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オイルマネーと動画配信サービス
先日のnoteで「あ、これはYoutubeばかり見てると間違いなくバカになるなと再確認した」と書きましたが勿論、良い動画に感動することもあります。
上の動画は日本時間10月13日にサウジアラビアで行われるボクシング、世界ライトヘビー級4団体統一戦、アルツール・ベテルビエフ vs ディミトリー・ビボルのプロモーションビデオです。
両雄が雪山の頂上で対峙するシーンには、うなじの毛が逆立ちました。
日本国内では全く話題になっていませんが、このカードは世界中のボクシングファン待望のカード。
4団体統一王者といえばスーパーバンタム級の井上尚弥選手が有名ですが、井上尚弥VSスティーブン・フルトンの4団体統一戦も凄い盛り上がりでした。
ベルトを持った無敗王者の対決には独特の緊張感があります。
宮本武蔵と塚原卜伝が果たし合いするようなもので、どちらかに土がつく訳ですから。
全勝全KOの豪腕ベテルビエフが今回も淡々とKOするのか、
スピードとテクニックでカネロさえ寄せ付けなかったビボルがベテルビエフの豪腕すらも完封するのか、とても楽しみなイベントです。
スポーツは予期せぬアクシデントがつきものですし、戦前予想と異なり世紀の凡戦となるケースもありますが、プロモーションビデオ以上の熱戦を期待。
しかし、私は良くボクシングやMMA、相撲、プロレスなど観戦するのですが、こんな大がかりなプロモーションビデオは今まで見たことがありません。
時間にして4分弱の動画ですが、相当なお金が掛かっているはずです。
![](https://assets.st-note.com/img/1728387114-p7waojg048eJDNSx6W9tHfZX.png)
このプロモーションビデオの冒頭と最後にRIYADH SEASONというロゴが表示されます。
恥ずかしながら、この動画を観るまで「中東のプロモーションかなんかだろ」という程度の認識しかなかったので調べました。
リヤド・シーズン (Riyadh Season) は、サウジアラビアの首都リヤドで毎年開催されるエンターテイメントの祭典で、テーマパークやスポーツ、音楽、芸術、演劇、ゲーム、映画など幅広いイベントが開催される。サウジビジョン2030の戦略的構想の一環として娯楽局が2019年より開催している。
リヤド・シーズンは通常、初冬から初春にかけての10月から3月まで開催される。ブールバード・シティ、ブールバード・ワールド、ロシュン・フロント、アル・マラズ、国立博物館公園などの各「ゾーン」に分散して開催され、コンサート、音楽フィスティバル、スポーツイベント(特にボクシングや総合格闘技興行)などの主要イベントが、キングダム・アリーナやモハメド・アブドゥ・アリーナ(英語版)などで開催される。
リヤド・シーズンは2019年初開催のイベントで歴史は浅いですが、このエンターテイメントの祭典にサウジアラビアは相当力を入れているようです。
上記のプロモーションビデオもオイルマネー無しには生まれませんでした。
国家をあげてのお祭りイベントでスポーツ興行をやろうとすると自国の選手にこだわってしまうと思うのですがベテルビエフはかつてロシア連邦だったタゲスタン共和国出身で現在はカナダ国籍。ビボルはロシア国籍。
自国以外のスーパーアスリートの試合を目玉に、世界中から観客を呼ぼうという目の付け所は素晴らしいですね。
ちなみに、このベテルビエフVSビボルのタイトルマッチを国内で観るには動画配信サービスDAZN(月額料金4200円)に加入した上でPPV料金3300円を支払う必要があります。
現在、動画配信サービスは乱立しており競争は激化しています。
Youtubeを筆頭にNetflix、Hulu、WOWOW、スカパー、Prime Video、U-NEXT、AppleTV、AbemaTV、Disney+、Lemino、DMM TV・・・加えて国内ではNHKも有料放送です。
私はWOWOWとPrime Video、U-NEXTに加入していますが、正直これ以上有料動画サービスに加入するのは躊躇いがあります。
一番加入して長いのはWOWOW。
![](https://assets.st-note.com/img/1728390373-hpRngAoNuVs9O0LtDFWlxCEw.png?width=1200)
WOWOWは競争激化の影響で業績低迷が続いており、株価は11年前2013年の水準まで下落。下げ止まる気配がありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1728390791-V8nREq2I9xhPeNtplGvbOfcJ.png?width=1200)
一方、CS放送のスカパーは好調。
スカパーも放送のメディア事業は右肩下がりで低迷していますが、宇宙事業が伸びており、その差が株価に如実に表れています。
放送事業中心のWOWOWは非常に厳しい状況。
恐らく10年前であれば、ベテルビエフVSビボルのタイトルマッチは間違いなくWOWOWのエキサイトマッチで放映していたはずです。
しかし、動画配信サービス乱立でいまはコンテンツの奪い合い。
注目カードはAmazonのPrime VideoやDAZNでの放送が増え、昔に比べてWOWOWでボクシングのビッグカード生放送は減少してしまいました。
WOWOWではかつてMMA(総合格闘技)のUFCも生中継していましたが、それもU-NEXTに奪われ放送打ち切り。
女子ゴルフやテニスには力を入れていますし、良いオリジナルドラマもあるのですが今のところあまり業績への恩恵が観られません。
WOWOWが上場来高値4225円をつけたのが2015年3月。
その2ヶ月後の2015年5月に日本でも話題になったボクシングメイウェザーVSパッキャオの世界ウェルター級3団体統一戦がありました。
当時、これを生中継したのがWOWOW。
テニスでは錦織圭選手が世界ランクを駆け上がっている途中でした。
翌年に錦織選手は全米オープンで準優勝していますが、株価を見る限り錦織効果も大きかったのかなとも思います。
ボクシングからWOWOWの話になってしまいましたが、
2022年にサッカーのワールドカップを配信して話題になったAbemaTVも四半期利益が黒字になったとはいえ、大きな利益が出ている訳ではありませんし、YoutuberをマネジメントしているUUUMも業績は低迷しています。
国内の動画配信サービス絡みの事業は暫く厳しい状況が続きそうです。
先日、Disneyプラスで配信している真田広之さん主演の「SHOGUN」がエミー賞18冠で話題になりました。
昨年はNetflixが日本で製作した相撲を題材にしたサンクチュアリというドラマが話題になりました。
そういう作品が日本から出てくれば面白いかも知れませんが・・・なかなか難しいでしょうね💦
最後までご覧頂きありがとうございました。