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エリアオールインクルーシブ

オールインクルーシブというと、ホテル料金に滞在中の食事・ドリンク・アクティビティ料金等が全て含まれた料金体系で、それ以上の支出を気にすることなく滞在を楽しめる魅力あるプランです(別料金のものももちろんあります)。主に小さい島のリゾートホテルが、これを採用していたりします。小さい島であれば行動範囲も限られるし、一切合切なんでもあるような大きなホテルであれば、財布を持たずいろいろ楽しめるので便利ですね。でも、それはリゾート島や大きなホテルでしか成しえないのでしょうか?そこで難易度が高く大胆ですが、エリアオールインクルーシブのアイデアを提案します。

◎1エリア内でのオールインクルーシブ

これまでの小さい島というのに限らず、陸続きのエリアでのオールインクルーシブを指します。
例えば、1ホテル(複数であってもいい)が、街の飲食店やバー、あるいは名所入場料、アクティビティスポットと提携して、オールインクルーシブで賄うというものです。コラボレーションによるエリアオールインクルーシブの実現です。提携する数が多ければ多い程魅力的なプランとなりますし、長期滞在を誘発するかもしれません。常時のプランとしてもいいですし、閑散期や創生時等の期間限定としても有効でしょう。
1ホテルにレストラン、バー、プールやリラクゼーションがなくても、提携すればそれを1つのプランとして賄えるので、一切合切ある大きなホテルである必要もありません。むしろ小さなホテルに有効だと考えています。営業力さえあればどんなホテルでもできるメリットがあります。地方創生を目指す地域の観光協会が主体となってもいいでしょう。
これまでもレジャー施設の入場料等をホテルの宿泊パッケージに組み込んだものはありますが、かなり限定的な内容でした。このエリアオールインクルーシブは、レジャー施設の他にも多くの店舗等と提携できるので、魅力が更に広がり、自由度も高く、観光地をより満喫してもらえるはずです。

◎エリアオールインクルーシブの問題点

①システム

エリアオールインクルーシブ制を実現するためには、そのシステムは不可避です。どこが主体となって管理するのか、どういう仕組みで運営するかです。単純に考えて、PCシステムさえできれば、パスポートを作成してQRコード等で利用先・金額等を管理でしょうか?PCシステムであれば、少なくとも提携先のPC環境を整えなければなりませんから、費用も関わってきます。
その他運営上の細かいシステムも考えなければなりません。特に飲食については、持ち帰りは不可とか、内容によって同伴者は同じプランの者でなければならない等。

②料金体系

システムにも通じることですが、料金体制をどうするか?、清算をどうするか?です。また個々の提携先を全て食べ飲み放題にするか、それとも何か制限するか、そして最終的にこのエリアオールインクルーシブの金額をどうするかです。食べ飲み放題等をMAX(料金もMAX)と考えるならば、制限付きだが快適に過ごせそうなプランを別に用意するといったプランニングもいいでしょう。飲食だけではありません。マッサージ、レジャー施設、美術館、博物館も同様です。

③コンテンツ

コンテンツはどうか?です。コンテンツがあまりに少なければパッケージで十分で、エリアオールインクルーシブにする必要はないと思います。そのコンテンツの種類や量によってを含め、次のエリア範囲を考慮していくことになります。

④エリア範囲

エリア範囲設定をどうするかです。単純に観光地名で区切ってもいいでしょうし、いくつかの市区町村が集まった地域名で区切ってもいいでしょう。これまで観光地として認知されていなかった場所にとってはいい契機になるかもしれません。
その範囲は歩いて回れるのか、それが難しいのであれば駐車場が確保できるのか、2次交通をどうするのかも考慮して決めていかなくてはなりません。

◎最後に

このエリアオールインクルーシブは、1つのホテルが管理してもいいのですが、システム構築導入のことを考えると、費用の面からも複数のホテルが共同して行うべきでしょう。その場合、主導するホテル、または第3者機関のようなものを設けなければならなくなる可能性があります。そう思うと本来ならば観光協会が管理する方が公正な感じがします。もし観光協会が主導であれば、日帰り観光旅行にも対応できそうです。しかし、日本での観光協会の在り方というのは意識も形態も遅れていることが多いため、難しいかもしれません。
ただ「観光」は、各々のモノコト(これまで商いとして1つに完結されていたモノコト等)を一にできる特性があるので、諸問題はあったとしてもそれで諦めなければ、「観光振興」という点においてはやはり有効だと考えます。

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