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市場は理不尽である
私は個別銘柄の売買判断にあたり、ファンダメンタルとテクニカル両方をチェックするようにしています。
基本的に業績が良い銘柄は買い、業績が悪い銘柄は売りとなるのですが、株価はそうシンプルに動きません。
業績が良くても売られるケースもあれば、業績が悪くても買われるケースもあります。
業績も良い、テクニカルも良い、バリュエーション的にも割高ではない、事前のチェック事項全て◯。
「これは間違いなく上昇するだろう」
そう思って自信満々で仕掛けると程なくして逆行、ロスカットになるケースが少なくありません。
投資・トレードを始めて20年近く経ちますが、短期的な株価の動きはランダムでまず読めません。
自然と予想はまず当たらないという前提で臨むようになりました。
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ファンダメンタル、テクニカル、共にイマイチな銘柄でも何か材料が出たり、テーマ関連株として注目された銘柄は急騰するケースがあります。
その典型的な例が上に日足チャートを掲載した太陽誘電(6976)。
太陽誘電は6月に著名投資家、井村俊哉さんの大量保有が明らかになり翌月にかけて急騰しました。
2022年に同氏の大量保有が明らかになった三井松島HDが急騰し話題になりましたが、二番煎じを期待したイナゴが殺到したようです。
株価は5月安値3117円から7月高値5164円まで急騰しました。
井村さんは1日10時間を企業分析に割くガチファンダ派として有名ですが、太陽誘電はApple関連株。
ご本人の話を聞くと、AI搭載のiPhoneやPCが売れると見込んで太陽誘電への投資に踏み切ったようです。
相当なリサーチをして太陽誘電に投資したはずですし、1日10時間を企業分析に割く方が値上がりを予想して巨額投資した、となると食指が動く気持ちも分かります。
そんな太陽誘電の株価ですが、7月22日に崩れ始めると急落。きょう3,000円割れで年初来安値を更新しています。
8月6日辺りまでは全体相場の急落に巻き込まれているだけだと見ていた投資家も多かったと思います。ただ、8月7日に決算を発表した後に下落したあたりで流れが変わったように見えました。
・・・井村さん、相当なリサーチをしてこの太陽誘電に投資したはずです。
投資した額が40億円。
4000億円のうちの40億円でなく、推定85億円のうちの40億円ですから資金に占めるウェイトも相当大きいはずです。
逆に言うと、これくらいの勝負が出来るから資金を大きく増やせたのでしょう。
ただ、幾ら心血を注いでリサーチして臨んでも市場は思い通りに動きません。それが良く分かるケースです。
テクニカルに関しても同様で、この太陽誘電のように急騰して間髪入れずに急落、急騰前の安値を割ってくるパターンはかなりイレギュラーなケースです。
良く投資本に色んなセオリーが書かれていますが、その通りに動かないケースも多いということは認識しておきましょう。
井村さんも有望とみたAI搭載スマホですが、かなり強気な見通しが出ています。
米調査会社のIDCは2024年世界スマホ出荷台数の伸び率予測を、従来の前年比4%から5.8%に上方修正。出荷台数は、12億3000万台になるそうです。
ただ、いまのEV失速を見ても分かるように、こうしたリサーチもまた外れるケースが少なくありません。
自分の仮説、或いは他者の仮説を信じて投資するのはいいですが、市場は理不尽です。
そして、自分の思い描いたシナリオとは全く異なる方向に向かうケースもあるということは想定しておきましょう。
これは自戒でもあります。
最後までご覧頂きありがとうございました。