね そういうその二つの勢力というものに分けて 理解してそしてその敵か味方かと お前どっちなんだというふうに|踏み絵を踏ませるというかね そういう色彩を 昔は持っていたということですよねんで ちょっとその部分の言葉を足して 説明しておいた方が今日の置かれている そのウクライナとか ロシアの状態を理解しやすいと思うんで もう少しあの我慢して聞いてて|ほしいんだけれども えーと、共産主義ってありますよね。 あるいは社会主義でもいいんだけども それが出始めたのは、あの、まあ こういう言い方すればいいかな それが実際のその国の生態として その具現化した、実現した、その最初の例は 1917年だっけ? えーとロシア革命があって、それでその 封印列車でレーニンが ロシアに戻っていったことがありますけれども まあそのまロシアの歴史ですよね あれが非常に画期的なその出来事で それ以降その世界には 二つの大きなイデオロギーができたというふうに その総括できると思うのね。 一つは自由主義経済、|つまりそのアメリカとかですよね。 で、もう一つは計画経済、社会主義とか、|共産主義とかそういう風に 国が五カ年計画とか、そういうので その経済をデザインして それに従って、その、ま、国民経済が動いていく そういうその計画経済か その資本主義経済か という二つの 大きな勢力ができたわけですよね。 で第二次世界大戦が終わって そのドイツが負けた後で そのヨーロッパがぼろぼろになった訳ですけども さあ、じゃ、このぼろぼろになったヨーロッパを どういう風に立て直していくんだいう|話になった時に そのもうあのみんな貧乏で 何もなくなっちゃったんで ええ政治の真空ということもあったわけですよね つまりその人間貧乏になれば あのどっちがいい 条件を見せてもらえる方になびきやすい うんということで そのとりわけその 第二次世界大戦が終結した瞬間というのは 資本主義経済、自由主義というものが その脅威にさらされた瞬間だったと|思うんですよね。 もっと言えばあの みんなはもう資本主義とか そういうものに辟易してたと思うんですよね。 なぜかと言うと あそれがあの格差を産んだし 戦争を産んだしということで その資本主義に対する|クレディビリティー(credibility)というものが ガタ落ちになってたわけでしょ。 でその時にソ連が出てきたんで これは放っとくと大変なことになるぞと そのヨーロッパが全部赤になっちゃうという風に アメリカは考えて じゃあそれはなんとしてでも阻止しないといかん|ということで じゃあお金をくれよいう風にして そのお金を送ったのが マーシャルプランと呼ばれる、あれはまあ ありていに言えば アメリカからヨーロッパに対する そのお金の贈与ですよ。 贈与、お金を上げたんですよ。で お金をあげるだけじゃなくって そのせっかくお金をあげたんだったら 自分たちの陣営に入っていて欲しいよね ということで じゃあ北大西洋条約機構という形で 共同のその防戦体制を構築しましょう。 具体的には各国の持ってる軍隊 それをそのNATO軍という形で供出してください 人質に取りますよ、あなたの軍隊をね そして総司令官は NATOの総司令官を、輪番でやらせます。 だから、ドイツならドイツが勝手に|自分の軍隊を動かすことできないんですよ。 だからNATOというのはソ連に対する|共同防衛であると同時に 自分たちの内側を見たら ここの国は勝手に軍隊を動かせないという そういうその内部に対する睨みというかね、|それもきかせている ということなんですよね。 で、三番目の方策が 欧州石炭鉄鋼共同体というのかな、ECSC|(European Coal and Steel Community) と呼ばれるその組織を作りました。 でこれはどうしてそれを作ったかと言うと そのヨーロッパの地図を出してね それでその資源がどこにあるか っていうのを見てみたら その鉄鋼石とか石炭とかは ほとんどアルザスロレーヌ地方というところに|あるんですよね でそれはまあドイツととフランスの国境 あたりかなにあると思うんだけれどもで 結局そこを押さえている国が 工業国として発展する以外にないんですよ。 そうするとあのその国を自由にやらせておくと またドイツがその力を付けて 第二次世界大戦であったのと同じことを 繰り返すリスクがある訳ですよね。 それでそのそういう石炭とか 鉄鋼とかの限られた資源を そのみんなで分かち合うための そのま生産調整のそのシステム それがまあECSCと呼ばれる|組織だったですよね。 でそれが発展して|今日のEU(European Union) つまり欧州連合になった訳ですよ。 分かりますよ だからEUというのは 元々は石炭とか 鉄鋼の生産調整のカルテルみたいなね そういう存在だったといういうことなんですよね。 繰り返しになりますけれども NATO、これは軍事ですよね。 それからマーシャルプラン、これは金ですよね。 そしてECSC、これは資源ですよね。 その3セットでもって、3点セットでもって ヨーロッパを無理やり一つにした|というのがまあ ワシントン体制っていう風に呼ばれる大構想ね それがまあそういうものなんですよ。 