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ゆるキャラ

今回、この「ゆるキャラ」を題材に記事を書こうと思い、ネットで検索してみたら…死んではいなかった。もうほとんど目にも耳にもしないので、死んでいたと思っていました。しかし、かなり沈静化しているのは確かでしょう。

日本を上げてゆるキャラブームだったのは、2010年代、そしてゆるキャラグランプリも2020年で閉幕になったようです。

「まちおこし×ゆるキャラ」の構図と言っても過言ではないと思いますが、やはりここでも「経済効果」というワードが出てきます。

実際、経済効果はあったのかと言えば…謎です。
スターゆるキャラのあのくまモンでさえ、かかるコストが税収を上回っているか否かが疑問視されています。だとしたら…自治体を上げてのイベントですから、使われるのは税金なわけで…他のゆるキャラ達は…考えただけでもゾッとします。
そもそも経済効果の「実際の額」は、正確なところはわからないのではないかと思っています。その「額」が出ていたとしても、何か「嘘」が潜んでいるようなそんな気がしてしまいます。
最初は推定試算で経済効果の額が導き出されたとして、検証の方法も定まっておらず、ゆるキャラブームに我も我もと検証なしに「経済効果がある」と信じて乗っていった自治体も、今では後悔しているのではないでしょうか?

自治体でゆるキャラが決まれば、住民は(半ば強制的に)そのゆるキャラ押しになるわけで、ゆるキャラグランプリにおいて、自治体民が多ければ多い程有利に傾きそうです。確かにグランプリとなれば凄く嬉しいですが、実際喜ぶのは経済効果に至った時です。「グランプリに選ばれれば知名度が上がる=経済効果が出る」というような神話(?)を信じてやまなかったのではないでしょうか?

ゆるキャラ自体の決め方にも問題があると思います。自治体主催ですので、「ゆるキャラ案を住民から募集して決める」が王道なはずで、それを審査する人は公務員?そして決めるのは住民投票?
普通にキャラクターグッズのキャラクター達でも、没になったりすぐに消えていくキャラクター達もいるわけで、ロングランあるいは人気キャラクターの方が稀なはずです。
それと同じようなことを自治体がやっていこうとするのは正直、正気の沙汰とは思えません。

このゆるキャラ(ご当地キャラ)も日本全国の市区町村とは言わずとも、相当数のゆるキャラが生まれたはずです。中にはもちろん「え!?」というものもあり、それはそれである人にはカワイイと思えるのかもしれませんが、自治体がそれをゴリ押しというのはいかがなものかと(仕方ないと言えば仕方ないでしょうけど)…しかもそれを平然とキャラクターグッズ販売、地元商品のパッケージに載せたり…

そもそもいい大人がゆるキャラ?と単純に思ってしまいます。幼稚心とかカワイイ心に火が付いた?確かに大人でもキャラクター好きな人もいますし、欧米では、大人のテディ―ベアの愛好家も沢山います。しかしそれとは同じには考えられません。なぜなら例え住民が決めたというゆるキャラは、そもそも自治体からの押しつけのように思えるからです。確かにそうでもしなければゆるキャラブームに参加できないでしょう。それが会社や個別になら話はわかります。
ゆるキャラグランプリとなれば、自分の自治体のキャラをただ押せ!というようなムードも出て、何か変なところにテンションが行ってしまっているようにも思え、不気味でなりませんでした。終いには経済効果もなく、むしろマイナスなら…これも「自治体アルアル」で片づけられてしまうのでしょうか?

ゆるキャラの全てを否定するわけではありませんが、そのプランニング、キャラクターを決める過程や展開の過程があまりにお粗末だと思ってしまいます。ゆるキャラに係る総額で、別の何かを成し得ることはできなかったのだろうか?と思えてなりません。
「ゆるキャラに人気が出れば、消費が進む」という単純思考。実際にゆるキャラに人気が出る保証もなければずさんなプランニングや過程。
キャラクターの力が全く及ばないとは言わずとも、「消費が進む」のは「商品力」。キャラクターはそのお手伝い。キャラクターが載っているから消費、私はそう思って購入したことはありません。もしそのキャラクターが気に入ったのなら、キャラクター商品を買います。
そもそも1部を除いて「ゆるキャラ=自治体名」が定着していない気もします。自治体名が印象にないゆるキャラの一人歩き。

自治体としての政策であるならば、進めばそれが終わるまで止めることはできないのかもしれません。
やってみなければわからない部分があるのは、確かにその通り!でも今回のゆるキャラは、「自治体のギャンブル」だったと言えるかもしれません。
自治体の「まちおこし(特に経済)」の関わり方を再考すべきですね。

観光においては確かに一役買ったと言えるでしょう。ブームに乗って楽しい気持ちになれたのも事実です。しかしその為に莫大な税金が投入されてとなると、やっぱり疑問しか残りません。

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