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[ツアーナースよくある傷病]臨海学校で多かった対応
最終更新2024年8月6日
⚠️全ての記事共通ですが、団体情報保護のためフェイクを入れております。
地獄の猛暑@2024夏の臨海学校添乗。
水温も爆上がり。もはや、お湯で泳いでいる状態でクラゲも爆増、被害者だらけ。
などなど、今年の猛暑に限らず
これまでツアナス人生で対応した1泊2日×50校弱分を混ぜつつ、今年の対応を中心に軽く振り返ります。
ちなみに、私の臨海経験はオール小学生。場所も首都圏近隣2カ所のみ。
ツアナス超初心者時代に、臨海駐在を毎年20日間くらいやっていた時期がありまして、そこでの経験メインですかね。近年でも再び別のエリアで同行していますが、色々特定されるのでかきません。
沖縄マリン体験は除外しています。
よくあった傷病・準備
実際多かった対応と準備しておいたものなど、私なりのレベルですが参考になれば。
あ、最初にご紹介しておきたいのがこれ。
この本、便利でした
基本対応は頭に入れつつも、本部に置いておき
先生方とコレコレ!とか新手のマイナー生き物をシェアしたりと、すぐ引けて勉強になりました。
スマホでいくらでも検索できるけれどさ。廃盤で値段が高すぎるのがネック。
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2024.8現在は倍以上
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Amazon公式より引用
クラゲ刺傷
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ファーストエイド
・・・触手残存なく、それっぽい痕だけの場合でしていたこと
①アナフィラキシーの兆候など全身チェック
②海水洗浄
③アイシング
④適宜、ステロイド入り市販軟膏
なんの種類か不明だけれど、明らかに触手が当たったようなみみず腫れ状態で痛み・熱感とと共に、精神的ショックを受けて泣いている児童わんさかみたいな。
真水?海水?
初動の流水洗浄が、真水派と海水派がいます。海水NGがない反面、真水NGのクラゲが存在すること。何に刺されたかわからず発赤・蕁麻疹で訴えてくる場合がほとんどという2条件から、私は海の中で起きた皮膚トラブル類は海水で洗い流しています。
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海水は、バケツor洗面器で一気に汲むの楽
汚ねえ海だと、砂しか入らず海水汲み上げるのも大変で。
折りたたみ洗面器で掬って、ペットボトル類に小分けしたりとたっぷり準備しておきました。デカめのスーパービニール袋でもいいか。
海水だけでなく、普通に陸で怪我する子もいるので、それ用として真水入れたスプレーも。
温める?冷やす?
さっきの、クラゲ対応リンク参照。
両刀いけるよう、お湯も準備していましたが、私が同行した学区が温め非推進?みたいな空気だったので、冷やしオンリーで対応。変に主張せずに、郷に従いました。
クソ暑かったので、ペットボトルに真水入れて外に放置するだですぐ熱湯出来上がりでした。酢は救急バッグに入っていましたが、本州の海だったのでそもそも持っていきもせず。
瞬間冷却パック>>>氷&保冷剤だった猛暑
暑すぎて、保冷剤や氷でアイシングしても数分ですぐ溶けちゃって全然もたない。気温にそこまで干渉されない、冷却パックでのアイシングの方が有用でしたね。
とはいえ、毎日すごい数のクラゲ被害でしたから、全員に冷却パックというわけにはいかず。症状が重い子優先でパック使い、他の子はサクッと氷or保冷剤で対応していました。
冷却パック、安いのでいいと思うんですが
今ググったら、この90分タイプ出てきて気になる。試しに買おうかしら。
何より怖いアナフィラキシー
実際、ツアーで対応した方の話も聞きました。クラゲ怖過ぎ。
確率は高くないにしろ、患部だけでなく全身状態をよく観察して、すぐに海に戻さない(刺されても、すぐ入りたがる猛者少年がたまにいる)で安静にして、そばから離れない。
>>>怖かったケース
害のないミズクラゲだと思って油断していたら、実はアンドンクラゲで思いっきり広範にミミズ腫れになっていたこ。確かにわからんよね。
クラゲにやられた子は、ヒル同様に(危険度雲泥の差だけれど)やられたショックで泣く子が多数。まずは落ち着かせながら全身状態の観察・ケアという流れが多かったですね。
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アンドンクラゲ
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アカクラゲ
ピンピン虫被害
参照 要するにこれ
ピンピン祭りはクラゲと共に。害はないので、そのまま様子見て。クラゲと勘違いして過剰にビビる子もいます。まぁ怖いわな。
目に砂が入った、海水で目がしみる
これ、ゴーグルをおでこにつけながら訴えてくるので「ってかそもそも何でゴーグル装着しないんだよ、飾りかよ」と言いたいのをグッと抑えて、やさしーく対応し「せっかく持ってきたからゴーグルしようね!」と返すのあるある。