その後1989年にベルリンの壁が崩壊して そしてその旧ソ連邦の国々、それのことを まあベルリンの壁崩壊後は CIS諸国というふうな呼び方をしてたんだけども その国々が次々に そのソ連の影響圏から離脱して そして西側に寝返った訳ですよね。 でその事件を 一言で総括すれば それはあの資本主義がその計画経済に|勝った瞬間 という風にま西側ではね、アメリカとかはそういう|風なとらえ方をしているということですよね。 そうするとそのベルリンの壁崩壊で 結局何が起こったんだということを言えば 一言で言えばそのNATOとかが 想定してた仮想敵国つまりソ連ですよね それが少なくともイデオロギー上は そのもう赤に対する備えディフェンスというのは|無くなっちゃったんですよ。 つまりロシアも資本主義経済になったわけでしょ そうすると仮想敵であるはずの 計画経済というものが無くなったわけですよ|この世からね。で たまたまその1989年っていうのは 中国では天安門事件があった年ですよね。 でその後で中国をやったことっていうのは まあまあそれよりも前に|スタートしていたんだけれども その表看板は共産党だけれども 経済の運営は あの経済特区みたいなのを通じてどんどん 資本主義のいいところも 取り入れていった方がいいよねっていうね そういうちゃんぽんにした 経済運営を始めましたよね。 でそこからその中国の経済の発展 というのがあったと思うんだけれども だから中国においても もう誰も計画経済というのは|信じてない訳ですよ。 ロシアももう信じてないということですよね。 でそのそういうベルリンの壁崩壊という 画期的な事件が起こる直前にね ソ連とアメリカとの間で|その歩み寄りがありました。 具体的にはレーガン大統領の時代ですけれども でその時に アメリカがソ連に対して約束したのは ソ連がグラスノスチ(情報公開)とかね、|一連の改革をすれば そのアメリカは NATOを拡大する意図はないんですよ。 だから勝手にその改革やるなら 改革やった方がいいんじゃない っていうサジェッションをレーガンとか あるいはブッシュその後 ついたブッシュ大統領とかね、(彼ら)が あのソ連側に対してしてしました。 で、まあ、ここがボタンの掛け掛け違いというかさ ロシア側から見れば話が違うという|箇所だと思うけれども そういった形でそのロシアのロシアのっていうか ソ連のその旧ソ連邦諸国に対する、その、まあ 締め付けがちょっと緩んだ瞬間に そのベルリンの壁崩壊という事件が起こって 雪崩をうってソ連邦が崩壊した訳でしょ。 だからそのソ連邦が崩壊した後に 個々の国が個々の国の判断で|NATOに行きたい あるいはEUに加盟したい というふうに ロシアを離れていったんですよね それはアメリカが その画策したことではなくて その個々の国の自由意志でもって NATOにJOINしたいというからさせたんだと それがまあ少なくともアメリカ側のその 現状認識というか見解だと思うのね。 でもロシアはそういう風には取ってない。 ロシアはあのこのベルリンの方 崩壊っていうのはとんでもない その間違いだったとで あれはアクシデントだったんだと にもかかわらずそのベルリンの壁崩壊後にね|なし崩し的に アメリカは旧中央諸国を|そのEU圏に絡め取っているという風に ロシア側は理解してるということですよね。 で一つまた一つというふうに えー昔の同盟国を失っていって 今残ったのは、えーと、なんだ? ベラルーシとそれからウクライナと あとセルビアかどっか|あのユーゴスラビアの辺りに一カ国だけ その何だっけ などに入ってない国があるんだけどね ちょっと今どこだったか度忘れしたんだけども もうその位しか残ってない訳ですよ。 なんで、そのウクライナがNATOと|共同演習をやるということは 将来のNATOメンバーシップに向けての|布石じゃないかと それは許さんいう形で その、ま、ロシアが怒っている という状況だと思うんですよね。 だからその今回の摩擦の理由は何なんだ ということに対する説明はまあ そういう説明になります。 でじゃそのドンパチ起こったら つまりロシアがウクライナに攻め込んだら その後何が起こるのいうことを説明しますね。 んで僕の考えでは そのかなりてきぱきと ロシアはキエフに行くと思います。 キエフというのはウクライナの首都ね。 一番大きな町ですけれども、日本で言えば|大阪とか京都みたいなところだよね。 非常に重要な町です。|で、それを占拠する。 で、西側、つまりNATO側との戦争には|ならないと思います。 なぜかというと、ウクライナはNATOの|メンバーではないので、 だから同盟国が攻撃された というその反撃理由にはならない訳でしょ。 だからNATOは兵隊を動かすことは|できないですよ。 そうすると何が起こるかというと 経済制裁しかできないということですよね。 具体的には ロシアが輸出してる天然ガス、石油、|アルミニウム、穀物、鉄鋼などなど そういった品目に対する不買運動が始まる|ということですよね。 それは何を意味するかと言うと ま、ひょっとするとと言うか、多分ね、 天然ガスとか石油価格が急騰する|可能性が高いと思います。 