見出し画像

観光地を「繋げる」ことの大切さ

観光振興において、観光地はその集客に躍起です。
観光者も、訪れる観光地が決まった時、「どこに行こうか?」と考えるでしょう。
観光地はそれをPR・案内するために、主には観光協会、もしくは個や他の組織がHPを作成して…というのが現在の王道でしょう。

観光協会は、自治体(市区町村)との結びつきが強い為、どうしてもその自治体内のみのPR・案内となります。しかし、個や他の組織であれば、目論見はいろいろあるでしょうが、自治体別に捕らわれる必要はありません。
また、観光エリアが他の自治体にまたがることは珍しくありません。そういう観光エリアという単位でPRするには、個や他の組織によってのPRに期待が高まります。そして「MAP」の存在が極めて重要です。

観光者からしてみれば、自治体側とは違って、「その自治体で観光しなければならない」ということは全くありません。自分たちが気に入ったり、楽しめたりできればいいわけです。
同じ観光エリアなのに、あるいは隣り合わせの観光地なのに、ネットで調べていくと、また違うサイトに移らなければならないことは、観光者からするととても面倒臭いし、気づけないこともあります。

自治体単位だと、どうしても縦割りになってしまいます。観光協会も複数の自治体を巻き込んでの組織になれればいいと思います。早い話、統合再編、あるいは協力です。それによって広域の観光エリアを築ければ、コンテンツが増え、魅力は更に増します。
これまで自治体の端の観光地まで行って「はい、終わり」ではなく、その向こうの自治体の観光地も楽しめるのなら、これまでよりも端の観光地に人が流入する可能性は大きいです。逆に隣の観光地からの流入もあり、端の観光地だけではなく、もっと中心部の観光地まで流入してくる可能性もあります。大きさはある意味「力」です。これまでどうしてもコンテンツ不足になりがちな小規模な観光地も、「繋がり」を持てば単純に全体としてのコンテンツも増え、それまでよりも広域の中の1つになるので、思い切ったアプローチが可能になり、その存在感を高められる可能性が大いにあります。お互いを刺激し合い、相乗効果で振興も期待できます。それによって観光地がパワーアップし、旅行者や観光者がより楽しめることができたら最高ではないでしょうか?

一番簡単なのは、隣同士の観光地の協力体制でしょう。これまで自分達のしてきたこと(を変えず)にちょっとプラスすればいいのですから。「隣の観光地はこんなところがありますよ」とか、せめて「アドレスはここから飛べます」のようにしておくだけでもいいです。協力体制ができれば、新しいPR・案内のアプローチが見つかったり、コラボレーションによるイベントも考えられ、盛り上がりに貢献しそうです。
もし統合再編できたとしたら、人の数も増え、それぞれが同じようなことをしていたことも1つにでき、例え余剰人員ができたとしても、もっと別のことに取り組められます。本来それらに係る予算も抑えられる可能性もあります。実際2つ以上の団体が1つになると、元々の力関係が作用してうまくいかないことがあるかもしれません。だったら新しく作った方が煩わしさがなく、関わる人の意識や裁量によって、団体としてのいい環境慣習を築き上げることができるのかもしれません。その時は資金面の問題が浮上してくるので、バックアップしてくれる母体があったらいいですね。

競い合いがネガティブな方向に行くのではなく、ポジティブに考え、これまで組織的あるいは慣習的概念を超えたところに、観光振興における成功が眠っているように思います。

観光地によっては、隣の観光地ではなく、全く遠方の観光地と姉妹観光地として提携する場合もあります。そんな繋ぎ方もあります。
この場合、何らかの意図があり(目的か何かの共通項でのブランディング化?)、姉妹観光地であれば、当然情報提供もあるので、一方の観光地に訪れれば、もう一方の観光地を知るきっかけにもなり、そういう意味では集客に関して相乗効果が期待できるメリットと同時に、長期滞在を逃してしまうデメリットもあります。
しかし、提携したい観光地と自由に提携できるとは言っても、実際には、一方がかなり集客できている観光地であるのに対し、もう一方の観光地が閑古鳥では、提携は実現しないでしょう(そもそも提携自体が浮上しない)。また意識や内容の温度差みたいなものの足並みを揃えることも必要になってくるでしょう。名前だけの提携では、本来のメリットを収穫できないと思います。
この場合、日本人よりも、来日外国人自由観光客に有効かもしれません。外国人は日本に来る前に、いろいろな期待と楽しみを胸に、プランを立ててくるからです。日本人が外国に行くときも、多くの人がそうではないでしょうか?姉妹観光地を知り、それが魅力的に映れば(ホテルを予約しているとなかなか難しいかもしれませんが、変更がきけば、)、予定を変更してまでちょっと寄ってみようと思う人も現れるかもしれません。この提携は、少なくとも「きっかけ」にはなり、それを「きっかけ以上」にしなければなりません。

提携は日本国内に限る必要はありません。姉妹都市というように、外国の姉妹観光地がってもいいですね。きっかけは何でもアリです。地元の山が○○国の○○山に似ている、実は歴史上ゆかりがあった、何かミステリーな側面からでもいいでしょう。もしもその国の外国人が増えていくのであれば(増える見込みを立てるならば)、とりあえずその国に特化したアプローチに集中したりもできます。

「観光地を繋げる」というのは、繋がった双方のどちらもが相乗効果がもたらされるのが前提であり、それには自観光地を前向きに展開していくことに努めなければならないでしょう。


よろしければ「サポート」をお願い致します。いただいたサポートはクリエーターとして活動費に使わさせていただきます。