生食シリンジに詰めてジャージャー洗いたいところですが、生食ないのでね。ペットボトル水を100均シリンジに詰めて洗ったり、そこまでじゃない子はアイリスCL-1(どんなクソ救急バッグでも入っている)で洗い流したりしていました。
準備
アイリスCL1
→救急バッグになかったら、ペットボトル水。そのままジャバジャバかけてもいいけれど、100均シリンジあると、量少なくて済む。
目に砂がー!は、絶対と言っても大袈裟じゃなくらいに来るので、洗い流しセットはすぐ出せるようにしておいて正解でした。
なんか棘が刺さった
指とか足とか露出するので、当然なんか刺さる。
準備
・水分拭きとる布(私はキムタオル)
・自分が使いやすいトゲ抜き(救急バッグ、舐めた準備多し。マイ刺抜き推進)
・必要時、防水絆創膏
ビーチサンダルで表皮剥離
履き慣れないからね、鼻緒のところで皮剥けてる。
準備
・水滴拭き取るもの(私はキムタオル)
・防水絆創膏
→事前打ち合わせで要望出せれば、防水絆創膏準備してもらった方が良いかと。
今回は、救急バッグにこれ沢山&それでも足りなくなって、現地本部で買い足し。大活躍でした。
鼻出血
あるある。海から上がってきて「出ましたー」と血まみれで現れる。
準備
ディスポグローブ・止血用のポケットティッシュ・顔見るための鏡・ゴミ袋
海水飲み込んで具合悪い
そんなに数多くないかもですが、10校あれば1人くらいいる。嘔吐にも至る子がいるので、ゲロかためる粉を個包装で用意しておくと便利でした。
夜になって熱中症(発熱)
海に入っているとはいえ、地獄の炎天下に晒されていますからね。日中海水浴→夜キャンプファイヤー→その直後に検温したら高いけれど、ファイヤーでテンション上がったからよねと思っていたら、なんかやっぱ変!かーんごーしサァーン!で消灯後の夜22時頃に呼び出されるが、私の王道あるあるでした。
しっかり水分補給して、一晩寝れば翌朝ケロッとしている子も多い反面、学校判断で発熱=即お迎えという鉄の掟で、ドナドナ強制送還される子も。
派生して愚痴る〜発熱対応
臨海ではないんですが、これ書いていたら思い出したので愚痴らせて頂きやす。
21時頃に高熱でそこから今晩中のお迎え要請出す学校。看護師の意見など聞かず。いやいや、明朝で良くね?平日で、しかも保護者は車所有なく、レンタカー借りさせてまで。ここ着いたら24時すぎるし、帰ったら4時とかでしょ。
保護者、明日仕事なのに…そういった状況も配慮してあげようよと言ったケースがあってモヤモヤしました。
>>>日中の熱中症対策
対策は学校ごとには異なりますが、こまめな水分補給促し(というか、全員で一斉に補給タイムある)や、先生方がタンクを背負ってミストを巻きまくる、なるべく短時間の活動で済ますなど、各校創意工夫がされており、海水浴での熱中症対応はあまりないですね。私の場合。
もちろん、発生を想定しその場でもすぐに対応できるよう
冷やしグッズ(氷、うちわ、ミスト、冷え冷えタオル)、OS1など熱中症セットはすぐに出せるようにセットしていました。
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これと類似しているキッドを持参している学校が多かったですね。
>>>BLSの心得は当然
とか言って私、5年は受講してない最悪状態。すみません。
あと、AEDは当然本部に設置していますが、ポケマがないので小児用とともに持参してカラビナでAEDにくっつけておきました。
あと、救護用テントというか目隠し幕もなかったので(割とセットで準備している団体もあるんだけれどね)休養用の馬鹿でかいレジャーシートも準備。他、水分拭き取り後にAEDも考えられるので、キムタオルも。
要するに、AEDデフォルトに自分が必要だと思う備品も加えておきました。
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参考:備品たち
まとめ
己のファーストエイドも
クラゲ中心に、よくある傷病を抑えて処置グッズも取り出しやすいように配置しておくだけで捗ります。実際、クラゲ被害が一気に20人くらい押し寄せてきて、養護教諭さん捌ききれずに、わたしが急遽ヘルプに(本部隊なのでメイン対応者じゃない)入ったりとかありましたし。
加えて、何より炎天下での待機なので自分自身が熱中症にならないように対策しておくことも大事。テント内暑いし。海の中に入っている方が涼しい。
私は、帽子・冷やしタオル・アイススラリー・延々水分補給2Hで1Lなどなどで乗り切りましたが、流石にちょっと怪しい体調の時もありましたね。
看護師だとわかりやすい格好で
ライフセーバーさんが、黄色と赤のド派手な格好でわかりやすくしているのの延長線上で、私も本部看護師として遠目でもすぐわかるよう明るめ色のスクラブで待機していました。
人によってはそんな格好で仕事とか嫌でしょうが、臨海や登山などではいざって時にパッと看護師がわかる状態にしておくことは大事かと。
ー海待機用で、持参したの色々(自分用)
携帯扇風機は面倒くさくて持たない派。
日傘もあっても良いのでしょうが、臨海待機では流石に利用は気が引けるので(だったらテント入ってろって感じでしょうし)使わず。
ーーー
もう、お盆間近で臨海添乗終わっているでしょうけれど、来年以降わたしが入っていた枠が空くので、その分誰かが海の女になることでしょうから、なんかの参考になればという雑メモでした。
おまけ
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コンガリだった臨海駐在