でそれはどうしてかと言うと その天然ガスというのは、おいそれと その右から左に動かすことができない タイプのコモディティなんですよね。 パイプラインを使う必要がある。で、 ロシアのそのヤマルと呼ばれる その地域から生産される天然ガスとかを、 パイプラインとかLNGとかそういうの使いながら ヨーロッパに持って行ってるんだけれども そのインフラストラクチャーっていうのは|おいそれと変えることできないんで、 ドイツの輸入している 天然ガスの最大の輸入元はロシアですよね。 なので、もし不買運動に、ドイツが|同調賛成して、それに参加するんであれば そして、それは、たぶん参加しなければ|いけなくなると思います。 でえーそれはどうしてかと言うと そのNATOの規定では国家安全保障に 重大な影響を及ぼすようなMatter、 それは共同防衛条約なんで メンバーみんなの承認が必要となる|ということですよね。 それは何を意味するかと言うと 例えば今計画され完成されている ロシアからドイツに直で天然ガスを持ってくる 海底パイプライン「ノルド・ストリーム2」 それもう、開通させたくて|うずうずしてるんだけども それは米議会の承認Matterなんですよ。 米議会の承認Matter、だから 米議会がそれに対してNOっていう風に言えば ドイツは「え、それちょっと困るんですけど」 っていう風に抗弁できないですよね。 でもしドイツがそれに対して ものすごく反発するんであれば じゃあNATO辞めれば?というふうに アメリカは言えるわけですよ。 でドイツがNATOを辞める気があるんだったら 分かりました じゃあもう離婚しましょうという形で それはそのボイコットに参加しないってこと|できますよね。 しかしその冒頭で説明したように マーシャルプランと、欧州連合EUと|NATOというのは 三点セットなんだから、三点セット。|分かります? だからもしNATOを辞めるという風に|ドイツが言い出したら じゃあEUはどうすんのっていうことになる|訳ですよ。 あんた辞めるの?っていう風に|言われる訳ですよ。 そしてドイツはEUの中核メンバですよね。 だから、そこまでしてドイツが天然ガスが|欲しいかと言うと それはどうだろうねって 一年ぐらいは不便するけれども、|別に天然ガスなんか 他の国から買ってくればいい訳だから そんなあのそこまで ロシアに操を立てる必要ないんじゃないの っていうふうに 普通だったら考えると思うよね。 だからそれが そういった議論が今後起こることなんですよ。 だからこれは軍事戦争ではない。|経済戦争ですよ。 そしてドイツももしそれが起きちゃったら|失うものは大きいと思う。 で、だけれどもそれと同じか もっと失うものが大きいのは|ロシアなんですよね。ロシア。 なぜかというとロシアの輸出品目 重要な輸出品目っていうのは 突き詰めて言えば天然ガスと石油なわけだから それが輸出できないっていうのは あの非常にあの馬鹿げた話だよね。 しかもそのロシアの天然ガス田の位置と それからそのカスタマー、顧客ですよね 需要家、それのロケーション それはヨーロッパなわけだけども それが近いわけでしょ だからパイプラインで繋がってる訳で だから普通に その経済勉強した人が普通に考えてさ ここに生産地があってそのすぐ横に|大きな巨大な消費地があるんだったらさ この二つは友達であるべきですよね。 言ってること分かります?何でここに 天然ガスがたくさん出てるのに ドイツはわざわざオーストラリアとかさ アメリカからLNGを輸入しなきゃいけないの それ全然経済的にメイクセンスしないですよね 分かります?|だからその僕が言いたいことは何かと言うと 今は対立だという風に そのつんつんしてるんだけども その経済の実態をありていに見ればさ 二人は仲良くせざるを得ない いや当然仲良くするでしょっていうさ そういうタイプの問題なんですよ。 その意味においてあの 今回のコンフリクトっていうのは|一過性のものだと思う。 だから三か月ぐらいワーッとホットになって その後で頭冷やしたら|ばかばかしいよねっていう風に そのクールダウンすると思うんでね。 なぜかと言うと そのさっき説明したように そもそもNATOとかECSCとかを|構想した時の想定敵は赤 つまり共産主義、社会主義に対する防波堤|というか脅威、 そういったもの想定敵なんであって、今|中国もロシアも資本主義なんだから 基本的にね。政治は違うけれども 経済は資本主義なんだから そうするとその戦われてはいないわけでしょう 分かります?|そこら辺あたりがね そのまなんていうのかな 今後ドンパチがあっても 最終的には冷静な立ち回りと言うか クールヘッデッドな人たちがそのいやこれ ちょっと冷やした方がじゃないのって 別にそんなツンツンしてる場合じゃないよ っていうふうに それもそうだねっていう感じでさ シューンと沈静化するタイプの|問題なんじゃないかなと というふうに僕は思いますよねえ。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #ロシア #ウクライナ情勢 #じっちゃま #広瀬隆雄